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映画「世界一と言われた映画館」を観る [映画(さ行)]

久しぶりに映画のはしごがしたくなり、シルバーウィークの1日で
4作品、鑑賞しました。
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1本目は、久しぶりに田端のChupkiさんに行って鑑賞した映画です。世界一と言われた映画館.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

20歳で支配人になった佐藤久一氏が作り上げた、
山形県酒田市の映画館「グリーン・ハウス」。
上映ベルの代わりにジャズの名曲「ムーンライト・セレナーデ」が流れ、
ホテルのようなロビーや少人数のシネサロンなどの設備やシステムを取り入れた
映画館は、映画評論家の淀川長治氏に絶賛され、街の人たちにも愛された。
しかし1976年にグリーン・ハウスがきっかけとなった大火事によって
街は甚大な被害を受けて、閉館を余儀なくされる。


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一度この映画館で鑑賞してみたかった。(;_;)

山形県酒田市というと、以前みた映画「雪国」のイメージのみというか、
喫茶ケルンのバーテンダー井山さんのイメージなのですが、
その井山さんがグリーン・ハウスが出火元となった酒田の大火について語る場面、
風向きが途中で変わって井山さんのお店は焼けずに済んだそうですが、
井山さん以外にも様々な人たちが出てきて酒田の大火の話と、
グリーン・ハウスの思い出を語っていくつくりになっている映画です。

映画館自体は全焼してしまったので、映画館内にあったであろう資料などは
もう残っていませんし、当時映画館に通い詰めていた方々(60−70代)が
映画のチケットや映画館が発行していた冊子を見せながら懐かしく語るのを見て、
映画館が焼けてしまった1976年ごろ、私も映画館によく通っていたのを思い出しました。
ビデオデッキもない時代(うつぼ家にデッキがきたのは大学生になってからでした)
当時小学生だった私も映画好きの婆1号と一緒に映画館によくいきました。
そんなに裕福ではない家でしたが、近所のお家が映画関連のお仕事をしていたらしく
鑑賞券をよくいただいていたので交通費だけで見られたのはラッキーだったと思います。

金曜日の夕刊のテレビ欄の下に掲載されている映画公開の広告を観るのが楽しみで
次は何をみようかと婆1号と相談していたことを久しぶりに思い出したのですが、
洋画専門の映画館だったグリーン・ハウス、作品の看板が掲げられた外観写真を観ると、
写真ではなく看板の絵師さんが描いた映画のイメージ図、ああこういう感じだったなあ、
懐かしい気持ちになりました。

入口から続く赤い絨毯、切符を買って入る回転ドア、入ってすぐの喫茶から香るコーヒー、
白いカバーがかけられた座席、舞台前に飾られた生花、上映前に流れるグレン・ミラーの
ムーンライト・セレナーデ、映画の中でも言っている方がいましたが、映画を観ることが
ハレの場だったのでしょうね。

冒頭に登場する当時20代の消防士だった男性は、消火の定石が通らず火が広がっていった
酒田の大火について語る際、グリーン・ハウスでみた「タワーリング・インフェルノ」、
この作品だけ2回みたという思い出を語っていたのですが、そうかこの作品って火災の
パニックものだったんだなあと(私は未見ですが)自分の職業につながるような作品、
それは一番記憶に残りますよね。

グリーン・ハウスはダンスホールだったところを初孫で有名な東北銘醸の社長の長男、
佐藤久一さんが東京の映画館などで修行してから支配人として運営していたそうで、
(その後、酒田市内に有名なフランス料理店を開いたり多彩な方のようです)、
酒田の方にしてみれば、東京に行かずとも東京と同時公開で作品が見られるというのが
嬉しく誇りだったというのもなんだか納得。

後半で、平成終わりに閉店した酒田市内の白ばらも出てくるのですが、
(銀座の白ばらも閉店してしまいましたよね)
その時に登場した上々颱風の白崎さん(ボーカル)が酒田出身と聞いて驚きつつ
(JALの沖縄キャンペーンに出でていたので沖縄の方だと思いこんでいた)
今作ろうと思ってもできないであろう昭和のキャバレーをそのままにしておくのも
もったいないとクラウドファンディングで集めたお金で消防設備を整えて、
ここでライブを行っている様子を観ると、もし、グリーンハウスが今あったら、
シネコンなどに押されてやはり役目を終えていたかもしれないなと思いました。

酒田市に限らず、地方都市は人の流れが駅前から郊外の商業施設に移っていて、
映画も映画館に行かなくてもネットで見られる時代になって、ハレの場では
なくなったわけですが、世の中、便利になればなるだけのメリットはありますが、
不便だったからよくなかったということもなく、不便な中でも楽しみを見つける、
その一つが映画だったのかな、と思うと、私も小さい頃に映画館で映画を観る機会が
あったことが今の「できるだけ映画館で映画を見たい」という気持ちになって
いるのだと思います。

今作のタイトルから想像すると映画館の話メインだろうと思ってしまいますが、
世界一と言われた映画館の思い出を通じて酒田への気持ち(愛)を語るという
意味合いが強いと思いつつ、大杉漣さんのナレーションから映画愛を感じられる
「世界一と言われた映画館」でありました。
















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映画「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」を観る [映画(さ行)]

YouTubeで頻繁に予告編が流れていたので
シャンテシネマ日比谷まで観に行きました。
summer of soul.jpg
内容はYahoo!映画さんより。

1969年の夏、ニューヨーク市マンハッタンのハーレム地区で、ブラックミュージックの
フェスティバル「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」が行われる。
時を同じくして、ニューヨーク州サリバン郡ベセルでは現在もアメリカ音楽史上に
語り継がれるウッドストック・フェスティバルが開催されていた。
「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」には、スティーヴィー・ワンダー、
B・B・キング、フィフス・ディメンションといった、ブラックミュージックの
スターたちが続々と登場する。


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お宝映像!

