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映画「ビー・ジーズ 栄光の軌跡」を観る [映画(は行)]

久しぶりに新宿武蔵野館に行ってみた映画です。
ビージーズ.jpg
内容はYahoo!映画さんより。

兄のバリーと双子の弟ロビン、モーリスのギブ3兄弟を中心に結成され、
長きにわたって活動してきた「ビー・ジーズ」。
時代が移り変わっても、「恋のナイト・フィーヴァー」「愛はきらめきの中に」
など数々の名曲を世に届け続けてきた。
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「兄弟の歌声は誰も買えない楽器」というノエル・ギャラガーの言葉と、
「成功はいらないから弟たちに戻ってきてほしい」というバリー・ギブの言葉が
特に心に残った映画でした。

ビー・ジーズといえば、最初に聞いたのは、
メロディ・フェア/若葉のころ[EPレコード 7inch]

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メロディ・フェアと若葉のころ、ハーモニーが素敵なグループだと思ったのですが、
Saturday Night Fever: 40th Anniversary (2CD Deluxe Edition)

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その後のサタデーナイトフィーバーでビー・ジーズの音楽が刷り込まれました。

その後は、バーブラ・ストライサンドやダイアナ・ロスなどのプロデュース、
音楽活動をサポートしてビー・ジーズに迎えた末弟アンディの若い死、
その後、双子の兄弟モーリスとロビンが病気で亡くなったことは知っていながら、
特に彼らの半生について実は良く知らなくて今回のドキュメンタリーで知ることが多く、
その半生が時の流れに大きく左右されてしまう大変なものであったことに驚きました。

マン島からイギリスに引っ越し、そこからオーストラリアに移住したGibb家、
バンドマンだった父のサポートで若いころから音楽活動を始めてデビュー、
ブライアン・エプスタインが彼らに注目して、経営するマネジメント会社から
ロバート・スティッグウッドを送り込んでワールドデビューに導く。

見ていると、このロバート・スティッグウッドのマネジメントによる成功、
とも見えたのですが(当然ビー・ジーズのメンバーの才能あってのことですが)
ヒットしてリードボーカルをバリ―とロビンが競い合い、ロビンがソロとして独立、

この場面で、ノエル・ギャラガーの「兄弟の歌声は誰も買えない楽器」という言葉と
兄弟だからこそのデメリットも語られ、彼自身が弟リアムとOasisを結成して成功するも
その後兄弟の確執で別々の道を歩んでいったことからも兄弟ならではのメリットと
デメリット(ニック・ジョナスも作中でコメント)を改めて感じました。

その後、ロビンがビー・ジーズに戻って、
1970年代、メロディ・フェアからサタデーナイト・フィーバーまで、
私が知った頃の大ヒット連発のビー・ジーズが投影されたのですが、
この頃、バリーがファルセット唱法を使うことによって音楽の幅を広げたこと、
それまで黒人とゲイが集まるディスコが彼らの音楽と映画(トラボルタ)によって
日の目を見る、というか、世の中に急拡大していくその勢いは凄かったのだろう、と
当時映画館でこの映画を観たのを思い出しました。

このサントラ制作の場面で面白かったのが、当時ビー・ジーズのドラムを
担当していたデニスが父親の心臓発作でイギリスに帰らなければならず、
ドラムマシーンも質が悪く代わりのドラマーを探す時間もない、という時に、
デニスが「Night Fever」で演奏しているドラムの一小節をコピーしてループ状に
して使ったというエピソードで、逆にそのことでリズムに重みが増した、という
効果があった、今ならシンセサイザーで簡単に音を作れるかもしれませんが、
テープをコピーしてループにするという発想は当時だからのものですね。

と、映画館と書きながら、小学生で映画が観られたのはなぜだろうと調べてみたら、
公開当時はR指定、その後色々カットされてPG版が公開されたと書いてあって、
https://ja.beegeesdays.com/1233-snf-40th/
私が見たのは当然ですがPG版だったということを知りました。

R指定、どんな感じだったんだろう。。(今なら年齢問題ないです(笑))

映画公開当時、すでに廃れ初めていたディスコ音楽が彼らのお陰で拡大していくと、
今度はディスコで一儲け、という人達が湧いてくるもので、「ディスコ」と名の付くものが
世に溢れ、そうなると「反ディスコ」勢力が台頭してきて、ディスコ音楽が大ヒットした
ビー・ジーズも世の中の手のひら返しにあって表舞台から姿を消し、
その後はプロデューサーとして活動するようになった、とこの作品で知りました。

私自身はビー・ジーズをディスコ音楽だと思ったことはないというか、
「ビー・ジーズ」という一つのカテゴリーだと思っていたのですが、
他人と違うことを言えばかっこいいと思う人が必ずいる、という、クリス・マーティンの
言葉通り、人気のディスコ音楽に対して異議を唱え、一般の人たちを扇動するだけでなく、
ディスコ音楽のレコードをスタジアムに集めて爆破する、そんな場面を見て
(実際はディスコではなくR&Bのレコードが多かったという証言もありました)
今の時代でもそういうことはあるとはいえ、アーティストの運命を翻弄するとは、
観ていてとても残念に感じました。

その後、末弟のアンディ・ギブのデビューをサポートし大ヒットするものの、
ドラッグ中毒になってしまい、ビー・ジーズのメンバーに迎えられるものの
一緒に活動する前に、30歳という若さでこの世を去ってしまったこと、
モーリス、ロビンも自分より先に亡くなってしまったことに対して、
年老いたバリーが「成功はいらないから弟たちに戻ってきてほしい」という場面、
兄弟だからこそ思っていることをぶつけ合って良い物を作っていける、
彼らが若いころから行っていたスタジオでの作詞作曲風景を観た後の言葉で、
(メロディを奏でながら仕上げていくスタイル)
結構序盤から目が潤みがちで見ていた私も思わずボロボロと泣いてしまいました。

バリーのライブ風景(2017年のもの)の後、映画はエンドロールに進みましたが、
今まで音楽を知っていて彼らについての知識があまりなかったことを実感し、
この歳でもそのことを知ることができて良かったと思います。

丁寧に彼らの歴史を映像と音楽と共に紡いで製作された作品ですが、
改めてビー・ジーズの音楽を聴いてみたい、若い世代の方々でも見て
彼らの音楽に触れて欲しいと思った「ビー・ジーズ 栄光の軌跡」でありました。



(本編と全然関係ないのですが)
ビー・ジーズというグループ名、どうやってついたのか、
Gibb家のGをとっていたのかと思ったら、全然違うんですね。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%82%BA

Rattlesnakes(ガラガラ蛇?)、Wee Johnny Haynes & The Bluecasとグループ名が
変わった後、知り合ったラジオDJのBill Gatesと、彼を紹介したレーサーのBill Goodeの
イニシャル(BG)をとってBee Geesとつけた、と書いてありました。
メンバーの苗字であるGibbからじゃなかったとは。衝撃でした。
(長兄のBarry GibbもイニシャルBGですが、違う人たちから名付けたグループ名だなんて)






