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映画「ニューヨーク 親切なロシア料理店」を観る [映画(な行)]

シネスイッチ銀座で昨年末見た映画です。

the kindness of strangers.jpg

あらすじはYahoo!映画さんより。

ニューヨーク・マンハッタンにあるロシア料理店「ウィンター・パレス」は
創業100年を超える老舗だが、今や古びて料理もひどく、かつての輝きを
すっかり失っていた。
経営再建のため雇われたマネージャーのマークは刑務所からの出所直後、
常連客の看護師アリスは他人のためだけに生きる仕事一筋の変わり者で、
店に集まるのは訳ありな人物ばかり。
ある日、夫から逃れてきたというクララが、二人の子供を連れて
店に転がり込んでくる。



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原題は”The Kindness of Strangers”。
見知らぬ人の親切(優しさ)、という感じの意味ですね。
現実的にはなかなかここまで親切に恵まれて悪い環境から脱出できるのか、
そんな気もしますが、ま、映画ですからね。(笑)

自分がされて嬉しいことは他人にもする、されて嫌なことはしない、
そういうことが見知らぬ人(他人)の親切のようなものなのかと思うのですが、
今作ではクララがそういう人たちに支えられていく様子が描かれています。
大きな親切はロシア料理店のオーナー(ビル・ナイでびっくり)、と
支配人のマークによる物理的には大きなサポートですが、
ホームレス支援施設のスタッフ(IDなしでもシャワー室をそっと貸してくれる)、
不審者と分かっても捕まえず見逃してくれるホテル?の警備員さんなども
場面場面でクララにとっては親切にしてくれる人でした。

とはいえ、暴力夫から子供たちを守るため、という理由で、
無計画(お金もなく)になんとかなるだろうとNYにやってきては
万引きを繰り返しパーティに紛れ込んで食事も盗む、、
長男は事情を察していますが、次男は小さくてどうして自分たちが
NYにきて辛い生活をしているか分からない、そんな状況が前半続くので
クララが世間知らずで子供たちが辛い思いをしているのはどうなんだろう、と
共感できぬまま見ていたのですが、暴力夫(なのに警官)が登場すると、
うわー、こういうDV夫じゃとにかく逃げることが第一になってしまうのかも、
そんな気持ちになってクララがなんとか自立していってほしい、
という気持ちに変わっていきました。

クララの話と並行して、不器用過ぎて職を失いホームレスになったジェフ、
彼も他人とのコミュニケーションが苦手で器用にふるまえないのですが、
最初は観ていて、こうなるのは自分に原因があるからでしょう、と
冷たい目線で見ていたものの、アリスとの出会いで少しずつ前進していく
様子を見てやはり応援している自分がおりました。

ちなみに、このジェフを演じていたケイレブ・ランドリー・ジョーンズが
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暴力的で差別主義の警官ディクソンに大けがを負わされたにも関わらず、
大やけどで同じ病室にやってきたディクソンに優しく接するレッドを演じたり、
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映画オタクのボビー(途中で襲われてゾンビになっちゃうけど)を演じていた人と
同じと知り役柄の幅の広さを感じて驚いたのですが、
今作でもジェフが他人の親切で心を開いていく様子を好演されていました。

現実的には寒いNY、これほどの親切に恵まれる人は稀かもしれないのでは、
救われずに悲しい結末になっていく人も多いのでは、
(底辺まで落ちてしまうのは早くてもそこから這い上がるのには時間がかかる)
そんな気持ちもありつつ見ていたのですが、心が温まるかというとそこまでではなく、
自分の汚れた気持ちでは邪念が入ってダメなのかと思ってしまいました。(笑)

テーマとしては重いものの、描き方がそこまでハードではないため、
自分が没入してまで観られたかというとそうでもなかったのですが、
ビル・ナイの脇役ながらの大御所感を観られたのはよかったので
全体的には及第点、大都会でこういう話が実際あったらいいだろうな、
と思った「ニューヨーク 親切なロシア料理店」でありました。







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