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映画「ラストナイト・イン・ソーホー」を観る [映画(や・ら・わ行)]

YouTubeを見ていたらこの予告編がたくさん流れていて
気になって観に行きました。(配給会社の策略にちゃんとはまりました(笑))
ラストナイトインソーホー.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。
ファッションデザイナー志望のエロイーズ(トーマシン・マッケンジー)は、
ロンドンのソーホーにあるデザイン専門学校に入学するが、
寮生活に向かず一人暮らしをすることに。
新しいアパートで暮らし始めた彼女は、1960年代のソーホーにいる夢を見る。
エロイーズは夢の中で、歌手を夢見るサンディ(アニャ・テイラー=ジョイ)と出会い、
肉体的にも感覚的にも彼女と次第にシンクロしていく。


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もー、ハラハラしっぱなし。

怖い映画が苦手で自らは観に行かないことは何度か書いておりますが、
この映画もホラーというにはマイルドなんだと思いつつ(サスペンス?)
かなり残虐(妄想というか幽霊というか現実ではないんですが)な場面が
中盤以降は畳みかけてくるのでゾワゾワしながら見ておりました。(;_:)

60年代の流行(音楽やファッション)が好きなエロイーズがタイムスリップして
60年代のソーホーを疑似体験するという流れ、映画館に掲げられている看板が
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この007作品なので公開された1965年ごろのソーホーというのを観客に印象付けて
物語が展開していきます。
コーンウォール(イングランドの南西端にあるのどかな場所)からロンドンで
ファッションの勉強が出来ると前向きな気持ちでやってきたエロイーズが
学校の寮で同室になったジョカスタと合わず(というかイマドキの若者はみんな
こんな感じなのかと驚いたのは私だけでしょうか)下宿先を見つけて引っ越して、
部屋で観た幻覚(というか妄想というか)の中で出会ったのが1960年代に生きる
サンディ、そのファッションと行動力に魅入られて彼女とそっくりになろうと
髪を染めたりサンディのドレスを実際作ろうとしたり、楽しい様子が見ていて
ほほえましいと思って見続けて、いや、でもこんな楽しい時が続いてばかりじゃ
映画として成り立たないだろうと(起承転結がないと、ですし)見ていると、
サンディの夢が無残に打ち砕かれていく様子がこれでもと描かれていく、
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この映画は現代ですが、今も昔も男の身勝手な女に対する考え方、
それによって悲しい思いをする女性、の姿と重なって見えました。
今作はそれに加えて夢を打ち砕かれたサンディが搾取されていく、
芸能界の闇の構造みたいなものも描かれて(胴元の男がクズ過ぎる)
いたように思えましたが、劇中のサンディの立場がどんどんつらくなっていくと
それを時代を超えてみているエロイーズの精神状態もおかしくなっていく、
コーンウォールからはるばる電車でロンドンにやってきたときの
希望に満ちたエロイーズの表情がどんどん病んでいく様子を見るのは見ていて
切なく悲しく、早くこの状況が一転してほしいと思いながら見ておりました。

終盤の種明かし、バーに出入りする謎の老人と大家さんの正体ですが、
老人はテレンス・スタンプが演じているのでそれなりに意味深いキャラクターだろう、
サンディと接点があるあの男性かな?と目星をつけていたとおり、
大家さんもおそらくそうだろうな、と思っていたとおりの正体だったので
個人的にはそのあたりの予想外れた的なドキドキ感はなかったのですが、
(サンディがつらい思いをする場面がとにかく私にはショック)
大家のおばあさんを演じていたのが、
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ジョージ・レーゼンビーがボンドを演じた時のボンドガールだったダイアナ・リグ、
ボンドが結婚する相手を演じた方ですが、鑑賞後に当時の彼女の写真を見て、
監督が彼女を大家(コリンズさん)にキャスティングしたかったのか、納得。
(ちなみに、今作が彼女の遺作となったそうです)

監督のエドガー・ライト作品といえば、
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田舎に左遷されたお巡りさんの話とか、
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  • 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
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町中ゾンビだらけになってパブに駆け込むおっさんの話とか、
どちらもサイモン・ペッグ、ニック・フロストの大好きなコンビ、
この作品のイメージが強すぎたので(ベイビードライバー未見というのも理由かも)
今作が全く毛色の違う話で驚いたのですが、監督の振れ幅の広さみたいなものを
感じました。

冒頭で新聞紙で作ったドレスを聞きながら踊るエロイーズ、
鏡越しにサンディとエロイーズが映し出される場面、効果的に60年代の音楽が
流れますが、今作で知ったのが、
The Hit Singles, 1963-1971

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  • 出版社/メーカー: Verse Sarabande
  • 発売日: 2015/10/30
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実はこれまで知らなかったCilla Black。
1960年代後半生まれの私ですが、当時の音楽、意外と知らないので
これを機に聞いてみたくなりました。(^-^)

エロイーズの彼氏役がいまいち冴えない感じだったのと、
(主人公が男子の場合、彼女は大体綺麗なお姉さんなのに、
 今回は女子が主人公で彼氏がイケメンでないのはなぜだ、と疑問に)
イマドキの若者の乱れ振り(あんなに酒浸りだったりドラッグやるの?)には
共感できないまま見終わりましたが、サンディとエロイーズが時代を超えて
シンクロする姿(CGでなく意外とアナログに撮影したそうですね)や
60年代ファッションや音楽に観ている私もワクワクしながら、
怖かったり驚いたり、後味はそんなにいい終わり方ではないものの、
新しい感覚で観ることが出来た「ラストナイト・イン・ソーホー」でありました。

