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さん喬の「夢の酒」 [落語・お笑い]

映画よりさらに引きの悪い(笑)落語記事。久々です。

日本橋公会堂で開催される文春落語に行く機会がぽつぽつあるのですが、
(あの文春が落語会を主催することを知りびっくり)
昨年11月下旬に開催されたさん喬師匠の独演会に行きました。

さん喬.jpg超久しぶり
(お写真は落語協会さんのホームページよりお借りしました)
喬太郎さんの師匠というのは知っているのですが
寄席(持ち時間が短い)で数回しか聞いたことのない噺家さんなので、
今回はさん喬ワールドを楽しみにやってきました。

検温(体温を記載した紙をもらって氏名、連絡先を記載して主催者に提出)、
手指消毒をしたあと、間引きされた座席に着席。


開口一番は林家木はちさん。(写真なし) 
木久扇さんのお弟子さんで噺は「寿限無」。
前座さんがよく開口一番でかけるネタですが、「やぶらこうじのやぶこうじ」と
言っていたのを聞いたのが初めて。これまで「ぶらこうじ」だと思ってたのですが、
桂伸治さんのblogで様々なパターンがあると知りました。

続いて、さん喬さん登場。
五代目小さんに入門して師匠の家(目白)に通っていた時の話から入り、
本所(墨田区)の出身でキッチンイナバの子倅で、都電で上野までいって
山手線(やまてせん、と言っていた(^-^))で目白に通っていたんですが、
上野で座って寝ていて大塚あたりで起きてもうちょっと寝ると目白、
時々、大塚で起きて寝て目が覚めるとまた大塚(一周してる(笑))なんて。
キッチンイナバ、もうとっくに潰れたんですけどね、後継者がいなくてね、と話して。
以前から知っていた話なのですが、このお店、以前勤めていた会社の近くにあったので、
出前したり食べにいったりしていたことを思い出しました。
入社したころは偉い人が出る会議がお昼にかかると出前でお昼を用意するという、
今思えばあり得ないパワハラみたいな仕事があったんですが、近所にあったのが、
お蕎麦屋さんとうなぎ屋さんとお寿司屋さんとキッチンイナバ。
この4つをローテーションで使っていたのが平成の初め頃です。
キッチンイナバは出前に来るのが長男のおじさん(さん喬さんは次男)でしたが、
落語の話をすることもなく(さん喬って知ってる?とか聞かれたこともなく)、
でも、とても陽気なおじさんで、15人前とか大量注文しても嫌な顔せず
時間に遅れることなく美味しい洋食を作ってはバイクで出前してくれました。
その後、会社のビルが引っ越して社食ができてから出前することもなくなり、
時折食べに行っていたのですが、とにかく地元密着のアットホームなお店で、
おじいちゃんとおばあちゃん(さん喬さんのご両親)、長男、三男のおじさん、
2階の喫茶「砂時計」には四男、下町で愛されるべきお店だったなあ、と
久しぶりに聞いたキッチンイナバという響きで思い出しました。
残念ながら長男のおじさんが20年くらい前に亡くなり、その後、三男のおじさんが
お店を続けていましたが、6,7年くらい前に閉店してしまったんですよね。
ハンバーグ、ポークソテー、海老フライ、グラタン、ドリア、スパゲティ、
何を食べても美味しかったのを思い出すと、あのお店がもうないのが残念。。。。

と、マクラのところですっかり違うことを思いだして聞いていたのですが、
噺が本所から至近の向島が舞台になっている「夢の酒」だったので、
その話をしたのかもしれません。

(ありえない(笑)けれど艶っぽい噺)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A2%E3%81%AE%E9%85%92

夢の中の話なのにダンナが美女としっぽりと聞いて嫉妬して、
義父の大旦那に夢の中にいって美女に厳しく言ってくれという奥さんも
常識外れなのですが、それを聞いて仕方ないとはいえ夢の中にいって
美女に会う大旦那が燗をつけてもらっている間に起こされて後悔する、
そんな様子をテンポよく、美女の場面では艶っぽく演じるさん喬さんに
引き込まれて聞けました。

やっぱり大事なときは燗つけてもらわず冷やかな。(笑)

かなり長く話されていたので次の噺「幾代餅」が始まったのが20時ごろ。
(幾代太夫に恋する清蔵)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%BA%E5%B1%8B%E9%AB%98%E5%B0%BE#%E5%B9%BE%E4%BB%A3%E9%A4%85

15分くらいで終了。
演者もそうですが、聞いている方もそうそう集中力続かないからね。

ここで仲入りがあって、後半は「文七元結」。
(お久がとても良い子で泣けます)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E4%B8%83%E5%85%83%E7%B5%90
このネタは寿輔師匠で聞く機会が一番多いのですが、
吾妻橋の件からスタートするのでその前についてはあまり聞く機会がなく、
噺が始まって、あれこのネタなんだろう、と考えてやっと文七元結と気づきました。

さん喬さんの落語より先に喬太郎さんの落語を聴いた私ですが、
こうやって今回三席聞くことができて、喬太郎さんの師匠だなあと実感しました。
自分が20代のころからお世話になっていたキッチンイナバの息子さんということでも
どこか何かしらのご縁を感じるのですがお店がもうないのが残念と思いつつ、
時の流れも感じた今回のさん喬さん独演会でありました。

IMG_1593.JPG楽しかった!






 

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