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映画「百姓の百の声」を観る [映画(は行)]

以前、田端のChupkiさんで観た「ひめゆり」の監督、柴田昌平さんの新しい作品で、
クラウドファンディングに参加し、試写のご案内をいただいたので試写会で鑑賞しました。
百姓.jpg
内容は映画.comさんより。

自然と向き合い作物を熟知する農業従事者の人々にスポットを当てたドキュメンタリー。
「千年の一滴 だし しょうゆ」の柴田昌平監督が「食」の原点である「農」をテーマに、
全国の農家の人々の知恵や工夫、そして人生を、丁寧なインタビューと美しい映像で
紡ぎ出す。

彼らが畑で何と格闘しているのか、ビニールハウスの中で何を考えているのか。
小手先では解決できない様々な矛盾を独自の工夫で克服する彼らの姿を通し、
多くの人々が「風景」としか見ていない営みのコアな姿を、鮮やかに浮かび上がらせて
いく。


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※11月5日が正式公開日ですので記事のアップはフライングかと思ったのですが、
 多くの人に観てほしいと思ってその前に記事をアップしました。

映画の冒頭でも語られていますが、私自身、日常食べている野菜やお米について、
どういう人がどうやって作っているのか、考えていなかったことに気づかされました。
身近には、lovin姐さんスージー兄さんが畑を借りて長らく野菜をつくっているのを
記事で拝見していますが、あとは、昔昔実家で畑を借りて野菜を作っていたのを手伝った、
その程度の知識というか感覚しかありませんでした。

鑑賞後、柴田監督のご挨拶の中で、取材するきっかけとなったのが農文協であり、
(農文協=農山漁村文化協会)
記者の方と一緒に農家を訪れ取材していたものの、最初の半年は農家と農文協の
方々の会話(用語)がまったく分からず、通訳してもらっても分からない、
という状況が続いて非常に厳しい取材だったというお話がありました。

確かに、映画の冒頭で「ぶんけつ」という言葉が出てきて(映画で正解は言わない)
??? ????と思って鑑賞後に調べたら「分蘖」、こんな字、見たの初めて、
と驚きました。

映画に登場する農家の方々、皆さん、高齢でも生き生きとしているのが印象的でした。
酸化しないりんごを栽培する薄田さん(80過ぎでも筋骨隆々)の紹介から始まり、
3年前の台風でキュウリ栽培のハウス(千葉)が全壊してしまい、建て直して
最新式の装置を設置しキュウリ栽培に励む90代のおじいちゃん。
(台風でハウスが壊れる経験は多くの農家が経験しているそうです)

一次産業である農業も少子高齢化の影響で離農が進む中、離農した農家の田んぼを
引き受けて気づけば100エーカーの田んぼを会社組織を作って運営する茨城の横田さん。
田植え機は一台、設備は増やさず収穫時期の異なる品種を植えていくなどの工夫、
(増やすと維持などで生産量が増えてそれ以上にコストアップ)
農水省や自治体の掲げるメガファーム構想がいかに現実とかけ離れたものであるか、
構想をぶちあげる人たちの(現実との)ずれ加減みたいなものを感じましたが、
少子高齢化の中で農業政策が実態に合わないことをお役所はどう思っているのだろう、
(他のお役所でもこういうこと多いと思いますが)
そんな気持ちで千葉のお隣の田んぼの風景を見ながら感じました。

農文協の発行する「現代農業」では、農家の方々の知恵や工夫を惜しげもなく紹介し、
先人の知恵を大切にする、種は独り占めせずに他の農家と共有し、その作物を
絶やさないようにつくっていく(種の交換会の風景が興味深かった)、
知恵や情報の共有が農家や日本の農業にとって長らく続いてきた大切なことであるという
考え方に反して、国の政策といえば特許で守ろうという考えで、そのずれ加減にも
(海外で勝手に作られないようにという防衛策の意味もあるのでしょうが)
農家の声に耳を傾けようという気持がないのかな、という疑問もわきました。

実際、シャインマスカットを栽培する農家の男性(まだ若い)は、
種や栽培手法が流出しても、自分と同じように美味しいシャインマスカットが
つくれるわけではないという自信に満ちた発言をしていて、
国として農家をサポートする、という意味は特許より違うところにあってもよいのでは
ないかという気持になりました。

また、50年くらい前に行った入植(秋田)政策に参加した男性について、
入植し、苦労の末に稲作が軌道に乗ったところで減反政策のあおりを受けて、
自主流通に切り替えてから大変ご苦労された話を聞くと、
農協が農家を支配(拘束)していた時代、国の減反政策に抗おうとすれば裏切者と
切り捨てられる状況であったこと、一方、自家精米することで手にした米ぬかを
稲作に最大限活用できること、世の中の理不尽さを感じましたが、農家の皆さんの
七転び八起きな姿勢には自分の日々の甘さを感じました。(反省)

映画のタイトルになっている「百姓」は現在では放送禁止用語だそうですが、
小さい頃、婆1号には「お米を一粒のこさず食べないとお百姓さんのバチが当たる」、
常に言われていました。
婆1号も実家が農家、高校時代まで農繁期には学校を休んで田植え、稲刈りの戦力として
駆り出されていたこと、せっかくつくったお米も農協に差し出さなければならず、
家では白いご飯食べたいだけ食べられる状況ではなかったことから、
常に食卓で私や兄が言われていたことを今回の映画を観て思い出しました。

小さいころとくらべて飽食の時代になったせいか、
お百姓さんへの感謝の気持ちを忘れがちだった自分が婆1号の言葉を思い出し、
お米や野菜、お肉やお魚、自然からの恵みをいただくときは常に感謝しないといけない、
そんな気持ちになれた「百姓の百の声」でありました。

※上映館は今のところ東中野のポレポレさんだけのようですが、
 いずれ田端のChupkiさんでも上映される予定、もっと広がっていくと思いますので、
 みなさんもよかったら映画館で観て下さい!




