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映画「シアター・キャンプ」を観る [映画(さ行)]

重たい映画記事の翌日は明るめの映画記事です。(^-^)
久しぶりにミュージカル映画を鑑賞しました。
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あらすじは映画.comさんより。

ニューヨーク州北部の湖畔にある演劇スクール「アディロンド・アクト」では、
ミュージカルスターを夢見る子どもたちを長年にわたり指導してきた。
しかし今夏のキャンプ開校を前に校長が昏睡状態となり、
演劇に無関心な息子トロイが跡を継ぐことに。経営状況は破綻寸前に陥っており、
スクール存続のためには3週間後のキャンプ終了までに
出資者の前で新作ミュージカルを披露しなければならない。
一癖も二癖もある教師たちと自由奔放な子どもたちは、
期限までに舞台を完成させるべく奮闘するが……。


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華やかさはないけれど楽しいミュージカルでした。(^-^)

ブログを始めたころはNY旅行記やブロードウェイミュージカル鑑賞記事を
書いていたのですが(経費節約でホテルで自炊したりしていましたが(笑))、
社会人になって3年目くらいにNYに引っ越した従妹を訪ねてNYに行ってから
20年くらい毎年ずーっと通っていたのですが、転職で生活のリズムがつかめないで
海外旅行に行かないうちに、NYなどの大都市のホテル代だけでなくミュージカルの
チケット代が高騰、航空券代も上がっていった中、物理的に行くのが難しくなり
最近はもっぱら国内(行ったことがないところ)旅行で楽しんでおります。

と、本場に行けなくなったのですが、ミュージカルはまだ好きなので
こういう映画があるとつい見てしまいます。(^-^)

今作は夏休み、アメリカっていろいろ子供向けのキャンプがあるようですが、
これはミュージカル俳優を目指す子供たちのキャンプ。
とはいえ、資金難で担保に入っている施設、倒れて意識不明になる校長、
代理をつとめる息子はおバカで役立たず(笑)、経費削減で人切りをやった結果、
今度は人が足りなくなり、未経験(経歴詐称)の女性を雇って子供たちを指導させ、
と、問題山積。

ここからどうやって新作ミュージカルをつくって資金調達するか、となるのですが、
講師をつとめるレベッカとエイモスを主軸に新しいミュージカルを作っていく様子が
描かれていきます。
とはいえ、講師同士、バカ息子のトロイとの衝突など色々な問題が起きますが、
大事にならずボヤがずっと続いていく、という感じなのでハラハラ感はなく(笑)
まあ、このまま見ていれば新作ミュージカルがなんとかできあがるだろうという
甘い予想が当たるものの、出来上がった新作ミュージカルは予想外の面白さで
笑いながら観終わりました。

主役を演じる女の子が仕事のオーディションを受けるからと発表前日にいなくなり、
どうするの?誰が主役を演じるの?(ある程度予想は出来ているのですが)と
思っていると、舞台装置などを手がけるスタッフのグレンが主役に抜擢され
(リハーサル風景もずっと見ているのでセリフも全部覚えている)
男性が女装するのでドラッグクイーンのような外観ながらそれが意外とはまっていて(笑)
無事に舞台を披露できる、資金調達もできてめでたしめでたし、とホッとするような
流れで観終わりました。

講師のエイモスを演じていた人、どこかで観ているかも、と思っていたら、
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この映画(と元になったブロードウェイミュージカル)で主演をつとめていた
ベン・プラット、上の映画では歳をとり過ぎた高校生役がちょっと、、、という
感想だったのですが、今作ではキャンプに参加する子供たちと真摯に向き合う講師を
熱演していました。

舞台装置担当のグレンを演じたノア・ガルビンも現役のブロードウェイミュージカル俳優、
なるほどそりゃあ現役なんだからうまいよなあ、と思ってみていたのですが、
エイモス役のベン・プラットとはゲイのパートナーであることをネットで知りびっくり。
そんなカップルが同じ映画に出ちゃうんだ、という驚きました。

