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映画「点と線」を観る [映画(た行)]

YouTubeの東映シアターオンラインというチャンネルでで昔の映画が期間限定ですが
無料公開されている中で、未見の作品ということで鑑賞しました。
点と線 [DVD]

点と線 [DVD]

  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • 発売日: 2014/07/11
  • メディア: DVD
あらすじはAmazonさんより。


博多郊外の香椎潟海岸の岩の上で男女の2遺体が発見される。
地元警察の見解は、合意の上の心中。
遺体の身元は、××省××局課長補佐・佐山と赤坂の料理割烹の女中・お時と断定される。
そしてお時の同僚・八重子が事情聴取で、佐山とお時の姿を東京駅で見かけたことを
供述する。
だが、この情死事件に得心のゆかない鳥飼刑事。
事件後1ヶ月、警視庁二課・三原刑事が鳥飼刑事のもとを訪れる。
この情死事件が汚職事件への関与をにらんでのことだった。
事件現場や目撃者証言からさらなる疑惑を深める三原。
東京駅に帰着した三原は東京駅で二人を見かけた八重子の証言を思い出す。
果たして、その真相の裏に隠されたものとは…。
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加藤嘉と志村喬が渋くてよかった。(^-^) (⇐でもそこは鑑賞ポイントじゃない)

点と線

点と線

  • 作者: 松本 清張
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/09/20
  • メディア: Kindle版
原作は実家にあった(婆1号が一時期松本清張作品にはまっていた)のですが
未読です。

原作と異なるのは犯人が結構序盤に分かっているということらしく
そのアリバイ崩しに時間を割いているつくりになっていたのですが、
犯人と推察される安田一人ではとてもできない、じゃあどうやって?
という推理になったところですぐ分かってしまいました。
安田の奥さんを演じていたのが高峰三枝子、絶対この人じゃん、って。(笑)
犬神家の一族 角川映画 THE BEST [Blu-ray]

犬神家の一族 角川映画 THE BEST [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2019/02/08
  • メディア: Blu-ray
犬神家(1976年(昭和51年)の方が今作(1958年(昭和33年))より
ずっと製作されたのが後なのですが、犬神家での展開を知っていたのもあって、
高峰三枝子さんのお姿を見て「この人も犯人だろう」と思ったわけで、
2時間サスペンスで登場した俳優さんで犯人かどうかを推測するくせが
ついているのはよくないのですが(笑)、病気で自宅にこもっている設定を
崩せば犯人だろうと思っていたらその通りになりました。
(推測が当たって素直に嬉しかった私です)

↑すみません、すっかりネタバレしてしまいました。(^^;

原作を読んでおけばよかったかも、、という気持になりましたが、
(松本清張作品あので推理小説というよりは社会小説なんでしょうね)
昭和33年といえば東京オリンピック前で新幹線もない頃、
特急あさかぜでの移動も今よりずっと時間のかかる時代、
東京から福岡(香椎)までメチャクチャ時間がかかったんだろうな、
と思いながら見ると移動手段の進歩を感じます。
また、当時の東京駅や町の風景、公衆電話、常磐線で青森行があったこと、
青函連絡船、蒸気機関車などなど、70年近く前の日本ってこんな感じだったのか、
と思ったことと、登場する人たちがあちこちでやたらとタバコを吸っているのも
時代だなあとしみじみ思いました。
(平成初め、社会人になった頃は職場でおっさんたちがタバコ吸っていたことも
 思い出してしまいました( 一一))

あとは、映画全般に流れる音楽がどこかムード歌謡な感じで怪しげだったのも
当時の映画では主流だったのだろうな、と思いました。

三原警部補を演じていた南廣さん、冒頭で「新人」とクレジットされていたものの
当時の演技(セリフ棒読みがち)にしても新人と謳って主役級にキャスティング、
この違和感は最初から最後まで続いてしまい、それで福岡のたたき上げ刑事を
演じた加藤嘉さんと、警視庁の係長を演じた志村喬さんのお二人に、
ついつい目が行ってしまった感もありました。

と、大事なのはそこじゃない、的なところが気になってしまったのですが、
当時(日本が戦後から経済復興して成長しようとしていたころ)から、
権力者の腐敗がはびこっていたこと(原作はフィクションですが)、
それが今もずーっと続いていることを思うとイラっとしました。(V)o¥o(V)

犯人役の安田を演じた山形勲さん、本当に悪徳な態度全開という感じで、
その演技力のお陰でイラつきが増したわけですが、このキャスティングは
良かったと思います。(奥さん役の高峰三枝子さんも併せて)

と、たまたまYouTubeで観つけましたが、折角なので原作も読んでみたいと
思えた「点と線」でありました。












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映画「高野豆腐店」を観る [映画(た行)]

予告編で渋い藤竜也さんが観たくなり映画館で鑑賞した作品です。
高野.jpg
あらすじは映画.comさんより。

尾道の町に店を構える高野(たかの)豆腐店。
愚直な父、高野辰雄と明るくて気立てのいい娘の春は
地道にコツコツと豆腐を作り続ける毎日を送っている。
陽が昇る前に厨房に入り、こだわりの大豆を使った豆腐を作る父と娘。
2人を取り巻く昔ながらの仲間たちとの和やかな時間。
そんな日常にそれぞれの新しい出会いが訪れる。
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こうやどうふてん、って読んでた。(笑)

