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映画「ハマのドン」を観る [映画(は行)]

最近、政治家のドキュメンタリーを観る機会が増えたのですが、
これも予告編を観て気になっていた作品、田端のChupkiさんへ観に行きました。
ハマのドン.jpg
内容は映画.comさんより。

2019年8月、「ハマのドン」と呼ばれる91歳の政治家・藤木幸夫が、
横浜港へのカジノ誘致阻止に向けて立ちあがった。地元政財界に顔が効き、
歴代総理経験者や自民党幹部との人脈も持つ保守の重鎮が、
政権中枢に対して全面対決の姿勢を示したのだ。
決戦の場となった横浜市長選で藤木は、住民投票条例の署名を法定数の3倍も
集めた市民の力にすべてを懸けた。
 
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なんだか藤木さんのPRビデオみたいな感じでした。(^^;

自民党の重鎮と言われるような方なのでプライドも人一倍高いのだろうな、
(菅さんを支援したのに恩知らずだと不快に思っているようなところとか)
そんな雰囲気が漂っていましたが、横浜のカジノ誘致に当初賛成してたものの、
カジノはよくないと反対派に転じてから市民活動も支援する姿、
父が立ち上げた港湾事業で893との関係があったこともあって、
ある意味、裏も表も知っているという点は強みなのだろうと思いましたが、
市民(と自分の父から受け継いだ事業も)と横浜を守る、このくらい声が大きな
人がいなければ世の中動かないんだなと改めて思いました。

政府の操り人形みたいにカジノカジノと誘致しようとしていた林前市長、
この方も最初にメディアに登場したとき、女性で外車のトップセールス、凄いなあ、
と強い女性の登場を快く思っていた私も政界に進んでいくうちに色々な利権や力に
操られてあんな人相になってしまうのかと思ってしまいました。

今回のドキュメンタリー、カジノの是非について考えるよいきっかけになりました。

参入したい外資系カジノ運営会社は、日本は公営ギャンブルやパチンコ屋があるのに
なぜカジノはダメなんだと主張して一見まともなこと言ってるようにも思えますが、
1兆円で建設したカジノ、客の大半は日本人、決して客が勝つことのないカジノで
日本人から投資以上を吸い上げようとしているのがアカラサマで、
参入がらみの利権で捕まった政治家がいるくらいなので、あの手この手で政治家に
甘い汁を吸わせているんだろうなと観ていてムカつきました。

パチンコもおそらく利権が色々渦巻く世界でしょうし、公営ギャンブルは管轄する
お役所(競輪だと経済産業省、とか)に力を持たせるような世界でしょうし、
私は依存するほどのめり込んだことがないとはいえ、結局賭けてトータルでプラス、
という人よりマイナスの人の方が多い(胴元が必ず儲かる)ものだと思っています。

この映画で一番面白かったのはアメリカでカジノ施設の設計を行っている日本人で、
一度入ったら簡単に外に出せないような(なんとかホイホイみたいだなと思った)
設計の説明や、いたるところに監視カメラを設置している話(不正を許さない)、
アメリカではカジノ施設が飽和状態でゴーストタウン化したアトランティックシティの
現状も映し出しながら、カジノで生計を立てているのに内情暴露して大丈夫?と
心配になるくらいカジノのからくりと現実について語ってくれました。

カジノ、というと、ハマコーがラスベガスで莫大な金額(何億でしたっけ)を
一晩ですってしまった、とか(マネーロンダリングにハマコーが使われた?)、
幸福の条件 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: パラマウント
  • 発売日: 2017/09/21
  • メディア: DVD
住宅ローンが払えなくなって自宅を手放さなければいけなくなった夫婦が
大金稼ごうとラスベガスに行くという話の映画、
(稼いでいるうちにやめておけばよかったのに、という話)
こういうイメージが強いのでいい印象はありませんが、とはいえ、
一生に一度ラスベガスにいってスロットマシンをやってみたい、という気持ちも
未だに持っています。(でも、行くことはないと思っています)


今回のカジノ誘致の是非について観ていると、政治家が動くのってお金で、
最近もあまりに世間ずれしているブライダル補助金を声高に叫んだ政治家が
業界から政治献金もらってたとか(アホですねぇ(笑))、
自分の懐が温かくならないと政治家は動かないのかよといいたくなるようなことばかり
(Go Toも旅行業界に力を持つN階さんの影響が大きかったと思ってる)
税金上がって物価上がって社会保険料も上がってお給料が上がらない( ノД`)シクシク…
平成30年で国力下がっても強い日本とか思い込んで海外にばら撒きまくる政治家、
エッフェル搭の前で撮った写真をSNSに載せる政治家の無神経も口あんぐりでしたが
その上、外国人にカジノ作らせて国民を更に貧困に陥れようとするのか、
藤木さんのPRと思うより、「どこに目玉がくっついてるのよ」と言いたくなるような
政府というか政治家の姿勢をあれこれ思い浮かべながら中盤からはひたすらムカついて
映画を鑑賞するような状態で観終わりました。

というわけで、国民目線で考えるような政治家に投票しないといけないな、と
改めて思った「ハマのドン」でありました。


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映画「はりぼて」を観る [映画(は行)]