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映画「ブレット・トレイン」を観る [映画(は行)]

映画館やYouTubeで嫌というほど予告編を観たので映画館に本編を観に行きました。
ブレット.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

あるブリーフケースを盗むよう謎の女性から指令を受け、
東京発京都行の高速列車に乗り込んだ殺し屋・レディバグ(ブラッド・ピット)。
ブリーフケースを奪って降りるだけの簡単な任務のはずだったが、
疾走する車内で次々に殺し屋たちと遭遇してしまう。
襲い掛かってくる彼らと訳も分からぬまま死闘を繰り広げる中、
次第に殺し屋たちとの過去の因縁が浮かび上がってくる。

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チャニング・テイタム!(笑)

予告編を観ていったので(ホントに分からないくらいの回数観ました)
ある程度下地をつくって観に行ったのですが、チャニング・テイタムは想定外でした。


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ブラピにサンドラ・ブロックにチャニング・テイタムって、
この作品と同じ組み合わせ!と、個人的にはドツボにはまるレベルでした。
(登場の仕方もキャラ設定も予想外で今作一番はまったポイントです)

また、予告編で分かっていたので映画館でイラつくことはありませんでしたが、
日本だと思って見ない方が楽しめます。(笑)

面白いくらいツッコミいれられる描き方なのですが、たとえば、
 ●飲み屋街が看板含めて香港ぽい
 ●新幹線の名前が「ゆかり」、他に違う名前はなかったのか
 ●新幹線の座席はもっと立派で快適 
 ●下りで静岡駅を通過した後、右手富士山が見えるなんて嘘
 ●モモンガが可愛くない&東京オリンピックのキャラクター似(笑)
 ●車掌が一人しかいなくてポンコツ過ぎ(しかもマシ・オカを使う残念)
 ●新幹線のホームが高架ではなくてホームドアがない
 ●新幹線のガラス窓が耐久性弱くて割れ過ぎ
 ●京都の風景(CG)がしょぼすぎ 五重塔が細くてバランス悪
 ●日本の駅のホームがヤクザだらけになるほど治安悪くない(笑)
 ●鉄道王国の日本で新幹線が脱線するなんて悲しい
 ●JR(協力していないのは明白)が怒らないか心配

思い出して書いてみてもこんな感じで結構多くて我ながらびっくり。(笑)
これを気にするとただイラつくだけで楽しめないと思いますが、
日本ロケではないし(CGも敢えて日本みたいで違う風にしたのかと)、
外国人から見た日本観って相変わらずこんな感じかな、
と思ってみれば気になるけど気にせず観られます。(笑)
これが気になると最低映画になりそうな、、、気がします。

密室での群像劇、拳銃を持たないレディバグ(ブラピ)がブリーフケースを
もって品川で降りればいいだけなのにそれが叶わず、
次々と現れる殺し屋と闘わないといけない状況になるのですが、
そもそも、大金入ったブリーフケースを戸口近くの荷物棚に置く不用心、
そこがダメなんだろう(やったのは殺し屋のレモン)というツッコミもありつつ、
途中で出てくる車内販売のありえない感、
(カレン・フクハラを使うなら青山テルマの方が盛り上がったのに(笑))
木村の日本語が拙すぎて終始気になってしまったこと、
いつの間にか車内から乗客が殺し屋以外いなくなっていて
(ラスボスが貸し切ったと言うものの最初はいっぱい乗っていた)
結局まだツッコミどころを書いている自分に気づきました。(笑)

良かった点は、ブラピが楽しそうに演じていたこと。それに尽きます。
殺し屋のレモンとミカンも個人的にはツボで、特にレモンが語る機関車トーマス、
そうか、ディーゼルは曲者で悪いんだ、と、この映画で学びました。(^-^;
他に、伊坂幸太郎さんの原作では中学生の役どころだったものの、
映画化では若い女性(プリンス)に設定変更していたのを演じていたジョーイ・キング、
この人見たことある、と見続けて途中で気づいたのですが、
一昨年見たNetflixの「キスから始まるものがたり」と続編に出ていた人でした。
観ていてイラつく性格の役どころですが、↑の青春映画とは全く異なる雰囲気で
好演していたと思います。

また、鑑賞後にクレジットを見て気づいたのですが、
みかん役のアーロン・テイラー=ジョンソンって、
ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ [Blu-ray]

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この映画で若かりし頃のジョン・レノンを演じていたんですね。
10年経つので気づかなかったのですが、この作品は伯母さんのミミと
実母のインパクトが強すぎて、ジョン・レノンが地味に見えたので、
まさかこの役者さんがみかんを演じていたとは、、、見た後びっくりしました。

殺し屋だらけが登場するものの彼らの一部が過去に接点があったり
(クライアントが変わっても現場でプロの殺し屋が出くわす場面というのは
 ままあるのかなと、知らない業界の一端を観た気分)
その中で、運不運が見えてくるわけですが、レディバグはそれ自身が幸運ではなく、
背中に背負った点の数だけ不運を受けて他を幸せにするという説明の中で
彼自身が大変な目に遭いまくるものの最終的には他(の一部)を幸せにして、
自分自身もハッピー(多分)になるという展開に見えました。

この映画を観て何を感じるか、と言われたら殆ど何も感じなかったし、
(強いていうなら、レモンとミカンの強い友情と兄弟愛かな)
日本を描くなら日本映画をリスペクトしているタランティーノ監督の方が
ずっと入り込めると思いました。
(キルビルで日本刀もって飛行機に乗るユマ・サーマンには笑いましたが)
ただ、タランティーノが梶芽衣子の「修羅の花」を採用したのと同じくらい、
いや、それ以上だったかもしれないのは、麻倉未稀の「HERO」を採用したこと、
でした。終盤でいきなり流れて私も想定外すぎる展開に笑いましたが、
おそらく聴いて過剰に反応するのは日本人(特に40代以上)だけと思いますが、
この選曲の意外性はよかったと思います。

日本が舞台でなくてもアジアの違う国でもよさそうなもんだな、と、
これを見て日本がこうだと思い込んでくる人は今の時代いないとは思いますが(笑)
(昔は忍者がいると思って来日する外国人がいたのとは時代が変わりましたし)
ここまで振れ幅が凄いと逆にそれは気にせず(見ているときは)ブラピの活き活きと
楽しそうに演じている姿を眺めているだけで満足してしまった(単純です(笑))
勢いだけで観るのが吉の「ブレット・トレイン」でありました。



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映画「ブライアン・ウィルソン 約束の旅路」を観る [映画(は行)]

ビーチボーイズは知っているもののファンということもなく、
でも曲は結構知っているから、という理由で映画館で観ました。
ブライアンウィルソン.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

1962年にデビューアルバム「サーフィン・サファリ」をリリースした、ビーチ・ボーイズ。
その創設メンバーであるブライアン・ウィルソンは、コンポーザーとして
「カリフォルニア・ガールズ」「リトル・ガール」といった人気ナンバー、
「ペット・サウンズ」などのアルバムを生み出す。
だが、薬物依存症を発症したことでツアーから離脱し、メンバーともすれ違うようになる。
さらに精神科医ユージン・ランディ氏によって洗脳まがいの治療を施された上に、
弟デニスを亡くしてしまう。


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ビーチ・ボーイズファンというほどでもない私も楽しめました。(^-^)

小学生の頃、人生最初にはまった洋楽がクイーンだったせいか、
ビーチ・ボーイズ走っているけれど陽気なサーフィンミュージック、
勝手ないイメージのまま、気づけば五十路になっていた私です。