出来立てのお豆腐から立ち上る湯気とマメの香りを感じるような、
温かい気持ちになれる映画でした。

スクリーンに映る風景(広島)は島があったり海があったり、
地方の趣ある町でのどかな人間関係が繰り広げられる、
非常にほんわかしていて、冒頭、早朝に起きて豆腐作りをする辰雄、
辰雄と一緒に豆腐作りをする娘の春、みていて穏やかな空気の流れを
感じたのですが、穏やかな毎日がちょっとずつ動いていく、
その中でハラハラしたり心が痛くなったりしていきます。

春の再婚相手(お見合い相手)を辰雄と近所の仲間たちが一生懸命探して
うまくいくかと思いきや予想していない相手を選ぶ春に落胆する辰雄、
その辰雄も病院で知り合ったふみえと心の交流を交わしていく、
とはいえ、ふみえには広島という土地柄抱える問題もあって、
一方、辰雄にも戦争経験から結婚して早くに妻を亡くし、嫁いだ春が
離婚して戻ってきて共に暮らす中での葛藤もあったりして、
一昨日記事にした「さよならほやマン」での松金よね子が演じたおばあちゃんが
発する一言と同じように、誰しも他人から見れば穏やかで幸せそうに見えても
みんな何かしら迷いや悩みを抱えているものだと思いました。
(そう書いている私でさえ悩みまくって迷いまくっています)

辰雄が春の相手にと選んだイタリアンレストランを経営する男性、
辰雄は真面目な態度に娘を託そうと3人で食事会を開くものの、
ワインをがぶ飲みして豆腐愛について楽しそうに語りまくる春の姿に
思わずクスっと笑ってしまいましたが、これって縁談がうまくいきそうで
実はいかないんだろうなあ、と思っていたらそうなりました。(笑)
辰雄は娘を心配しているからこその行動に出たのですが、
春はそうされなくても自分自身で自分の道を進んでいく、
それをみて戸惑いながらも娘を応援しよう、と思える辰雄の姿に
思わず目頭が熱くなってしまいました。

時代の流れとともに人間関係もあっさりと変化していくように感じますが、
この映画の中でみるような、ちょっとお節介でも相手を思う気持ち、
人間ひとりで生きていかなければいけないと思いつつも、他人の心の温かさに
支えられるからこそ生きていけるのかもしれない、そんな気持ちで観終わった
「高野豆腐店」でありました。


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映画「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」を観る [映画(た行)]

1作目で大爆笑した作品、続編公開と知り公開初日に映画館へ行きました。
(埼玉に負けたくない千葉県民です(笑))https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2019-02-28
埼玉.jfif
あらすじは映画.comさんより。


東京都民から迫害を受けていた埼玉県人は、
麻実麗率いる埼玉解放戦線の活躍によって自由と平和を手に入れた。
麗は「日本埼玉化計画」を推し進め、埼玉県人の心をひとつにするため、
越谷に海を作ることを計画。
そのために必要な白浜の美しい砂を求めて和歌山へと向かう。
そこで麗は、関西にもひどい地域格差や通行手形制度が存在しているのを
目の当たりにする。
そして大阪のめぐらせた陰謀が、やがて日本全土を巻き込む東西対決へと
発展していく。


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千里子!

鑑賞後に私の頭の中に渦巻いていたのはエンドロールで坂下千里子を見て
本編のどこに出ていたのか、そればかりでした。(笑)

予告編を観て本編にがっかりというパターンがありますが、今作は予告編以上に
本編で爆笑しっぱなし、という映画でした。

1作目は関東の都県のヒエラルキーを笑う、みたいなつくりになっていますが、
続編の今作については、大阪一強(そこに神戸市と京都市)みたいなつくりが
関西に疎い私にはよくわからないのですが、関西の方にはフィットするのでしょうね。

全編笑いのツボだらけ、おそらく制作費も1作目より増額されていると思われ、
ふんだんに盛り込まれるCGで若干やり過ぎ感もありますが豪華な雰囲気も
よく出ていたと思います。

ツボポイントは色々あったのですが、愛之助さん演じる大阪府知事のお洋服、
あれ、この既視感は何だろう、と思って思い出したのが、
IMG_8518.JPG映画の2ヶ月前に観ためだか師匠
門真市の海洋度ホビーミュージアムの入口にいらしためだか師匠の衣装を
愛之助さんが着ていて気付いてからはもうおかしくておかしくて。。。(笑)

他には、
チャーリーとチョコレート工場 [DVD]

チャーリーとチョコレート工場 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2010/07/14
  • メディア: DVD
アカラサマにパクっているのに、大阪のイメージが全面に出出ていて爆笑、
途中、ウンパルンパの代わりに出てくる、ゆりあんれとりぃばぁを見て、
このフィギュアがあったら買ってしまいそうだと思った私です。

あとは、この場面に出てきた後、甲子園(大阪府民以外が投獄される甲子園)で
和歌山県民、滋賀県民、奈良県民などを働かせる極悪人を演じていたのが、
カメラを止めるな! [Blu-ray]

カメラを止めるな! [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2018/12/05
  • メディア: Blu-ray
プロデューサー役で出ていたどんぐりさん(現在の芸名は竹原芳子さん)、
カメ止めをきっかけにフランスのリメイク版にも出ていましたが、
まさか今作でもお姿を見られると思っていなくて登場してから目が釘付けでした。

山村紅葉演じる女将の本音と建て前をポケトークで検索する場面に出ていた、
山科から来た男を演じていたのが、今年はまったヨーロッパ企画の元団員の本多力さん。
『ドロステのはてで僕ら』Blu-ray