Amazon Primeのおすすめに出てきた映画です。
はりぼて.jpg
あらすじやYahoo!映画さんより。

2016年8月、ローカル局のチューリップテレビが
「自民党会派の富山市議 政務活動費事実と異なる報告」というスクープを
報道したことにより、
およそ半年で14人の市議会議員が辞職した。
富山市議会は政務活動費の使い方についての厳しい条例を制定するが、議員たちは不正が
発覚しても開き直って辞職せず、居座るようになってしまっていた。

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赤信号みんなで渡れば怖くない。(笑)

パンケーキを毒見する [DVD]

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  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2022/06/03
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故郷に銅像が出来たニュースで久しぶりにお姿を観たスガちゃんの映画とか
(令和に銅像ってあとは勲章と肖像画がほしいのかな、なんて思ってしまった)

妖怪.png
最近見た岸信介のお孫さんの映画とか、

国会議員もそうですが、一度なってしまえばあとはやりたい放題に見えてしまいますね。
人口減なのだから議員数を減らすべきなのにそういうところには触れないし、
報酬はちゃっかり引き上げたり(一般庶民の収入は上がらないのにね)、
領収書の要らない経費を使えたり、新幹線もグリーンに乗れちゃったりするし、
ごく一部なのかもしれませんが選挙で勝てばやりたい放題だと、投票した国民にも責任が
あるのだろうと思っています。

こういうことは全国各地の自治体の議員でもないわけないだろうと思っていたのですが、
この作品を見て怒りながらあまりに酷くて笑ってしまいました。
(とはいえ、これが自分の住む自治体だったら怒りしかないと思いますが。。。)

今作は、最初は有耶無耶にしようとする議員がどんどん証拠を突き付けられて、
起訴されていく、しかも一人ではなく次々と、、議会の浄化を図っていく過程でも、
私はそういうことはないという議員が実はおまえもやっていたのではないかという結末、
人間って隠せると思って嘘をついてそれが暴かれる、その場面がいかに愚かで間抜けか、
そう思ってしまう映画でした。

冒頭に登場する富山市議(60代後半)は、議員報酬の引き上げ(10万円)について、
国民年金が2ヵ月で6万円しかもらえないでどうやって生活するんだと取材する記者に
上から目線の偉そうな態度で切れるのですが、一般の人たちはそれでも生活しようと
バイトしたり努力するのにこいつは報酬上げて当然なんだと思って口あんぐりでした。

また、市議が除雪作業を行ったりすることもあるし、金沢市議並みに働いているから、
彼らと同レベルの報酬をもらうべき、という無理矢理こじつけたような理由を
当然とする態度は、自分たちさえよければいいのかと思ってしまいますね。

富山市議会の様子も頻繁に映し出されるのですが、この報酬引き上げについて
何度も質問される富山市長(当時)の態度が観ていてこれまたムカつく感じで
制度上コメントする立場にないと逃げようとする(その表情が悪代官みたい)、
質問する記者にも傲慢な態度で接しているように見えるのが嫌な気分になりました。

まあ、こういうのって作り手(メディア)側の作為も働きがちですので、
反対側(取材対象)をよく見せないような力も自ずと働いてしまうかもしれませんね。
(とはいえ、取材対象(議員)側から描いても今回はダメだろうな、と思います)

今回に限らず、人間ってこれまでの生き様が顔に出やすいように思うのですが
出て来る人の大半が既得権益享受で市民を上から見下ろす感じが顔に出ている、
そんな人ばかりでした。

議員報酬を正当化する議員の大半が自民党(議会に占める割合が富山市は多い)、
政務活動費を100%使い切る(⇐使い切らない自治体が多い中目立つ)、
その使い切りが不正だらけというのを数多くの地元のチューリップテレビの記者が
山のように積み上げられた領収書を地道に調べて不正を炙りだして議員たちに切り込む、
忖度&偏向報道が当たり前に行われる腐れメディアの中にもこういう真実を暴く行動力の
ある記者がいることにホッとしました。

最初は不正を指摘されても否定し続けていて真実が暴かれると記者会見で頭を下げる、
10年近く前に城崎温泉にカラ出張していたことが暴かれて号泣会見していたののちゃん
これも彼だけでなく他にもやっている人いるだろう、とメディアが取材を進めなかった、
そんなことも全国の自治体や国会議員が不正を働く温床をつくっていたことにつながる、
と思いました。

不正が暴かれていく中で、役所内での責任のなすりあい、情報請求者は匿名なのに
逮捕前の議員に役所が連絡するという愚行まであらわになっていくのを見て、
公務員や議員、どこを向いて仕事をしているんだ、自分自身の利益やそのために
逆らってはいけない上司などの方を向いて(市民や国民のためにという目線なく)
行動するようになっていく中で良心の呵責とかなくなっていくのかもしれませんね。

それが暴かれていくうちにお詫びの連鎖が広がっていく様子に、
悪事は隠し通せるわけないのになあ、と思いながら観ていたのですが、
10人の議員辞職(⇐不正した人が辞職)後も不正がまだまだ炙りだされていって
自民党最大会派が大きな力を持つ富山市議会も映画の中で描かれた不正が裁かれる
ことによって議員の若返り(要は当選回数の多い高齢の議員の不正が多い)、
政務活動費の使用が100%使いきりから62%まで下がったという効果、
この不正を暴いていった五百旗頭幸男さんというキャスターが監督した今作ですが、
彼はその後、拠点を石川テレビに移し、ドキュメンタリー制作をされているそうなので、
今回のような骨太(でもかなり笑える)の作品を今後も見たいと思いつつ、
この作品が警鐘になって悪いことをばれなければ、みんながやっているからいいだろう、
と行っている議員が少しでも減ってほしいと思った「はりぼて」でありました。