ウッドストックはリアル世代ではないものの(生まれていましたが小さすぎて記憶なし)
知っていましたが同じ時期にハーレム・カルチュラル・フェスティバルというイベントが
あったことは知りませんでした。
しかも、その映像が「黒いウッドストック」と売ろうとした思惑に反して売れず
結果的に50年間地下で保存された後に掘り出されて公開されたことに感謝しました。

ライブ映像のみをひたすら映し続けるのではなく、当時参加した観客や出演者、
彼らのインタビューや当時の社会情勢(マルコムXやキング牧師の暗殺など)も
交えて編集されているので、白人優位という社会の中で有色人種の社会的地位が
低いことへの不満、そこで開催されたフェスティバルで音楽を純粋に楽しんで
不満を発散したい、という方が多かったのではないかと思いました。
当時、初の月面着陸で白人たちが盛り上がる中、このイベントに参加する人たちは
全く興味なく、そんなことに大金を使うなら貧困をなんとかしろと怒る、
そのエネルギーを音楽にぶつけているようにも見えました。

このイベントは6週間(毎週1回)にわたって30万人を集めて開催されましたが
スポンサーになってくれたマックスウェルコーヒー(アフリカのコーヒー豆を使って
商品を作っていることから)のおかげで観客は無料で参加できるということも
多くの人が集まったのかもしれませんね。

19歳のスティービー・ワンダーのドラム演奏が冒頭に出てきて驚き、
BBキング、フィフス・ディメンションのアクエリアス、アフリカ音楽だけでなく
中南米移民も多いことからラテン音楽も演奏されていて、ソウルだけでなく、
ルーツとなる地域の音楽も演奏するその間口の広さも感じました。
中盤くらいまでで印象的だったのはゴスペルなのですが、
晩年のマヘリア・ジャクソンと彼女をサポートするステイプル・シンガーズ、
魂を揺さぶると安直に言ってはいけないのですが、このパフォーマンスを
近くで見られたら私は震えがとまらないかもしれない(ノンアルでも(笑))と
思いました。

中盤以降のスライ・ストーンは、


スライ・ストーン [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2015/11/04
  • メディア: DVD

今作を見ていたので特に盛り上がれましたが、
メンバーに白人や女性(トランペットを演奏する姿がとても素敵)がいて
黒人、男性にこだわらないスライの姿勢とその迫力のパフォーマンス、
更に続いて登場するニーナ・シモン、
ビフォア・サンセット [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2010/04/21
  • メディア: DVD
この映画で、ジュリー・デルピー演じるセリーヌが好きなアーティストとして登場し、
その後気になってCDを買って聞いていた方ですが実際のパフォーマンスを見たのは
今作が初めて、社会情勢に対して問題提起するパフォーマンスに見入りました。

その他にもグラディス・ナイトやマックス・ローチ、レイ・バレットなどなど
これほど多くのアーティストが趣旨に賛同して出演してくれたこと、
主催したトニー・ローレンスの手腕のおかげで私も50年の時を経てスクリーンで
観ることができて感謝です。
できれば、この作品でイベントについて知ることができたので、
パフォーマンスだけを編集した映像も見てみたいなと思った、
「サマー・オブ・ソウル」」でありました。


映画には関係ない話)
作品と関係ない話ですが、チケット売り場で発券してもらおうと並んでいると、

前にいたおっさん2人(60代くらい)が手にハイボールのロング缶を持って
同じシアター内に入り、3,4列後ろで本編スタートまでずっと大声で話していました。
シアターでもアルコール販売が中止されている中でアルコールを持ち込んで、
劇場内で呑んで大声で話す、本編が始まったらおそらく没頭できたのか静かでしたが
こういう人の隣に運悪く座ったら楽しめなかったかもしれないな、なんて思いました。
シアター内で買ったものだけ飲食可と以前から注意されているのにこういう態度って
自己中で嫌ですね。(~_~メ)

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映画「シンデレラ」を観る [映画(さ行)]

映画記事ばかりを続けていると本当に引きが悪いので(笑)
本日までにします。明日からは旅記事をアップする予定です。(^-^)
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昨日アップした映画と比べてお気楽すぎる気がしているのですが
大好きなビリー・ポーターが出ていると知り公開すぐ鑑賞しました。
(記事をアップしている時点ではAmazonプライムのみでの公開です)
シンデレラ.jpg
作品の説明はAmazonさんより。

「ピッチ・パーフェクト」の脚本家ケイ・キャノンが、有名なおとぎ話を大胆に作り変えた
現代風ミュージカル映画「シンデレラ」。
大きな夢を抱く野心家のヒロイン(カミラ・カベロ)が、
ファビュラス・ゴッド・マザーの魔法の力を借りて夢を実現させようと奮闘する姿を描く。
イディナ・メンゼル、ミニー・ドライヴァー、ジェームズ・コーデン、
ニコラス・ガリツィン、ビリー・ポーター、ピアース・ブロスナンと、
共演者の顔ぶれも非常に豪華だ。


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楽しくない訳じゃないけれど。( 一一)

シンデレラ、と思ってみると素直に楽しみづらい、というか、
シンデレラみたいなもの、いや、別物、と思えばそこそこ面白いかな、
という作品でした。

監督にとって意欲作なのかもしれませんが、雰囲気としては、
グリーとピッチ・パーフェクトを足したような感じ、に思えました。(^-^;