群像劇としてはちょっと弱い感じもありますが、子役たちも演じているとはいえ
非常に楽しそうで、実際もこういうキャンプでミュージカル俳優になる子もいるんだな、
と思いながら楽しめた「シアター・キャンプ」でありました。

















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映画「福田村事件」を観る [映画(は行)]

実話に基づく映画と知り観に行きました。
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あらすじは映画.comさんより。

1923年、澤田智一は教師をしていた日本統治下の京城(現・ソウル)を離れ、
妻の静子とともに故郷の千葉県福田村に帰ってくる。
澤田は日本軍が朝鮮で犯した虐殺事件の目撃者であったが、
静子にもその事実を隠していた。

その年の9月1日、関東地方を大地震が襲う。多くの人びとが大混乱となり、
流言飛語が飛び交う9月6日、香川から関東へやってきた沼部新助率いる行商団15名は
次の地に向かうために利根川の渡し場に向かう。
沼部と渡し守の小さな口論に端を発した行き違いにより、
興奮した村民の集団心理に火がつき、
後に歴史に葬られる大虐殺が起こってしまう。


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群集心理の怖さ。

今の時代にも通じるものを感じました。

福田村事件についてはこの映画で知ったのですが、
事件が起きた福田村、私が住んでいる千葉県M戸市からそんなに遠くないところ、
いわゆる東葛地区と呼ばれるエリアなのですが、そこで100年前に起きた実際の事件、
映画の中でも村人たちが「だっぺ」連呼で話しているのでああ千葉で起きた事件なのか、
個人的には遠くではなく近くで起きた過去の事件ということが映画の衝撃を更に大きく
したような気がします。

何が起きるか事前に知っているのでそうなるまでにどういう流れでことが進んでいくのか、
この作品を観る興味はそこにありました。

世襲で村長の任を引き継いだ田向(豊原功補)、京城から妻と帰国した田村(井浦新)、
在郷軍人会で田向や田村と同級生の長谷川(水道橋博士が演じていてこれが曲者)、
他にはつましく暮らす福田村の住民たち、最初の風景は非常に長閑な感じでした。

一方、薬の行商で讃岐から関東までやってきた一団(リーダー役は瑛太)、
彼らはいわゆる部落出身で地元で暮らすのも大変だったのかもしれませんね、
行商で全国をまわって薬を売り歩くことで糊口をしのぐように見えました。

これらの光景に加えて、日本に働きにきていた朝鮮人に対する日本人の偏見も
描かれていたのですが、行商の一団が福田村までやってきたところで起きたのが
関東大震災。

今のようにネットもなく、東京に出稼ぎに行っている夫の様子もわからない若妻、
福田村にいると震災直後は情報が入らず不安になるのですが、
被災地の東京から避難してきた人たちによる情報によって村民たちが振り回され
洗脳されていく様子は非常に怖いものがありました。

被災地で朝鮮人たちが日本人に悪行(暴力や殺人)を働いているという情報を
聞き不安に思う村民たち、それに対して村長の田向は実際にそれを観たのか、
と避難民に聞きますが、誰もが「聞いた話」と答えるのみ。

今の時代もガセネタの方が拡散力がありますよね。
東日本大震災や熊本地震の時にSNSでガセネタが拡散して問題になったことを
思い出したのですが、ネットがない時代でも見ていないのに聞いた話として
悪い噂があっと言う間に広がってしまう怖さを感じました。