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映画「PascaLs しあわせのようなもの」を観る [映画(は行)]

最近見た映画で知ったパスカルズのドキュメンタリー映画が
田端のチュプキさんで封切りされるというので観に行きました。
pascals.jfif
映画の内容は、映画.comさんより。

ロケット・マツ率いるアコースティックオーケストラバンド「パスカルズ」の
ドキュメンタリー。
1995年に結成され、幸福感に満ちた独自のサウンドで人気を集めるパスカルズ。
「さかなのこ」「川っぺりムコリッタ」など映画・テレビドラマ・舞台の音楽も数多く
手がけ、海外でもフランスを中心に高く評価されている。
約25年間にわたって同じメンバーで活動を続けてきた彼らだったが、2020年4月、
チェロを担当する三木黄太が急逝。
コロナ禍の2021年春と翌22年春に開催された追悼ライブの模様を中心に記録し、
“不在という在り方”を抱える彼らの音楽を映し出す。
監督は「奈緒ちゃん」「いまはむかし 父・ジャワ・幻のフィルム」などの
ドキュメンタリー映画監督・伊勢真一。
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パスカルズ、というと、



この映画で久しぶりの知久さんの姿に驚き、





さかなのこ DVD

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  • 出版社/メーカー: バンダイナムコフィルムワークス
  • 発売日: 2023/02/24
  • メディア: DVD

ギョギョっとしながら音楽を楽しんだのですが、
知久さん、石川さん(元たまのメンバー2人)しか知らずどういうバンドなんだろう、
そんな興味もあって今回鑑賞してみたら(内容一切確認せず)
3年前に急逝したメンバー(チェロの三木さん)の不在をメンバーのみなさんが
どのように受け止めながら演奏していくのか、という姿を映し出す作品でした。

25年という長い間、一緒に過ごしていた仲間が急に目の前からいなくなる、
そんな状況を経験したことがない私には、メンバーの皆さんの気持ちを共有する、
というのが最初は難しく思えたのですが、亡くなった翌年のライブ、
そしてその翌年のライブの様子を見て、皆さんが三木さんの存在をふんわりと感じて
いく様子を感じられたような気がします。

三木さんが作曲した「溝」という曲を演奏する場面で、
みんなが難しい曲と言うだけあって、途中で「もう一度やり直したい」と
申告するメンバーが現れます。(それを面白がる知久さんの姿が面白い)
結局オンライン配信しているライブでありながら同じ曲を4回演奏する、
その光景がどこかほんわかしていて作曲した三木さんがほくそ笑んでいるような、
会ったことがない人なのに(画面越しにお写真や生前のお姿は拝見)どこか親近感を
感じる場面でした。


”不在という在り方”ってなんだろうと思いながら観たのですが、

(伊勢監督のnote)https://note.com/isefilm/n/n7a2434015af5

人は誰も、誰かしらの「不在」を抱えて生きている、

と、伊勢監督が仰るように、大切な人の不在は悲しく寂しいものですが、
時間の流れにまかせて不在であることを受け止めていくことができるのではないかな、
そんな気持ちになりました。

終演後に石川さんとリーダーのロケット・マツさん、伊勢監督のトークショーに
参加する幸運に恵まれたのですが、気を張らずゆるゆる続けることで長い間で築いたもの、
パスカルズの唯一と思える音楽を聴きながら感じることができた、
「PascaLs しあわせのようなもの」でありました。

(イシマツ(⇐石川&ロケット・マツ))による演奏もありました♪
2023-05-13_16-57-53_000.jpeg2023-05-13_17-03-58_000.jpeg





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映画「パリタクシー」を観る [映画(は行)]

今朝8時に投稿予約したつもりでいたら下書きのままになっておりました。(笑)
いつもと違う時間帯のアップとなってしまいましたが、
明日はいつもの通り、8時に記事をアップする予定です。(^-^)
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昨日アップした「妖怪の孫」を観おわった10分後から鑑賞した作品
(定期券がないので都内に行くときはまとめて映画を観るようになりました(笑))
`paris.jfif
あらすじはYahoo!映画さんより。

パリでタクシー運転手をしているシャルル(ダニー・ブーン)は、
金もなければ休暇もなく、免許停止寸前という人生がけっぷちの状態にあった。
ある日彼に、92歳のマドレーヌ(リーヌ・ルノー)をパリの反対側まで送り届ける
という仕事が舞い込んでくる。
彼女の頼みでパリの街のあちこちに立ち寄るうちに、マドレーヌの知られざる過去が
明らかになっていく。


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一期一会。

偶然による巡り合わせが生み出した化学反応というか、
ご縁とか運とかそういうものがもたらす幸せを感じられる映画でした。

邦題にちょっと違和感があったのですが、
原題は"Une Belle Course"、美しいコース(走行?)、
英語題は"Driving Madeleine"で、
ドライビング Miss デイジー [DVD]

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  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2015/02/18
  • メディア: DVD
この映画と同じ、、ではありません。(^-^;