映画を観た後、Spotifyで検索して聴きながら帰途についたのですが、
意外とたくさん彼らの曲を知っていたということに気づきました。
彼らの曲を知っていたけれど、メロディを口ずさめるけれど、
メンバーにブライアン・ウィルソンがいることを知っているくらいで、
それも、彼の娘が結成したウィルソン・フィリップスの曲で知った、
(調べたらそれも1990年とずいぶん昔の話でした(^-^;)
ビーチ・ボーイズといってもその程度の知識だったので、今作を見て、
ブライアン・ウィルソンが天才であること、それが故に様々な苦悩を抱えて
アルコールやドラッグにどっぷりつかったりしたこと、
陽気に聴こえていた音楽の背景にある彼の才能と繊細さと苦労を垣間見た、
そんな気持ちになりました。

私が陽気だと思っていたのは私が生まれる前あたりの作品(サーフィンUSAとか)、
ビートルズのラバーソウルに影響を受けて発表したアルバムが、
ペット・サウンズ(MONO & STEREO)+1(SHM-CD)

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"God only knows"、聴けば知っている曲ですが、この曲、確かにビートルズの影響を
受けたのも分かります。ただ、このアルバムがこれまでのサウンドとかけ離れていて
商業的には思ったほどではなく、レコード会社からも敬遠されてしまい、
その後のアルバム制作中にブライアン・ウィルソンは精神を病んでアルコールやドラッグに
どっぷりつかってしまい(暴力的だった父親も精神的に負に作用したように見えた)
メンバーで弟だったデニスをなくし、更に、あくどい精神科医の拘束(9年間も)もあって、
と、波乱の人生だったことを今作で知りました。

長年ブライアン・ウィルソンと親交のあるローリングストーン紙の記者の
ジェイソン・ファインと一緒にドライブしながら思い出の場所をたどっていくのが
中心になっていますが、心を開いて話せる相手とドライブしながらだったからこそ、
ブライアン・ウィルソンも過去の辛い話ができたのではないかと思います。
(一緒に話して音楽を聴いているときの彼の姿が時につらそうでしたが、
 楽しそうにしている様子は見ていてほほえましかった)
20歳そこそこで大ヒットを飛ばし、3年間でアルバム10枚を作るという、
(儲けようとするレコード会社にいいように使われていたようにも見えました)
その精神力と才能は素晴らしいという言葉では表現しきれないですね。

エルトン・ジョンや、ブルース・スプリングスティーン(久しぶりに観た)、
今年初めに亡くなったテイラー・ホーキンスなどのミュージシャンが登場し、
ブライアン・ウィルソンについて語る中で、エルトン・ジョンが彼の家に
行った話、エルトン・ジョンだけでなく、スライ・ストーンや、
パパス&ママス(ウィルソン・フィリップス誕生ってここなのね、と納得)も
訪れたという話に時代を感じつつ、当時のミュージシャンたちが集う様子を
想像しました。

今作を観なければ私にとってのビーチ・ボーイズは陽気なままでしたが、
ブライアン・ウィルソンの姿と人生を少しでも知ることが出来たことで、
彼の成長とともに変化していった楽曲も理解して改めて聴きたいと思った、
「ブライアン・ウィルソン 約束の旅路」でありました。



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Netflix「ハーフタイム」を観る [映画(は行)]

Netflixでおススメに出てきたので鑑賞しました。
ハーフタイム.jpg
内容はYahoo!映画さんより。

歌手や女優としての活動の一方で、制作会社の設立、香水やファッションブランドの販売に
携るなど、多彩なキャリアを築いてきたジェニファー・ロペス。
世界中で楽曲を売り上げ、スーパーボウルのハーフタイムショーでは大勢の観客や視聴者を
魅了してきた。
しかし一方で、スポットライトを浴び続ける日々にプレッシャーを感じている一面もあった。

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J.Lo、結婚おめでとう。

めでたいタイミングで鑑賞したので、ベン・アフレックとの熱々な様子を
思い浮かべながら見ました。(^-^)
(ドキュメンタリーにもちょこっとベン・アフレックが出てきます)

ベン・アフレックと婚約していたころの映画をうっかり見たことがあって、


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  • 出版社/メーカー: ショウゲート
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悪くはないけれど(冒頭辛いけれどハッピーエンドだし)、
付き合っている2人のラブラブシーンを観るのはいかがなものか、
と思ってしまったのですが(笑)、今回ドキュメンタリーを見て
映画出演が30本?と多いことを知りました。
メイド・イン・マンハッタン [レンタル落ち]

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  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2003/12/18
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ジャック【日本語吹替版】 [VHS]

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  • 発売日: 1997/09/01
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密林で検索したらそこそこ私も出演作品を観ていたことに気づきました。

これまでジェニロペに抱いていたイメージは、歌手で時々映画に出ている人、
だったのですが、今回のドキュメンタリーを見て、ブロンクスの貧しい家を出て
ダンサーとして働きながら実在のラテン歌手を描いた映画の主役に抜擢されて、
ということなので最初は俳優としてデビューしたことを知りました。

殿方とのお付き合いが派手なイメージ、とはいえ、自立した女性として
活躍しているイメージもあったりして、男性に頼らずとも強く生きていける
(でも優しくしてくれる男性には傍にいてほしいんだろうな)
俳優なら俳優として活動していればアカデミー賞等の賞レースでもうちょっと
違う結果が出ていたかもしれない描き方でしたが、
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今作でもコンサンス・ウーを完全に食っていたので
コンサンス・ウーではなくジェニロペを主軸にもっていっていれば
もうちょっと違う作品になって賞レースにも食い込めたかもしれない、
そんな気持ちになりました。
(とはいえ、今作、殆ど共感できずに見終わってしまいましたが(^-^;)

ラジー賞を何度も受賞しているとはいえ、ジェニロペの演技が酷いとは思えず、
作品選びの問題なのかもしれないけれど、歌に演技に一生懸命取り組んでいても
どこか報われないような気持ちになってしまうのかもしれませんね。
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プエルトリコをはじめとした中南米からの移民、その2世や3世を描いた作品
ジェニロペもプエルトリコ移民2世としてNYブロンクスで生まれ育ち、
常に有色人種に対する偏見差別と闘ってきたことを語っていましたが、
2020年のスーパーボウルのハーフタイムに抜擢されたものの、
シャキーラとの共演と知り、自分の持ち時間が14分の半分しかないこと、
ラテンを代表する歌手として2人必要であったのか、
葛藤しながらも、見ている人が納得し感動してくれるステージをどうやって
作っていくのか、長らく一緒に活動している振付や音楽の監督とアイデアを出して、
トライ&エラーから更に良い物を作っていこうとする姿、
50代でここまで鍛え上げて妥協せずに取り組むのを見て感心することしきり、でした。