『ドロステのはてで僕ら』Blu-ray

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2023/09/20
  • メディア: Blu-ray
この映画でもタイムパトローラーを演じていてインパクトが強かったのですが、
ちょい役に有名人が出ているのを探すのも楽しい作品でした。

話自体は、埼玉に海を作るという麻美が砂をゲットするために和歌山に向かう、
(千葉の砂は白くないからダメらしい(笑))
そこで関西の大阪(極悪)と虐げられる和歌山、滋賀、奈良、を知って
滋賀のオスカル(杏が演じていましたが素敵だった)と戦う、という、
1作目と同じく荒唐無稽ぶりが振り切れていて面白かったのですが、
あちこち(本流でないところ)に面白ポイントがちりばめられていて、
本筋どうでもいい感じで見ていた自分がおりました。(笑)

真夏の熊谷での綱引き大会に向かう埼玉県職員のアキラ100%(洋服着ている)が
使う銀のお盆やマッキー(黒マジック)の小ネタでも笑えましたし、
武蔵野線なんて要らないという埼玉で営業する私鉄とJR各社が反発しあっていたのに
最後は一致団結する(埼玉にもタワーがあったことを今回初めて知りました)、
そして武蔵野線が出来て埼玉からちゅーちゅーねずみーランドに行けるようになる、
めでたしめでたし、的な展開にも笑ってしまいました。

で、千里子ですが、その後、映画を観た友人も「分からなかった」というので、
Twitterなどで調べてみたら、山村紅葉の場面で本多力と一緒に座っていただけで、
セリフがなかったことを知りました。

これを見に行くだけでも再訪ありかもしれません。(笑)

というわけで、くだらないといえばくだらないのですが、
深く考えずにとにかく笑う、たまにはそういう映画もいいな、と思えた
「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」でありました。

(今回の映画のMVPは、飛び出しとびたくん!) 
2022-10-10_10-03-50_000.jpeg2022-10-10_10-03-42_000.jpeg
↑昨年、滋賀県長浜のヤンマーミュージアムで出会ったY,Mをつけたとびたくんです!






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映画「ドロステのはてで僕ら」を観る [映画(た行)]

ヨーロッパ企画(劇団)さんの映画「リバー、流れないでよ」の2回目鑑賞記事を
昨日書きましたが、この映画にすっかりはまり、映画の舞台(京都の貴船)を訪れ、
ヨーロッパ企画さんの舞台も観て、更に、彼らが最初に制作した長編映画も
レンタルして鑑賞するに至りました。(現在若干中毒気味です)
「ドロステのはてで僕ら」Blu-ray

「ドロステのはてで僕ら」Blu-ray

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2023/09/20
  • メディア: Blu-ray
あらすじは映画.comさんより。

とある雑居ビルの2階。

カトウがテレビの中から声がするので画面を見ると、そこには自分の顔が映っていた。
画面の中のカトウから「オレは2分後のオレ」と語りかけられるカトウ。
どうやらカトウのいる2階の部屋と1階のカフェが、2分の時差でつながっているらしい。
「タイムテレビ」 の存在を知った仲間たちは、テレビとテレビを向かい合わせて、
もっと先の未来を知ろうと躍起になるが……。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

人間は強欲。(笑)

最初はカトウだけだったのがどんどん人が増えていき、
モニターを向かい合わせにして過去と未来を向かい合わせていけば
入れ子構造になって2分先ではなくもっと先の未来もわかる、とやってみると、
ドロステ効果というらしいです)
儲かる話はないかと強欲になっていく登場人物が多く(笑)、そんなことしてると
痛い目に遭うんじゃないの、と思っていたら悲しい未来がその内見えてきたりして
それをどう防ぐか、未来からのアドバイスを生かしていくうちに最後はハッピーに
終ってほっとしました。

今作でも「2分」がカギとなっています。
今作は2分未来の自分が見える、「リバー、流れないでよ」では2分のタイムループ、
2分という長そうで短い間隔、脚本の上田誠さんの趣味なのか描きやすいのかなと
思ったのですが、観ている方も2分のことなので2分ずつの展開を観ながら話について
いけるという優しさもあるのかもしれません。(笑)

最初は2分前、2分後、の自分を観てなんとなく納得しつつあるのが、
どんどん集まって来た人達によって強欲にもっと先の未来を観て美味しい思いをしたい、
そんな流れになっていくのを見ると、私もとかく楽な方、ウハウハな方に流れがち、
とはいえ、そんなに世の中うまくいくものでもないので本当にウハウハしたことは
なかったりしますが、今作の中の登場人物たちも中途半端にウハウハした後、
大変な目に遭うので欲をかいたらいけないな、というどこか道徳的というか、
ドラえもんのようなオチのようにも思えました。

劇団の方なので演技は舞台ぽい、それが苦手な人には没入しづらい作品かもしれませんが、
私はすっかり没入していったので、後半、細かいところでどこか辻褄が合っていないような
気もするけれど大丈夫、ちゃんと話は面白いのでついていく、そんな感じでした。

「リバー、流れないでよ」を先に観たので、今作にも重複して出ている人を観たとき、
タイムパトロール係のキンジョウ(永野宗典さん)は、「リバー」では番頭さん、
主人公のカトウ(土佐和成さん)は、「リバー」では猟師(後半までセリフなし)、
893のナリタ(中川晴樹さん)は、「リバー」では入浴中の編集者、
カトウの友人オザワ(酒井善史さん)は、「リバー」では板さん、
そして、どちらの作品でもドロステ効果とタイムループに気づき皆に説明する役で
2つの作品がなんだか重なりながら見ておりました。(笑)