朝鮮人狩りというか、「15円50銭」と苦手な発音をさせて出来ないと殺す、
朝鮮人だけでなく社会主義者(日本人)も厳しく罰せられたというのも知りました。
日本政府が朝鮮半島で起きた三・一独立運動から、朝鮮人が暴徒であると警戒を煽る
報道を新聞をつかって執拗に行っていたことで日本人の中に朝鮮人が悪であるような
感覚を植え付けられていた、今の時代は扇動するような報道は昔ほどではないと
思いますが、忖度報道によって正しいことが報じられず政府に不都合なことは隠される、
千葉日日新聞の女性記者が正しい報道を行おうとしても編集長(ピエール瀧だった)に
止められる、見ていてあまりに理不尽な光景に腹が立つばかりだったのですが、
なんのためのメディアなんだ、と、これは今の時代にも通じることですね。

自分で観たことでないような情報は信じるに値しないという村長に対して、
在郷軍人会の長谷川たちは朝鮮人が悪であると村民たちを扇動し、
そこになびく村民たちの様子、長谷川達に逆らったら何をされるか分からない不安と
どこかに悪の根源をもっていきたいような心理が働いてしまったように見えました。

そこに讃岐の方言を話す行商の一団、震災で商売あがったり、早く次の土地に行って
儲けようと渡し舟の船頭に交渉して揉めたところから村民がその騒動に入り、
そこから村人や在郷軍人会が一団が朝鮮人だと騒ぎだし、なだめる村長の力も
まったく及ばず悪い方向につながり、村人たちが一団を殺めてしまう、
その光景、映画終盤ですがかなり長くて見ているのが非常に辛かったです。

一団が持つ行商資格の証明書が本物であり彼らが日本人だと分かった時点で、
一団の半分以上が無残に殺されていたこと、手をかけた人たちはその後逮捕され
罪を償ったものの、殺されずに讃岐に帰った行商の方々は部落出身であったことから
この事実を語ろうとしなかったということをwikiなどで知りました。

今作に登場する田村(京城から帰国)や千葉日日の記者などは映画のためにつくられた
役柄だと思いますが、群集心理に惑わされず正しい子とは何かを突き詰めようとする人、
彼らの努力も村人たちの怒りの感情の高まりをおさえることができなかった、
一方で、最後まで行商たちが朝鮮人かどうかも分からない中で憎むことはおかしいと
異を唱えていたのが船頭(東出昌大)というのが個人的には印象的でした。

船頭はいわゆる間男で普段は村人たちから煙たがられているアウトロー的な存在で、
群集心理の中に巻き込まれない、普段孤立しがちな人だからなのかと思ったりしましたが、
演じていたのが東出さんというのは、ご本人ももちろん納得の上でのことかと思いつつ、
なんとなく地で行く感じもうっすら感じながら、でも、この船頭さんの存在は、
見ていてほっとしました。

今作を監督したのが、
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オウム真理教の荒木広報部長を取材したドキュメンタリーの監督、
森達也さんと知り、今作が実話に基づく(一部フィクション)とはいえ、
作り方はドキュメンタリーとも思わせるような描き方、福田村の村人たち、
讃岐からの行商一団、いずれの側からも彼らの気持ちを感じることができるように
作られていたのでもちろん殺した方が悪いとはいえ、殺してしまった原因も描くことで
自分もそちら側になる可能性があるかもしれないという気持で観終わりました。

自分の気持ちに余裕がなくなると、人を疑ってしまいがち、
何か悪いことがあれば他責にしようとしがちな人が多いと思いますが、
自分もそうなる可能性はいくらでもあることをこの映画から学び、
上に貼った予告編にも書いてありますが、流言飛語に惑わされないよう、
事実に基づいて判断できるような心のもち方でありたいと思った、
「福田村事件」でありました。











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映画「RRR(日本語吹替版)」を観る [映画(あ行)]

今年初めてに観て衝撃を受けたインド映画、日本語吹替版が上映されるように
なったのは知っていましたが、田端のチュプキさんでも上映されると知り、
心躍らせながら観に行きました。

(1回目の鑑賞記事)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2023-01-07
RRR.jpg
あらすじは映画.comさんより。

1920年、英国植民地時代のインド。
英国軍にさらわれた幼い少女を救うため立ち上がったビームと、
大義のため英国政府の警察となったラーマ。
それぞれに熱い思いを胸に秘めた2人は敵対する立場にあったが、
互いの素性を知らずに、運命に導かれるように出会い、無二の親友となる。
しかし、ある事件をきっかけに、2人は友情か使命かの選択を迫られることになる。

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今回も胸熱!

