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東京オーガニックボーイズの落語を聴く③ [落語・お笑い]

「東京オーガニックボーイズ」の落語会を聴きに赤坂区民ホールへ。 

 今回で8回目 (私は3回目の参加)

二つ目の3人が勉強会と称して開催している落語の会ですが、
こんな機会でもないと赤坂に行くことは皆無なので(笑)、足取りも軽く参りました。

最初に出てきたのは前座さん。(名乗らなかったので名前分からず)
カラテカの矢部太郎に雰囲気似ているかな、って感じのスポーツ刈りの男性で、
噺は「手紙無筆」。
字の読めない八五郎が本所の叔父さんから貰った手紙を読んでもらおうと
近所の兄貴分の男のところへ持っていくと、本当は八五郎同様に字の読めない男が
読めるふりをして八五郎に探りを入れながら当てずっぽうに手紙を読む話。
たまに寄席で聴く噺ですが、教科書通りに話している姿がほほえましいというか、
逆に新鮮に見えました。。。


続いて登場したのが、
 林家たけ平さん
噺は「お血脈(おけちみゃく)」。  の筈なんですが、マクラが長くて長くて。。。。。
登場するなり最前列に座るオバちゃんから「たけ平!!」と大きな声がかかり、
写真撮られてVサインした後に噺に入ると思いきや、

マクラも本筋に入るまでの導入部だったようなのですが、、、やはり長かったかな。

弁慶と小野小町の話から始まり、実は女性を酷く差別していたお釈迦様に話が変わり、
仏教と一緒に伝来した一寸八分の小さな(プラチナ製の)仏像を物部守屋という男が
こんなもん要らんと難波ヶ池に捨てた後、本多善光という男がその池から仏像を拾い上げ、
仏像が信州に行きたいと言うので背負って連れていって建立したのが善光寺。
この善光寺に戒壇巡りと同様に有名となったのが「お血脈」と呼ばれるハンコ。
浄財百疋で額にハンコを押してもらうと、どんな罪を犯した人でも極楽往生できるという。
お陰で我も我もとお血脈に人が押し寄せ額にハンコを押してもらって極楽往生したものだから
地獄は誰もこないで閑古鳥が鳴いている。
このままでは地獄が衰退の一途を辿ると思った閻魔大王が、
この惨状を打破しようとして地獄の幹部を集めて話し合うと、善光寺のお血脈の話が出た。
このハンコを盗めば地獄に人が増えるだろう、そう思った閻魔大王はハンコを盗もうと
風呂で一息ついていた石川五右衛門をつかまえて善光寺までいってお血脈を盗むように言う。
そのくらい朝飯前と早速善光寺に乗り込んだ五右衛門、夜中に小さい箱を見つけて
開けてみると、開けても開けても箱が出てくるマトリョーシカ状態。
やっとのことで出てきたお血脈を見た五右衛門は、そのまま地獄に持って帰ればよかったのに、
芝居の一説を真似してセリフをいいながら思わず額にお血脈をポン。。。。
そして極楽浄土に行ってしまったとさ。。。という噺。

(導入部含む)マクラ20分に本題5分って感じで、善光寺からの噺があっという間だったので
あれれれれーという感じでしたが、噺自体は分かりやすくて結構笑えました。
最前列のオバチャン2人が超バカ受けだったのを見るとこれはこれで良かったのかな、と思いつつ、
やっぱりマクラはほどほどに、本題もちゃんと時間をかけて話してほしいかな、と思ったりして。。。

続いて出てきたのが、 
 月の家鏡太さん
噺は「小言念仏」。
毎朝仏壇の前で念仏を唱えるのが日課になっているジイサン。
信心から唱えているというよりは、単なる日課で唱えている感ありのジイサンなので、
念仏に全く集中せず、自分の周囲の様子を気にしては小言を言いながら念仏を唱える始末。

ナムアミダー、ナムアミダー、ほら鉄瓶が湧いてるよ、
ナムアミダー、ナムアミダー、仏壇にほこり溜まってるよ、ちゃんと掃除しなさいよ、
ナムアミダー、ナムアミダー、味噌汁の具に何入れるのかって?どじょうにしたらどうなの。
ナムアミダー、ナムアミダー、おい、どじょう屋ぁー! おーい、どじょーやー!
ナムアミダー、ナムアミダー、どじょうやぁぁぁーーっ!

女房がどじょう屋からどじょうを買った後も泥の吐かせ方やらなんやらを
念仏を唱えながら教えるジイサン。。。。 という噺。

まだ30ちょっとの鏡太さんが話すと、ジイサンのくたびれた感じが出ないというか、
寄席で60過ぎの噺家が同じ噺をやると、一々小言を言ってウルサイジイサンぶりに
「余計なお世話だよ、ジイサン」と言いたくなるほど良い味わいが出るのですが、
鏡太さんのはまだちょっと物足りない感じ。。。
もっとイヤーな雰囲気を醸し出すジイサンぶりを身に着けてほしいな、と思ってしまいました。

そして今回の主任は、 
  古今亭菊六さん
噺は「抜け雀」。
小田原宿に現れた若い男、
黒羽二重が日に焼けて赤羽二重に帯も芯が出ておりクタビレタ感は否めない。
そんな男に宿の主人達が声をかける訳もなく、
宿場町の外れに来た所でやっと声をかけたのが夫婦2人だけの旅籠の主人。
男は宿の主人に「では泊まってやろう、内金は百両でいいか」と大きなことを言うが、
主人は男が金を持っていると信じて「ご出発の日で結構です」と答える。

