映画「ダンシング・チャップリン」を観る [映画(た行)]
草刈民代が好き、ってほどでもなく、周防監督も特別好き、って訳でもなく、
てな感じで、特に理由もなく借りた作品です。
内容はamazonさんより。
1991年に初演されたフランスの巨匠振付家ローラン・プティが、チャップリンを題材に、
ダンサー、ルイジ・ボニーノのために振り付けたバレエ作品「ダンシング・チャップリン」。
このチャップリンの名作がバレエとして表現された作品を、
『Shall We ダンス?』『それでもボクはやってない』の周防正行監督が、
映画のために再構成・演出・撮影したエンターテインメント作品。
監督の妻でもあり、2009年にバレリーナを引退した草刈民代が、全7役をこなし、
36年のバレエ人生の集大成ともいえる最後のダンスを披露している。
◇第1幕◇ 「アプローチ」:本作の映画化にむけて周防監督がイタリア・スイス・日本を巡り、
草刈民代をはじめとする世界中から集まったダンサーたちの舞台裏60日間の記録。
◇第2幕◇「バレエ」:全2幕20場からなるプティの舞台作品「ダンシング・チャップリン」を
1幕13場に絞り、映画のために再構成・演出・撮影した映画作品。
「へぇ~、舞台ってこうやって作られるのかあ」
と妙に感心しながら観たのですが、
元々バレエをみたことも殆どない私としては、
踊りそのものよりは(二幕の本番)一幕の方が興味深く観られました。
だから、って訳でもないのですが、二幕では少々飽きてしまった感あり。(笑)
つくりとしては、一幕と二幕の間にインターミッションが5分あったり、、と
実際の舞台に行っているような感覚にもなれるのが面白い映画です。
一幕は、草刈民代とチャプリン役のルイージ・ボニーノ等の稽古のシーンや、
振付師ローラン・プティと周防監督が映画化に当って話し合うシーンなのですが、
稽古初日で飛ばしているルイージ・ボニーノが日を重ねるごとに疲れが出て
踊るより口頭で指示するところが増えたり(還暦過ぎてるしね)、
草刈民代の足にテーピングが増えていったり、、なんてところに目が行ってしまい、
見た目と違ってダンサーって体力勝負なんだよなあ、と
還暦過ぎてもプリマで頑張っている森下洋子を思わず思い出しました。。。
二幕では、一幕で稽古していたシーンが出てくると
「衣装を着るとこうなるのかー」と感心したのですが、
それ以外はイマイチピンとこないっていうか。
勿論、バレエが好きな方にはどの場面もタマラナイくらい素敵に思えるのでしょうが
如何せん特にバレエが好きって訳でもない私が見てしまうと、そんな感想です。
若い男性ダンサー(多分フランス人)が、草刈民代をリフトする場面で苦戦した後、
草刈が懇願してリエンツ・チャンというダンサーに来日してもらって替えてもらう、
という場面を一幕で何度も見るのですが、二幕でそれが奏功するのを見て、
ああ、本番ではこうなるんだー、、とまたまた感心することしきり。
あと、ローラン・プティに周防監督が提案して、
「そんなことするなら映画化しない!」と反対されたのが屋外での撮影。
警官達が踊る、、という場面を公園を背景に撮影したいと申し出た周防監督に、
ローラン・プティがダンサーだけでよい、風景は要らない、と反対するのですが、
二幕でみたら、この場面は緑いっぱいの公園で撮影されていました。
これってローラン・プティが折れたのでしょうか。
周防監督の説得勝ち? そのあたりがよく分からないのですが、
公園での撮影は舞台と違ってまた面白い味わいもあったので、これはこれでありかな、
なんて思いました。
一幕でチャプリンという人物について息子にインタビューしたり、と
掘り下げているのですが、実は全然チャプリン映画を観たことのない私、
(映画音楽は知っているのですが映画自体ちゃんと観ようと思ったことがなく)
チャプリンがパンにフォークを刺して靴に見立ててパンを踊らせるシーンに
この映画だけでも観ようかな、と思いました。
己の弛んだ心身に比べ、草刈民代の姿は美しいことこの上なく、
同年代(私の方がちょっと年上だけど)として、今更バレエを習うことはないものの
もちょっとちゃんとしないといけないわね、なんて反省もしてしまった感あり、の
「ダンシング・チャップリン」でありました。