最初は何もかもうまくいかずに悶々(というかイライラ)しているシャルル、
彼が迎えに行くときからメーターを倒していいからとタクシー会社に言われて
渋々ながら向かった家で待っていたのがマドレーヌ。
1人暮らしで転んで骨折したり(他人事に思えませんでした(^-^;)
パリの反対側にある施設に行くという事情を聴いてただ送り届けるだけ、
と思っていたのですが、施設に入ったら自分の思うように出かけることも叶わない、
と思ったマドレーヌが寄り道したいと第二次世界大戦の頃からの思い出の場所を
巡っていくうちに彼女の激しい人生(の回想場面)が描かれていきます。

パリ解放、16歳で米軍兵マットとの恋、別れ、そして生まれた息子。
マドレーヌが語る表情が乙女で、キスの味も覚えていると話していて
微笑ましい気持ちになったものの、その気持ちが一転します。

愛のない結婚(今のフランスのように事実婚制度もなかった)、
DVが息子マチューにも及びそうになったことから、
マドレーヌは夫に対して事件を起こしてしまいますが、
今の時代であれば情状酌量だったかもしれないものの、1950年代、
陪審員は全員男性、マドレーヌの訴える真実よりも夫の嘘を信じて
マドレーヌは有罪、禁固刑で刑務所に入ってしまう。

模範囚として13年後に大学生となったマチューと母の元に戻るものの、
息子は犯罪者の母を持ったことで辛い思いをずっとしていたこと、
自分のやりたいことをやりたいとジャーナリストとしてベトナム戦争の
戦地に赴き命を落としてしまう。

このあたりまででマドレーヌの話は終わりますが、そこから50年あまり、
彼女はどうやって暮らしてきたのか、それは本人の語りではなく、
シャルルの妻がネット検索することで最後に分かります。

最初は、お婆ちゃんをさっさと施設に送ったら仕事終了、
と思っていたシャルルも、マドレーヌの話を聞いて、寄り道しながら
自分のことも語るようになり日が暮れてからもタクシーは走り続け
(免停寸前のシャルルを警察の尋問からマドレーヌが助けてくれる場面も)
一緒にシーフードの晩餐を食べた後、マドレーヌがの助手席に座り
シャルルと楽しそうに語る場面には、運転手と客という関係を越えた2人、
初めてあって数時間一緒に話していてこの関係性が生まれるなんて本当に
偶然も偶然の一期一会だろうと思わず目頭が熱くなりました。

当初の到着予定時間を大幅オーバーして施設に到着し、2人は別れますが、
その後の展開には半世紀以上生きてきた私も涙腺が崩壊しました。

息子を亡くして独り身のマドレーヌが初めてあったシャルルに心を開き、
シャルルもどうにもならない日々をマドレーヌと話したことで打開していこう、
そんな前向きになっていく姿、人生を折り返した人であれば、この2人に対して
何かしら共感できる部分があるのではないかと思いました。

パリの風景とジャズのBGMで重い雰囲気を軽めにしてくれた効果があると思いますが、
結末を分かった上で、改めて最初から見直してみたい、また2人に画面越しで会いたい、
そう思える映画「パリタクシー」でありました。












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映画「ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill」を観る [映画(は行)]

大好きなオードラ・マクドナルド様が主演のミュージカルの映画化と知り
銀座の東劇まで観に行きました。
ビリーホリデイ.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

1900年代前半のアメリカ・ニューヨーク。
ビリー・ホリデイ(オードラ・マクドナルド)は豪華なナイトクラブで歌う日を夢見ていた。
悲惨な日常から逃れるように麻薬やアルコールに溺れていくが、音楽仲間やファンに
支えられ、ジャズシンガーとして成功する。
しかし、長年のアルコールへの依存は彼女の体をむしばんでいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

切ない。(:_;)

ビリー・ホリデイが活躍されたころは私が生まれる前なのでリアルタイムでないせいか、
名前は知っていた&ドラックとアルコール依存症だった歌手、という程度の知識で、
(同年代のエラ・フィッツジェラルドは長生きされたので私も知っている)
殆ど知らない状態で鑑賞したのですが、黒人差別の時代の中で翻弄されながら
歌い続けた人、という印象を受けました。

ビリー・ホリデイがこの世を去る4か月前、
フィラデルフィアのEmerson's Bar & Grillで開催されたライブの再現、
オードラ・マクドナルドが演じた舞台(2014年みたいです)を記録した映画で、
実際のライブを見ていないので再現度については分かりませんが、
冒頭で軽快に歌っていたのが途中からお酒を呑み始め、精神が不安定な状態で
自身について語り、歌い、見ていてとにかく切なくなる姿、でも惹かれてしまうのは
演じていたオードラ・マクドナルドの素晴らしい演技と歌によるものなのでしょうね。

黒人差別が激しいアメリカ南部のフィラデルフィアの貧しい家で生まれ、
(曾祖母が働いていた農園の主人(アイルランド系)に犯されて生まれたのが祖母)
母の強要で若い頃には売春させられ、そこから脱出しようと受けたオーディションで
歌手としてのキャリアを始めるのですが、ツアーでも黒人差別を受け
(レストランでも倍の値段を払って蒸し暑い厨房で食事をするのがやっとで、
 お手洗いも使わせてもらえない屈辱を受けた話もライブで披露していました)
父は急病でも黒人を診察してくれる病院がなくこの世を去るという悲しい経験も。