(サンディを演じたアニャ・テイラー=ジョイのこの歌、ゾクゾクします)

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映画「リスペクト」を観る [映画(や・ら・わ行)]

アレサ・フランクリンって意外とどんな歌手かよく知らないかも、と思って
映画館で鑑賞しました。

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あらすじはYahoo!映画さんより。

子供のころから圧倒的な歌唱力で天才と称され、ショービズ界の華として
喝采を浴びるアレサ・フランクリン(ジェニファー・ハドソン)。
しかし輝かしい活躍の裏では、尊敬する父(フォレスト・ウィテカー)や
愛する夫(マーロン・ウェイアンズ)の束縛や裏切りに苦しんでいた。
ぎりぎりまで追い詰められた彼女は、全てを捨て自分の力で生きていこうと決断する。
やがてアレサの心の叫びを込めた歌声は世界を熱狂させ、
彼女自身も自らへの“リスペクト”を取り戻す。


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いろんな意味でビックリました。(◎_◎;)

アレサ・フランクリンというと、彼女が40代になったころのヒット作、
この曲とか、ジョージ・マイケルとのデュエット、というイメージ、
あとは、50代になってからちゃんと見た、
ブルース・ブラザース [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
  • 発売日: 2012/05/09
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この作品でダイナーのおばちゃん(と言っても今の私より若い)で登場し、
ソウルフルに歌い上げる姿のイメージくらいしかありませんでした。

幼い頃に望まない妊娠、出産という場面が序盤で描かれていて
(リアルではなく、連想させるような描き方とはいえ)
え??と驚いてしまったのですが、牧師である父がアレサの音楽の才能を開花させた、
(別居している母(オードラ・マクドナルド先生でこれまたびっくり)も
 アレサと一緒に歌ったり才能を伸ばしていたものの幼い頃に亡くなります)
とはいえ、父として一家の長として常にアレサをコントロールし、アレサを抑圧し、
実質的に支配していたので、ダメ男と駆け落ち的に結婚してしまう、
自分がこの環境から逃げ出すためには、という気持もあったかもしれませんが、
ダメ男も最初はアレサの音楽の才能をどうにかマネージできないかと努力するものの、
だんだんアレサの才能に嫉妬し、父と同じようにアレサを支配しようと暴力をふるう、
ヒットも出ない状況、常に抑圧されている状況からアレサが解き放たれる、
よかったよかった、と思うと、今度はヒットして取り巻きが増え、仕事のプレッシャー、
そこから逃げるようにお酒に溺れ、仕事にも支障をきたしてしまう、という展開。

伝記ものだとこういう展開が多いような気がしますが、
(エイミー・ワインハウス、エルトン・ジョン、エリック・クラプトンなど)
そこから復活していく姿で映画は終わります。

とはいえ、売れるまでの苦労、売れて喜んだものの苦悩して挫折、そして復活、
復活(自分のルーツであるゴスペルのアルバムを出そうとする場面)のところ、
もうちょっと厚めに描いてもよかったような気がしました。

What Happened Miss Simone / [Blu-ray]

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  • アーティスト: Simone, Nina
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  • 発売日: 2016/09/02
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先日見たニーナ・シモンのドキュメンタリーで描かれていた黒人解放運動、
アレサも同年代の人なので全米各地を牧師の父とめぐりながら、
歌うことで運動をサポートしたり活動家としての顔も見えていたのですが、
政治色が強すぎて仕事から干されていったNina Simoneのようにはならず、
(おそらくその頃はまだヒット歌手ではなかったからなのかも)
その後ヒット曲で成功していったのを見ると、人間、どこで運命が変わって
いってしまうのか、運、もあるのかもしれませんが、2人のことを思わず
比べて世の中の皮肉のようなものも感じました。

ジェニファー・ハドソンの歌は文句なく素晴らしく、
生前のアレサが自分を演じるならジェニファー・ハドソンがいいと
言っていただけあるなと思いつつ、彼女が尊敬するアレサ・フランクリンを
(プレッシャーの中)演じる気合を感じましたが、
エンドロールでご本人が晩年歌う姿が投影されると
"(You Make Me Feel Like) A Natural Woman"震えるほどの素晴らしさ、
苦労の多かったアレサの人生を観た後に聴いたこの歌に、
改めてアレサ・フランクリンの歌を聴いてみたくなった「リスペクト」でありました。


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映画「竜とそばかすの姫」を観る [映画(や・ら・わ行)]

久しぶりに何かアニメでもと思って選んだ作品です。
(鬼滅の刃とシンエヴァンゲリオンは結局観ないまま終わりそう)
竜とそばかす姫.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

高知の田舎町で父と暮らす17歳の女子高生・すずは周囲に心を閉ざし、
一人で曲を作ることだけが心のよりどころとなっていた。
ある日、彼女は全世界で50億人以上が集うインターネット空間の
仮想世界「U」と出会い、ベルというアバターで参加する

幼いころに母を亡くして以来、すずは歌うことができなくなっていたが、
Uでは自然に歌うことができた。
Uで自作の歌を披露し注目を浴びるベルの前に、
ある時竜の姿をした謎の存在が現れる。



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映像が美しい。

Yahoo!映画のレビューを見ると期待値が高い人の残念コメントが散見されますが、
以前から書いている通り私自身はそんなにアニメに詳しくないというか、
そこまで没入していないというか、映画がたまたまアニメだった、という感覚で
毎度みているせいか、監督の世界観とかそういうものへ期待したり、ということがなく
普通にきれいな映像を楽しんで見終わりました。

会社のアニメ好きおじさんも突っ込みどころはあるけれど良い作品と言っていたので
私はもうちょっと万人受けしているのかと思ったのですがコメントを見て
あらそうでもないのね、なんて思いました。