おまけに、2つの作品+下北沢の本多劇場で観たこのお芝居とも重なり、
ジャック.jpg
永野宗典さんは番頭さん(リバー)でタイムパトローラー(ドロステ)で、
スコットランドヤード(舞台)という見ながら様々な場面の姿が重なり、
これも頭がこんがらがるかと思ったものの意外とすんなり見られたのが不思議で、
登場する役者さんたちの演じ方で違和感がないのかなとも思いました。

未来をみながら行動する、というのはよくないことだとは思うのですが、
終盤、カトウが苦境に立たされる時、未来から言われて仲間たちが用意したのが、

ケチャップ シンバル ゼブラダンゴムシ

なんだこれ(笑)という品々ですが、これらがカトウが苦境を乗り切るために使われ
その使われ方がもどこか古典的なのかもしれませんが終盤大爆笑しておりました。
結果的にはアイデアも展開も、登場人物たちの会話も個人的にはツボにはまり、
ほんわかした気持ちで観終わりました。

自分の未来、人生折り返してしまったので見たいような見たくないような、ですが、
見ない方が色々気にせず過ごせるし、何かあってもそれはそれで受け止められる、
そんな気持ちになった「ドロステのはてで僕ら」でありました。






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映画「電車を止めるな!のろいの6.4キロ」14往復目鑑賞 [映画(た行)]

あれだけ観ていた銚子電鉄の映画、昨年は観る機会をうまくつかめず鑑賞0回、
不甲斐ない、、、と思っていたのですが(そんな内に都内の上映が終っていた)
田端のChupkiさんが銚子電鉄100周年を記念してリバイバル上映してくれたので
「電車を止めるな!のろいの6.4キロ」14往復目鑑賞できました。(^O^)/
電車を止めるな.png今回12往復目
(映画公式サイト) https://www.dentome.net/
(銚子電鉄サイト) https://www.choshi-dentetsu.jp/

(1往復目は池袋のシネマロサで)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2020-12-29
(2往復目は竹橋のKKR東京で貸切)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2021-01-18
(3往復目は千葉の京成ローザで舞台挨拶も)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2021-03-02
(4往復目は田端のChupkiさんで)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2021-05-16
(5往復目も田端のChupkiさんで)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2021-05-29
(6往復目も田端のChupkiさんで)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2021-06-08
(7往復目も田端のChupkiさんで、トークショー付)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2021-06-09
(8往復目も田端のChupkiさんで、上映最終日に)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2021-06-18-5
(9往復目は銚子の圓福寺さんで)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2021-07-24-4
(10往復目は池袋HUMAXさんで、舞台挨拶付き)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2021-08-05
(11往復目は上越の高田世界館さんで、トークショー付)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2021-09-28-4
(12往復目は銚子の圓福寺さんで貸切)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2021-11-15
(13往復目は初の関鉄に乗って茨城県で)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2021-11-26
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IMG_6821.JPG今年一番通っている映画館です
IMG_6822.JPG盛り上がります!

久しぶりなのであらすじをYahoo!映画さんより転載。

廃線の危機が迫る鉄道会社が起死回生を図るべく「心霊電車」という催しを企画。
社員たちが懸命に心霊現象を演出するが、インターネットで炎上してしまう。
しかし、丑(うし)三つ時になり、本物の霊現象が起こり始める。
電車は止まることができなくなり、そのまま終着駅に近づいていく。



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超楽しかった!(^O^)/

最近すっかりなりを潜めていた銚子電鉄愛が復活しました。(笑)

大好きなキャストの皆さんとスクリーン越しに会えた感激。
特に、いんちき霊媒師の広瀬じゅずを演じた池上恵さん、
心霊アイドルめむたんを演じた末永百合恵さん、
お二人とも振り切りすぎるほどの潔い演技、今回も大爆笑しました。

一昨日記事をアップした「散歩屋ケンちゃん」がちょっとモヤっとしたまま
観終わってしまった感あり、その後今作を観たので尚更楽しかったのかもしれませんが、
展開が分かっていて自分の好きなツボポイントも分かっていて観ているので楽しさ倍増、
という感じ、ニコヤカ動画(ニコニコ動画のパクリ)の視聴者の書き込みの自虐ネタ、
檀鼓太郎さんの音声ガイドが更に楽しさを増して爆笑しながら、
時折ほろっとする場面(その場面が来ることも分かっていて観ている)、
最後にはそのオチ!とツッコミどころ満載でスッキリして観終わる、
昨年体験できなかった体験を再びChupkiさんで思う存分体験できたことに
感激し、スタッフの方に「再上映してくださってありがとうございます」、
思わずお礼を言ってしまった私です。(笑)

SNS情報で「2回目の上映後に竹本社長のトークショーがある」、という情報をつかみ、
てっきり「電車を止めるな!」の2回目上映後、かと思って予約したら、
この後の「散歩屋ケンちゃん」2回目上映の後にトークショーだとあとで分かり、
(でもこの後予定があって予約変更できなかったのが悔やまれます(´Д`))
残念ながら竹本社長のお姿を拝むことはできませんでしたが、
竹本社長のぐふっと笑ってしまう銚電クオリティのギャグと愛情に包まれた今作、
都内か関東近県で上映があればまた観にいかねば!と思った、
「電車を止めるな!」でありました。

(祝100周年!2期連続黒字!これからも応援します!)