シンデレラ、といえば、
シンデレラ スペシャル・エディション [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • 発売日: 2005/10/21
  • メディア: DVD
やっぱりこのディズニーのイメージが強いのですが、

シンデレラ MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

シンデレラ MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • 発売日: 2019/05/25
  • メディア: Blu-ray
実写版で観たこれは色々と突っ込みどころがあってそんなに楽しめず、

Rodgers & Hammerstein's Cinderella (1997)

Rodgers & Hammerstein's Cinderella (1997)

  • 出版社/メーカー: Walt Disney Video
  • 発売日: 2003/02/04
  • メディア: DVD
ホイットニー・ヒューストンがフェアリー・ゴッドマザーを演じていた、
このシンデレラは楽しかった、という記憶。

懐かしい洋楽とオリジナルぽい音楽のミックスでミュージカル仕立てに展開していく、
ジャネット・ジャクソンの「リズムネイション」、クイーンの「愛にすべてを」、
マドンナの「マテリアルガール」(イディーナ・メンゼルが歌っていた!)などが
出てきて結構もりあがるのですが、オリジナルの曲と交互に出てくるので
逆に散漫な感じがしてしまいました。
オリジナルならオリジナルだけ、懐かしいポップスならポップスだけ、とか
揃えた方が私自身はもっと集中して聴けたような気がします。

Amazonの説明の通りかなり大胆にアレンジしているので、
シンデレラが強い女性というか、物おじしない態度に王子が惚れる、
いまの時代なのか(でも女性の地位が低い設定)昔なのか、
夢見るシンデレラが強い割に中途半端に気弱になるので
どっちなの?と見ながら少々イラっとしたのは内緒です。(笑)

配役については、王様が元007のピアース・ブロスナンのちょっと足りない感じ、
王妃のミニー・ドライヴァーの素っ気ない態度、2人はよかったと思いますが、
王子があまり好みではなく(すみません)、というかシンデレラも実はあまり
好みな感じではなかったので(もっとすみません)、おそらくアメリカで人気の
ある俳優を起用したと思うのですが、この2人が恋に落ちるのかあ、という
どこか冷めた目で最初から見ていたのも作品に没入できなかった理由かもしれません。

継母のイディーナ・メンゼルはミュージカルでは安定した存在ですが、
継母が優しいのか優しくないのか、この設定も中途半端で、おそらく苛め抜くと
今の時代には許されない演出になってしまうのでマイルドにしたのかな、
(最後の方では自分の叶わなかった夢の話をしてシンデレラの背中を押す)
そんな歪んだ見方をしてしまいました。

3匹のねずみのうちの1匹を演じたジェームズ・コーデンもピーター・ラビットの
声の方が活き活きしていた感じですし(今作では出番が少ないのでそこも残念)
唯一、ものすごい存在感を見せていたビリー・ポーターだけが今作で大満足、
のポイントでした。
所謂シンデレラを変身させ、カボチャを馬車に、ネズミを御者にする魔法使いの
おばあちゃん(ディズニーでは)の役ですが、フェアリー・ゴッドマザーならぬ、
ファビュラス・ゴッドマザーという役柄で、
ビリー・ポーターにピッタリ。(笑)
魔法をかけるときに歌う曲がEW&Fの「シャイニング・スター」でこれは思わず
唸ってしまいました。ビリー最高!

と、おそらく映画館で観たら画面の大きさに圧倒されてもうちょっと違う感想に
なったかもしれない(と思いたい)のですが、自宅のテレビで観ると、
あれー?な感じがして残念感の方が多かった「シンデレラ」でありました。


(こっちの方が個人的には面白かった)↓


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映画「サイダーのように言葉が湧き上がる」を観る [映画(さ行)]

現在の勤め先で在宅勤務前にはフリーアドレスで近くに座っていた
アニメ好きの会社のおじさんが勧めてくれたアニメ作品を鑑賞しました。サイダー.jpg

あらすじはYahoo!映画さんより。

ある夏の地方都市。チェリーはコミュニケーションが苦手な少年で、
代わりに自分の思いを句にしていた。
一方、矯正中の大きな前歯をマスクで隠すスマイルは、カワイイと思ったものを
動画で配信し人気を得ていた。
偶然知り合った二人は、バイト先に来たフジヤマという老人が思い出のレコードを
探していることを知る。


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若いって素晴らしい~。

といっても、自分が若い頃に戻りたいわけではありませんが、
主人公のチェリー(名前でなんか違うものを想像する汚れうつぼです(笑))と
スマイル、同年代の方はこの作品をどういう気持ちでみるんだろうう、
そんな気持ちで観ていました。
そう思う私自身は今更キュンキュンすることもなく(笑)、
出っ歯がコンプレックスって若いときはそうだよなあ、とか、
人付き合いが苦手で俳句にはまっているというのも今の若い人であり得るのかな、
色々な気持ちが絡んでいましたが、主人公の言動はおそらく想定内の範囲で展開し
想定内の結末に着地する、という想像を前提に見ていたので、そこから逸脱するような
奇想天外な展開もなく落ち着いて見られました。

個人的にツボにはまったのは、細野晴臣似のおじいちゃん、フジヤマさん。
LPのケースを大事に持っているおじいちゃんですが、中のピクチャーレコードが
紛失してしまい、それを一生懸命探している、ちょっとぼけかかているものの、
(チェリーがバイトしているデイサービスに通っているような年代)
そのレコード探し、レコードを一生懸命探そうとする思い出話、
そして見つかったレコード(ネタバレすみません)をプレイヤーでかけて
流れてきたのが大貫妙子の歌声。

ダダ泣き。

私と同年代の方であれば、フジヤマさんにツボりながら見ていたのは
私だけではない、と思います。絶対。
フジヤマさんの思い出で登場するレコードプレス工場、
そこで働く若い頃のフジヤマさんの思い出。

