札幌旅行記2024~SIAF2024・明和電機編②~ [日本の旅(北海道)]
私が知っている明和電機より以前に土佐信道社長が制作した数々製品、
ナンセンスマシーンに驚き感激しながら、続いて展示されていたのが、
「魚器(なき)」シリーズ。
土佐社長のノート
昨日アップした作品のような彫刻的な鑑賞用の作品ではなく、道具としての
芸術作品を制作したのが魚器シリーズ。
魚器、並んでいます
「弓魚」
奈良京都大阪の旅で世界の民族が使う弓矢の美しさからインスピレーションを
受けて魚の機能美と合体させることで「弓魚」のイメージを得た作品。
実施矢を飛ばすこともできるそうです。(笑)
ナンセンスマシーンに驚き感激しながら、続いて展示されていたのが、
「魚器(なき)」シリーズ。
土佐社長のノート
昨日アップした作品のような彫刻的な鑑賞用の作品ではなく、道具としての
芸術作品を制作したのが魚器シリーズ。
魚器、並んでいます
「弓魚」
奈良京都大阪の旅で世界の民族が使う弓矢の美しさからインスピレーションを
受けて魚の機能美と合体させることで「弓魚」のイメージを得た作品。
実施矢を飛ばすこともできるそうです。(笑)
この他、「肺魚」「魚打棒」という作品も制作した土佐社長、
日本の華道や茶道のように道具を使って自分を知る芸術があることから、
茶器、花器のように「魚器」という名前をつけたそうです。
ここから明和電機の現在にもつながる工業製品のような芸術作品が始まった、
という説明を見て魚器の由来を初めて知った私です。
「指パッチン木魚」
電動でノックして音を出す木魚ですが、これが後の作品につながります。
(後日の記事で登場します(笑))
これらの魚器は1993年3月、つくば美術館で開催された修了制作展で
(つくば大学大学院)オールバックにタキシード姿の土佐社長によって
デモンストレーションが行われたそうですが、自身の姿に納得がいかず、
父が経営していた明和電機のように日本の中小企業を象徴するエンジニアの
スタイルで魚器を発表すること、更に、土佐信道ではなく「明和電機」という
アーティスト名で芸術作品を社会に発表しようと心に決め、兄の正道に相談、
賛同を得て、作品ではなく製品、パフォーマンスではなく製品デモ、と称し、
明和電機のスタイルを確立させました。
最初に彼らを観た時は、「え、なんで作業服?」と驚いたことを覚えていますが
オールバックにタキシードより作業服の方が確かに作品とパフォーマンスに
惹かれるような気がします。
作業服の中に白ワイシャツ&ネクタイの正道&信道さん。
明和電機の発表した製品のシリーズ、ロゴも家電品などのシリーズぽいです。
コピーだ!でも気に入っちゃった!
この件、知らなかったのですが読んで爆笑した、フライング魚コード事件です。
事の発端はこの製品、「魚USBケーブル」。
USB接続でスマホ充電ができます
と、世界的に有名な雑貨店「フライングタイガー」で安価な値段でコピー販売、
というフライング行為がありました。
明和電機が製造委託している会社(おそらく中国の工場)が魚USBケーブルの
金型を使ってつくった製品をフライングタイガーに売り込んだのかもしれません、
コピー品と知らずにフライングタイガーでそのまま販売されてしまった、
フライングタイガーに悪意はないと思いますが、コピー品を見て笑ってしまいました。
コピー品
コピー品の存在を知った土佐社長、フライングタイガーで販売されているのを
買い集めて明和電機のシールを貼ってサインを入れて明和電機のネットショップで
芸術作品として販売し、ネットで話題になったことから(テレビで放映された)
フライングタイガーは全世界の600店舗からコピー商品の魚コードを回収した、
というのがフライング魚コード事件の顛末。
コピーのコピー商品(笑)
オリジナルが簡単にコピーされて販売される危険性をネガティブにとらえず、
ネットメディアを巻き込んでお祭りにするポジティブ思考をもつことが、
これからのクリエーションにとって大事だと明和電機は考えているという説明に、
著作権や特許侵害で訴訟、というのが当たり前かと思っていた私も目から鱗、
の気分になりました。
「グラスカープ」の設計図 実物
グラスハープとカープ(鯉)を合わせた作品で、レバーを回して
重なったグラスをぐるぐる回しながら濡らした指で触って音を奏でる、
こういう発想も面白いなあと思います。
「パチモク」
「指パッチン木魚」の発展形というか、この作品を背負って木魚のついている
アームを上へ挙げながら、電気スイッチを指につけて指パッチンすると木魚が
ぽくぽく鳴るという作品。土佐社長によるパフォーマンス(製品説明会)で
必ず見られる作品ですが、装備の重さで背負うのが大変そうに見える土佐社長と
ぽくぽく軽快に鳴る木魚の音がなんとも面白い製品です。
「タコニワ」
タコ足配線の庭ってことなのかな
水槽内で回転するレーザーを魚が遮るとその真下のノッカーが動くという作品。
作動しているところが見られず残念でしたが発想が面白いです。
ヤンキーホーンの向こうがわにいるのが
ドスをもった鯉。(笑)
暴走族のクラクションに合わせて、5匹の鯉が5本のナイフを振り回して紙を切る、
という作品だそうですが、ゴッドファーザーが流れるヤンキーホーン、というと
土佐社長や私の世代にはリアルな思い出です。
「ウケ・テル」という作品ですが説明を見てちょっとびっくり。
電話の時報に合わせて天井の針が落下し、タイミングが悪いと下にいる魚に
突き刺さる装置、だそうです。
ちょっと怖い。。
この作品は、明和電機として制作した製品第一号ですが、
魚が人間、矢(針)が運命、時報が神を象徴し、作動させる鑑賞者が117を押して