ネットでは、「わがまま」「自己中」というキーワードで形容されることが多いので、
周りにいる人たちの気遣いも大変そうだな、と長らく思っていましたが、
まあ、スターなのでそれでもいいんじゃないのかな、という気持ちもします。(笑)
スターにありがちなお騒がせ的要素は彼女に限らずアメリカのセレブであれば
あるあるなのかと思いますし(私と違う世界だと思えばよいだけで(笑))
ドキュメンタリーもジェニロペ礼賛を主眼に置いて製作しているのでそういう目線で
見ていれば素直に受け入れてみることができました。

恋多きジェニロペなのでベン・アフレックといつまで続くんだろうという気持も
当然感じながらの鑑賞となりましたが、ラテン移民2世としての葛藤、
トランプ政権に対しての不満とバイデン政権への期待、おそらく、ラテン移民の方々は
ジェニロペをラテンの代表(他にもラテン移民の有名人は沢山いますが)として、
この作品で勇気づけられる部分も多かったんだろうと思いつつ、
私自身は、50代でこのプロ意識、私もぐーたらしないで健康に気を付けるように
(もうちょっと運動するようにしないと)
という気持になった「ハーフタイム」でありました。





















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映画「ひめゆり」を観る [映画(は行)]

久しぶりに田端のチュプキさんで観た映画です。
ひめゆり.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

沖縄戦に動員された222名の「ひめゆり学徒隊」は負傷兵の看護や水くみなどに
追われたが、米軍に追い詰められ、沖縄本島南部で解散命令を受ける。
その後の数日で、米軍が包囲する戦場に投げ出された彼女たちは100名以上が亡くなった。
看護活動をした病院壕や友人を失った海岸で、戦場を生きのびた元学徒たちが当時を振り返る。

https://youtu.be/tQMTA5PucBs


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映画については柴田監督のご意向でDVD化されていないそうで、
予告編などの動画もないので上に関連する資料館の動画を貼ったのですが、
この映画を受け容れられない(または曲解、誤解するような)人もおそらくいると思われ
そういう点でDVD化や映画についての予告編を作らないというのも考えとしては
理解できるような気がしました。

ひめゆり学徒隊、ひめゆりの塔、というフレーズは知っていましたが、
女学生が戦争のために駆り出され多くが命を落としたという程度、
殆ど知らないに等しい存在だった中でこの映画を観て、これまで知ろうとしなかった、
知らなかったことを反省しつつ、今回この映画に出会えたことに感謝しました。

(wiki)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%B2%E3%82%81%E3%82%86%E3%82%8A%E5%AD%A6%E5%BE%92%E9%9A%8A

ひめゆり学徒隊の他にも8つの学徒隊が駆り出されたというのを映画鑑賞後にwikiで
知りましたが、本土への米軍上陸を遅らせるために沖縄が住民も駆り出されて闘う、
そういう地であったことを改めて知りました。

16歳から19歳までの女学生が負傷した兵士の手当てをするために駆り出され、
彼女たちも赤十字の旗の元で働くものと思って戦地に行くと、壕につくられた場所、
前線ともいえる砲弾飛び交う場所、満足な医療器具もない中で、負傷して運ばれる
兵士を休む間もなく手当しなければいけなかった様子が第一部で語られます。
負傷した腕や足を切断される場面で兵士を押さえつけるよう指示される、
切断された腕や足をゴミ箱へ捨てに行く、傷口に湧いた蛆を取り除く、
最初の頃はショックで仕方ないのがいつしかそれに対しての感情もなくなっていく、
(炊飯軍曹にそれを指摘されてふと我に返った話が衝撃でした)
北海道からやってきた兵士がひめゆり学徒隊の1人にスズランの話をする場面、
映画や舞台でもあるらしいのですが、兵士の方も20歳前後でしょうし、
北海道から沖縄に送られて命の火を消していく話を聞いて切なくなりました。
お国のために働いて負傷した兵士を助けるのも自分の役目、自分もお国のために、と
一生懸命暗い壕の中で働く学徒隊の様子、自分の人間としての尊厳もなくなっていく
彼女たちの証言から感じることができました。

次の第二部では、日本軍の劣勢から、軍が突然の解散命令を発したこと、
解散しろと言われてもどこに逃げても米軍がいる中で自分たちが見捨てられた気持ちで
途方に暮れる様子が語られます。
兵士が学生さん(ひめゆり学徒隊)は一般市民だから投降したらどうかと言うものの、
投降することは国賊、捕虜になったら男性は惨い仕打ちにあい、女性は辱めを受けた後、
戦車で轢かれると教えられていた彼女たちは、日本は負けるわけがない、味方が活路を
見出してくれると信じていたこと、軍国教育による洗脳というか、国を信じて戦って、
見放されてしまう、どれほど恐ろしいことなんだろうと思いました。

捕虜になるよりは、と手りゅう弾で自決しようとしてなかなかできない、
そんな間に、米軍兵が壕に火炎放射器や爆弾を投下してくる状況になってくると、
隣にいた同級生が気づくと即死していたり、といったことになると語るのですが、
死にたい、でも生きたい、お母さんの顔が見たいと思う彼女たちの気持ち、
第三部で、壕から海岸に逃げる兵士とひめゆり学徒隊について語られますが、
彼女たちの大半が命を落としたのは解散命令が出てからで、
そこでも途中、同級生が命を落としていく様子が語られていきます。。

映画自体は、学徒隊の皆さんの語りに米軍の記録映像が時系列に合わせて紹介され
過剰な演出もなくたんたんと語りが紡いでいかれるという構成で、
最後に、ひめゆり学園の卒業式で歌うはずだった歌が流れて映画は終わりました。

上映後、柴田昌平監督の舞台挨拶があって、
映画の中で当時の壕があった場所に行って語る学徒隊のみなさん達、
思い出したくないという気持で話したくない人が多かったと思われる中で、
どういう経緯でカメラの前で話そうと思ってくれたのか私も質問しました。
監督のよれば、16年前ひめゆり平和記念資料館を設立する際、生き残った方々が
それまで話したくはなかったけれど後世に語り継いでいくべきではないかと
撮影を承諾してくださって、実際の場所に行って最初は思い出せないことも
話していくうちに思い出してお話してくれたと仰っていました。
ドキュメンタリーだと描きたいシナリオに沿って質問したりすることが多いそうですが
そういうことは一切せず、とにかくお話してください、とお願いして撮影したのが
映画の中に出てくる学徒隊の皆さんのお話と聞いて、先生や同級生の名前を
フルネームで語る方が多かったのも当時を思い出すときに名前も思い出されたのかな、
と思いました。

ひめゆり平和記念資料館で語り部として不定期に活動されている学徒隊のおばあが
なくなった同級生と自分の孫が同じ年になったくらい時間が経っているけれど、
自分が同級生のところに旅立つとき、みんなが亡くなった後に訪れた平和な時代に
ついてお土産話をもっていきたいと仰っていたのが印象的でした。