1回目の鑑賞が今年初めだったので半年以上たっていますが、
観始めるとその時の胸熱テンションがあっと言う間に蘇りました。

2回目の鑑賞なのであらすじや展開、分かっているのに折々の場面で目頭が熱くなり
ラーマとビームが出会う場面(あり得ないCG満載の場面ですが無問題)から
2人が兄弟のように打ち解けていく様子(ビームがラーマを肩車する場面とか)、
ビームの仲間が投げつけた毒蛇に噛まれてラーマが生死の境をさまよっているのを
薬草などを使ってビームが助けながら、朦朧としているラーマに自分の目的を語ると、
(英国総督に連れ去られた村の娘を助け出す)
自分の大義のために生け捕りにする目標がビームだと知るラーマ、
兄弟のように仲良くなったビームを捕まえなければならないと葛藤するのですが、
毒蛇の毒が(ビームのお陰)解毒された途端に物凄い勢いで体力が回復し(笑)
英国総督の宮殿(というの?)に猛獣たちと共に乱入したビームと格闘し、
捕まえてしまう。。。

Interval。

前回の鑑賞と違い、ラーマがなぜそういう行動に出たのか理由は分かっていますが、
分かっているだけに、この時点で、

( ノД`)シクシク…

目が潤んでいる己がおりました。

後半、ラーマがなぜビームを捕まえたのか、その理由が明かされますが、
捕まえたビームを助けようとして今度はラーマが英国総督にとらえられる、
それを再びビームが助けに行く。

友情合体。
(ビームがラーマを肩車しながら敵と戦うのですが無敵過ぎ)

独房に入れられ足を傷めつけられたラーマの回復力が凄まじく
(毒蛇にかまれて解毒してからの回復力以上に凄かった)
ボーボーに伸びた髪の毛が逆に雄々しく(萌)勝利に向かって突き進むビームとラーマ、
2人を画面越しに応援して涙ぐんでいる自分がおりました。

細かいツッコミどころは今回もありましたが深く考えずにスルーして楽しめました。
(多分気にしているとこの映画は全く楽しめないと思います)
今回の日本語吹替版、違和感ないのかなあ、どうかなあと思っていたものの、
ヒンズー語のあの独特のイントネーションが雰囲気を醸し出しているものの、
そのイントネーションに気持ちを引っ張られがちだったのを考えると、
日本語の吹替になっていた方が物語に集中して入れるような気がしました。

田端のチュプキさんなので音声ガイドも楽しめましたが
当日は平日夜だったので鑑賞していたのは6人と少なかったものの
「RRR」のリピーターで田端のチュプキさんにもよく通われる方々なのか、
全員、持参したイヤホンを上映前から耳に当てていました。
そういう私もイヤホンで音声ガイドを楽しみましたが、セリフの間に情景も説明、
非常にわかりやすくて渋い声の吹替と併せて楽しむことができました。

3時間の長尺ですが今回もあっという間、序盤から目頭熱い状態で見続け、
最後にはハッピーエンドでめでたしめでたし、思わず拍手したくなってしまった
「RRR」でありました。

時間が合えば、もう一度は吹替え版で観たいです!