(;O;)

途中からチェリーとスマイルのことは完全に脇に追いやって観ておりました。

フジヤマさんが探していた「YAMAZAKURA」は山桜なのですが、
その意味、チェリーが詠む俳句の世界からもうかがえるオチもついていて
田舎の風景の移り変わりと、どこか懐かしいドラマなどの展開ぽい感じ、
目新しさよりも懐かしさに浸って楽しめるような(私くらいの世代には)
爽やかで楽しく、ほろっとできて温かい気持ちにもなれる
「サイダーのように言葉が湧き上がる」でありました。


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映画「食の安全を守る人々」 [映画(さ行)]

呑み記事ストックがないので、引きが悪いのは承知の上で(笑)
暫く映画記事をひたすらアップします。
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予告編を観て気になっていた作品、ヒューマントラストシネマ有楽町で鑑賞しました。
食の安全を守る人々.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

日本では種子法の廃止、種苗法の改正、ラウンドアップ規制緩和、
表記のないゲノム編集食品流通といった事実がほとんど報道されないことに
危機感を抱いた原村政樹監督と、弁護士で元農林水産大臣の山田正彦氏は、
各地を回り撮影を開始。
日本国内だけでなく、アメリカでのモンサント裁判の原告や、韓国の小学校で
普及するオーガニック給食などについて取材する。


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なぜ日本だけが逆行しているのか?

映画の軸になっているのは、除草剤のラウンドアップ。
モンサント社(現在はバイエルが買収しバイエル傘下)の製品、
日本では除草剤と呼びますが、英語ではweed killerというのですから、
その威力、影響力と同じだけリスクがあるというのは分かります。

この除草剤が小麦の収穫時、乾燥を早めるという理由で使われ、
出荷時にも残留する除草剤の影響で成長期にある子供たちに影響を与える、
アレルギーだけでなく脳神経への影響も与えることが分かり、
海外ではラウンドアップに含まれる有害物質(グリホサード)の残留基準が
どんどん厳格化されていく中、日本はその流れに逆行して基準が緩和されていく、
という疑問。
利権が絡んでメーカー有利になる、アメリカのロビイストなどを描いた映画で
見ることはありますが、日本でなぜ危険な方向へ基準が変更されるのか、
この映画を観ていてもその理由が分かりませんでした。
世の中が便利になる分、リスクを背負う、分かっているのですが、
実際こういう映像を見ると便利なだけがいいのではないと思います。

モンサント社を買収したバイエル社については、
上場企業として社会や環境に配慮しなければいけない立場にありながら、
有害物質を大量に含む除草剤メーカーを買収したことによって株価は下落し、
企業としての信用低下だけでなく、ラウンドアップの被害者から訴訟され、
多額の賠償金を支払い続ける、それだけ、食の安全にリスクのある製品、
と世界的に認知されているにも関わらず日本だけが基準を悪い方へ緩和する、
どうしてそうなるのか本当に理解不能です。
その事実にも驚きましたが(米の基準は厳しいけれど小麦は緩いことにもびっくり)
日本の政府や役人たち、彼らの家族たちは有害物質が海外より多く残留している
(ラウンドアップを使ってつくられた)農作物を何も気にせず食べられるのだろうか、
自分が食べられないものを国民に食べるようにと言えるのか、
なんのために緩和するのか、アメリカからの圧力なのか、国民に義務を課して
国民に安全と安心(このフレーズが政府で違う意味でも空回りしている感じですが)を
提供しようという気持ちはないのか、疑問と怒りが渦巻きながら見終わりました。

ラウンドアップの有害物質(グリホサード)以外でも、
作品の後半では、ゲノム編集について賛否それぞれの立場から描いています。
賛成派の言うことも分かりますし、反対派の言うことももっともだと思える。
でも、クローン技術と同じで倫理的にどこまでやるのか、技術的に可能だからといって
何を作ってもいいわけではないだろう、という話になるわけで、
これに関しても、日本では遺伝子組み換えに関する表示がなくなるなる(これも改悪)、
という話と合わせて紹介されていて、日本の食はますますリスクを含んで、
消費者には中が良く見えない不透明なものが増えていくのではと心配になりました。

私はもう人生の先が見え始めているので添加物や農薬が残ったものを食べたからといって
この先のリスクは若い人よりは少ないと思っています。
それよりもこれからどんどん成長していく若い世代にはリスクが多すぎますし、
有機栽培の農作物がもっと手軽に経済的に手に入るような仕組みづくりを国として
進めるべきではないのかな、と思いました。
食料の大量輸入、大量廃棄の国、というのが今の日本なのだと思いますが、
そこから必要な量を安全に作って国民に提供するように方向転換できないのか、
(それでも輸入は避けられないとは思いますが)
政府や役所は国民が食の危険にさらされても平気なのか、という気持ちになりますね。

映像の構成が少々散漫な感じで見づらいとはいえ、
(取材する山田さんの姿があまりアクティブに見えないのも勿体ない感じだったし、
 目に触れるところで反対パフォーマンスする社〇党が出てきてゲンナリ)
有害物質や遺伝子組み換え、自分は影響がなくても孫やひ孫の世代で影響が出てくる、
そういう研究もされているのを聞くと、特にこれから成長していく世代の安全を
どう担保していくのか、他の国に忖度するのではなく、自国の国民の安全安心を
本気で考えてほしいと思った「食の安全を守る人々」でありました。