サマーウォーズ スタンダード・エディション [Blu-ray]

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同じ監督のこの作品と比較して残念、という方が多いみたいですが、
私、この作品、未見なので比較のしようがないという。(笑)

小さいときに母を不慮の事故で亡くしたすず(景色がきれいな田舎住まい)が
母をなくしてから内向きな性格になってしまい、
(その原因の大きな部分を占めるのがSNSでの心無い中傷)
唯一の友達ひろちゃんがそんなすずの背中を押して仮想空間の「U」に送り込み、
自分の内側にあるものから作られたアバター?を使って思いきり歌うことで
多くの人から求められ称賛されるようになる、現実とは違う世界にいるもう一人の自分、
躊躇いながらもその世界で自分が自由になれることを嬉しく思うのですが、
そこでめでたしになるわけもなく、仮想空間でのすず(ベルという名前で活動)の前に
突然現れたのが荒くれ者の竜。

こういう仮想空間で正義と秩序のために戦う戦隊ヒーローみたいな人たちが
登場するのですが、背後に無数の企業ロゴ(スポンサーでついてる)が出てくるのが
イマドキのネット事情だなあと思いながら、その正義(ジャスティスだったかな)が
正義という理由を振りかざして行う行動がもう極悪過ぎて、途中でなんだかおかしく
なってしまった私です。
現実のSNSやネット社会でも、こういう人っているよなあ、悪を正す、みたいな
態度なんだけどお前の方がよっぽど態度が悪質だよって思う人。

竜の荒れた行動を何か現実で原因があってのことと感じたすずが竜を追いかけて
本当の姿を観ようとする、みたいなあたりから、展開は読めてきていたので、
さほどのドキドキ感はなく、無事想定どおりに着地して私はほっとしたのですが、
この監督作品が好きな人には満足なのか物足りないか、もしれませんね。

個人的に突っ込みどころはありましたが、
(それ、美女と野獣じゃないの?とか、そんな都会でどうやって探すの?とか  
 おばちゃん4人組も大事だけれど実のお父さんともっと交流しなくていいの?とか)
今作に限らずそういう突っ込みどころはあるものだと思っていますので、
そのあたりを差し引いても映像の美しさ、すずの美しい歌、竜と心を通わせていく
様子、そこからすず自身も学び成長していく、ひと夏の少女の物語というには
かなり壮大なスケールではありますが、すずがお母さんを亡くしたこと、
それ自体とネットによる心無い中傷でずっと心を閉ざしていたのが

自分自身を受け容れ、解放しすることによって、小さいころのすずのように
お父さんにも素直に接することができるようにになって、見てよかったと思った
「竜とそばかすの姫」でありました。


(映画と関係ない話ですが
シネコンで今回鑑賞したのですが、前後左右、カップルかファミリー、全員ポップコーンを
食べながら鑑賞していたので、その臭いとドリンクが減ってきたときにカップを振ると
氷がシャカシャカ鳴る音で映画序盤から後半まで集中が削がれかけましたが、
なんとか集中を保ちながら見ることができました。
シネコンの収入源とはいえ、鑑賞する曜日とか時間帯(今回は土曜日のお昼過ぎ)を
考えた方がいいな、と反省。( 一一)



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映画「プロミシング・ヤング・ウーマン」を観る [映画(や・ら・わ行)]

先行上映中のTOHOシネマズ日比谷で鑑賞した作品です。(7月半ば)
promisingyoungwoman.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

明るい未来が約束されていると思われていたものの、理解しがたい事件によって
その道を絶たれてしまったキャシー(キャリー・マリガン)。
以来、平凡な生活を送っているように思えた彼女だったが、
夜になるといつもどこかへと出かけていた。
彼女の謎めいた行動の裏側には、外見からは想像のできない別の顔が見え隠れしていた。


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ドキドキしっぱなし。(;゚Д゚)

予習せずに見たのですが予習しないでよかったというか、
アカデミー賞で最優秀脚本賞をとったというだけあって、
展開が読めないというか、脚本の構成がしっかりしているからこそ、
話に引き込まれて違和感なく伏線も回収されながら見終わりました。
(途中からは想像していた流れでしたがそれでもドキドキ。)

変な邦題にしなかったことも変なところに気が散る無駄がなかったので
(私が邦題を毎度気にし過ぎなんだとは思いますが(笑))
キャシーの一挙手一投足、彼女が仕掛ける復讐劇に見入ってしまいました。

キャシーの友人(ニーナ)が泥酔させられてレイプされたことから自ら命を絶った、
そのことを10年経っても忘れることなく加害者に復讐していく、のですが、
その前段(中盤でもそういう場面がありますが)で、泥酔したふりをして
見知らぬ男にお持ち帰りされ、男の優しさ(外側)の中に隠れている暴力的な
一面が露呈したところでキャシーが男に性犯罪を犯す愚かさを思い知らせる、
そんな場面を観た後に、キャシーが友人ニーナの命を奪った人たちに復讐する、
その根底にあるものを観客にも思い知らせているように思いました。

泥酔させてレイプする、日本でも大学生がそういう性犯罪で逮捕されたのを
ニュースで観た記憶がありますが、決して対岸の火事ではなく、
キャシーが復讐する加害者たち(傍観したりニーナの訴えを無視した人達も同罪)
彼らに自分や自分の家族が同じ目に遭ったら(遭う可能性があったら)という
精神状態にするのですが、そこで被害者の気持ちになって考えていなかったことを
やっと知ることができる人たちの中にニーナと同性である女性もいる、
いまの自分の立場、社会的地位、家族との関係を壊されたくなくて、
必死な形相でキャシーに赦しを乞う彼らを見て、自分のことしか考えられない人には
同じ思いをして他人を考える気持ちを持て、そんな気持ちで彼らを見ていました。