歌手としては着実にキャリアを積んでジャズ歌手として成功しますが、
トロンボーン奏者で麻薬の売人でもあるジミー・モンローとの出会いによって
麻薬とアルコールに依存するようになります。
wikiにはもう一人ジョー・ガイと出会いヘロインにもおぼれていくと
 書いてありましたが、映画の中ではこの話は出てこず)

大麻所持で逮捕され刑務所で服役している間に、NYでのキャバレーでの労働許可証が
失効し(映画では”盗られた”と言っていましたが実際は失効したみたい)、
出所後、NYのキャバレーで歌うことができなかったこと、その後はアルコールと麻薬、
依存して更には精神も壊れていった、映画を見ていても、その後wikiを読んでも
とにかく切ない気持ちにしかなれない己がおりました。

映画を観ていて思い浮かんだのが、
AMY エイミー [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2017/01/11
  • メディア: Blu-ray
エイミー・ワインハウスのドキュメンタリー映画だったのですが、
純粋に歌が好きで歌いたいだけなのに、クズ男との出会いによって
薬とアルコール漬けになって(それでもクズ男のことを愛している)
この世を去ってしまう、時代が違うとはいえ、どこか重なってしまいました。

映画で映し出されるライブの中で衝撃を受けた歌が「奇妙な果実」。
映画を観るまで知らなかったのですが、「南部の木には変わった実がなる」、
なんの木だろうと聞いていたらアメリカ南部での黒人リンチの歌だと分かります。
(肉の焼けたにおい、という歌詞を聞いてゾッとしました)
wikiによれば、この曲でビリー・ホリデイの名声が確立されたというので、
最初に歌うことに躊躇った彼女が覚悟を決めて歌うことによって人の心に
響いたというこおtなんだろうなと思いました。

今回の舞台、実際見た人はもっと感激したのだろうなと思いながら、
大画面に映るオードラ・マクドナルド様を拝んで感激して観終わりましたが、
折角いただいた機会、ビリー・ホリデイの歌をたくさん聞いてみたいという気持に
なれた「ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill」でありました。



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映画「ハッピーバースデイ~みんなみんな生まれてきてくれてありがとう~」を観る [映画(は行)]

田端チュプキさんで鑑賞した映画です。
happy.jpg
映画のあらすじはチュプキさんのホームページより。

山口県萩市の団地で、母(メイ)と、母の再婚によって兄となった海と、
三人で暮らす フィリピン人ハーフの高校二年生の阿武マリ。
マリには、育ての親として一時、一緒に暮らしていた二木宏太郎という若い父親がいた。
二木は事件をおこしたことで、マリと一緒に生活できない環境にいた。

愛情表現がおたがいにうまくいかない母と娘、メイとマリ。
マリは学校でも友人たちとうまくいかず、マリを心配しすぎる兄の存在もうとましく、
育ての父が経営するゲストハウスに身をよせるようになる。
マリの誕生日にゲストハウスに集う、萩の仲間たち。
マリは、自分の気持ちを確かめるように、新たな一歩をふみだす。
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血のつながらない家族の物語。

と、映画紹介の所に書いてあって、どういうことなのかと思ったら、
高校生のマリ、と血のつながるフィリピン人の母メイは自分の子供に無関心、
(書類の保護者欄に署名してほしいと頼むメイにもちゃんと応えられない)
一方、血のつながらない義理の兄の海、と、以前育ての父として一緒に暮らしていたが
ある事件をきっかけに離れ離れに暮らすようになった宏太郎の2人。
この2人とマリを中心に映画は描かれています。

海がメイのことを心配し過ぎて逆にメイが煙たがるのに対し、
宏太郎と周囲の人たちとの関係にメイが心を開いていく、かと思ったら、
そう簡単にもいかないもので、血のつながりがあれば法的にも優位に立てるのに
血のつながりがないという理由で理不尽な思いをすることもあるのだなと思いました。

アル中で暴力沙汰を起こしたことがきっかけでメイ(マリの母)と別れ、
(そもそもメイと結婚した理由もメイが好きというより、マリが心配だったから)
マリとも引き離された宏太郎にも過去の事件のことが原因で辛い目に遭う訳ですが、
今作を描くにあたってどうしようもないダメ母として設定されていたメイ、
何かの仕事で働いているものの家に帰ってきても呑んだくれて子供の世話はせず、
(でも、マリがそんな母でも見捨てることがない姿にジワリました)
そんなメイ(という存在の設定)が何だか不憫に思えてしまいした。
とはいえ、そのメイの存在がないと今作は描くことができないわけですが。(^-^;

登場する人物、誰もが共感できる部分とそうでない部分が混在していて、
誰か一人に偏って共感するようなことはなかったのも面白い映画ですが、
血のつながりがなくても国籍が違っていても家族のようになれるのか、
正解はないのだと思いますが、そういうこともアリ、なのでしょうし、
世の中に無駄な命はないのだろう、と感じました。

(映画紹介記事)https://www.asahi.com/articles/ASQ9676J7Q95TZNB00H.html

今作は山口県萩市の萩ツインシネマが製作し、全編萩市ロケ、
山口県は未踏の地(唯一行ったことのない都道府県です)、スクリーンに映る海、
ゲストハウスや懐かしい雰囲気の映画館、訪れたいなあと映画を観ながら思いました。