沖縄は昔(四半世紀以上前)に行ったきりで、lovin姐さんが最近はよく訪れている場所、
というイメージだったのですが、旅費がお手頃な時期に(私はリゾート派ではないので)
沖縄のひめゆり平和記念資料館と関連する場所を(運転できないので公共交通機関かな)
できるだけ訪れてみたい気持ちになりました。
って、実は年内に訪れるようにツアーを申し込んじゃった私です。(^-^;

舞台挨拶後、監督が自費出版された本を購入してサインをいただく際にも
お話させていただきましたが、
ももちゃんのピアノ: 沖縄戦・ひめゆり学徒の物語 (ポプラ社ノンフィクション 40)

ももちゃんのピアノ: 沖縄戦・ひめゆり学徒の物語 (ポプラ社ノンフィクション 40)

  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2022/05/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
この本についてもいずれ記事にしたいと思います。(^-^)

というわけで、沖縄について最近ドキュメンタリー作品を観るようになって
同じ日本の遠いところで何が起きているか(起きたのか)を知る機会も
増えていますが、関心をこれからももっていきたいと思った「ひめゆり」でありました。



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映画「PLAN 75」を観る [映画(は行)]

YouTubeの広告で頻繁に予告編が流れてきたので
他人事ではなさそうな、、という気持で映画館に観に行きました。plan75.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

超高齢化社会を迎えた日本では、
75歳以上の高齢者が自ら死を選ぶ「プラン75」という制度が施行される。
それから3年、自分たちが早く死を迎えることで国に貢献すべきという風潮が
高齢者たちの間に広がっていた。
78歳の角谷ミチ(倍賞千恵子)は夫と死別後、ホテルの客室清掃員をしながら
一人で暮らしてきたが、高齢を理由に退職を余儀なくされたため、
「プラン75」の申請を考える。


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フィクションなのにフィクションと言い切れないような、
自分の身にも当てはめて考えてしまうような映画でした。

冒頭で国会で可決されたプラン75という説明があって、
「可決した国会議員たちは自分たちは別、一般国民が承諾すればいいとか
 思ってるんじゃないの?」とフィクションなのに現実の国会議員の世間ずれぶりと
なんだか重なってしまいそこでイラっとしてしまった私です。
(映画の大事なツボポイントはそこではないはず(笑))

映画館の中は想像していた通り私くらいの年代からそれ以上が半分以上で、
身近に感じられる話題だからなんだろうな、と思ったのですが、
若い人も観るのが苦痛(不快感)かもしれませんが見てほしいと思いました。

私の年代、それ以上も観ていて楽しいわけではなく、実際高齢化が進んで
年金を含めて社会保障が昭和の高度経済成長で描いた計画が破綻しているのは
理解していて、年金をそこそこもらっている婆1号の世代はまだいいものの、
私の世代、本当に年金貰えるのかどうなのか、という疑問がずっと渦巻いています。

所得倍増って言ったのはダレですか?

現実見てから物言えよ、自分たちは安全な場所にいて一般国民を見下ろしながら
選挙の時に綺麗ごと(⇐実現できない)ばっかり言って忘れちゃうのかよ。
って、最近そう思います。(V)o¥o(V)

すみません、つい、映画じゃないところに怒りを向けてしまいました。


ここのところ、政府やメディアの矛盾について考えることが増えたのですが、
60以上の人が交通事故を起こすと「高齢者がー」という枕をつけて
高齢者は運転すべきではないと声高に報道する一方で、
(高齢者全員が事故を起こすわけではないのに高齢者=危険の印象付け)
60を過ぎても若いから企業は定年を引き上げろ、という政府に連動するメディア、
政府にしてみれば年金払えないから(払いたくないから)支給年齢を引き上げるわけで
60過ぎても働け働けーと煽っているように見えます。

今作でも78歳で働くミチ(倍賞千恵子)を中心に高齢化社会を描いていますが、
これまでの人生楽しかったと思いながら進んで応募する人と、
これまでの人生散々だったと苦渋の思いで応募する人が描かれていたように見えました。
このプラン75の手続きなどを行う窓口業務を行う岡部は応募してくる人達に対しての
感情も殆どみられず淡々と業務を行うキャラクターに見えたのですが、
それは他人だから、自分は指示されたことを粛々とこなすことが大事だという気持で
日々対応しているように見えたものの(説明会場で嫌がらせされる場面もありましたが)
会場で偶然みかけた叔父さんと数十年ぶりに再会すると自分の父のお葬式にもこなかったと
嫌っていたはずが叔父さんの話を聞いているうちに悪い人ではないと思って行く心の変化、
最後の場面では、岡部が叔父さんの人としての尊厳を守ってあげたいと思ったが故の行動、
に見えました。(その後、岡部は大変なことになりそうでしたが)

ちなみに、岡部を演じていた磯村勇斗さん、全然気づかなかったのですが、
劇場版「きのう何食べた?」 DVD通常版

劇場版「きのう何食べた?」 DVD通常版

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2022/05/18
  • メディア: DVD
このジルベールだった人だと知り驚きました。
振れ幅大きい役柄を演じるすごい俳優さんですね。


後半、ミチがプランに応募して施設に連れていかれるのですが、
プラン75を執行する施設の描き方があまりにも杜撰で(セキュリティ面が特に)
人手も足りなさそうでこれじゃあ問題起きるだろうとツッコミを入れたくなりましたが
だからこそのミチの行動、彼女もその後どうなるんだろうとあれこれ想像しましたが、
プランの対象になる75歳以上にも、その予備軍(私も)にも、
もっと若い(この先長い)人たちにも年代世代なりの不安を抱かせる作品だと思います。

唯一救いだったのはコールセンターの成宮。
彼女はミチの気持ちを理解してくれた数少ない人物ですが、
でも、業務上はスクリプト通りの対応しかできないことに悲しさを感じる姿に
後半叔父さんのために動いた岡部もそうですが、人間らしい一面を見てホッとしました。
岡部の上司は多くの人に応募させて自分の成績にしたいようなえげつない人物でしたが、
こういうプランの背景には闇があって(利権絡みの汚い世界)、現在の国会議員でも
汚職収賄で捕まる人がいるのと同様だなと思いました。

また、フィリピンからの出稼ぎ労働者がこのプランの闇の部分で働く様子も
フィクションとはいえフィクションと言い切れない部分を描いているようにも見えました。

誰の立場から見ても悲しく心が痛いことであり、こういうプランが現実にならずに
老後に不安がない社会を作っていく、そのために本気で取り組んでくれる政治家って
いるんだろうか、選挙で投票に行く、自分で考えて投票する、国民目線で考えられず
綺麗ごとを公約に並べて実行しないような人は選ばない、自分が出来ることって
そんなところから始めるしかないのかな、あとは、お金や自分の健康について自分自身が
真剣に考えて取り組むしかないのかな、悶々としながら答えが出ぬまま観終わってしまった
ものの、観てよかったと思った「PLAN 75」でありました。








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映画「ぼけますからよろしくお願いします~お母さんおかえり~」を観る [映画(は行)]