唯一、ニーナが訴訟しようとしたのを取り下げさせた加害者側の弁護士、
彼だけは自分の行ったことをずっと悔いていたことをキャシーは知り、
その気持ちを理解しようとする場面を見て、全員が自己中心的な悪人ではなく、
中には被害者の気持ちを理解しようとしていた人がいたことに若干でですが、
救われた気持ちになりました。
この弁護士の存在もあって、キャシーは最終的な復讐まで突き進むわけですが、
この人がいなかったらもしかしたら復讐も完全に果たせなかったかもしれません。

キャシーが中退した大学で同級生だったライアンと久しぶりの再会で
不安定だった気持ちが安定してきて、復讐も途中で終わってしまうのかと思ったら、
加害者の1人から渡された事件の動画から知った事実でキャシーの気持ちが
ニーナを実際犯した男を復讐する、一気に加速してその場面まで突き進んでいく、
(ブリトニースピアーズのTOXIC(スローテンポなメロディのみ)が流れて
 逆にそれが怖い雰囲気を醸し出していった)
大事な友人は死んでしまったのに、死なせた男は社会的地位を確立し、
過去のことなど忘れてしまったようで許せないキャシーのとった行動は
本人も命を懸けて復讐するその姿が切なくて悲しくて思わず泣いてしまった私です。

男性による性犯罪がアメリカや日本だけでなく世界の様々な国で起きている、
それに対する警告としてこの映画は作られていたのではないかと思いました。
事件の動画は音声のみなのでそこから観客が想像するしかないのですが、
キャシーが加害者の男に復讐に行く場面で、物理的に女性の方が力が弱く、
抗えずに女性が犠牲者になってしまうことを暗示していたように見えたのですが、
キャシーの復讐が結果としては果たせたことはよかったけれど、
キャシーだけでなくニーナも本来であれば前途有望な女性(原題)であったのが
性犯罪をきっかけに、思い描いた将来に向かって進む機会を失ってしまう、
そういうことが実在していることを描きたかったのだと思います。

主演のキャリー・マリガン、久しぶりにみましたが、
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過去作品も結構好きなのですが、年齢を重ねるとともに深い味わいを出しているというか
今作のキャシーは精神的に不安定で30歳という設定の割に疲れている表情で
(元同級生のライアンと良い関係になってきたところでは急に明るく乙女な感じ、
 その変化も見ていて演じ分けているのが凄いと思いました)
おそらく、製作にクレジットされているマーゴット・ロビーとも役柄について
議論して作り上げていったのかと想像したのですが、そのくらい現実に起きている
問題を提起する強い力を感じた映画でした。

今までに経験したことのない映画というか、ジャンルをどこに分類したらよいのか、
そういう意味でオンリー1的な存在感、今年観た映画のトップ3には確実に入る、
観てよかったと本当に思った「プロミシング・ヤング・ウーマン」でありました。
(あともう1回は映画館で鑑賞したいと思います)



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映画「私をくいとめて」を観る [映画(や・ら・わ行)]

田端のChupkiさんで、「電車を止めるな!」5往復目鑑賞した後、
そのまま帰るのもなあ、と思って続けてみた作品です。


私をくいとめて.jpg

あらすじはYahoo!映画さんより。

アラサー女子の黒田みつ子(のん)は何年も恋人がいないが、
脳内にいるもう一人の自分「A」にさまざまなことを相談しながら
独り身でも楽しく生活していた。
常に的確な答えを導き出す「A」と一緒に平和なシングルライフが続くと
思っていたある日、年下の営業マン多田くん(林遣都)に恋してしまう。
独身生活に慣れたみつ子は勇気を出せない自身に不安を抱えつつも、
多田くんと両思いだと信じて一歩踏み出す。


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(。´・ω・)? 


私が普段見ないジャンルなのか、いや、この映画のジャンルってなんだろう、
脳内にからもう1人の自分が話しかけてくるという映画って他にもあるとは思いますが、
私自身はおそらく見たのが初めてのような、なんというか、なななんというか、
不思議な映画でした。(引っ張る割に言葉が凡庸ですみません)

私をくいとめて (朝日文庫)

私をくいとめて (朝日文庫)

  • 作者: 綿矢 りさ
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2020/02/28
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綿矢りささんの原作を映画化したものらしいのですが、
原作と同じなのかな、映画化されると原作と違う、みたいな
なんてことがあるのですが、この作品はどうなんだろう。
原作を読んで比較しようか考え中ですが、個人的にはそんなにツボにはまらず、
ファンタジー的な感覚では見られず、
「自分の近くにこんなお姉さんがいたら怖い」
失礼ながらそんなことを考えてしまいました。

怖いといっても全編通してではなく、ごく一部の場面だけなので、
その他は職場でも家でも可愛らしいな、と自分の娘でもおかしくないくらいの
年齢差なのでほんわかした気分で見られる場面の方が多いかもしれませんが、
特に後半の飛行機に乗っている場面は、同じ飛行機に乗りたくないな、と
ついつい意地悪なことを考えてしまいました。

主演の、のん(昔は能年さん)の演技を見るのは実は初めて、
クドカンが好きな割には、あまちゃんを見たことがなく、
(lovin姐さんに驚かれそう)
今回初めて見たのですが、こういうキャラクターを演じると物凄く映える俳優さん、
という印象でした。
このキャラクターに絡む脇のキャラクターも個性的で、
臼井あさ美さん、林遣都さん、そして片桐はいりさんが好演されているのが面白く、
主人公のみつ子だけなら最後までおそらく我慢して見られなかったと思いますが、
脇のキャラクターの面白さが絡んできて作品全体としてはよかったかな。