(本編に全然関係ない話)
 ナレーションの語り口調がねっとりしていて合わないなあと思っていたら杉本彩さん。
 今作に賛同されての参加だと思いますが、もう少し淡々と語ってもらった方が、
 内容に集中できるような気がしましたねぇ。
 集中といえば、こういう作品だからなのか見ていたのは中年ばかりでしたが、
 
左隣のおばはんは画面に向かって頷いては独り言をつぶやき(頻繁にひじ掛け超え)、
 右隣りのおっさんはいびきをかいて殆ど寝ていたり、
 その隣はステンレス水筒を開けてはコップに注いで呑んでいる音が聞こえたり、
 前列のおばあちゃんたちはおしゃべりしていて、後ろは座席を蹴ってくる、
 と鑑賞する環境としては冴えず、自分もこんな人たちを気にせずもっと集中して見ないと
 いけないな、と反省しました。(笑)


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映画「シャイニー・シュリンプス」を観る [映画(さ行)]

予告編を観て気になっていた作品です。(ヒューマントラストシネマ有楽町で鑑賞)

シャイニーシュリンプス.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

元オリンピックの水泳選手で銀メダリストのマチアス(ニコラ・ゴブ)は、
同性愛者への中傷の罰としてゲイメンバーたちのアマチュア水球チーム
「シャイニー・シュリンプス」のコーチを担当することに。
彼の任務はクロアチアで開催される、世界最大のLGBTQスポーツ大会
「ゲイゲームズ」への参加だった。
3か月の間にマチアスは弱小チームを鍛え上げなければならず......。



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アラサーおじさんの成長期。


だれもが愛しいチャンピオン [DVD]

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  • 発売日: 2020/07/03
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まっさきに思い出したのがこの作品なのですが、かつてのメダリストがピークを過ぎて
メディアからも厳しく報じられる中で暴言を吐いて、その罰としてお釜ちゃんの
水球チームのコーチを引受されるという設定。
この水球チームは実在するそうで、それをモデルにつくられた作品なのですが、
ゲイを批判してお釜ちゃんのチームを任される、最初は嫌で嫌で仕方がないマチアス、
再びオリンピックに出場するために自分のことしか考えない自己中な態度ですが、
別居している娘のヴィクトワールを水球の練習会場に連れていったことで、
ヴィクトワールが水球チーム「シャイニー・シュリンプス」を一生懸命応援する姿、
チームの選手たちそれぞれの事情を察したマチアスも真面目に彼ら(彼女ら?)に
向き合っていく、そして迎えたゲイゲームでは?という展開で、ある程度想像できて
安心して見られるので話にグイグイ入っていけました。

チームのリーダー的存在のジャン、彼は癌にかかって病状が進行してるものの、
化学療法でつらい思いをするのであれば、仲間たちと過ごす時間を大事にしたい、
最後に(ゲイゲーム)勝って終わりたい、と病気に気づいたマチアスに伝え、
その言葉にマチアス自身も自分が現役選手としてピークを過ぎつつあるのは
分かっていながら自分自身にも真面目に向き合わないといけないという気持ちに
変化していきます。
そのあたり、ハリウッド映画ではないので(毎回こんな感じで書いてる気がしますが)
いやらしい感じはなくとてもさらっとでも見ていて彼らに感情移入するように
展開していくので終盤の意外な展開もありながら最後はほろっとして笑って
見終わることができました。

と、話の流れは展開は安定感があってとても面白かったのですが、
それを盛り上げる演出というか小道具というか、小ネタの数々も笑えました。

お釜ちゃんの好きなもの、
俳優ならライアン・ゴスリング、歌手ならセリーヌ・ディオン。

ステップフォード・ワイフ [DVD]

ステップフォード・ワイフ [DVD]

  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • 発売日: 2014/09/10
  • メディア: DVD
この作品では、ヴィゴ・モーテンセンでしたがなんとなく傾向は分かりました。(笑)

あとは、クロアチアまで(予算の関係で)ダブルデッカーで移動する彼らが歌う歌が、
いかにもお釜ちゃんによく合っていて話を盛り上げる一つになっていました。

マチアスの前では明るく楽しくしている彼ら一人一人に悩みもあって、
それが少しずつ描かれていくのですが、それでも日々楽しく過ごしていこう、
そういう姿を観ると私もあまり日頃のちっちゃいことにグチグチするのもよくないな、
と色々なところで色々な人を心中ドツイテいる自分を反省しました。( 一一)

単にバカ明るい映画にするのではなく、それぞれが人として抱える悩みも描きながら
シャイニー・シュリンプス(フランス語だとLES CREVETTES PAILLETEES)と
マチアスが共に成長していく様子を見ることで見ている人が明るい気持ちになれる、
とても楽しい映画「シャイニー・シュリンプス」でありました。




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映画「17歳の瞳に映る世界」を観る [映画(さ行)]

予告編を観て気になっていた作品、日比谷のシャンテシネマズで鑑賞しました。

17歳.jpg

あらすじはYahoo!映画さんより。

17歳のオータム(シドニー・フラニガン)は友達が少なく、目立たない高校生。
妊娠していることがわかったオータムだったが、ペンシルべニア州では
中絶手術に両親の同意が必要だった。
オータムは彼女の異変に気付いた従妹であり親友でもあるスカイラーと一緒に、
中絶手術に両親の同意を求めないニューヨークへ向かう。



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男性はこの映画を観て何を感じるんだろう。
という気持ちが冒頭から最後までずっと頭の中に渦巻きながら見ていました。

思春期、10代で抱える大きな問題に自分(と従妹)で立ち向かおうとする姿、
(妊娠と分かったときに鼻ピアスを開けるオータムの姿が切なかった)
その姿も必死というより親に頼りたくない理由も冒頭の場面から理解できるので、
オータムを理解するスカイラーという存在がいてくれたおかげで、
オータムが自分の気持ちに従って前向きに生きよとする姿には、
五十路のおばさん(私)、中盤からもうウルウルして見ておりました。