タグ:銚子電鉄
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映画「トリとロキタ」を観る [映画(た行)]

昨日お知らせした通り、現在左手首を骨折しておりますが、
本日午前中はお仕事、午後に日帰り手術(局所麻酔)を受けてきます。
暫くの間は投稿予約してありますが、術後の経過によってはブログアップを
お休みするかもしれません。
とはいえ、ゴールデンウィークもおそらくお仕事なので(年で一番繁忙期)
タイピングに支障がなければ記事はアップしていきたいと思います。
(無理はしませんのでご心配なさらないでくださいねー(^-^;)

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あらすじを観て興味を持った作品です。
トリとロキタ.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

アフリカからベルギーのリエージュにたどり着いたロキタとトリは、
姉弟と偽って暮らしている。
10代後半のロキタとしっかり者のトリは、常に行動を共にしていた。
ビザがなく、正規の仕事に就けないロキタは、祖国にいる家族のために
ドラッグの運び屋をして金を稼いでいたが、偽造ビザを手に入れようと
さらに危険な闇組織の仕事を始める。

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まるでドキュメンタリーを観ているような気持ちで切なくなる映画でした。

アフリカ(多分フランス語圏の国)からベルギーにやってきたトリとロキタ。
2人は姉弟ではなく、母国から逃げのびている途中で知り合い、
姉弟を装ってベルギーにやってきて難民申請をするものの、
すぐ難民認定されたトリに対して、ロキタは何度もヒアリングを受けて
(トリについて聞かれてちゃんと答えられないことが多々)
難民認定されずビザもおりないためまともな仕事に就くことができない。

ロキタの目線で見ると、難民を受け入れない国って冷たい、となりますが、
受け入れ側の国としてみれば偽装難民もいるので厳しく審査しなければならない、
となるのですね。

人道的な観点ではロキタを応援したくなりますが、移民、難民を受け入れたことで
治安が悪くなったり国民が仕事を失ったりしたことで暴動が起きている国も
あるわけで(移民排斥運動を行っているヨーロッパの国もありますよね)
どちらの立場も、と思いながら見ておりました。

監督のジャン=ピエール、リュック・ダルデンヌ兄弟のインタビューを
映画鑑賞後に見る機会があったのですが、行方不明になった移民が多い事実を知り
この作品の着想を得たそうです。

ビザがないためまともな仕事に就けず、大麻の売り子でなんとか稼いで
祖国の家族に送金するロキタ、ベルギー迄の密航を斡旋した手配師にも
借金の返済をと脅されお金を巻き上げられてしまう、そんな中で、もっと稼がないと、
と紹介してもらったのが大麻栽培工場で大麻を育て収穫して乾燥させる仕事。

犯罪に手を染めるロキタを励ますトリ。
(雇い主による非道な仕打ちを観ていて怒りと悲しい気持ちになりました)
実際には姉弟ではない2人が祖国から離れた異国の地で励まし合う姿を
観ていても、この先2人に幸せな未来が訪れるとは思えず、
大麻栽培工場までロキタに会いに行くトリ、最初はうまくいっているものの
それがばれてしまい、最後には悲しい結末が待っていました。
(ロキタが射殺されてしまうのです)

2人が望んだのは母国から逃げてたどり着いたベルギーで2人で平穏に暮らすこと、
小さな2人の望みが叶うことなくトリは一人残されてしまう、という終わり方で、
難民が受ける世の中の理不尽さを感じました。

よく婆1号(うつぼ母)と、
日本は政府も内閣も国民目線とはいえないし日々の生活に不満は一杯あるけれど
戦争もないし、自分の家で穏やかに生活できる、ありがたいことだね、
と話すのですが、
チーム・ジンバブエのソムリエたち [DVD]

チーム・ジンバブエのソムリエたち [DVD]

  • 出版社/メーカー: ニューセレクト
  • 発売日: 2023/04/12
  • メディア: DVD
ジンバブエから南アに避難した人達がソムリエとして開花する話、
彼らも大変なご苦労をされたと思いますが、こういう人たちは一握り、
多くはトリとロキタ(フィクション作品ですが)のようなケースが大半なのだろう、
と思うと、ビザがないために非合法な仕事に手を染めなければいけない現状、
そこにつけこむ大人たち、トリとロキタが作品の中で歌う歌、
(ねずみが猫につかまり、猫が犬につかまり、、という弱肉強食のような歌)
彼らのような難民の子供たちがねずみである事実はなかなか変わらないのだろう、
と残念に思いながら、夢ではなく現実を炙りだしたような作品に出会えたこと、
日本から遠いところで実際に起きていることを知る機会を得たことに感謝した、
「トリとロキタ」でありました。









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映画「デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム」を観る [映画(た行)]

映画のポスターを観て絶対映画館で観る!という気持で、
公開1週目に日比谷のシャンテで鑑賞しました。
ボウイ.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

1964年にデビューし、グラムロックの代表的なミュージシャンとして
世界に影響を与えたデヴィッド・ボウイ。
ボウイは常に変化することを厭(いと)わずに、時代を先導するアイコンとして
存在し続けた。
そんな彼が残し、デヴィッド・ボウイ財団が保有しているボウイの映像を、
ブレット・モーゲン監督が2年の期間をかけて選別し、本作を作り上げた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ドキュメンタリーというよりどこかアート作品みたいな感じ。

