映画「ハリエット」を観る [映画(は行)]
アメリカの20ドル紙幣に肖像として描かれている実在の女性の話と知り
日比谷のシネマシャンテに見に行きました。
日比谷のシネマシャンテに見に行きました。
あらすじは、Yahoo!映画さんより。
19世紀半ばのアメリカ、メリーランド州ドーチェスター郡。
小さいころからブローダス一族が所有する農園の奴隷として生きてきた
アラミンタ・ロス(シンシア・エリヴォ)は、
奴隷主のエドワード・ブローダス(マイケル・マランド)が急死して売られることになる。
二度と家族に会えなくなると考えた彼女は、奴隷制が廃止されたペンシルベニア州に逃げる。
そこで運動家ウィリアム・スティル(レスリー・オドム・Jr)と出会い、
ハリエット・タブマンという新しい名前で人生の再スタートを切る。
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(;_;)
ハリエットの行動力にはただただ驚かされるばかりでした。
奴隷だった自分が奴隷制度のない州まで160キロ歩いてたどり着き自由になり、
だからといってそれで満足するのではなく、自分の家族も含めて奴隷として
過酷な生活を送る人たちと自分の命を危険に晒してでも解放するために行動する。
奴隷というと、
アメリカ北部で自由黒人だったソロモンがある日突然誘拐されて、
奴隷にされてしまうという映画を見て、アメリカから奴隷を調達できなくなり、
人手不足になったアメリカ南部で、北部の自由黒人をだまして奴隷に仕立てて売る商人から
買う方法があったというのを知って驚いた映画を思い出します。
そういう土地柄だから何も疑問に思わない、クリスチャンでありながら、奴隷に関しては
自分の信じる教義は当てはまらないと真剣に考える、誰か同じ人間で奴隷はおかしいという
そういう考えを持てないのかと映画を見ながら不快だったんですよね。
あとは、タランティーノ作品。
奴隷をこき使う農園主がディカプリオでものすごく嫌なキャラクターを好演、
黒人による復讐劇で痛快でしたが、現実こうなることなんて一握りだったんだろうな、
と思いました。
今作には黒人を奴隷として酷く扱う白人だけなく、奴隷解放を支援する白人もいて、
一方、逃亡奴隷を探す手伝いをする黒人もいたりと様々に描かれています。
ハリエットが自由と表現するとき、2つの表現を使っていたのですが、
Libertyは不自由な立場から勝ち取ってつかむ自由、
Free(Freedom)は勝ち取らなくても与えられる自由。
ハリエットは奴隷のときにLibertyを勝ち取り、
その後あって当たり前のFreeの中で生活していった、ということなのかと
考えながら鑑賞しました。
平和ボケの日本で自由に暮らせることに疑問も感じなかった私ですが、
同じ人間でありながら奴隷として自由を認められず過酷な環境で働くとしたら、
彼女のように自由をつかみとってそれだけでなく同じ奴隷の人たちを救うという
考えに至ることができるのか。
多分、というか絶対できないだろうな、と思いました。
奴隷が逃げて農園が立ち行かなくなり、逃がした奴隷を使っていた農園主が責められる、
(白人同士がお金で揉める光景も非常に不快でした)
白人目線で、逃亡した奴隷を他の週でも捕まえられるように法が改正される、
今から100年前くらいの話、奴隷ではないけれど、昨今のニュースを見ていても、
アメリカは白人至上主義の勘違いが大勢いて、黒人を差別することが未だに
社会の大きな問題となっているわけで、白人がアメリカ大陸を発見して開拓した、
という変な自負みたいなものが黒人差別につながっているのかなと思います。
これがアメリカインディアンの立場からしたら、白人がいきなりやってきて、
土地をどんどん開拓していって、インディアンにうまく近づいてきて殺したでしょう、
そういう話になるわけですよね。
今作でハリエットを演じたシンシア・エリヴォは、
Color Purple / N.B.C.R. by New Broadway Cast
- アーティスト: New Broadway Cast
- 出版社/メーカー: Import
- メディア: CD
(2015年の公演時、もうNYに行かなくなっていたので未見です)
小さい体で豊かなな表現力と歌唱力でハリエットを好演されていました。
主題歌の「Stand Up」はアカデミー賞にノミネートされたそうですが、
素晴らしい歌です。見ながら思わず泣いてしまいました。
また、ハリエットが自由になったとき、住居を提供してくれた宿主のマリーを演じていた
ジャネール・モネイは
この作品で、黒人差別と闘いながら白人専用の大学に入って学ぶ姿が凛々しかった
メアリーを演じていた俳優さんで、今作では、ハリエットを温かく迎え、
サポートし続ける芯の強い女性を好演していました。
あとは、奴隷解放活動を行うウィリアムを演じていたレスリー・オドム・Jr.、
ブロードウェイの大ヒット作品でも主要メンバーの一人を演じていた方で
(といってもチケットとれずに見られなかった作品です)
逃げのびたハリエットを迎え、新たな生活を送れるようにサポートし、
ハリエットの奴隷解放活動を支援したキャラクターを演じていて、
こういったキャスティングも素晴らしくて見入っておりました。
小さいころに怪我した影響で発作をおこすハリエットが、
途中から神の啓示を受けて行動する姿には少々共感できない部分もありましたが、
奴隷解放活動に尽力し、南北戦争でも活躍した女性、ハリエット・タブマンについて
その人となりを知るよいきっかけとなった「ハリエット」でありました。
メアリーを演じていた俳優さんで、今作では、ハリエットを温かく迎え、
サポートし続ける芯の強い女性を好演していました。
あとは、奴隷解放活動を行うウィリアムを演じていたレスリー・オドム・Jr.、
ブロードウェイの大ヒット作品でも主要メンバーの一人を演じていた方で
(といってもチケットとれずに見られなかった作品です)
逃げのびたハリエットを迎え、新たな生活を送れるようにサポートし、
ハリエットの奴隷解放活動を支援したキャラクターを演じていて、
こういったキャスティングも素晴らしくて見入っておりました。
小さいころに怪我した影響で発作をおこすハリエットが、
途中から神の啓示を受けて行動する姿には少々共感できない部分もありましたが、
奴隷解放活動に尽力し、南北戦争でも活躍した女性、ハリエット・タブマンについて
その人となりを知るよいきっかけとなった「ハリエット」でありました。
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