アラサーの頃ってこういう多感な時期だったのかな、ともう思い出せない私ですが(笑)
会社でもプライベートでも立ち位置が二十代とは違うんだなあ、と思いながら、
良いのか良くないのか自分の好みなのかそうでないのか、分からないまま見続けて
最終的にはまとまっていたように思えた「私をくいとめて」でありました。

(鑑賞後にいただいたはがき)

IMG_5205.JPG
のんさんを応援する男性(あまちゃん時代から)で、
あまちゃんの中のキャラクターからそのまま水口マネージャーと名乗っているそうで、
公開記念のはがきとChupkiさんでの上映祝いのはがきを描いて鑑賞した人に
配っていただきました。(当日も鑑賞されていたみたいです)
いただいて似ている!と驚いたのですが、こういうファンの方って温かくていいですね。

(映画を観終わった後、頭の中をぐるぐるしていた曲)
この歌が作中で流れるので作品が引き締まったような気がしました。


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映画「ローズメイカー 奇跡のバラ」を観る [映画(や・ら・わ行)]

何度も予告編を観ていて気になっていた映画、
ヒューマントラストシネマ有楽町で鑑賞しました。

ローズメイカー.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

フランスの郊外で、父が遺(のこ)した小さなバラ園を切り盛りする
エヴ(カトリーヌ・フロ)。
優秀なバラ育種家として活躍していた彼女だったが、
バラ園は倒産寸前で人を雇う余裕もない。
やむを得ず職業訓練所から3人のスタッフを派遣してもらうが、
バラの知識など皆無の彼らは足手まといになるだけ。
そんな中でエヴは新種のバラの交配を考案し、翌年に開催される
バガテル新品種国際バラ・コンクールに挑もうとする。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

原題は”LA FINE FLEUR”なのですが、英語だとFine FLowerってことでしょうか。
ローズメイカーという和製英語がちょっとなじみにくかったのですが
副題の奇跡のバラ、というのがついているので想像はしやすいかも。

と、久しぶりに邦題に突っ込み(というほどではありませんが)を入れたら
本題についての感想ですが、バラの品種改良ってこうやって行うんだと
いまある品種の香りに強い生命力を掛け合わせる、バラの育種というのは奥が深い、
そう思いながら鑑賞しました。

エヴを演じているカトリーヌ・フロといえば、
大統領の料理人 [Blu-ray]

大統領の料理人 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2014/04/16
  • メディア: Blu-ray
奇人たちの晩餐会 [監督:フランシス・ヴェベール] [レンタル落ち]

奇人たちの晩餐会 [監督:フランシス・ヴェベール] [レンタル落ち]

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2009/01/01
  • メディア: DVD
どちらの作品でも強すぎて鼻持ちならない感じ(あくまでも役柄)が
あまり親近感がもてなかった印象だったのですが、
今作では、プライドが高くて意地っ張りで負けず嫌い、素直になれない性格ながら、
新たにやってきたスタッフ3人との触れあいで心を通じ併せて優しい一面も見せる、
強さと柔らかさをうまく見せる俳優さん、彼女がぴったりかなと思いました。

社会復帰のための施設から派遣されてきた3人のうち、すぐれた嗅覚を持つフレッドのみ
犯罪に手を染めてしまった背景に見え隠れする幼少期の辛い思い出などが描かれて、
他の2人について特に触れられていなかったのが気になったりもしたのですが、
全員についてエピソード紹介、となると、盛りだくさん過ぎるので割愛したのかな、
と思いました。

バラについて何も知識のない3人が、エヴとの交流を経てバラを育てていくこと、
新しい品種を作ることに楽しさとやりがいを感じる様子は見ていて楽しいですね。
最後はもちろんハッピーエンドですが、手放しによかったね、というわけではなく、
もうダメだ、とエヴが落胆するところからの逆転満塁ホームラン的な展開が
観ていて(ハリウッド映画のようなイヤラシサもない)安堵するというか、
エヴにとっても、3人にとってもハッピーな結末になってホッとしました。

最後に、エヴが大切な人に贈る花言葉、エヴの人を想う気持ちとちょっと乙女な
所も見られてカトリーヌ・フロ(が演じる役柄)に好感もてました。

ビジネスとしてバラを育て品種改良して儲けることに異論はありませんが
(エヴの存在を脅かす巨大企業が「悪」という感じで描かれていたので)
人の気持ちを癒すバラ、品種改良にも人の心が深くかかわっていくことで
美しい品種がつくられるのかな、と、私も普段バラを飾ったりしませんが、
たまには部屋に飾ってみようかなという気持ちになった
「ローズメイカー 奇跡のバラ」でありました。



 


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2020年に観た映画 [映画(や・ら・わ行)]

昨年も同様の記事を書いたのですが、今年観た映画のおさらい記事です。(^-^)

今年も昨年のように「映画はなるべく映画館で観よう♪」という気持ちでしたが、
未だ第三波がおさまらないまま年末を迎えてしまった今年は、
3月くらいまでは頻繁に映画館に通っていたものの、その後は在宅勤務になって
東京まで業後出かける気合がいまいち出ず、映画館鑑賞もぽつぽつでした。

結果的には、Wi-Fiが自宅で使えるようになるまで借りていたDVD24本、
映画館鑑賞25本、主にNetflix(自宅)25本、計74本となりました。
(昨年はDVD37本、映画館59本、計96本)