初めて聞いた異父兄の話、ボウイ様の人生に大きな影響を与えたのだなと思いました。
(妻のイマンについてはメディア露出も多かったので特にびっくりすることなく)


70年代(ボウイ様が眉剃り状態でどこか中性的な雰囲気)から始まる今作、
哲学的な言葉(ボウイ様が哲学の寄せ集めといっていましたが)については、
言葉は頭に入るけれどそれがどういうことなのかというのがぱっと想像できず、
序盤から言葉を理解できないまま見続けていた私、眠気に襲われました。

アーティストのドキュメンタリーというと小さいころからの写真や映像で
どうやって成長しどういうきっかけで歌を生業とするようになったのか、
みたいなつくりが多いのですが(昨年観たビージーズもそういうつくり)
ボウイ様の今作は全く違うというか、

ジギー・スターダスト<2012リマスター>

ジギー・スターダスト<2012リマスター>

  • アーティスト: デビッド・ボウイ
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2015/09/25
  • メディア: CD
ダイアモンドの犬 <2016リマスター>

ダイアモンドの犬 <2016リマスター>

  • アーティスト: デヴィッド・ボウイ
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2017/02/22
  • メディア: CD
このあたりからイメージ映像(ボウイ様がつくったものなのかは不明)と
謳っているボウイ様、インタビューを受けるボウイ様の様子が映し出され
ドキュメンタリーの見慣れたつくりでなかったことに戸惑い気味でした。

私がボウイ様の歌をきちんと聴くようになったのは、
スケアリー・モンスターズ <2017リマスター>

スケアリー・モンスターズ <2017リマスター>

  • アーティスト: デヴィッド・ボウイ
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2018/02/23
  • メディア: CD
このあたりからで、
レッツ・ダンス <2018リマスター>

レッツ・ダンス <2018リマスター>

  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2019/02/27
  • メディア: CD
そして、ミーハーなんですがやはりこれです。(^-^;
ナイル・ロジャースがプロデュース業にいそしんでいたころ(マドンナとか)、
それまでのイメージから一転したというか、ちょっと驚いたというか、
戦場のメリークリスマス [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • 発売日: 2011/10/29
  • メディア: DVD
この映画も併せて好きなアーティストの1人になりました。

今作を観ていてアーティスト(歌手)というより、どこかアーティスト(画家)のような、
ボウイ様って音を描く、みたいなイメージというか、画家の一生を観ているような気分に
なりました。

デビューしたてのころのサウンドが好きだったのに、アルバムが次々出て来ると、
サウンドが変わっていって好きではなくなってしまう、みたいなことが往々にしてあって、
(サウンドが変わらないけれど進化しているストーンズとかエアロスミスとかありますが)
当然それはアーティストとして成長していくということは分かっているものの
どこか寂しい気持ちになったりする経験を持つ私にも、ボウイ様の変化するサウンドは、
アメリカに行って受けた刺激だったり、戦メリに出演してアジアの影響を受けたり、
イマンと出会って結婚し、様々な人生の広がりの中で変わっていったのだと思いました。

残念だったのは、90年代、いや2000年以降かな、全然描かれなかったことでした。
自分の知っている時代以外でのボウイ様のお姿も見たかったと思うと
ここは残念ポイントですが、ボウイ様のイメージの描き方(監督の考えもあるでしょう)
が自分の期待するものとちょっと違っていたのかもしれません。

あとは、
Tin Machine

Tin Machine

  • アーティスト: Tin Machine
  • 出版社/メーカー: Capitol/Emi/Sbk/Chrysalis
  • 発売日: 1989/05/23
  • メディア: CD
意図的なのかソロではないからのか、ボウイ様の歴史から消されちゃったのか
全く出てこず、ここも残念ポイントでした。

とはいえ、ボウイ様が京都を度々訪れるようになった映像の中で、
正伝寺のお庭らしきところで映るボウイ様(焼酎のCMなので正伝寺だと思う)、
ほんの一瞬ですがそのお姿を拝めたのは私の今作での一番の感激ポイントでした。

いまこうやって観ても唯一無二のアーティストであるという認識は変わらず、
逆に強くなったように思えた「デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム」で
ありました。


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映画「茶飲友達」を観る [映画(た行)]

映画館の上映スケジュールをチェックしていた時、
タイトルが気になって鑑賞した作品です。
茶飲友達.jfif外山文治監督作品
あらすじはYahoo!映画さんより。


29歳の佐々木マナ(岡本玲)は「茶飲友達(ティー・フレンド)」という組織を
設立し、
新聞に「茶飲友達、募集。」と広告を出す。
その実態は、連絡してきた男性のもとへ高齢女性を派遣する高齢者専門の
売春クラブだった。

「ティー・ガール」と呼ばれる在籍女性たちの中には、
介護疲れやギャンブル依存など
さまざまな事情を抱える者がいた。
一方、マナと共に茶飲友達を運営する若者たちもまた、それぞれに生きづらさを
抱えている。

そんな高齢者や若者をまとめるマナは、彼らを「ファミリー」と呼んで
家族のような関係を
築いていく。

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実話に基づいて制作された作品です。

高齢者の性について語るのはどこかタブーのような世の中、に見えますし、
私もこういう繊細な話題に触れることに躊躇いながら観始めたのですが、
冒頭で、妻が他界して孤独に暮らす男性(演じているのは渡辺哲さん)の場面を
観たところから映画に引き込まれていきました。