以前観たドキュメンタリーの続編、田端のChupkiさんへ観に行きました。
ぼけますから.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

2018年、広島県呉市。信友直子監督の母親は認知症が進行し、脳梗塞を発症する
。父親は入院した妻に面会するために毎日1時間ほどをかけて病院に通い、
妻が帰ってきたときのために98歳にして体を鍛え始める。
しかし2020年3月、新型コロナウイルスの流行で、病院への面会が制限されてしまう。

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観ながらずっと泣いてしまいました。

ぼけますから、よろしくお願いします。 [DVD]

ぼけますから、よろしくお願いします。 [DVD]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2020/11/27
  • メディア: DVD
この作品を観て他人事ではないと思ったのですが、続編である今作では
その後の信友家を描いています。

前作の公開を楽しみにしていたお母さんが公開前に脳梗塞で入院、
お父さんはシルバーカーを押して片道1時間を歩いて毎日お見舞いに行く日々、
早く家に帰りたいとリハビリするお母さん、と、今度はお父さんが鼠経ヘルニア、
全身麻酔で手術した翌日からリハビリを行うお父さん、と、今度はお母さんが
違う箇所で脳梗塞を発症し、回復して帰宅する目途がなくなってしまう。

どんどんやせ細り意識が薄れていくお母さんを賢明に見舞うお父さん、
家で2人で座ってごはんを食べて食後にコーヒーを飲んでいたのに、
家にはお父さん一人しかいない、当たり前のことが当たり前でなくなった、
観ている私も自分や婆1号に重ね合わせてみていました。

コロナ禍で見舞いも出来なくなり、その間にもお母さんが弱っていく、
それでもお父さんはお母さんが帰って来た時に自分が面倒をみられるように
筋トレに励む、その生命力の原動力になっているのがお母さんの存在、
共に両親を早く亡くし、長子だったことから弟妹たちの面倒を観ていて
見合い結婚したのはお父さん40歳、お母さん32歳、当時は晩婚だった2人の間に
生まれたのが直子さん(映画の監督)。

今作のタイトルにある「おかえり」は、お母さんが療養型病院に転院する途中、
自宅に立ち寄る時、と、お骨になって家に帰ってくるときの2つの意味があるのだと
思いますが、自宅に立ち寄っていつも座っていた椅子に座った時に見せる表情、
家だと分かって反応している姿、「また家に戻れるように頑張ろうね」と直子さんに
言われて頷くお母さんにとっても生きる力になるのはお父さんの存在であり、
長く過ごした家なんだろうと思いました。
残念ながらお母さんはその後多臓器不全で亡くなりお骨になって家に帰ってきますが、
その時に直子さんが「おかえり」と言うとお父さんもそう思いながらお母さんへの感謝を
伝える場面になるのですが、こういうお父さんと結婚して直子さんを授かって60年一緒に
過ごせたお母さん、認知症や脳梗塞になってしまったことはお母さんにも無念だったと
思いますが、それでも幸せであったのかな、と思いました。

映画鑑賞後、実家に帰って婆1号にこの映画の話をしたら、ちょうどテレビでこの映画が
紹介されていて、お父さんの優しさとお母さんのために頑張ろうとする姿を観て、
脳梗塞になった父にもうちょっと優しくできなかったかな、と思ってしまったそうです。
できるだけ家にいたいという気持も理解できるというので、できるだけこの家で過ごせる
ように私も努力するからと話をしましたが、実家に帰ろうとする直子さんに対して
「やりたいことをやりなさい」と背中を押すお父さん、いつも優しく直子さんを支える
お母さんの間に産まれた直子さんの接し方(呉の方言が温かい雰囲気)に私も学ばねば、
私も親に対してこう接したいと思いながら、時に泣きたい時もカメラを回し続けこの作品を
作って公開してくれた直子さんに感謝したいと思った、
「ぼけますからよろしくお願いします~お母さんおかえり~」でありました。





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映画「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」を観る [映画(は行)]

本日から暫く旅行記、、と思ったのですが、週末見た映画2本を先に記事にしてから
旅行記を始めようと思います。
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1作目を観たからという理由で続編も観たのでここまで来たら、という気持ちで
3作目も鑑賞しました。
ファンタスティック.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

魔法動物学者のニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)は、
魔法学校の教師のアルバス・ダンブルドア(ジュード・ロウ)や魔法使い仲間、
さらには人間(マグル)と共に、史上最悪の魔法使いゲラート・グリンデルバルド
(マッツ・ミケルセン)と戦うことを決意。
魔法使いが人間を支配する世界を作ろうと暗躍するグリンデルバルドに立ち向かう。
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更にハリポタ寄り。(笑)

(1作目の舞台はNY) https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2016-11-23
(2作目の舞台はロンドン)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2018-12-02

3作目の舞台はベルリンとブータンです。

2作目でハリポタ寄りになったと思ったのですが、3作目は更に寄ってきた感じ、
5部作ということで伏線を色々張っていると思いますが、多少は回収しないと
間延びしそうと思ったのか、ホグワーツ魔法学校やおなじみの曲、
ダンブルドア先生の弟アバーフォースにも焦点を当てた展開など、
ハリポタへのつながりを更に感じる作品でした。

ハリポタやファンタビシリーズを観ていない人には今作だけ観て理解するのは
やはり難しいかとは思いますが、観ている人にはこんれからの展開が更に楽しみ、
と思える作品だったと思います。

1作目のような魔法動物山盛りで楽しいファンタジー!という感じは薄いものの、
途中、ニュートが兄テセウスが捕らえられた刑務所に行ってテセウスを救出、
という場面で登場するサソリのような魔法動物、場内がくすくす笑いに包まれる、
(動物にではなく、遭遇したときのニュートとテセウスの様子に)
また、ホグワーツに到着すると(あの音楽が流れるだけでわくわくする)
目の前をスニッチがぶんぶん飛ぶ様子が映し出され、終盤では、
カバンの中に入っているパンや本が悪い魔法使いたちをやっつける
私のようなおばさんでも子供並みに素直に喜べる場面がちりばめられていて
物語の展開にメリハリが効いていたのでダレることなく見られました。

CGで描かれた麒麟、アジアっぽい雰囲気のバンビ、って感じでしたが、
この麒麟(英語ではチリンって感じで発音されていました)は笑える存在ではなく、
ダンブルドアやグリンデルバルドの運命を左右する存在として描かれていて
CGの力(クレジットされている人の数が尋常でないくらい多かった)で
こんな映像も可能になるんだなと感心しました。技術の進歩ってすごい。

ハリポタに登場したもののどういう存在なのかいまいちよく分からなかったのが
ダンブルドアの弟アバーフォースだったのですが、1作目、2作目に登場し、
グリンデルバルドの闇に落ちてしまったクリーデンス(前作から見た目がすっかり
変わりスネイプのような風貌になっていてちょっと驚き)との関係がわかって
今後の2作品でもアバーフォースの存在がある意味重要になるのかな、と思いました。