私自身は、血のつながった親と兄、とさほどの大波もないまま現在に至りますが、
世の中には色々な環境の人がいて、血のつながりがないけれど家族として過ごす、
そういうこともあるのだな、と思いながら、高齢の母(婆1号)、兄と家族で
いられることに感謝しつつ、彼らと大事に過ごしていきたいなと思った、
「ハッピーバースディ~みんなみんな生まれてきてくれてありがとう~」でありました。




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Amazon Prime「ホイットニー・ヒューストン スポットライトの光と闇」を観る [映画(は行)]

Amazon Primeで見つけたドキュメンタリー作品です。
ホイットニー・ヒューストンのことはもうそっとしておいた方がいいと思いながら
Amazon Primeのお勧めに出てきたので迷ったものの鑑賞しました。
ホイットニー.jpg
あらすじはAmazonさんより。

2012年に突然この世を去った伝説の歌姫ホイットニー・ヒューストンと、
その3年後に奇しくも母と同じ形で不慮の死を遂げた一人娘のボビー・クリスティーナ。
強い絆で結ばれた母娘だったが、2人は次第に薬物やアルコールに依存していく。
ホイットニーの輝ける人生はなぜ転落したのか?


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邦題ではミスリードするのでは、という内容でした。
原題は”Whitney Houston & Bobbi Kristina: Didn't We Almost Have It Al”。
ホイットニーと娘のボビー・クリスティーナ2人について描いた作品です。

私がこれまでに見た2作品、
ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー[DVD]

ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー[DVD]

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2019/08/09
  • メディア: DVD
ホイットニー.jpgプロデューサー目線で描いた作品、
ホイットニーヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY

どこの目線から見るかでずいぶん変わるんだなあと思ったのが今作で、
ホイットニーと娘ボビー・クリスティーナ2人を映し出しているというか、
後半、ホイットニーが亡くなってからはクリスティーナの不審な死について
推測ベースながら真相に近づこうとしているように見えました。
今回は、平成初めに聴いていたアーティストの、
High Priority

High Priority

  • アーティスト: Cherrelle
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD
ぺブルス(限定盤)

ぺブルス(限定盤)

  • アーティスト: ペブルス
  • 出版社/メーカー: Universal Music
  • 発売日: 2022/09/21
  • メディア: CD
この2人(懐)がホイットニーの友人として登場していて
同じ時代に歌っていたから仲がよかったんだ、と今更ながら知ったのですが、
2人が元夫のボビー・ブラウンについては悪い人ではないと話していたのが
少々意外でした。

どちらかというとホイットニーが不審死したことに対する疑念、
そしてボビー・クリスティーナも母と同じような形で亡くなったことに対して、
ボビー・クリスティーナと結婚したニックが2人の死の原因だという推論に至る、
そこを描きたいがためのドキュメンタリーなのかと思いました。

彼女たちが亡くなったことに対して無念の方々が気持ちのもっていきどころを
求めて作ったような、実際会ったことがない有名人たちのことについて
本当のところは私にわかるわけもないですし、作り手側のバイアスのかかり方、
そんなものも作用して、ホイットニーと娘が亡くなってもなおこうやって
様々な映像作品がつくられるのだなあというのが正直な感想でした。

若い頃から薬物に手を染めていたホイットニー、と同じように薬物中毒に
なっていったボビー・クリスティーナ、ある意味、有名人であってもなくても
薬物に対する影響を警鐘する意味合いも持たせたかったのかもしれませんが、
(日本でも昔「薬やめますか、人間やめますか」みたいな広告ありましたよね)
インタビューで登場するホイットニーの義理の妹を見ていると、ホイットニーの
薬物中毒を加速させた一人にも見えて、でも止めてあげられなかったと泣く姿、
亡くなった人は何も反論できないし、という気持で観てしまいました。

薬物問題はアメリカが抱える大きな社会問題であるということを描きたかったのかな、
とも思ったのですが、この手の作品を何度も観てもホイットニーが亡くなったこと、
娘も20代前半で早逝した事実は変わらず(でもボビー・ブラウンは生きている)
今後はこの手の映像は観ず、純粋にホイットニーの音楽だけ楽しもうかな、
そんな気持ちになった「ホイットニー・ヒューストン スポットライトの光と闇」、
でありました。



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映画「ひみつのなっちゃん。」を観る [映画(は行)]

ドラァグクイーンの話、興味を持って映画館に観に行きました。
ひみつ.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより

ある夏の日、元ドラァグクイーンのなっちゃんが急死する。
翌日、なっちゃんが営んでいた店に集まったバージン(滝藤賢一)、モリリン、ズブ子の
ドラァグクイーン3人は、なっちゃんが自身のセクシャリティーを家族に秘密にしていた
ことを知る。秘密が遺族に知られないよう彼女の家へ片付けに向かうものの、
なっちゃんの母・恵子(松原智恵子)と鉢合わせてしまう。
彼らは何とかその場を切り抜けるも、恵子から故郷の岐阜県郡上市に来て葬儀に
参列するよう頼まれる。


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松原智恵子さんが可愛くて全部もっていった感じ。(^-^)

ドラァグクイーンものといえば、
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映画版ミュージカル版も大好きな「プリシラ」や

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いずれも3人のドラァグクイーンによるロードムービー、今作も3人ですが、
珍道中するには3人というのが座りがいいのかな、と今作でも思いました。