この映画、高齢者の性を描くために制作されたというよりは、家族とはなにか、
ファミリーとはなにか、マキが色々な場面で「ファミリー」という言葉を発する、
マキの目線から描いた家族に対する幻想のようなものが描かれていたように思います。
万引き家族 通常版DVD(特典なし) [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2019/04/03
  • メディア: DVD
血のつながらない他人同士、という点では、この作品と似ているかと思いましたが、
家族を演じて一緒に暮らす「万引き家族」と比べると、家族感は薄い様にも思えて
事あるごとに「ファミリー」という言葉をだすマキの家族に対する熱量と、
他の人たちの熱量に大きく差があるのかもしれないな、と感じました。

高齢者を助けてあげているんだ、良いことをしているのだから儲けて何が悪い、
と自らの活動について正当化しながら(ちょっと上から目線な感じもした)
ビジネスを拡大していこうとするマキ、SNSではなく新聞の紙媒体の三行広告で
新規顧客を増やしていく姿、悪い人ではないと思うもののそのドライな姿、
でも、時々、茶飲友達で派遣される女性たちに寄りそっていこうとする姿、
彼女自身にも何かあるのだろうな、と思いながら見ていると、
マキがこのビジネスを始めたきっかけも実の家族との不和が原因だったことが
少しずつ分かっていきます。

このビジネスに集まってくる若い人たちも茶飲友達(ティー・フレンド)として
働く老いた女性たち、彼女たちを求める顧客の老いた男性たちもそれぞれ家族に
関して何かしら問題を抱えている、(両親介護が終って気づけば60過ぎていた
独身女性、奥さんが拒否する、奥さんが他界などで性について悩みを抱える男性等)
彼らがマキをリーダーとしてファミリーとしてうまくいっている場面を観ると
この後どうなるか、砂上の楼閣のように足元がぐらぐらした上に成り立つ関係、
そう思えました。

思っていた通り、あることがきっかけでマキの築いたファミリーは一気に崩れていき、
マキは逮捕されますが、取り調べの時に言われる言葉、
「自分の寂しさを他人の孤独で埋めるんじゃないよ」が印象的でした。

人間は程度の差はあるかもしれませんが、だれしもが孤独なのかと思っています。
孤独もどこか必要悪というか悪いものではないと思っていますが、
孤独と共に暮らす中、人との接点を持つことで癒される、今作もそういう人間たちの
集まりが色々な形で孤独から脱したい、と思っていたようにみえました。

身寄りのない女性スタッフが妻子ある男との間に子供が出来たものの、
認知できないと突き放され、でも生みたい気持ちがある、というエピソードが
映画の中で描かれているのですが、彼女自身、子供を産み育てるということについて
心身ともにエネルギーを使うだけでなくお金がかかるという認識がないまま過ごし、
最後は崩壊するファミリーの金庫からお金を奪って逃げ去る、という場面、
決して共感できるキャラクターではないのですが、相談できる人もなく、
(ファミリーにも相談できないまま時間が経っていった)
周りに人はいるのにずっと孤独だった、その中で新しい命にどこか希望を見出そうと
していたのかなと思えました。
(映画レビューで彼女の件は要らなかったのではというご意見も見たのですが、
 私自身はあってよかったと思いました)

孤独の中で人の温かさに触れる、自分の存在を受け容れられる、共感してもらえる、
したことに対してありがとうと言ってもらえる、ちょっとした事の積み重ねが
自分を孤独から解放してくれるのかと思いながら、人との接点を細々と紡いで
過ごしながら生きていきたいという気持になった「茶飲友達」でありました。




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映画「チーム・ジンバブエのソムリエたち」を観る [映画(た行)]

タイトルを見て面白そうだと思った作品です。
チームジンバブエ.jpg

あらすじはYahoo!映画さんより。

ジンバブエから南アフリカに逃れた難民の
ジョゼフ氏、ティナシェ氏、パードン氏、マールヴィン氏ら4人のソムリエは、
初めてブラインドワインテイスティングの大会に出場する。
クラウドファンディングの支援を受けたジンバブエチームは、
フランスのブルゴーニュに到着。限られた予算の中で雇ったコーチが暴走する中、
彼らは23か国から集まった一流ソムリエたちに挑む。

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ジンバブエ、名前しか知らない国をちょっとだけ知ることができました。

日本という長い歴史を持つ国で平和に暮らしていることが当たり前、みたいな
心持でいると地球の違うところで起きていること(知らないことばかりです)に
驚くことが多いのですが、今作もそんな驚きに満ちた映画でした。

植民地から独立した祖国ジンバブエ、経済危機とハイパーインフレによる金融危機で
(1か月の給料が1回のバス代より少ないってどういうことなのかと思ってしまった)
祖国を離れざるを得ず、辿り着いた南アフリカ(治安悪い)でも大変な目に遭い乍ら
飲食店での仕事を得てワインについて知識を深めていく4人がテイスティングの
世界大会を目指すという作品。

クール・ランニング [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • 発売日: 2006/01/25
  • メディア: DVD
観る前はこんな感じの映画なのかと思ったのですが、
彼が背景に抱える事情や置かれている環境を観ると全く違っていて、
難民として南アフリカで辛い思いをしながらもそこで知ったワインの世界、
それこそ育った環境と異なる文化に惹かれて飛び込んでいく姿、
(もちろん彼らの才能を認めて支える人がいるのですが)
私自身、何かのことを突き詰めたい気持ちで学んだことがなく、
その姿勢にはただただ尊敬の念を感じました。