今作、一番印象的だったのがグリンデルバルドを演じていたマッツ・ミケルセンですが
前作まで演じていたジョニデが諸々の問題で降板させられ代打で登場したのがマッツ様。

フレッシュ・デリ [DVD]

フレッシュ・デリ [DVD]

  • 出版社/メーカー: アット・エンタテインメント
  • 発売日: 2005/12/28
  • メディア: DVD

この映画を観てから好きな俳優さんですが、個人的には1作目から演じていたら、、
と思うほど深い狂気と色気を兼ね備えたグリンデルバルドを好演されていました。
ある意味、グリンデルバルドが主役ではないかと思うほど。
素敵なお姿を拝ませていただき私自身は大満足でした。(^-^)

1作目からずっと良い人のジェイコブ(ノーマジ=非魔法属)は今作でも良い人ぶりを
全開しまくっていたのですが(その人の善悪を見透かす麒麟にも好かれていた(笑))
ジェイコブの優しさのお陰で闇落ちしたクイニ―がジェイコブの元に戻ることが出来て
最後はホッとしましたが、グリンデルバルドとダンブルドアの関係を軸に描きながら、
ニュート、ヒックス先生(魔法使う場面がクールで素敵だった)、
テセウス(演じているカラム・ターナー、観たことある?と思ったら観たことあった
どのキャラクターも愛すべき、なのですが、渋く活躍していたニュートの助手、バンティ、
最後、多分彼女が活躍するんだろうな、と思っていてみていたらその通りになって
個人的には推測が当たって満足というのもありますが、彼女が場面場面でしっかりと
ニュート他を支えていたお陰でハッピーエンドに結びついていったのだろう、と
思うと、こういう脇のキャラクターも注目しながら鑑賞すると更に楽しいですね。

前作から4年空いてしまったので(ジョニデとコロナが原因らしいです)次回は2年後、
そのくらいで公開してほしいと願っていますが、1作目でピンとこなかったものの
ハリポタの前の時代に何があったのか(マクゴナガル先生もまだ若いし)描きながら
ハリポタの頃のファンタジーの世界に浸ることができた、
「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」でありました。
























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映画「ベルファスト」を観る [映画(は行)]

映画館やYouTubeで予告編を何度もみてしまったので、
マーケティング戦略に素直にはまり映画館まで観に行きました。
BELFAST.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

北アイルランド・ベルファストに暮らす9歳の少年バディ(ジュード・ヒル)は、
仲の良い家族と友人たちに囲まれ、映画や音楽を楽しむ幸せな日々を過ごしていた。
しかし1969年8月15日、プロテスタントの武装集団がカトリック住民を攻撃したことで、
彼の穏やかな日常は一変。
住民同士が顔なじみで一つの家族のようだったベルファストの街は、この暴動を境に
分断されてしまう。
住民の間の対立が激化し、暴力と隣り合わせの日々を送る中、バディの家族は故郷を
離れるべきか否か苦悩する。
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映画を観ていてU2の歌を思い出しました。



Live Aid、久しぶりに観たのですがなんか学生服みたいな。(^-^;
この頃はLPも買ったりして好きだったU2も、その後の活動に興味がなくなってしまい
(政治的な発言が多いイメージなのと、捕鯨反対というのが個人的に引っかかり)
ちょっとというかうんと遠ざかっていたグループでしたが、今作の冒頭で描かれる、
カソリック信者の家を襲撃という場面を見てU2を思い出したまま、そのまま最後まで
ボノの顔が時折ちらつくような状態で鑑賞している己がおりました。

現在のベルファストが空撮されてカラーで投影された後、
モノクロに変わって1969年のベルファストにタイムスリップして楽しそうな風景、と
思ったら襲撃、という展開でそうかこれって楽しい映画じゃないんだよな、と
思った途端、頭の中にはU2。そのままずっとU2、最後まで引きずってU2。
変な感じで頭の中をU2かぐるぐるループしていました。

監督は先日観た「ナイル殺人事件」でポワロを演じ、私には違和感ありありの
アクションシーンを見せてくれたケネス・ブラナー。
自身の話を描いた半自伝的映画らしいのですが、映画鑑賞後調べてみたら
ケネス・ブラナーとボノって同い年と知りびっくり。
1969年にベルファストで経験した襲撃事件、1972年の血の日曜日事件、
同年代で北アイルランド(ケネス・ブラナー)、アイルランド(ボノ)にいた2人、
私が思い出したものもある意味つながっていたのなと思いました。
(的外れなことを思い出したのではないことが分かりホッとしました)

予告編はうまく場面をつないであるなと鑑賞後に思ったのですがが、
楽しい音楽を聴くと小躍りしそうな気分で観ると全然違います。(^-^;
本編はそんなに楽しくできていないので、カソリックとプロテスタント、
信じるものが違うという理由で争いが起きていることを9歳の子供の目線で描くことで
残虐な描写になりすぎずに見る人の想像力でいかに酷いことが起きていたのかを
想像するような映画だったのかと思います。

苦しい家計(お父さんはロンドンに出稼ぎでたまにしか帰ってこない)、
お母さんは時々泣いているし、でも、優しいときはいっぱい優しいし、
おまけにお爺ちゃんやお婆ちゃんは優しいし、
(お爺ちゃんが算数のテストで良い点をとる方法を教えている場面で爆笑)
近所の人たちや同級生たちとの触れあいも楽しいし、でも暴動起きるし、
9歳の主人公バディの目線で感じたことを描いている作品なので、
お店の襲撃に巻き込まれて洗剤を棚からとって持って帰ってお母さんに怒られたり、
それを返しにいって暴動に巻き込まれそうになったり。
子供の目線では暴動が起きている理由もよく分からなかったりするのかもしれませんが、
大人だってよく分からないけれど暴動に参加してしまう人もいるのではないか、
多数に入っていれば安心という心理もあったのではないか、そんな気持ちになりました。

とはいえ、監督の思いが強いのか、予告編のイメージが強すぎたのか、
前半は少々ダレる感じもあったのは正直な感想です。

バディは結局家族と一緒にロンドンに引っ越すことになるのですが、
(お爺ちゃんはなくなり、お婆ちゃん(ジュディ・デンチ)は連れていってもらえない)
クラスで片思いだった女の子がカソリックだということがバディの言葉でわかります。
バディ(プロテスタント)は女の子がカソリックだから話しかけづらかったのかな、
と思ったのですが、行いが悪いと地獄に行くと教会で説法を聞くバディ、
懺悔すれば許されると聞いているカソリックとは相いれないのかな、というのは
子供ながらに感じていたのかもしれませんね。

期待し過ぎてあれ?という気持になりましたが、日本から遠い場所で起きたこと、
子供目線で描いてもらって知る機会になったかなという気持ちになれたので、
観てよかったと思った「ベルファスト」でありました。



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