部屋に案内された男は、自分は朝昼晩一升ずつ飲むと宣言し、
その通り7日間、朝昼晩一升ずつ、つまり1週間で21升も酒を飲み続ける。
それを見ていた旅籠の女房が主人に文句を言い出した。
酒の仕入れ代にも困ってきたから客の男から内金として五両お金を貰ってきて、
と主人の尻を叩いて男のところに送り出す、、、、と、
「金など一銭もない」「最初に百両預けるといったのもウソだ」と開き直る男。

あんたは金のない人ばかり客として泊まらせて駄目じゃないか、
少しでも金になるものを男から取ってきなさいと女房に言われて再び男のところに行く主人。

と、男は自分は絵師なので宿賃のかたに絵を描こうと言い出した。

以前、無銭で泊まった男が代金の代わりに作った衝立に
男が墨で一気に書き上げたのは五羽の雀。一羽一両としてこれで五両だ、と男は言う。
これを抵当で置いていくので旅の帰りに自分がここに寄って代金を支払うまでは売ってはならん、
と言い残して男は去ってしまう。

あーあ、またこんな客泊めちゃったよ、と落胆する夫婦だったが、
翌朝、男の泊まっていた部屋の窓を主人が開けた途端、衝立に描かれていた雀が飛び出して
隣の家に言ってえさを啄ばみ再び部屋に戻って衝立の絵の中に入っていく。。。
驚いて女房にも見せると、女房も吃驚。。

この衝立の雀が評判を呼び、雀見たさの宿泊客で大賑わい、毎日満室の大繁盛となり、
藩主の大久保の殿様から千両で買いたいという申し出まであったが、
売ってはならん、と言って去った男の言葉が気になって殿様にも売ることが出来ず、
宿に飾っておいたある日、60過ぎの老人が宿にやってきて衝立の絵が見たいという。
そして、絵を観た途端「この絵は不十分だ。鳥の止まる木が描いてないから
このままでは死んでしまうだろう」と不吉なことを言い出す老人。
主人が頼んで老人に止まり木と鳥かごを墨で描いてもらうと、
雀は安心したように籠の中に入り止まり木に止まるようになった。
老人が去った後、再び大久保の殿様から絵を買いたいと申し出があった。
今度は以前の倍の二千両。しかし、男との約束があるからとまたもや申し出を断るのだった。

それからしばらく経ったある日。黒羽二重の立派な身なりの侍がやってきた。
よく観ると、いつぞや料金踏み倒しで雀の絵を描いて去っていった赤羽二重の男。
あの時描いてくれた絵のお陰で宿が繁盛したと、男に御馳走を振舞う主人。
男が描いた絵に老人が鳥かごと止まり木を描いた話をすると男はその絵を目にし、
その前にひれ伏して老人が自分の父親だという。

父に逆らって家を飛び出た後、勘当されて金もなくなり放浪していたが、
最近勘当が解けてどうしてかと思ったら、父が自分の絵を観ていてくれたからだ、という男。

殿様が雀を描いた人も鳥かごを書いた人も名人だといっていたから
親子二代で名人ということですね、という宿の主人に対して、

「いや、自分は親不孝だ。親をカゴカキ(籠描き=駕籠かき)にしたんだから」と言ってオチ。

当時、街道筋にたむろする雲助や宿場で客待ちをする駕籠屋はよろしくない職業と
いわれていたので、最後のオチ「駕籠かき」=親不孝となるそうです。

最初にマクラ部分で菊六さんが雲助や駕籠かきの話をしてくれたので
最後のオチが理解できたのですが、話がなかったら何のことやら、になっていたかもしれません。

とはいえ、親不孝のした息子を遠くから見つめる父、最期には互いを理解して、、、
という筋書きにジンとしてしまいました。


今回で3回目の勉強会でしたが、三者三様の話しぶりに今回も楽しみつつ、
自分の好みがはっきりしてきたような気がします。
やっぱり古典をしっかり話してくれる菊六さんがいいかなー、なんて思ったりして。
といっても他の2人も今後に期待できるというか期待したいと思った
東京オーガニックボーイズの勉強会でありました。


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kikuzou

うつぼさん おひさです。
今度ゆっくりコメントします。
とりあえず、nice!押し逃げでゴメンナサイ。
by kikuzou (2007-06-12 10:57) 

最近、意識しながらまわりを見ていると、こういう落語の集まりが多いですね。わが谷根千でもちょこちょこやってるようだし、月島ではもんじゃ寄席もあるようだし。
でもまだそこまで広げるにはちょっと抵抗が・・・。いまは寿輔師匠にこだわり始めたばかりだし・・・。先日も浅草演芸ホール、行ってきました。相変らずの客いじりで・・・。楽しかったです。
by (2007-06-13 03:51) 

うつぼ

kikuzouさん、おはようございます&おひさです。
お忙しいようですが、ちょっと落ち着かれたんでしょうか??
体を壊さぬようご自愛下さいませ。
by うつぼ (2007-06-13 06:44) 

うつぼ

cocoa051さん、こんばんは。
最近は寄席以外で独演会や勉強会など、ちょっとした落語会が多いですね。寄席よりも親近感が持てるというかで面白いですよ。
浅草で寿輔師匠にお会いになったとは。。。。ウラヤマシイです。
私は先月初めにお会いしたっきりですし。cocoa051さんが益々はまっていくのが嬉しいですよ!
by うつぼ (2007-06-13 23:54) 

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