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映画「ニーナ・シモン 魂の歌」を観る [映画(な行)]

Netflixで見つけた作品。
先日アップした「サマー・オブ・ソウル」でも存在感を見せていたニーナ・シモン、
彼女のことをもっと知りたいと思って鑑賞しました。


What Happened Miss Simone / [DVD]

What Happened Miss Simone / [DVD]

  • アーティスト: Simone, Nina
  • 出版社/メーカー: Eagle Rock
  • 発売日: 2016/09/02
  • メディア: DVD
内容は映画.comさんより。

人権活動家でもあった伝説の黒人女性歌手ニーナ・シモンにスポットを当てた、
Netflix製作によるドキュメンタリー。
ジャズの枠にとらわれずポップス、クラシック、ソウルなど多様なジャンルの要素を
取り入れた独自の音楽で1960年代に人気を集めたシモンは、その一方で黒人公民権運動に
参加し、メッセージ性の高い楽曲を次々と発表する。
演奏シーンやインタビューなどのアーカイブ映像、貴重な未発表音源などを散りばめ
ながら、その激動の人生を振り返る。
監督は「マリリン・モンロー 瞳の中の秘密」のリズ・ガルバス。
第88回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた。


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黒人という理由でクラシックピアニストになりたいという夢を断たれ
(音楽院への入学が叶わなかった)
生活のために働いていたナイトクラブで歌うようになってからプロになる、
結婚した旦那はNYPDを退職してマネージャーへ、暴力を振るうという、
驚いたのはマルコムXの近所に住んでいたことなど、
キング牧師やマルコムXの時代にこんなに素晴らしい歌手がいたということを
先日の黒いウッドストックと合わせて知ることができました。

政治色が一番出ていたころがあのサマー・オブ・ソウルでの姿で、
その後リベリアに移住、音楽のない生活を送ったあと、
オランダで復活コンサートを開催するまで、ですが、
アメリカから遠く離れて歌のことを考えずに過ごすことで精神を立て直して
行ったものの金銭的にはとても厳しく大変だった様子も描かれていました。

黒人の人権活動にのめりこみ、政治色の濃い歌を歌うようになったことが
メディアに煙たがられたことが活動範囲を狭められていたたわけで、
自分もアレサ・フランクリンやグラディス・ナイトのようになれたのでは、
と語る場面を観て悲しい気持ちになったのですが、
それでも若い頃に政治色の強い歌を歌ったことは後悔していないという
ニーナ・シモンに一本芯の通った姿を観た気がしました。

当時の映像に加えて元夫や娘も登場するのですが、夫の暴力がひどかったこと、
精神的にまいったニーナ・シモンが娘にも暴力を振るうようになったこと、
2人がエピソードを披露する姿に身内のことをそんなに悪く言うなんて、と思いつつ、
彼らの立場で考えればニーナ・シモンに対して言いたいことがあったのだろうし、
どの立場で観るかによって感じ方も変わるような気がしました。
(一方的にどちらかだけが悪い、ということもないだろうなと思った)

2016年?のアカデミー賞 長編ドキュメンタリー賞にノミネートされたものの、
最優秀賞に選ばれたのは、
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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2017/01/11
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同じ年にエイミー・ワインハウスのドキュメンタリーがノミネートされ、
こちらが最優秀賞を受賞したという運命的な(お二人とも亡くなっていますが)ものも
感じたのですが、才能に恵まれ努力も惜しまない2人がドキュメンタリー作品となって
賞を競う、なんという運命なんだと。
エイミー・ワインハウスの場合は、元ダンナがクズ過ぎる上に、実の父親まで娘を
金づるのように思っていたのが酷すぎて、彼女はただ歌いたかっただけなのに、と
泣きながら観ておりましたが、今作(ニーナ・シモン)の場合は、
活動していた時代も違うので元ダンナや娘についてはそこまで酷いとも思えず、
泣かずに観られました。

サマー・オブ・ソウルの記事でも書きましたが、ニーナ・シモンの存在を知ったのが
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  • 発売日: 2010/04/21
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この映画ですが、鑑賞後にCDを買ったものの姿が見えなかったので
そんなにピンとこなかったままほったらかしにしていたのですが、
久しぶりにCDを聴いてみて彼女の生き様というか背景を知って聴くと
じわじわと沁みてくる音楽でした。
(自分の以前の聴き方が浅かったと反省)

共感できるかと言われれば共感しづらいというのが正直な感想ですが、
商業的にもっと成功できたかもしれないけれど、自分の信条を貫いた
脆くも強い女性ニーナ・シモンという存在を知ることができた
「ニーナ・シモン 魂の歌」でありました。









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