電話をかけなければならず、その残酷さと向き合い葛藤する、、という意味が
込められていますが、土佐社長は、理性による不可解の探求から死をもたらす装置が
生まれるという手法に限界を感じたため、現在の展示では作動させていないそうです。
その反動から、理性ではなく感情を重視した表現欲求に変わっていき、
日本の華道や茶道のように道具を使って自分を知る芸術があることから、
茶器、花器のように「魚器」という名前をつけたそうです。
ここから明和電機の現在にもつながる工業製品のような芸術作品が始まった、
という説明を見て魚器の由来を初めて知った私です。
「指パッチン木魚」
電動でノックして音を出す木魚ですが、これが後の作品につながります。
(後日の記事で登場します(笑))
これらの魚器は1993年3月、つくば美術館で開催された修了制作展で
(つくば大学大学院)オールバックにタキシード姿の土佐社長によって
デモンストレーションが行われたそうですが、自身の姿に納得がいかず、
父が経営していた明和電機のように日本の中小企業を象徴するエンジニアの
スタイルで魚器を発表すること、更に、土佐信道ではなく「明和電機」という
アーティスト名で芸術作品を社会に発表しようと心に決め、兄の正道に相談、
賛同を得て、作品ではなく製品、パフォーマンスではなく製品デモ、と称し、
明和電機のスタイルを確立させました。
最初に彼らを観た時は、「え、なんで作業服?」と驚いたことを覚えていますが
オールバックにタキシードより作業服の方が確かに作品とパフォーマンスに
惹かれるような気がします。
作業服の中に白ワイシャツ&ネクタイの正道&信道さん。
明和電機の発表した製品のシリーズ、ロゴも家電品などのシリーズぽいです。
コピーだ!でも気に入っちゃった!
この件、知らなかったのですが読んで爆笑した、フライング魚コード事件です。
事の発端はこの製品、「魚USBケーブル」。
USB接続でスマホ充電ができます
と、世界的に有名な雑貨店「フライングタイガー」で安価な値段でコピー販売、
というフライング行為がありました。
明和電機が製造委託している会社(おそらく中国の工場)が魚USBケーブルの
金型を使ってつくった製品をフライングタイガーに売り込んだのかもしれません、
コピー品と知らずにフライングタイガーでそのまま販売されてしまった、
フライングタイガーに悪意はないと思いますが、コピー品を見て笑ってしまいました。
コピー品
コピー品の存在を知った土佐社長、フライングタイガーで販売されているのを
買い集めて明和電機のシールを貼ってサインを入れて明和電機のネットショップで
芸術作品として販売し、ネットで話題になったことから(テレビで放映された)
フライングタイガーは全世界の600店舗からコピー商品の魚コードを回収した、
というのがフライング魚コード事件の顛末。
コピーのコピー商品(笑)
オリジナルが簡単にコピーされて販売される危険性をネガティブにとらえず、
ネットメディアを巻き込んでお祭りにするポジティブ思考をもつことが、
これからのクリエーションにとって大事だと明和電機は考えているという説明に、
著作権や特許侵害で訴訟、というのが当たり前かと思っていた私も目から鱗、
の気分になりました。
「グラスカープ」の設計図 実物
グラスハープとカープ(鯉)を合わせた作品で、レバーを回して
重なったグラスをぐるぐる回しながら濡らした指で触って音を奏でる、
こういう発想も面白いなあと思います。
「パチモク」
「指パッチン木魚」の発展形というか、この作品を背負って木魚のついている
アームを上へ挙げながら、電気スイッチを指につけて指パッチンすると木魚が
ぽくぽく鳴るという作品。土佐社長によるパフォーマンス(製品説明会)で
必ず見られる作品ですが、装備の重さで背負うのが大変そうに見える土佐社長と
ぽくぽく軽快に鳴る木魚の音がなんとも面白い製品です。
「タコニワ」
タコ足配線の庭ってことなのかな
水槽内で回転するレーザーを魚が遮るとその真下のノッカーが動くという作品。
作動しているところが見られず残念でしたが発想が面白いです。
ヤンキーホーンの向こうがわにいるのが
ドスをもった鯉。(笑)
暴走族のクラクションに合わせて、5匹の鯉が5本のナイフを振り回して紙を切る、
という作品だそうですが、ゴッドファーザーが流れるヤンキーホーン、というと
土佐社長や私の世代にはリアルな思い出です。
「ウケ・テル」という作品ですが説明を見てちょっとびっくり。
電話の時報に合わせて天井の針が落下し、タイミングが悪いと下にいる魚に
突き刺さる装置、だそうです。
ちょっと怖い。。
この作品は、明和電機として制作した製品第一号ですが、
魚が人間、矢(針)が運命、時報が神を象徴し、作動させる鑑賞者が117を押して
電話をかけなければならず、その残酷さと向き合い葛藤する、、という意味が
込められていますが、土佐社長は、理性による不可解の探求から死をもたらす装置が
生まれるという手法に限界を感じたため、現在の展示では作動させていないそうです。
その反動から、理性ではなく感情を重視した表現欲求に変わっていき、
「EDLWEISS(エーデルワイス)」シリーズの制作を開始したという説明でした。
と、自分が知らない魚器シリーズがたくさんあってフライング魚コード事件も知り、
既におなかいっぱいな感じですが、続くエーデルワイスなどまだまだ展示は続きます。
(つづく)
と、自分が知らない魚器シリーズがたくさんあってフライング魚コード事件も知り、
既におなかいっぱいな感じですが、続くエーデルワイスなどまだまだ展示は続きます。
(つづく)