ワインを飲む、ということと、ブラインドテイスティングは全然違うのだなあ、と
今作を観ていて改めて思ったのですが、葡萄の品種からどこで作られて、
それがいつの年代なのかも当てるという、なんでも美味しいと呑んでいるだけの
私からしたら彼らが神のような存在に見えました。

ドキュメンタリー映画なので、なにかしら描きたい構図はあると思いますが、
フランスで開催されるブラインドテスティングの世界大会に4人を参加させるため、
その才能を磨き上げようとする南アチームのコーチに対してジンバブエのコーチを
つとめるフランス人(かつてはテイスティングの第一人者)がよろしくなくて、
映画で撮影されているから目立とうとしているのか、チームメンバーのことを
考えているというより自分が目立ちたい、ワイン業界で自分を売り込みたい、
という態度に見えました。

実際、ブラインドティスティングでも限られた時間で集中しなければならない中、
テイスティングしている4人を煽って焦らせるだけの態度には観ていて不快感を
感じてしまい、この人がいない方がもっと順位が高かったのではないか、
なんて思ってしまいました。

彼らがトレーニングで呑めるワインも産地がある程度限られてしまうので
たとえばイスラエルのワインが出てきても正確に当てることは難しい、
(消去法でいっても国名まで当てるのは難しそうなワインも結構出るみたいです)
そんな中で、ワインで有名な国(イタリアなど)が下位に沈み、スウェーデンや
ベルギーなどが上位になる、という結果も出たりと、テイスティングの能力と
ワインが美味しい国は必ずしも一致しないと思うと、ジンバブエの4人が翌年、
コーチをつけずに出場して順位を上げたというエンドロールで披露される結果に
なんだかホッとして観終わる自分がおりました。

原題が”Blind Ambition”なので邦題にちょっと違和感もあるのですが
(分かりやすいといえば分かりやすいのですが)
ブラインドテイスティングのBlindと、目には見えない?抑えきれない?という
意味のBlindをかけているのかな、と思いました。
彼らの抑えきれないほどの野望があったからこそ、世界大会への費用捻出のために
彼をサポートするクラウドファンディングも成功したのだと思います。

その後の4人はオランダに移住して南アのワインを輸入する仕事をする人もいれば、
クーデターで政権が変わった祖国に里帰りする人もいたり、と様々な様子が
最後に映し出されましたが、厳しい環境でも学ぶ姿は私も見習いたいと思った
「チーム・ジンバブエのソムリエたち」でありました。




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映画「トゥモロー・モーニング」を観る [映画(た行)]

映画「レ・ミゼラブル」での歌と演技が素晴らしかったサマンサ・バークス主演の映画、
しかもミュージカルなら必見とシネスイッチ銀座で鑑賞しました。
Tomorrow Morning.jpg

あらすじはYahoo!映画さんより。

コピーライターのビル(ラミン・カリムルー)と
画家のキャサリン(サマンサ・バークス)夫妻は、ロンドンで暮らしている。
結婚して10年が過ぎ、仕事も家庭も順調なはずが、
いつの間にか彼らの心はすれ違い、離婚を決意していた。
かつて画家と小説家になることを夢見ていた二人が出会い、
大恋愛の末に共に人生を歩むことを決めた結婚前夜の記憶を、
夫婦は離婚前夜にたどり始める。

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ハッピーエンドはいいけれど作品の半分以上が観ていて辛かった。(;_:)

セリフも歌、という劇中歌の多いミュージカル作品で、
サマンサ・バークスと「オペラ座の怪人」のラミン・カリムルーとなれば、
自ずと期待値をあげてしまいがちで(おそらくそういう人が多かったはず)
お二人の歌の素晴らしさはガンガン伝わってくるものの、
話自体が惹かれ合って結ばれた二人がすれ違っていくにつれ諍いが止まらない、
(奥さんの方が大成したことをダンナが嫉妬する構図)
間に挟まり悲しさに包まれる息子(どちらか片方の味方になるわけにもいかず)、
この展開に共感することができず、でも、歌は素晴らしいから、と見続けて
やっと最後にはめでたしめでたし、となる展開。

おそらく、こういう展開は舞台の方がよいのかも、映画化されてしまうと、
ドロドロ憎悪感がカサマシされてしまようなそんな気持ちになりました。
ハッピーエンドなのですが、この先もハッピーなのか、また揉めるのでは、
フィクションなのに現実に照らし合わせて心配してしまう自分もいたりして。
2人が揉めている場面に10年前の出会いから結婚式前日までの幸せな2人が
交錯する繰り返し、といった感じで、途中眠気が襲ってきたのはナイショです。
(大音量の熱唱なのにメロディが刺さってこなかったのが原因かも)

10年前と今が交錯するつくりになっているものの、
ビルは髪型などで年齢の違いを演出していた一方、キャサリンについては髪型も
殆ど同じ(または同じ)で今なのか10年前なのか一瞬よく分からない感じで
このあたりも時間の流れをぱっと見で理解できるような演出があってもよかったかな、
と個人的には思いました。

というわけで、感想を一言でいうと「もったいないなぁ」でした。
この2人を起用するミュージカル作品なら違うタイプがよかったような、
そんな気持ちになりましたが、ロンドンのウェストエンド版公演の後、
日本でも日本人キャストで上演されたことがあるらしいので、
(新妻聖子さんも出演されていたと鑑賞後に調べていて知りました)
映画でのモヤモヤ感を舞台版では違うのか観てみたくなった
「トゥモロー・モーニング」でありました。

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