事前にあらすじを読まずに鑑賞していたので、「なっちゃん」=主役の滝藤賢一さん、
と思っていたら全然違っていて(笑)、それはそれで軌道修正したので良いのですが
滝藤さん演じるバージンがドラァグクイーン姿で踊る場面が冒頭のみ、
後半で、ズブ子とモリリンがドラァグクイーン姿で踊るものの、バージンは参加せず、
ちょっと物足りないというか、こういう演出なんだなあ、とあっさりとした展開が
残念でした。

上場企業で働いている(経理)バージンの職場での雰囲気、同僚たちがバージンが
ゲイであること(服装も女性ぽい)を受け容れて和気あいあいとしている様子、
時代なのだろうな、と観ていてほほえましい場面も盛り込まれていましたが、
地方(今回は郡上八幡)に行くと同性愛者に対して冷たい、、かと思ったら、
温かく受け容れてもらっていて拍子抜けした後ほっとしました。

過去に観たドラァグクイーンものの映画と比べるとおとなしいというか、
もうちょっとドラァグクイーンとして生きる人生の喜怒哀楽みたいなものを
もっと描いてくれたらよかったかなあと思ったのですが、3人の中でも
綺麗というよりかわいい(面白い)系のドラァグクイーンのズブ子を演じた
前野朋哉さん、色々な実在のドラァグクイーンを混ぜたような感じで
とびぬけた演技が清々しかったのですが、
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昨年の今ごろはまっていた日テレのドラマに出演していたときは、
映っている時間の恐らく半分くらいが殺された後の死体で、
そのイメージ(どこか暗い感じ)が強かったので、
今回のズブ子を見て、俳優さんの振れ幅の広さ、演技力の凄さを
実感しました。前野さん、凄い。

3人のドラァグクイーンがなっちゃんのお葬式に参列するために
郡上八幡に行く、それまで知らなかったなっちゃんの一面を知りながら
珍道中の末にたどり着き、そこで知る事実。
母は強し、子供のことはなんでも知っているんだなあ、と
うつぼ母(婆1号)のことを思い浮かべながら、改めて母に感謝しないと、
という気持で観終わった(そういう意味で松原さんが最後に総取り的な)
「ひみつのなっちゃん。」でありました。













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映画「ひかり探して」を観る [映画(は行)]

昨年末、何か映画を観ようと都内の映画館の上映作品を探していたら
不定期で大塚のシネマハウス大塚でも映画上映されていることを知って
久しぶりに大塚駅で下車して観た韓国映画です。
ひかり.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

ある離島で、セジン(ノ・ジョンウィ)という少女が遺書を残し、絶壁から身を投げる。
休職から復帰した刑事ヒョンス(キム・ヘス)は、少女の失踪を自殺として事務処理する
ように命じられて離島を訪れる。
セジンは、死んだ父が関係した事件の重要参考人として村で保護観察を受けており、
彼女の保護を担当した元刑事や最後に彼女を目撃したろうあの女性らから話を聞くうち、
ヒョンスは彼女の孤独と苦悩に胸を痛める。
そして自身と彼女の人生が似通っていると感じ、徐々に感情移入していく。


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人生を再生する話でした。


この作品で桃アレルギーのお手伝いさんを演じていたイ・ジョンウンが
クレジットされていたので観に行ったのですが、冒頭にちょっと違和感のある場面が
あって、イ・ジョンウン、やっぱり重要な役割なのだろうと思いながら観ていて
思っていた通りの展開でホッとしました。

原題は「私が死んだ日」なので人生をやり直す話としては原題の方がミスリードが
ないような気がしたのですが、人生をやり直すために光を探していく、という意味でも
まあありなのかな、と思いました。(邦題をつい原題と比べてしまう性格です)

離婚調停中(ダンナが浮気)、自動車事故を起こして休職中だった刑事ヒョンス、
亡くなった父親が犯した罪の重要参考人として小さな島に匿われていたセジンが
失踪し断崖から飛び降りたとみられる件について復職の条件として事務処理を
指示される、自殺と断定すればよいだけの簡単な事務処理のために島に渡ったヒョンス、
島に渡ってから島の人々にセジンについて聞き込みしていく中で、
消えたセジンと自分(ヒョンス)が似たような境遇にあると思えて、
セジンの失踪の謎を解こうと入り込んでいく様子が印象的でした。
(それが原因で職場で更に孤立していく姿が切なかった)

ヒョンス自身も男社会(女性の上司も男性優位組織でうまくやっていこうとして
ヒョンスに優しい姿勢を見せているものの味方になってくれることはない)で
事故を起こして休職し、プライベートではダンナが計画的に浮気し離婚を切り出し
調停が長引き孤独の中、自分の信念をつらぬこうとする、
セジンも大好きな父が亡くなり、服役中の兄(妹のことより遺産で頭がいっぱい)、
仲良かったはずの継母は失踪、誰にも頼ることができない孤独の中で島で過ごす、
その2人をつないでいたのがイ・ジョンウン演じる聾唖の女性でした。

島民の1人(港近くのお店で働く女性)がちょっと若めだけれどイ・ジョンウンに
似ていて、あれこの人?いや、リヤカー引いてる人がイ・ジョンウン?どっち?
序盤30分くらい判別つきづらくて迷いながら観ていたのですが、
どちらが重要な役柄に見えるか、で聾唖の女性に集中するとにしました。(^-^;

