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寿輔を見納め [落語・お笑い]

今年の寿輔見納め、と浅草演芸ホールへ。

  夜席の主任です。

夜席の19時少し前に入ると満席。立ち見もちらほら。

ぴろきのギタレレ漫談がちょうど終わったところで、次は春風亭小柳枝。                                                                            ←芸協の写真はちょっと若過ぎるかも。                                                                           「時そば」を熱演。そばを食べる表情が面白く、場内拍手喝采。                                                     

仲入り後は三遊亭右紋から。                                                                                                                                    「待ってました!」と大きな声が掛かる。                                                                                                     が、最前列真ん中のおばちゃん二人の話し声が大きいのと、舞台近くのおじさんの                                                                                                                                                                                                                                           携帯電話が大音量で鳴ったのとで、すっかりやる気を失い、                                                                                                                              「そんなに大きな声で喋るなら舞台に上がって代わりにやってよ」                                             「ちょっとそこ、携帯鳴ってるよ」と声をかけ、                                                                                                                            「戦後の思い出」について軽く漫談やって終了。

※寄席では携帯電話は電源切るかマナーモードにしましょう。 

                            

 続いて太神楽の鏡味正二郎。まだ二十代。                                                                                             五階茶碗は先日の小雪さんよりバリエーションも多くテキパキとして思わず大拍手。 

曲芸の次は講談で神田松鯉。                                                                                             見た目ちょっと怖いが話は面白い。                                                           演目は「義士外伝~天野屋利平~」。講談は暮れになると忠臣蔵の話が多い。                                                                                                                                                                     赤穂義士討ち入りの為の武器を調達した天野屋が、捕らえられ拷問にかけられ、                                                                                                                                                                                                                                                         更には我が子に刃が向けられようとも口を割らなかったことで、                                                                                 情報が洩れることなく討入りにつながった、という話。 

天野屋利平、男でござるというセリフに大拍手。                                

実は忠臣蔵にはあまり興味がないけれど、こうやって話を聞くと楽しいもんです。

次は、宮田章司の「江戸の売り声」。←CDも売ってます。                          客席からのリクエストに答えて昔懐かしい様々な売り声を披露。                         「売り声はラップと同じ」と言っていた。                                                                                     浅蜊売り、今が旬の慈姑(クワイ)売り、鍋を直したり錠前を作ったりする鋳掛屋、                                                         羅宇(ラオ・・・煙管の中継ぎ部分)屋、納豆売り、玄米パン売り、竿竹屋、占い屋、                                                               土瓶の籐巻屋、十八文屋(現在の100円ショップ、江戸時代からあるとか)、                                              最後に和風カスタネットのような楽器を鳴らしながら飴屋の売り声。                                     一つ一つに大きな拍手が起こって大盛り上がり。

続いて、三笑亭夢太朗。                                                                                       先日、酔客が原因で途中で止めてしまった「子ほめ」を最後まで。    

続いて音曲の松乃家扇鶴。                                                                                                                                                  やる気なさそうでいて艶っぽい声を出すおじさん。                                                                                                                                                              「吉原」などの都都逸を色っぽく歌ってました。

で、主任の寿輔が「シャボン玉とんだ」の出囃子で登場。                                                  よっ、寿輔師匠。

まずは軽く客いじり。                                                                                                                                 妙に大笑いするおばちゃんに向かって「ちょっとそこの奥様、笑い過ぎですよ、笑い過ぎ、                                                                                                                                                                  まだ面白いこと言ってないんだから」と話しかけ、                                                                                       「今日は私が主任ですが、主任は他の人より持ち時間が長いので、                                                                                              話している間に皆さん、帰っちゃった方が賢いですよ」といって始めた演目が「ラーメン屋」。

「ラーメン屋」は、柳家金吾楼が有坂勉の名前で作った落語で最後にホロリとくる噺。                                                                                                            子供のいない老夫婦が営む屋台のラーメン屋の閉店時間に現れた青年、                                                     ラーメンを3杯食べたと思ったら「俺を無銭飲食で交番につきだしてくれ、                                             俺は身寄りのない一文無しの男だ、ブタ箱に入れられてた方が食事にありつけるから、                                                                                                                                                                                                                                                   さあ突き出してくれ」といわれてビックリ仰天の老夫婦。                                                    取りあえず店じまいするがラーメン屋台が重いので、青年に家まで持って帰るのを                                                                                                                                 手伝ってもらう内、青年を家に上げて一緒に晩酌し、しまいに「子供のいないわたしたちを                                                                                                                                                               おとっつぁん、おっかさんと呼んでおくれ」と金を払って頼む老夫婦。                                                           老夫婦が何度も頼む内に青年の気持ちにも変化が生じて最後は                                                                     「自分をせがれと呼んで下さい」と老夫婦に頼み、涙涙涙。 

おとっつぁん、おっかさんと呼ばれて感極まる老夫婦の表情を演じる寿輔。                                

右紋に話し声が大きいと注意されていた最前列のおばちゃんは号泣していた。

私もじーんときた。 落語は笑うだけでなく泣く事もあるんだなあ。          

寿輔が主任の時に寄席に来たのが初めてだからかこういう落語を聴くのも初めてで、                                                                                                                                                                      今年の寿輔見納めとしては最高の寄席でありました。満足満足。


タグ:寿輔 落語
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下町の太陽

懐かしいねえ、柳家金吾楼(こういう字を書くんでしたっけ)。うつぼさんはご存じないでしょうけど、この人は落語よりNHKの人気番組だったジェスチャーのレギュラーとして有名。同じくレギュラーのターキーこと水之江滝子、司会の小川宏アナウンサーと超人気者だったんですよ。息子は確か山下某とかいうロカビリー歌手で、平尾昌明?、ミッキーカーティスと3人で人気を競っていました。すいませんね、年寄りの昔話になっちまって・・・・うつぼさん、これからもあなたの世代の視点で見た寄席と落語の話を楽しみにしてますよ。
by 下町の太陽 (2005-12-30 12:06) 

うつぼ

>下町の太陽さん、またもや寿輔ネタでのコメント有難うございます。金吾楼は残念ながら詳しく存じませんが、ターキーは家族対抗歌合戦とかなんとかで、近江俊郎などと審査員していたのを覚えています。落語はやはりライブ感たっぷりの寄席が一番かと思っていますので、これからも色々観戦記を書いていこうと思います。下町の太陽さんのコメントも楽しみにしております。
by うつぼ (2005-12-30 12:35) 

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