一昨日に記事をアップした「プロミシング・ヤング・ウーマン」でも
男性の下心、性差別(それによる性犯罪)を描いていましたが、
今作も、男性のある意味身勝手さ、そういうものを登場する様々な男性から感じました。
(もちろん、世の中の男性すべてがこういう訳ではないのは理解しています)

学校行事で歌うオータムにメ〇犬と暴言をぶつける同級生、
オータムとスカイラーにいやらしく接するスーパーの責任者、
NYの地下鉄で2人を見ていやらしい行為を見せようとする金髪おっさん、
バスの中で2人に出会ってスカイラーに興味を持った青年(ジャスパー)も
こいつらと広義では同じだろうと思いました。

アメリカで選挙、というと人工中絶の是非も大きな議論となりますが、
オータムが住むペンシルベニア州では未成年だと親の同意がいるわけで、
親の同意をとらずになんとか中絶したいと思うオータムの気持ちを理解した
従妹のスカイラーが一緒にバスでNYに行く様子、ネットで調べてどこに行けばいいか、
それは分かっているものの、NYに着いてからの多くの人が行きかう中で、
他人に無関心な人たちばかりで戸惑う2人の姿、大丈夫だろうか、無事たどり着いて
手術を受けることが出来るのか、観ていてずっと心配モヤモヤな気分でした。
人工中絶は体に与える影響も大きいですし、命を大切に、という人の意見も分かりますが、
時に望まない妊娠で悩む女性が現に世界に多く存在している中、
そういう女性をサポートする団体がある、
(一方、中絶を断念させ生まれた子供を里子に出すサポートをする団体も
 作品の中で描かれています)
団体の女性たちが受付から診察、そしてカウンセラーと代わっていき、
行ってすぐ手術できると思っていたらすぐには出来ず、思っていた以上に時間が
かかってしまうことに不安になるオータム、それをただ見つめるしかないスカイラー、
2人の心が離れていきそうなのに離れず、スカイラーはオータムのために、
本意ではないことをしてしまう、その姿が切なくて、辛いのはオータムだけではなく、
スカイラーも同様で、性差別を経験する場面、フィクションではあるものの、
まるでドキュメンタリーを見ているような錯覚に陥りました。

原題は、”Never Rarely Sometimes Always”。
これをそのまま邦題にしても分かりづらいので今回の邦題で良いのかと思いましたが、
オータムが人口中絶をサポートする団体のカウンセラー、ケリーと話す場面で、
ケリーがオータムに妊娠に関する質問をする、そのときにオータムが答えるのは4択、

Never(決してない)
Rarely(めったにない)
Somtimes(時々)
Always(いつも)”

この4つから答えるようにオータムに伝えます。

最初は質問に淡々と4択から答えていたオータムが、核心に入る質問になってくると
答えがすぐいえず考えこんでしまう、その時にケリーが、この4択で答えてね、
と優しく語り掛ける、という繰り返し。

今作で、どうしてオータムが妊娠したのか描かれていませんが、
この4択での答えで観客はオータムが妊娠した経緯についても推測できる、
あえて確定せず観ている人の想像に委ねるという作りになっているので
この映画に観客一人一人が入り込んでいけるように思いました。

無事手術を終えて2人が高速バスでペンシルベニア州に帰っていくところで
映画は終わりますが、このあと、2人はどういう大人に成長していくのだろう、
涙ながらにカウンセラーに答えていたあのオータムが強くなっていけるのだろうか、
実在の人物ではないのに2人が帰ってから少しでも楽しく明るく過ごしてほしい、
現在の性差別、性犯罪をドキュメンタリーのように描きながら、
観る人を(女性として、男性として、様々な立場から)考えさせる良作、
「17歳の瞳に映る世界」でありました。


(Sharon Van Essenの歌が素晴らしい)⇐オータムのお母さん役としても出演





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映画「ジェントルメン」を観る [映画(さ行)]

YouTubeを観ていたらこの映画の予告編がやたらと登場して、
(BGMがCreamの”Sunshine of Your Love"!)`
久しぶりのガイ・リッチー作品だし、と映画館に行きました。
(都内の映画館が閉まっていたので千葉市内で鑑賞)
gentlemen.jpg

あらすじはYahoo!映画さんより。


イギリス・ロンドンの暗黒街。
一代で大麻王国を築き上げたマリファナ王のミッキー(マシュー・マコノヒー)が、
総額500億円に相当するといわれる大麻ビジネスの全てを売却し引退するという
情報が駆け巡る。
そのうわさを耳にした強欲なユダヤ人大富豪、ゴシップ紙の編集長、私立探偵、
チャイニーズマフィア、ロシアンマフィア、下町の不良たちが、巨額の利権を
めぐって動き出す。




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痛快!