監督・脚本(パク・チワン)が女性で、主に登場する人たちも女性が多い作品で、
ヒョンス、セジン、聾唖の女性、環境も年齢も異なる3人が、傷ついたの同士で
どこか共感してつながっているのを自然に綺麗に描いていました。

真実について知ったヒョンス、ふっきれたような表情に見えましたが、
それから何年か経った後のセジンとの再会、明るい未来が2人に訪れるのではないか、
そう思わせるような終わり方でホッとしたのですが、つまづいてしまっても、
人生をやり直すことができると信じた2人の姿を(フィクションですが)見せて
もらった気分になれた「ひかり探して」でありました。



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映画「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」を観る [映画(は行)]

以前、ホイットニーのドキュメンタリーを見て切ない気持ちになったので
(亡くなったホイットニーが酷く言われていたのが悲しかった)
今作も観ようかどうしようか迷いながら映画館に行って鑑賞した作品です。
ホイットニー.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

ホイットニー・エリザベス・ヒューストン(ナオミ・アッキー)は歌手になることを夢見て、
シンガーの母シシー(タマラ・チュニー)の
厳しい指導を受けていた。
やがて母親のステージのオープニングアクトで歌声を披露したことをきっかけに、
ホイットニーはスターへの道を歩み始め、歌いたい曲を自分らしく歌うことに
こだわっていく。

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これは観てよかったです。


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このドキュメンタリーの時は観なければよかったかも、と思ってしまいましたが、
ホイットニーのお金に群がる身内や恋人、夫ボビーなどのインタビューの内容が、
亡くなって何も言えないホイットニーが気の毒にしかみえないような感じで、
嫌な思いをしかなかったものの、そのお陰というと変な言い方になるのですが、
ある程度の知識(ドラッグ、同性愛、汚い身内)をもって今回観られました。
今作は製作にクレジットされているクライヴ・デイビスの目線が強い印象で、
ホイットニーを見出してメジャーデビューに導いたプロデューサー(現在90代)、
映画の中では大好きなスタンリー・トゥッチが演じていましたが、
彼に対してホイットニーが素直に正直に自分の気持ちを伝えられる唯一の存在に
見えただけではなく、クライブ自身もホイットニーに何があっても見捨てずに
支え続けていた一面を知ることができたのはどこか救われた気持ちでした。

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この映画に関するエピソードの場面も(クライヴに渡された脚本を捨てたのに
相手役の名前(ケビン・コスナー)を聞いた途端、脚本を拾いなおすホイットニー)、
クスっとしてまたこの映画が観たくなりました。

同性愛の恋人ロビン、と、夫ボビー、2人の醜い諍い、どちらの側も言い分があるとは
いえ、間に挟まって一番つらいホイットニーの気持ちになって考えてあげられない様子、
自分が育てたからという理由だけでホイットニーの得たお金は自分のものだ、
儲けるためにホイットニーの体調も考えず過酷なツアースケジュールを組んで
嫌がるホイットニーにツアーを強行させる、彼女を単なる金の生る木にしか見ていない
父親の存在は本当にひどくて(金の亡者)、観ていて嫌悪感ばかりでしたが、
(ホイットニーのマネジメント会社の社員に会社のクレジットカードを渡して
 使わせていたことや、父自身も会社のお金を使い放題だったことは本当に酷い)
ステージママとはいえホイットニーの歌への情熱を理解し支えた母、と、
プロデューサーのクライヴの存在を知ることができてホッとしました。

と、ドキュメンタリーほど嫌な気分にならないで済んだのは、
クライヴのような存在のお陰もありますが、なにより素晴らしかったのは、
ホイットニーを演じたナオミ・アッキーの素晴らしい演技、
顔は全然似ていないのですが、
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この脚本家と、ムーヴィングコーチによる歌い方や姿勢、しぐさなどを徹底的に
再現したことによって、音源はホイットニー本人ですが(⇐というかそうすべきですね)
有名なスーパーボウルでの国歌斉唱も含めて、ホイットニーが乗り移ったかと思うほど
ドキュメンタリー映画のような、そこにホイットニーがいるのではと錯覚しそうに
なるほど素晴らしい演技でした。
そよ風の贈りもの

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  • 発売日: 2013/07/24
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このLP(笑)を大学生の頃に買ってその歌声に惹かれて、
アイ・ルック・トゥ・ユー

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  • アーティスト: ホイットニー・ヒューストン
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN Inc.
  • 発売日: 2009/09/16
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復帰作まで作品を追いかけた(大ファンというほどでもない割に)私、
デビュー作から最後の悲しい結末まで、、クライヴと共に歩んで作り出した作品、
ということを知って更にホイットニーの歌が唯一のものであると今回思いました。

両親が喧嘩ばかりしている貧しい家庭で育ち、自分は幸せな家庭を築きたかったのに
それが叶わず(娘のクリスティーナ・ボビーも早逝してしまいましたし)
稼がなければいけないプレッシャーと薬に頼ってしまうほどの精神不安定、
教会で歌っていたころからデビューして賞を総なめしている頃の輝いている姿から
どうしてそうなっていったのか、今でも思ってしまうのですが、
ホイットニーを見る目がファンから中ファンくらいになったというか、
ホイットニー自身のことを以前よりは理解できたような気持ちになれた、
「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DACNE WITH SOMEBODY」でありました。




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