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迷い犬 [いろいろ②]

映画は観ているのですが外呑みのネタがないので本日はちょっと映画記事一段落、
代わりに珍記事です。
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このブログでも書いておりますが、婆1号(うつぼ母)、数えで米寿と高齢ですが、
9年前に父が亡くなった後は介護がなくなり(介護100⇒0)のんびりと一人で
暮らしています。

埼玉の兄宅に引っ越すなどの話も以前はあったのですが、引っ越したところで
土地勘が全くなく知り合いもいないところでの暮らしは母にとってストレスでしかなく
(兄嫁と表面上穏やかな関係ですが毎日一緒に過ごしていたら嫌だと思う)
本人が望む通り実家での生活を続けているので、私も頑張って運転して
昨年のペーパードライバー講習から進歩がないと先日婆1号に言われました(笑))
近所のスーパーや美容院(この2ヶ所のみ)に婆1号をつれていっています。

月に3回くらいは実家に帰っていますが(兄も月1回くらい)、
婆1号も近所のコンビニ(田舎なので野菜やお米も売っている)にコロコロを引いて
買い物に行ったり、生協から食料品を調達したり、とりあえず食べるものには困って
いないのですが、この先あとどのくらい婆1号と話せるのか、美味しいご飯を作って
もらえるのか(⇐こんなこと還暦近い私が言うのもなんですが(^^;)あと数年かな、
そんな感じで今のところ過ごしています。

婆1号よりいくつか年下の近所のおばあちゃんが、今年の夏、婆1号と何年ぶりかで
近所のコンビニで会って話をしたことを私も当日夜に婆1号との電話で聞いて、
「おばちゃん、元気だったんだ、よかったねぇ」と話したその2日後、
おばあちゃんが自宅でお亡くなりになったということがありました。
それを聞いた婆1号は、おばあちゃんの娘さん(同じエリアに住んでいる)のところへ
お悔みの挨拶に行って本当に突然のことだと聞いたそうですが、
自分もそんな形でぽっくり逝ければいいな、という思いが強くなり、
自宅での生活を強く望むようになりました。
本人の気持ちを尊重し、物理的にどうしても難しくなればその時の選択肢もあるよ、
ということを理解してもらっていますが、お世話になった婆1号の望むことを
なるべく叶えてあげられればと思っています。

と、婆1号の話が長くなってしまったのですが、本日は迷い犬の話です。

いつものように実家最寄り駅から実家に向かって歩いていたのですが、
ピクミンブルームで花のエキスをもらえるスポット(小学校同級生の家の近く)を
歩いていると、遠くの方に小さい物体がゆらゆら動いているのが見えました。

(。´・ω・)?

度の強い遠近両用のメガネも焦点が合づらくぼんやりと遠くに見える物体、
近づいてみるとおじいちゃんの柴犬が住宅街の細い道の真ん中にいて
いまにも倒れそうな感じでゆらゆらと立っていました。

迷い犬?と思いながら犬に近づいて、「どこから来たの?」と話しかけたら、

ルルルルルルルルルルルル

迷い犬に警戒というか威嚇されました。(^^;
とはいえ、威嚇する声にも力なく、よろよろしながら歩く犬を見守るしかない私、
しばらくすると、道路の端まで移動した迷い犬は力尽きたようにぱったり倒れました。
IMG_9043.JPG現場です
触ろうとすると再びルルルルルルルルルルルルと唸るので、
首輪していて鑑札もついているみたいだからおまわりさんにきてもらうか、
でも交番遠いし(現場から歩いて10分以上)こういうとき110番しちゃっていいのかな、
私もしゃがみ込んで犬を観ていたら、軽自動車が近くでとまり、30代くらいのお兄さんが
走ってきました。

どうされましたか?

