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映画「プロミシング・ヤング・ウーマン」を観る [映画(や・ら・わ行)]

先行上映中のTOHOシネマズ日比谷で鑑賞した作品です。(7月半ば)
promisingyoungwoman.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

明るい未来が約束されていると思われていたものの、理解しがたい事件によって
その道を絶たれてしまったキャシー(キャリー・マリガン)。
以来、平凡な生活を送っているように思えた彼女だったが、
夜になるといつもどこかへと出かけていた。
彼女の謎めいた行動の裏側には、外見からは想像のできない別の顔が見え隠れしていた。


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ドキドキしっぱなし。(;゚Д゚)

予習せずに見たのですが予習しないでよかったというか、
アカデミー賞で最優秀脚本賞をとったというだけあって、
展開が読めないというか、脚本の構成がしっかりしているからこそ、
話に引き込まれて違和感なく伏線も回収されながら見終わりました。
(途中からは想像していた流れでしたがそれでもドキドキ。)

変な邦題にしなかったことも変なところに気が散る無駄がなかったので
(私が邦題を毎度気にし過ぎなんだとは思いますが(笑))
キャシーの一挙手一投足、彼女が仕掛ける復讐劇に見入ってしまいました。

キャシーの友人(ニーナ)が泥酔させられてレイプされたことから自ら命を絶った、
そのことを10年経っても忘れることなく加害者に復讐していく、のですが、
その前段(中盤でもそういう場面がありますが)で、泥酔したふりをして
見知らぬ男にお持ち帰りされ、男の優しさ(外側)の中に隠れている暴力的な
一面が露呈したところでキャシーが男に性犯罪を犯す愚かさを思い知らせる、
そんな場面を観た後に、キャシーが友人ニーナの命を奪った人たちに復讐する、
その根底にあるものを観客にも思い知らせているように思いました。

泥酔させてレイプする、日本でも大学生がそういう性犯罪で逮捕されたのを
ニュースで観た記憶がありますが、決して対岸の火事ではなく、
キャシーが復讐する加害者たち(傍観したりニーナの訴えを無視した人達も同罪)
彼らに自分や自分の家族が同じ目に遭ったら(遭う可能性があったら)という
精神状態にするのですが、そこで被害者の気持ちになって考えていなかったことを
やっと知ることができる人たちの中にニーナと同性である女性もいる、
いまの自分の立場、社会的地位、家族との関係を壊されたくなくて、
必死な形相でキャシーに赦しを乞う彼らを見て、自分のことしか考えられない人には
同じ思いをして他人を考える気持ちを持て、そんな気持ちで彼らを見ていました。

唯一、ニーナが訴訟しようとしたのを取り下げさせた加害者側の弁護士、
彼だけは自分の行ったことをずっと悔いていたことをキャシーは知り、
その気持ちを理解しようとする場面を見て、全員が自己中心的な悪人ではなく、
中には被害者の気持ちを理解しようとしていた人がいたことに若干でですが、
救われた気持ちになりました。
この弁護士の存在もあって、キャシーは最終的な復讐まで突き進むわけですが、
この人がいなかったらもしかしたら復讐も完全に果たせなかったかもしれません。

キャシーが中退した大学で同級生だったライアンと久しぶりの再会で
不安定だった気持ちが安定してきて、復讐も途中で終わってしまうのかと思ったら、
加害者の1人から渡された事件の動画から知った事実でキャシーの気持ちが
ニーナを実際犯した男を復讐する、一気に加速してその場面まで突き進んでいく、
(ブリトニースピアーズのTOXIC(スローテンポなメロディのみ)が流れて
 逆にそれが怖い雰囲気を醸し出していった)
大事な友人は死んでしまったのに、死なせた男は社会的地位を確立し、
過去のことなど忘れてしまったようで許せないキャシーのとった行動は
本人も命を懸けて復讐するその姿が切なくて悲しくて思わず泣いてしまった私です。

男性による性犯罪がアメリカや日本だけでなく世界の様々な国で起きている、
それに対する警告としてこの映画は作られていたのではないかと思いました。
事件の動画は音声のみなのでそこから観客が想像するしかないのですが、
キャシーが加害者の男に復讐に行く場面で、物理的に女性の方が力が弱く、
抗えずに女性が犠牲者になってしまうことを暗示していたように見えたのですが、
キャシーの復讐が結果としては果たせたことはよかったけれど、
キャシーだけでなくニーナも本来であれば前途有望な女性(原題)であったのが
性犯罪をきっかけに、思い描いた将来に向かって進む機会を失ってしまう、
そういうことが実在していることを描きたかったのだと思います。

主演のキャリー・マリガン、久しぶりにみましたが、
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過去作品も結構好きなのですが、年齢を重ねるとともに深い味わいを出しているというか
今作のキャシーは精神的に不安定で30歳という設定の割に疲れている表情で
(元同級生のライアンと良い関係になってきたところでは急に明るく乙女な感じ、
 その変化も見ていて演じ分けているのが凄いと思いました)
おそらく、製作にクレジットされているマーゴット・ロビーとも役柄について
議論して作り上げていったのかと想像したのですが、そのくらい現実に起きている
問題を提起する強い力を感じた映画でした。

今までに経験したことのない映画というか、ジャンルをどこに分類したらよいのか、
そういう意味でオンリー1的な存在感、今年観た映画のトップ3には確実に入る、
観てよかったと本当に思った「プロミシング・ヤング・ウーマン」でありました。
(あともう1回は映画館で鑑賞したいと思います)



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