まあ、作品数が多いから満足というわけではないのですが、
自宅で見ると集中力が途切れるというか、やはり映画館で集中するのがよいのだな、
とこうやって記事を書きながら改めて思った次第です。

というわけで、今年観た作品でよかったなあと思った映画10本。

「サーカス・オブ・ブックス」
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ドキュメンタリー作品は好きなジャンルですが、
Netflixのドキュメンタリー、中年の私には結構合うというか、
この作品も若干抵抗感みたいなものを持ちながら見始めて
ノンケでユダヤ教のご夫婦があくまでもビジネスと割り切って
同性愛者のお客さんたちやスタッフたちともあくまでも人間として触れ合う、
そういう姿勢に、私もそういう人間でありたいと思った作品でした。


WAVES
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人生で「たられば」はないのですが、やはり後悔してしまうこともあり、
作品前半でどんどん下へ下へと落ちていく高校生のタイラー、と、
後半で描かれる家族の再生まで、アメリカの高校生事情は理解しづらいものの、
家族とは、兄妹とは、うつぼ家とも照らし合わせながら見て、ああすればよかった、
こうすればよかった、そう思わずに生きていきたいと思えるような作品でした。

ワイルドローズ
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レニーちゃんの映画(「ジュディ」)で知ったジェシー・バックリーの主演。
底辺まで落ちていった若い女性がどう立ち直っていくか、
落ちていくのは早いけれどそこから這い上がるのは時間がかかるし
這い上がれないかもしれない。
不器用なローズが夢を追いかけるために無理を重ねていきながら、
一方ではシングルマザーとして娘を育てていかなければならない現実、
二兎を追えずどちらを取るか、、そんなローズがハッピーになっていくのを見て
元気をもらった映画でした。

バルーン
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実話に基づく映画なので西ドイツにたどり着けたというのは
分かっていながら、最初から最後までずっとドキドキしっぱなし。
インターネットもない時代、しかも東ドイツで近隣のスパイを警戒しながら
気球を作り上げて脱出するその姿を見て、なにも考えず自由を享受でいることに
感謝しないといけないなと思った作品でした。

ハニーランド
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自然と共生する人、自分の利益のために自然を破壊する人、
自分の利便性のために自然を大事にしないことで、
いずれ大きなしっぺ返しがあるのだということをしみじみ感じました。
高度経済成長と引き換えに失った自然、今でこそESGやSDG’sといったキーワードで
地球や社会に対する責任を持つべきだという世の中の動きが大きくなっていきますが、
自分の出来ることは小さいものの意識しないといけないな、と思った作品でした。

ハリエット
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実在の人物を描いた作品ですが、自分の命をかけてでも愛する人たちを
救おうとするハリエットの神々しく強い姿が印象的でした。
LibertyとFree(Freedom)は違う。自由を勝ち取るために戦うハリエット、
未だに人種差別を堂々と口にする今の大統領の姿を観ても残念な限りですが、
地の底から響きわたるようなハリエットの歌もあわせて心打たれた作品でした。

ジョジョ・ラビット
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もうねぇ、最後のボウイ様の歌を聞いたらハッピーな気分になりました。
悲しい場面もあってぐずぐず泣いてしまいましたが、ジョジョの目線で描き、
ファンタジーに戦争の残虐さも混ぜながら重くなり過ぎずに見られました。
やはり「愛は最強」!。スカジョーやサムロックウェルの好演も光る作品でした。


パラサイト
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お隣の国ながらシェルターとして作られた半地下の部屋が
住居として使われるようになり、経済成長とともに貧富の差が発生して
(日本も今は貧富の差が広がっていると思いますが)
そこから生まれる偏見とプライド。
韓国の歴史(と今)、人間の本質を垣間見たような気分の作品でした。
(個人的には先住のお手伝いさんを演じたイ・ジョンウンはツボりました)

人生をしまう時間(とき)
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人生半世紀越えている私には切実な話題です。
婆1号だけでなく私自身も考えないといけない話題なのですが、
婆1号については本人の臨む迎え方を聞きながら尊重したいと思いつつ、
私自身は現状独り身なので、なるべく姪や甥に迷惑をかけないような最期、
それを考えないといけないな、と本気で思った作品でした。

ヘヴィ・トリップ 俺たち崖っぷち北欧メタル
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終末シンフォニックトナカイ粉砕
反キリスト戦争推進メタル
よくわからないけどとにかく笑いました。(笑)
北欧映画ってあまりみたことがなかったのですが、
とにかくフィンランドをはじめとした北欧のヘヴィメタル文化を
垣間見せていただいた面白い作品でした。

3月からスタートした在宅勤務はずっと続いていて定期券も期限切れとなると、
東京まで映画を見に行くのは交通費込でちょっとしたお出かけになるのですが、
来年はもうちょっとまめに映画館に通いたいですね。

今年は在宅勤務10か月(ほぼ1年)、婆1号のはじめて&2回目の入院、
こういうことが起きるとは人生半世紀越えの私も戸惑いの一年でありました。
政府のいうことも筋が通っていないというか、ぐらぐらしているように思えますが、
自分のできることをやる、だからといって引きこもることなく、自衛しながら行動する、
そんな気持ちで日々過ごそうと思う私です。

これまでに比べて外呑みが減ったものの、ふさぎ込むほどには至らず、
インターネットの普及のおかげで救われた部分もあると思っていますが、
おそらく終息後の世界はこれまでと変わっていくのだろうと思います。
そんな中でも自分の備忘録としてブログも毎日アップできればと思っています。