お兄さんには巨漢のおばちゃんがうずくまっているように見えたのだと思います。(笑)
そんな困った状況が見えてもスルーせず車を降りてかけよってきてくれたことに、
世の中悪いことばかりでもないな、と思いながら、

「この犬が道端をよろよろ歩いていて、ここに倒れこんじゃったんですけど、
 首輪をしていてどこかの飼い犬みたいで、でもどこのお家の犬か分からなくて、
 こういう時、どうしたらよいのか?おまわりさんに来てもらうのがいいのか、
 良くわからなくて。。」とお兄さんに言うと、

「そうですね、110番してみましょうか。
 でも、ご近所さんが通るかもしれないですし、ちょっと待ってみましょうか。」
とお兄さん。

「そうですねぇ、夕方で犬のお散歩する人もいるかもしれませんし、
 おそらくそんなに遠い距離を歩けるとも思えないのでこのお近くだと思いますけど
 ちょっと待ってみましょうか。」

そんなわけでお兄さんと犬にちらちら視線を送りながら待つこと5分。

と、運よくチワワを連れて散歩中のおばあちゃんが通りかかりました。

「すみません!
 このわんちゃん、道端をよろよろ歩いた後、ここに座り込んじゃったんですが
 どちらのお家の犬かご存じでしょうか?」と聞いてみたら、

「ああ、ここの●●さんちの▲たろ▲君よ。
 家から抜け出しちゃったのねえ。見た通りおじいちゃんでしょ。
 呆けちゃってるみたいで徘徊しちゃったのかしらね」とおばあちゃん即答。

犬が座り込んでいる家の向かいの家というので、やっぱりというかあまりにも至近距離、
徘徊してしまったとはいえ遠くの距離でなくてよかったと安心しつつ、
インターフォンを押したものの不在。

車庫の奥には「▲たろ▲」と名札の書かれた犬小屋と、ブロックでコの字に囲まれた
スペース。このスペースから抜けだして、道路まで出てきてしまったようでした。

「●●さんいないみたいだから、▲たろ▲君、もどしちゃいましょう。
 夜、●●さんが帰ってきたら事情を説明しておくから。」というおばあちゃんに、

●●さんの家の駐車場のアコーディオン式の門を開けると、
おばあちゃんが慣れた手つきで▲たろ▲君を抱き上げて、犬小屋に戻してくれました。

「ありがとうございます。通りかかってくれたお陰でお家に戻れてよかったです。」
とお兄さんと私とでおばあちゃんにお礼を言うと、

「いやあ、あなたたちだって歩いていたらいきなりよぼよぼのおじいさん犬がいて
 びっくりしちゃったでしょう。
 大丈夫ですよ、ちゃんとお家の人には話しておきますから。
 こちらこそありがとうございました。」とお礼を言われてしまいました。

お兄さんとは「よかったですね、ありがとうございました」とお礼を言い合い、
別れましたが、翌日、実家から帰る時におじいちゃん犬の様子が気になって、
●●さん家の前を通って駐車場億を遠くからのぞいてみると、
▲たろ▲君、コの字ブロック(紐で縛って崩れないように強化されていた)の中で
横になってぐーすか寝ていました。一安心。

大きな道路ではないので車に轢かれたのではないだろうというのはすぐ分かりましたが、
いきなり道の真ん中によぼよぼの犬がいたら慌てますよね。
今回は通りかかったおばあちゃんのお陰であっと言う間に問題解決しましたが、
こういうことがあったら今回のようにすんなりいかないこともあるでしょうし、

https://wankonowa.com/column/communication/vol-18/#:~:text=%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E3%81%97%E3%81%9F%E7%8A%AC%E3%81%8C%E9%A6%96%E8%BC%AA,%E3%82%92%E9%80%9A%E5%A0%B1%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84%E3%80%82

保健所と交番に連絡しよう、と思った今回の迷い犬の一件でありました。



タグ:珍事
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映画「ドロステのはてで僕ら」を観る [映画(た行)]

ヨーロッパ企画(劇団)さんの映画「リバー、流れないでよ」の2回目鑑賞記事を
昨日書きましたが、この映画にすっかりはまり、映画の舞台(京都の貴船)を訪れ、
ヨーロッパ企画さんの舞台も観て、更に、彼らが最初に制作した長編映画も
レンタルして鑑賞するに至りました。(現在若干中毒気味です)
「ドロステのはてで僕ら」Blu-ray