ガイ・リッチーというと、
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このイメージが強いので、
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最近のこの2作品も面白かったのですが、ガイ・リッチー監督作品というと、
少々物足りなさを感じていたところに今作で痛快さを思いきり感じられて満足です。

所謂群像劇(時間軸を行ったり来たり)なのですが、
登場する人物が皆愛すべき曲者だらけで感情移入しながら見られます。
麻薬王のミッキーを演じるマシュー・マコノヒーは好きか嫌いかといわれると
好きではない方に分類される俳優さんなのですが(ごめんなさい)
今作の演技は彼だからこその味わいが出ていてよかったと思います。
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この作品で観た、筋肉バカみたいなイメージが強い俳優さん、だからですが、
貧しい家庭で育ちながらアメリカからイギリスに奨学金で留学して、
麻薬で財を成す、そのやり方が上流階級ながら生活費用に困る貴族を
うまく利用する(win-winな関係を築きながら)、頭のいい役柄でも違和感なし。
普段は何があっても動じないのに、殊愛する奥さんのこととなると慌ててしまう、
そんな一面を併せ持つ愛すべきキャラクターに共感しながら見られました。

他にもミッキーの片腕のレイモンド、チャールズ・ハナが演じていますが、
ミッキーの指示を冷静に受けて手下を使って解決するその問題処理能力の凄さ、
私立探偵のフレッチャー(性根の腐ったポンコツ)を演じているヒュー・グラントとの
会話が軸になって映画が展開していく中で、2人のかけあいが観ていて心地よく、
時にどきどき、終盤に二転三転のどんでん返しと飽きることのない展開で、
この2人の俳優のキャスティングの妙もあったのかと思います。
中国人マフィアのドライ・アイを演じるヘンリー・ゴールディングも、
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どこがいいのか全く理解できない(全米大ヒットも解せない)この作品での
甘っちょろい坊ちゃんを演じているより、中国人マフィア(チンピラ)を
演じている方が活き活きしていて好感がもてました。

これらの人物にうまく絡んで話を更に面白く展開させるのが、
格闘技の指導をしているコーチという名前のキャラクター。
コリン・ファレルが演じているのですが、これがまた癖があって、
指導している選手たちが武闘派YouTuberでアップした動画で迷惑をかけた、と
レイモンドに詫びを入れにいった上に、代わりに手伝えることがあれば、と
申し出て手伝う内容が最後の最後まで笑えます。

そんなコーチに恥ずかしい思いをさせられるメディアの編集長ビッグ・デイヴを
演じていたのが、エディ・マーサンなのですが、
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この映画でじわっとして、
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この映画で大爆笑した俳優さんが、まさか豚と××。(自主規制します(笑))
と、キリがないくらい面白いキャラクターぞろいなので面白くないわけがない。

更に、冒頭で出てくるピクルドエッグ(酢漬けの卵)に1パイントのビール、
自分もパブでビールを飲みながらみたら面白いだろうな、という気分になって、
エンディングの画面もキャストの名前と一緒に映し出される炎と銃、
なんとなくイメージが007の冒頭みたいな雰囲気で気分が盛り上がってからの
2時間、久しぶりに見るガイ・リッチーらしい映画でした。

また、冒頭のオープニングロールが銃、炎をイメージした映像だったのが、
どこか007シリーズを想像させるあたり(パクリではない)、
監督の遊び心を感じたのも007好きな私には萌えポイントでした。

残虐なシーンもありながらどこかからっとしていてポイントポイントで笑える、
おまけに配給のMIRAMAXへヒューグラント演じるフレッチャーがミッキーのことを
描いた映画の脚本を売込みに行く場面があったりと、クライムサスペンスの中に
遊びの部分も入っていたりして様々な展開があってかなり豪華な作品です。

エンドロールでも、The JamのThat's Entertainmentが流れるのですが、
上流会階級(気位が高いけれど実は生活費用で苦労している)を揶揄しながら、
ミッキーを中心に起きる数々の出来事もエンターテイメントだと言いたいのかな、
なんて思いました。まさかこの曲が流れるとは思わず感激。


というわけで、やっとマシュー・マコノヒーに好感が持てて、
豪華な俳優陣によって繰り広げられる群像劇にぐいぐい引き込まれて楽しめた
「ジェントルメン」でありました。




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映画「スライ・ストーン」を観る [映画(さ行)]

Amazonプライムでドキュメンタリー作品を探して観つけた映画です。

スライ・ストーン [DVD]

スライ・ストーン [DVD]

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2015/11/04
  • メディア: DVD
あらすじはYahoo!映画さんより。

幼いころから教会でゴスペルを歌い、わずか9歳でレコードをリリースするなど、
類まれな音楽の才能を誇っていたスライ・ストーン。
1966年に自身のバンドであるスライ&ザ・ファミリー・ストーンを結成、
「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」「エヴリデイ・ピープル」などのヒット曲を放ち、
音楽界の寵児(ちょうじ)となる。
やがてバンドは1975年に解散し、スライはソロ活動をスタートするものの、
ドラッグ所持で逮捕されるなどのスキャンダルを重ねた果てに行方をくらましてしまう。



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スライ・ストーンファン以外には特に面白くないかもしれませんが、
私は楽しめました。(^-^)

アンソロジー

アンソロジー

  • アーティスト: スライ&ザ・ファミリー・ストーン
  • 出版社/メーカー: Sony Music Direct
  • 発売日: 2004/02/18
  • メディア: CD
といいながら、私が持っているのはベスト盤的なこの1枚のみ。
元々このグループが好きになったのは、


この曲に出会ってからなのですが、ライブ映像やMVを見たこともなかったので、
音楽のみ知っていた、という程度でした。
この歌も家族の問題というタイトルで、どんな子であっても親にとっては愛すべき子供、
みたいな歌詞なんですが、彼らの他の楽曲に比べると少々陰のある感じのメロディで
でも何だか耳に残る歌で気になってアルバムを買った私。
今回、その彼らのドキュメンタリーだからと特に前知識もなく見始めてたのですが、
1960年代後半から活躍したもののリーダーのスライ・ストーンが麻薬中毒、
おまけに黒人の自立を目指して活動するブラックパンサー党から圧力をかけられ、
白人メンバー2人が脱退、そして1980年代初めに解散。
というのを、映画を観た後wikiで知りました。