今年一年、飲んだり食べたり怒ったりしている(笑)私のブログを
ご訪問いただきありがとうございます。<m(__)m>

年末年始もいつものような盛り上がりがないかと思いますが、
穏やかに新しい年をお迎えいただきますよう、
皆さまにもくれぐれもご自愛専一のほどお祈りします。

ではではまた来年♪






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映画「ワイルドローズ」を観る [映画(や・ら・わ行)]

最近見た「ジュディ(レニーちゃんの秘書役)」と
「ドクター・ドリトル(病に伏せる英国女王役)」で気になっていた
ジェシー・バックリー主演の映画というので角川シネマへ観に行きました。


wildrose.jpg


あらすじはYahoo!映画さんより。

地元のグラスゴーを出てカントリー歌手になりたいと願う
ローズ=リン・ハーラン(ジェシー・バックリー)だったが、
刑務所を出たばかりのシングルマザーにとってそれはかなわぬ夢だった。
資産家スザンナ(ソフィー・オコネドー)の家で家政婦として働き始めたローズの歌を
聞いたスザンナは、その才能に感嘆し彼女を応援しようと決める。
やがてローズにチャンスが訪れる。




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素晴らしい映画でした。(^-^)

主人公のローズは観ていてハラハラしたりイライラしたりするくらい不器用。
でも、心の底から歌いたい気持ちが伸びやかな声と表情にあらわれたりすると
歌手として成功してほしい、応援したいという気持ちにもなります。

10代で子供を産み、服役して戻ってきたら最初に向かったのは知り合いの男。
(恋人でもなさそうなくただの知り合いぽい感じ)
その男と青空の下で激しく絡んだ後に母の家にいって預けた子供と再会するも、
クラブで遊んでばかりで子育ても疎かになりがち、というか、
子供とどうやって向き合っていけばよいのかローズ自身わからない、
自信がない、そんな雰囲気に見えました。
歌いたい気持ちばかりが先に出て、子供のことを顧みない、
それで母親と衝突を繰り返し。

掃除人として資産家の家で働き始めても、家主の留守に、家の酒をラッパのみ、
それでテンション上がって歌っていたところを家の子供たちが聞いて
親にそれを伝えてから歌手として大きなチャンスが来るかもしれない、
という段階にきて、ここからローズも大きく変化していくのかな、と思ったら、
そんなに簡単にはうまく運ぶこともなく。
歌をとるか、子供をとるか、
母からも支援を受けられず、選択を迫られたローズは歌手になる夢をあきらめ、
子供と向き合う選択をします。

ローズが自分の夢と子供、どちらかを選ばないといけない事情になって、
子供を選んでホッとしたものの、歌手にならなくていいのか、と思っていたら、
ローズが真面目に子供と向き合う姿を観た母がローズの夢をかなえてあげたいと
いう気持ちにホロリ。

青い鳥のように、ローズにとっての幸せはカントリーの聖地ナッシュビルではなく、
地元グラスゴーでカントリーを歌うこと、
(ナッシュビルってああいう場所なんだなあと思うと観光にはいいけれど
そこでクラス場所ではないのかなって私も思いました)
自分で作ったカントリーの歌を明るい表情で歌うローズが映って映画は終わりますが、
ローズを演じたジェシー・バックリーのすばらしさも当然ですが、
母を演じたジュリー・ウォルターズの存在、子供たち、資産家の夫人の存在もあっての
映画だと思います。
(ハリポタのウィーズリーお母さんやリトルダンサーで先生を演じtいた大好きな俳優さん)

観ていて演出のイヤラシサを感じず、素直にローズに共感しながら
最後に幸せな気分で観終わることができたのもハリウッド映画ではないから、
イギリス映画だから(よくこんなことを書いていますが(笑))だと思います。

上映館が少ないのが残念ですが、
Wild Rose

Wild Rose

  • アーティスト: Original Soundtrack
  • 出版社/メーカー: Island
  • 発売日: 2019/04/11
  • メディア: CD
久しぶりにサウンドトラックも購入したくなったくらい音楽も素晴らしく、
ジェシー・バックリーの演技にも感激の「ワイルド・ローズ」でありました。


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映画「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」を観る [映画(や・ら・わ行)]

ウディ・アレン監督の新作、予告編も楽しそうだったので、映画館へ観に行きました。

レイニーデイ.jpg


あらすじはYahoo!映画さんより。

学校の課題として著名な映画監督ローランド・ポラード(リーヴ・シュレイバー)の
インタビューをマンハッタンですることになった大学生のアシュレー(エル・ファニング)。
彼女と恋人のギャツビー(ティモシー・シャラメ)は、
それを機に週末をマンハッタンで楽しむことに。ニューヨーカーのギャツビーは、
アリゾナ生まれのアシュレーに街を案内しようと張り切るが、
ポラードに新作の試写に誘われた彼女が約束をキャンセルするなど、
次々と予想もしていなかった出来事が起きる。




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ウディ・アレンらしくセリフが多いです。(笑)

癖のあるキャラクターが山盛りにたくさんのセリフ、
思わぬ方向にどんどん進んていく展開、舞台はNY、それってウディ・アレン。

面白いかと言われれば、ウディ・アレン作品でどっぷり楽しむというのは
シンプルな作りな私にはなかなかないのですが(笑)、今回はまあ面白いです。
キャスティングや展開次第というのもありますが、
基本的にはなんとなくいつも最後にはOK的なイメージなので、
今回も普通に面白く見られました。

中年俳優、リーヴ・シュライバーとジュード・ロウは、
ウディ・アレンにすぽんとはまった演じぶりで、
これはキャスティングの妙かなと本当に思えました。(笑)

