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映画「ハッピーバースデイ~みんなみんな生まれてきてくれてありがとう~」を観る [映画(は行)]

田端チュプキさんで鑑賞した映画です。
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映画のあらすじはチュプキさんのホームページより。

山口県萩市の団地で、母(メイ)と、母の再婚によって兄となった海と、
三人で暮らす フィリピン人ハーフの高校二年生の阿武マリ。
マリには、育ての親として一時、一緒に暮らしていた二木宏太郎という若い父親がいた。
二木は事件をおこしたことで、マリと一緒に生活できない環境にいた。

愛情表現がおたがいにうまくいかない母と娘、メイとマリ。
マリは学校でも友人たちとうまくいかず、マリを心配しすぎる兄の存在もうとましく、
育ての父が経営するゲストハウスに身をよせるようになる。
マリの誕生日にゲストハウスに集う、萩の仲間たち。
マリは、自分の気持ちを確かめるように、新たな一歩をふみだす。
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血のつながらない家族の物語。

と、映画紹介の所に書いてあって、どういうことなのかと思ったら、
高校生のマリ、と血のつながるフィリピン人の母メイは自分の子供に無関心、
(書類の保護者欄に署名してほしいと頼むメイにもちゃんと応えられない)
一方、血のつながらない義理の兄の海、と、以前育ての父として一緒に暮らしていたが
ある事件をきっかけに離れ離れに暮らすようになった宏太郎の2人。
この2人とマリを中心に映画は描かれています。

海がメイのことを心配し過ぎて逆にメイが煙たがるのに対し、
宏太郎と周囲の人たちとの関係にメイが心を開いていく、かと思ったら、
そう簡単にもいかないもので、血のつながりがあれば法的にも優位に立てるのに
血のつながりがないという理由で理不尽な思いをすることもあるのだなと思いました。

アル中で暴力沙汰を起こしたことがきっかけでメイ(マリの母)と別れ、
(そもそもメイと結婚した理由もメイが好きというより、マリが心配だったから)
マリとも引き離された宏太郎にも過去の事件のことが原因で辛い目に遭う訳ですが、
今作を描くにあたってどうしようもないダメ母として設定されていたメイ、
何かの仕事で働いているものの家に帰ってきても呑んだくれて子供の世話はせず、
(でも、マリがそんな母でも見捨てることがない姿にジワリました)
そんなメイ(という存在の設定)が何だか不憫に思えてしまいした。
とはいえ、そのメイの存在がないと今作は描くことができないわけですが。(^-^;

登場する人物、誰もが共感できる部分とそうでない部分が混在していて、
誰か一人に偏って共感するようなことはなかったのも面白い映画ですが、
血のつながりがなくても国籍が違っていても家族のようになれるのか、
正解はないのだと思いますが、そういうこともアリ、なのでしょうし、
世の中に無駄な命はないのだろう、と感じました。

(映画紹介記事)https://www.asahi.com/articles/ASQ9676J7Q95TZNB00H.html

今作は山口県萩市の萩ツインシネマが製作し、全編萩市ロケ、
山口県は未踏の地(唯一行ったことのない都道府県です)、スクリーンに映る海、
ゲストハウスや懐かしい雰囲気の映画館、訪れたいなあと映画を観ながら思いました。

私自身は、血のつながった親と兄、とさほどの大波もないまま現在に至りますが、
世の中には色々な環境の人がいて、血のつながりがないけれど家族として過ごす、
そういうこともあるのだな、と思いながら、高齢の母(婆1号)、兄と家族で
いられることに感謝しつつ、彼らと大事に過ごしていきたいなと思った、
「ハッピーバースディ~みんなみんな生まれてきてくれてありがとう~」でありました。




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夏炉冬扇

フィリピンからの高校生が兄弟でいましたが、今はどうしているのだろう。イスラム教徒でしたね。
by 夏炉冬扇 (2023-02-17 11:23) 

溺愛猫的女人

素敵な映画を紹介いただきありがとうございます。
by 溺愛猫的女人 (2023-02-17 13:58) 

うつぼ

夏炉冬扇さん、こんにちは。
フィリピンというと結構近所でも見かけることが多いですね。
フィリピン人はキリスト教徒が多いのかと思っていましたが
イスラム教徒だと色々と日常生活で大変そうですね。
(昔、駅のホームで敷物を敷いてお祈りしている人を見たことがあります)

by うつぼ (2023-02-17 17:16) 

うつぼ

溺愛猫的女人さん、こんにちは。
Yahoo!映画などに紹介されていないのでそんなにマイナーな映画なの?
と思ってしまいましたが、こういう目線の作品ってありそうでないような、
機会がありましたら是非ご覧になってくださいね。
by うつぼ (2023-02-17 17:20) 

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