映画「世界一と言われた映画館」を観る [映画(さ行)]
久しぶりに映画のはしごがしたくなり、シルバーウィークの1日で
4作品、鑑賞しました。
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4作品、鑑賞しました。
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1本目は、久しぶりに田端のChupkiさんに行って鑑賞した映画です。
あらすじはYahoo!映画さんより。
あらすじはYahoo!映画さんより。
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一度この映画館で鑑賞してみたかった。(;_;)
山形県酒田市というと、以前みた映画「雪国」のイメージのみというか、
喫茶ケルンのバーテンダー井山さんのイメージなのですが、
その井山さんがグリーン・ハウスが出火元となった酒田の大火について語る場面、
風向きが途中で変わって井山さんのお店は焼けずに済んだそうですが、
井山さん以外にも様々な人たちが出てきて酒田の大火の話と、
グリーン・ハウスの思い出を語っていくつくりになっている映画です。
映画館自体は全焼してしまったので、映画館内にあったであろう資料などは
もう残っていませんし、当時映画館に通い詰めていた方々(60−70代)が
映画のチケットや映画館が発行していた冊子を見せながら懐かしく語るのを見て、
映画館が焼けてしまった1976年ごろ、私も映画館によく通っていたのを思い出しました。
ビデオデッキもない時代(うつぼ家にデッキがきたのは大学生になってからでした)
当時小学生だった私も映画好きの婆1号と一緒に映画館によくいきました。
そんなに裕福ではない家でしたが、近所のお家が映画関連のお仕事をしていたらしく
鑑賞券をよくいただいていたので交通費だけで見られたのはラッキーだったと思います。
金曜日の夕刊のテレビ欄の下に掲載されている映画公開の広告を観るのが楽しみで
次は何をみようかと婆1号と相談していたことを久しぶりに思い出したのですが、
洋画専門の映画館だったグリーン・ハウス、作品の看板が掲げられた外観写真を観ると、
写真ではなく看板の絵師さんが描いた映画のイメージ図、ああこういう感じだったなあ、
懐かしい気持ちになりました。
入口から続く赤い絨毯、切符を買って入る回転ドア、入ってすぐの喫茶から香るコーヒー、
白いカバーがかけられた座席、舞台前に飾られた生花、上映前に流れるグレン・ミラーの
ムーンライト・セレナーデ、映画の中でも言っている方がいましたが、映画を観ることが
ハレの場だったのでしょうね。
冒頭に登場する当時20代の消防士だった男性は、消火の定石が通らず火が広がっていった
酒田の大火について語る際、グリーン・ハウスでみた「タワーリング・インフェルノ」、
この作品だけ2回みたという思い出を語っていたのですが、そうかこの作品って火災の
パニックものだったんだなあと(私は未見ですが)自分の職業につながるような作品、
それは一番記憶に残りますよね。
グリーン・ハウスはダンスホールだったところを初孫で有名な東北銘醸の社長の長男、
佐藤久一さんが東京の映画館などで修行してから支配人として運営していたそうで、
(その後、酒田市内に有名なフランス料理店を開いたり多彩な方のようです)、
酒田の方にしてみれば、東京に行かずとも東京と同時公開で作品が見られるというのが
嬉しく誇りだったというのもなんだか納得。
後半で、平成終わりに閉店した酒田市内の白ばらも出てくるのですが、
(銀座の白ばらも閉店してしまいましたよね)
その時に登場した上々颱風の白崎さん(ボーカル)が酒田出身と聞いて驚きつつ
(JALの沖縄キャンペーンに出でていたので沖縄の方だと思いこんでいた)
今作ろうと思ってもできないであろう昭和のキャバレーをそのままにしておくのも
もったいないとクラウドファンディングで集めたお金で消防設備を整えて、
ここでライブを行っている様子を観ると、もし、グリーンハウスが今あったら、
シネコンなどに押されてやはり役目を終えていたかもしれないなと思いました。
酒田市に限らず、地方都市は人の流れが駅前から郊外の商業施設に移っていて、
映画も映画館に行かなくてもネットで見られる時代になって、ハレの場では
なくなったわけですが、世の中、便利になればなるだけのメリットはありますが、
不便だったからよくなかったということもなく、不便な中でも楽しみを見つける、
その一つが映画だったのかな、と思うと、私も小さい頃に映画館で映画を観る機会が
あったことが今の「できるだけ映画館で映画を見たい」という気持ちになって
いるのだと思います。
今作のタイトルから想像すると映画館の話メインだろうと思ってしまいますが、
世界一と言われた映画館の思い出を通じて酒田への気持ち(愛)を語るという
意味合いが強いと思いつつ、大杉漣さんのナレーションから映画愛を感じられる
「世界一と言われた映画館」でありました。
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