20代半ばから訪れていた(もう6年くらい前に訪れたのが最後だけれどね)NY,
その雰囲気が見られるので楽しかったりするのですが、
日本よりも広いアメリカ、NYにきた地方出身のお姉さん(エル・ファニング)が
自分にとってプラスになると思ってどんどんそこに埋没していく様子に
NYの景色もプラスされていくのが楽しく見られました。

って、あらすじは楽しいのかどうか分からなかったのですが。(^^;

若い子が会えないと思っていた有名人に出会うチャンスを得たら、
チャンスを逃すのはもったいない!と、こうやってずるずると進んでいくんだろうな、
というのは分かるのですが、予定通りに行動せず途中行方不明状態になる彼女に
疑問を持つ彼氏ギャツビー(ティモシー・シャラメ)がいらついて、
そこから派生していくドラマ、それも見ていてイライラしたのですが、
最後にギャツビーの母親の告白。
これで結果オーライな作品かなと思いました。
逆にこの告白がなかったら作品が引き締まらず面白くなかったと思います。

キャスティングといえば、セリーナ・ゴメスがギャツビーの幼馴染で登場するのですが、
Dead don't die.jpg
最近見たゾンビ映画のようなことにならずにホッとしました。(笑)

ちょっとしたエピソード(ギャツビーの兄の婚約者の笑い声のエピソードとか)を
あれこれとNYの舞台にちりばめたセリフいっぱいのウディ・アレン作品としては
尺もそんなに長くないので飽きない感じでしたが、
ティモシー・シャラメにはあまりいい印象を持てない役柄だったものの、
これから中年になっていくにつれいい俳優さんになるのではと期待しつつ、
ウディ・アレン健在だなと思った「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」でありました。




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映画「ロンドンゾンビ紀行」を観る [映画(や・ら・わ行)]

イギリス映画&タイトルが下らないというだけで借りた作品です。(笑)

ロンドンゾンビ紀行 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • 発売日: 2013/06/05
  • メディア: DVD
あらすじはYahoo!映画さんより。

不況のあおりを受けて、祖父のレイ(アラン・フォード)が入居する
老人ホーム「ボウ・ベル」が閉鎖されるのを知ったテリー(ラスムス・ハーディカー)
とアンディ(ハリー・トレッダウェイ)の兄弟。
ホームと祖父たちを救う資金を稼ごうと銀行強盗をもくろむが、
なぜかゾンビが大量に出現してロンドンは大パニックに。
祖父の身を心配するテリーたちだが、その予感は的中。
ボウ・ベルにもおびただしい数のゾンビが押し寄せており、
レイやほかの入居者たちが壮絶なサバイバルを繰り広げようとしていた。





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シルバー大活躍!(笑)


ゾンビものといっても怖いのは絶対借りませんが、コメディのゾンビもの、
結構あるんですね。

アナと世界の終わり[Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2019/10/23
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ゾンビ版ミュージカルとか、


ゾンビランド:ダブルタップ ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2020/03/04
  • メディア: Blu-ray
ハレルソン先生がおバカにさく裂するこの作品とか、

ゾンビーズ [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • 発売日: 2019/06/05
  • メディア: DVD
ディズニーまでゾンビで作品作っちゃうとびっくりした作品とか、

ショーン・オブ・ザ・デッド [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2019/03/22
  • メディア: Blu-ray
バカゆるゾンビ映画とか、

暴走! ニトロ・バスターズ [DVD]

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  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • 発売日: 2013/06/07
  • メディア: DVD
オランダでもゾンビ映画なんてあるんだ、と驚いた作品とか、
こうやってみると私も結構くだらないゾンビ映画を見ていることに気づきました。(笑)


で、今作ですが、原題は”Cockneys VS Zombies”。
邦題は酷くないのですが「どこが紀行なんだよ」と突っ込み入るレベルかな。
原題は、コックニー(ロンドンの労働者階級が話す訛った英語)とゾンビの対決。
分かりにくいから紀行にしちゃったんだと思いますが、まあ、それなりにあちこちへ
逃げていき、最後は船に乗るので邦題作った人は頑張ったんだと思います。

ダメなあんちゃんたちが町中ゾンビ状態になったのを見て、
自分の爺さんが危ないと老人ホームに急ぐ途中でもゾンビだらけ、
そのころ老人ホームもゾンビが大勢近づいてきている中、爺さんがもうすごくて、
リーダーシップはあるわ、行動力はあるわ、戦略たてるのがうまいわ、言うことなし。
耳の遠いおじいちゃんやヨボヨボのおばあちゃんまでゾンビ退治で応戦する姿に
笑いながら応援している自分がおりました。(笑)

クレジットを後で見て驚いたのは、老人ホームにいたおばあちゃんのペギー。
ゾンビ退治でライフルをぶっ放す姿が爽快だったのですが、
PEGGY.jpg
このペギーを演じていたのが、オナー・ブラックマン。

ゴールドフィンガー 製作50周年記念版 (スチールブック仕様) [Blu-ray]

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  • 発売日: 2014/11/05
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この作品でボンドガール、プッシー・ガロアを演じていたとは。
PUSSY GALORE.jpg 48年前のボンドガール時

これを知って、さらにおばあちゃんに親近感を感じました。(^-^)


ゾンビが襲ってきたときに、どうやって退治するんだよ、と困惑すると、
頭を攻めればいいんだと、ゾンビ映画での知識を伝える仲間、
どこかベタながら、グロさもそこそこで怖くなくてゆるく笑えて、
最後の最後に爺ちゃんすげー、的な爺ちゃん最強伝説的展開になるあたり、
突出した演出というよりは怖いのが苦手な私が安心して笑いながら見られる、
「ロンドンゾンビ紀行」でありました。









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