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映画「レザボア・ドッグス(デジタルリマスター版)」を観る [映画(や・ら・わ行)]

1991年のクエンティン・タランティーノ初監督作品、
デジタルリマスター版が公開されたので観に行きました。
レザボア.jpg
あらすじは映画.comさんより。

宝石店を襲撃するため寄せ集められた黒スーツ姿の6人の男たち。
彼らは互いの素性を知らず、それぞれ「色」をコードネームにして呼び合う。
計画は完璧なはずだったが、現場には何故か大勢の警官が待ち伏せており、
激しい銃撃戦となってしまう。
命からがら集合場所の倉庫にたどり着いた男たちは、
メンバーの中に裏切り者がいると考え、互いへの不信感を募らせていく。
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いつまでも色あせない名作。

1993年公開(アメリカは1992年公開)なので30年以上前の作品ですが、
スマホやインターネットがないなどのアナログ感が逆に今見ると新鮮に思えるほど

(スマホがあったらこういう展開には決してならないだろうと思いますし)
デジタルリマスターでよみがえった色彩で改めてみてこの作品の良さを感じました。

とはいえ、私がこの作品を初めて見たのは10年ちょっと前ですが、
(DVDで鑑賞)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2012-05-14

昨年観たタランティーノ監督のドキュメンタリー映画、
「クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男」での
各作品の制作秘話を聞いた後で観るとまた面白さが増えるというか、
タランティーノ.jpg
(本人は出てこないという面白いドキュメンタリー)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2023-08-13-1

Mr. ブロンドを演じたマイケル・マドセンの撮影秘話を聞いてから再び観る、
ああ、この場面、そういうことだったんだ、、一粒で二度楽しめました。(^-^)

冒頭の本編と全く関係のないくだらない会話(マドンナの”Like a Virgin”について)、
その後、支払の段になってチップに対して否定するMr. ピンク(スティーブ・ブシェミ)、
見慣れている場面ですが、Mr. ピンクが他の犯行メンバーとは違うということを
冒頭で見せていたこと、このあたりも最後の場面につながっていくのかな、
なんてことを今回感じました。
(観ていない方にはなんのこっちゃかと思いますのですみません)

犯行メンバー(一部は冒頭の場面以降すぐ亡くなってしまうので映りませんが)の
各々の人生と性格を映画が進む中で紹介しますが、非情と思われるMr. ブロンド、
その行動は時に目をつぶってしまうほどのの残虐さを見せますが、
その根底に流れているのは世話になった人には忠義を示す、人を信じる心も持つ
実は優しい人なのかもしれないな、なんて今回思いました。

また、Mr.ホワイト(ハ―ヴェイ・カイテル)については、どこか人に対して
警戒心を持ちながら時に緩んでしまう、それが災いしてしまうという展開ですが、
犯行を一緒に行うだけで友達でもない犯行グループのメンバーにもどこか優しさを
見せてしまう、その姿(悲しい結果になるのですが)にキャラクターの中では
一番親近感をもって見ることができました。

犯行の指示役、ジョーの息子、エディ(クリス・ペン)について、
以前観た時はボンボンの2世くらいにしかみていなかったのですが、
今回改めて観て、父親から学んだことをきちんと行動に移す、
その頭の回転の早さというか「この人、バカじゃない、頭いいんだ」と
見直したキャラクターでした。

もう一つ、タランティーノ監督の言葉の使い方というか、
日本語字幕では「英雄気取り」と表記されていた部分の英語が
「チャールズ・ブロンソン」だと今回気づいたのも個人的には収穫でした。
今の時代にいると「誰その人?」となりそうなのですが、
私の世代や公開当時であればあの髯面を思い浮かべる人も多いのではないかと
思われ、脚本にこの名前を入れたタランティーノ監督だけでなく、
この字幕を担当された方のセンスの良さも感じた次第です。

こうやって記事を書いていると1度観ただけではよく理解できなかったこと、
結末が分かっていてみるのできちんと追いかけていけるなと思ったのですが、
犯罪はいけないこととはいえ、人間臭い男たちの物語、として、
タランティーノ監督の作りたかった映像の世界の第一弾、という位置づけで、
その後も映画を作っていった(殆ど観ています)ことを考えると、
これからも時折観てみたいと思った「レザボア・ドッグス」でありました。



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