このドキュメンタリーは、スライ&ファミリーストーンの大ファンという、
オランダの兄弟(双子)が表舞台から姿を消したスライ・ストーンを探すために、
バンドのメンバー達にインタビューし、手掛かりになるものは何でも、と、
スライの妹がオークションサイトに載せた写真から自宅のあるエリアを推測し、
家を見つけて、そこから何とかインタビューができないかと行動する姿、
スライに会いたい一心で、というのが見ていても伝わります。
なので、途中工夫して盗撮するのも何となく許せてしまいます。(笑)

大金を積まれてもインタビューを断っていたスライが、
このオランダ双子に心を開いてインタビューを受ける、
スライの心を動かすものはお金(⇐もちろん大事ですが)ではなく、
オランダの双子(コニング兄弟)のような純粋な気持ちだったのかな、
なんて思いました。

2006年のグラミー賞授賞式の舞台に久しぶりに登場したスライ、
金髪モヒカン姿は還暦を過ぎたとは思えないくらいですが、
当時を振り返るナイル・ロジャーズ(!)によれば、折角スライが歌うところで
マイクが切れるハプニングだったそうですが、
YouTubeの動画を見るとスライ・ストーンが他のアーティストに与えた影響は
大きいということを改めて感じました。

その後、モントルーのフェスにも出演したり活動していたスライが、
マネージャーの裏切りで自分の収入が手元に届かなくなってしまい、
訴訟を起こす(70を過ぎてからの話)場面が描かれているのですが、
その時に、スライがなくしてしまったマネージャーとの契約書、
その写しをオランダの兄弟がコレクションでもっていたという偶然。
スライは車上生活をつづけながら訴訟活動を続けて勝訴、
その後は、毎日曲作りを続けているとうところで映画は終わります。

世代的には、ジミ・ヘンドリックスやジャニス・ジョップリンと同世代、
27クラブと言われる彼らと違ってスライは80近くの今も生きている、
生きているからこそ辛くても楽しいこともあるんだな、と、
このオランダの兄弟の目線を通してみるスライの人間らしいところ、
音楽にかける熱量を感じて、久しぶりにアルバムを聞いてみようかな、と
思いました。
このドキュメンタリーのお陰でスライの人間としての一面を知ることで
彼らの音楽への愛着が増しそうだと思えた「スライ・ストーン」でありました。




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映画「サンドラの小さな家」を観る [映画(さ行)]

ヒューマントラストシネマ有楽町で戦メリを観た記事を一昨日アップしましたが、
同じ映画館で、その15分後に見た映画です。
朝、田端のシネマChupkiでムツばあさんの映画を見て有楽町に移動し、
戦メリを観て続いて鑑賞したのですが、3作品、作風が全然違うので
疲れることなく観ることができました。(^-^)

サンドラ.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

サンドラ(クレア・ダン)は夫の虐待から逃れ、幼い子供2人を連れてホテルで仮住まいを
始めるが、長い順番待ちで公営住宅にも入れずにいた。
そんな中、彼女は娘との会話から自分で小さな家を建てることを思いつく。
サンドラが清掃人として働いている家のペギー(ハリエット・ウォルター)や、
建設業者のエイド(コンリース・ヒル)らの協力もあり、彼女はマイホーム建築に着手する。



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(;゚Д゚)

まさかラスト10分でそんな展開。。。。。。

これがハリウッド映画なら見た目にもハッピーエンド的に終わるんだと思いますが、
さすがイギリス=アイルランド映画、温かく終わるものの、その前の展開が予想外で
なんでそんなことになってしまうのー、と思いながら見終わりました。

DV夫から娘2人を連れて家を飛び出すサンドラが、
(DV場面がフラッシュバックで何度も映される度に悲しかった)
住宅補助で住める家を探すものの物件が少なくて見つからず、
仮住まいで住んでいるホテルスタッフには(生活疲れの姿でロビーを歩くので)
快く思われず、ホテルの部屋で暮らすことに息詰まっていく姿、
それで、役所にいって住宅補助の金額で家を建てたいと相談するものの、
ルールはルールと断られ(そんなところがさすがお役所)、諦めかけたところに
サンドラをサポートする人たちが少しずつ集まり家が完成する。
そこに親権の裁判も絡んできて大変なことになりますが、娘を守るためには、と

サンドラが毅然とした態度で臨む姿、素敵でした。

かつての社会保障が充実していたイギリスを舞台にした、
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この映画もDV夫から逃げるように子供2人を連れてニューヨークにやってくる
クララという女性を描いていますが、このクララの最初の行動は決して褒められる
ものではなく(生きるため、という理由はあれど)、あまり共感できなかったのですが、
今作のサンドラは、犯罪行為に手を染めることなく、なんとか現状打破しようと
努力する姿が見ていて応援したくなりました。

原題は”Herself"。
邦題で、温かい雰囲気の映画というイメージで見るとあれ?となるかもしれません。

主演のクレア・ダンが、子供を抱えたシングルマザーの話を聞いて、
企画から、共同で脚本も書き、主演まで演じているので、彼女自身、と、
子供を抱えたシングルマザー(サンドラ)自身、という意味でつけたのかと思いました。

家が完成したお祝いの席で、アイルランドの助け合いの精神「メハル」について
話す人がいたのですが、人間一人で生きているわけではないので、助け合うこと、
助けてもらったことに対する感謝の気持ちを忘れないことで、ちょっとでも幸せに
なっていくことができるような心持になりました。

家を作る場面がもう少し多かったらよかったかな、という印象もありますが、
と本当に困っている人を助けられない社会保障制度に腹立たしい気持ちになる一方、
フィクションながら、サンドラが2人の娘とこの先幸せに過ごせていけますように、
と願ってしまった「サンドラの小さな家」でありました。






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