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あらすじは映画.comさんより。

とある雑居ビルの2階。

カトウがテレビの中から声がするので画面を見ると、そこには自分の顔が映っていた。
画面の中のカトウから「オレは2分後のオレ」と語りかけられるカトウ。
どうやらカトウのいる2階の部屋と1階のカフェが、2分の時差でつながっているらしい。
「タイムテレビ」 の存在を知った仲間たちは、テレビとテレビを向かい合わせて、
もっと先の未来を知ろうと躍起になるが……。

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人間は強欲。(笑)

最初はカトウだけだったのがどんどん人が増えていき、
モニターを向かい合わせにして過去と未来を向かい合わせていけば
入れ子構造になって2分先ではなくもっと先の未来もわかる、とやってみると、
ドロステ効果というらしいです)
儲かる話はないかと強欲になっていく登場人物が多く(笑)、そんなことしてると
痛い目に遭うんじゃないの、と思っていたら悲しい未来がその内見えてきたりして
それをどう防ぐか、未来からのアドバイスを生かしていくうちに最後はハッピーに
終ってほっとしました。

今作でも「2分」がカギとなっています。
今作は2分未来の自分が見える、「リバー、流れないでよ」では2分のタイムループ、
2分という長そうで短い間隔、脚本の上田誠さんの趣味なのか描きやすいのかなと
思ったのですが、観ている方も2分のことなので2分ずつの展開を観ながら話について
いけるという優しさもあるのかもしれません。(笑)

最初は2分前、2分後、の自分を観てなんとなく納得しつつあるのが、
どんどん集まって来た人達によって強欲にもっと先の未来を観て美味しい思いをしたい、
そんな流れになっていくのを見ると、私もとかく楽な方、ウハウハな方に流れがち、
とはいえ、そんなに世の中うまくいくものでもないので本当にウハウハしたことは
なかったりしますが、今作の中の登場人物たちも中途半端にウハウハした後、
大変な目に遭うので欲をかいたらいけないな、というどこか道徳的というか、
ドラえもんのようなオチのようにも思えました。

劇団の方なので演技は舞台ぽい、それが苦手な人には没入しづらい作品かもしれませんが、
私はすっかり没入していったので、後半、細かいところでどこか辻褄が合っていないような
気もするけれど大丈夫、ちゃんと話は面白いのでついていく、そんな感じでした。

「リバー、流れないでよ」を先に観たので、今作にも重複して出ている人を観たとき、
タイムパトロール係のキンジョウ(永野宗典さん)は、「リバー」では番頭さん、
主人公のカトウ(土佐和成さん)は、「リバー」では猟師(後半までセリフなし)、
893のナリタ(中川晴樹さん)は、「リバー」では入浴中の編集者、
カトウの友人オザワ(酒井善史さん)は、「リバー」では板さん、
そして、どちらの作品でもドロステ効果とタイムループに気づき皆に説明する役で
2つの作品がなんだか重なりながら見ておりました。(笑)

おまけに、2つの作品+下北沢の本多劇場で観たこのお芝居とも重なり、
ジャック.jpg
永野宗典さんは番頭さん(リバー)でタイムパトローラー(ドロステ)で、
スコットランドヤード(舞台)という見ながら様々な場面の姿が重なり、
これも頭がこんがらがるかと思ったものの意外とすんなり見られたのが不思議で、
登場する役者さんたちの演じ方で違和感がないのかなとも思いました。

未来をみながら行動する、というのはよくないことだとは思うのですが、
終盤、カトウが苦境に立たされる時、未来から言われて仲間たちが用意したのが、

ケチャップ シンバル ゼブラダンゴムシ

なんだこれ(笑)という品々ですが、これらがカトウが苦境を乗り切るために使われ
その使われ方がもどこか古典的なのかもしれませんが終盤大爆笑しておりました。
結果的にはアイデアも展開も、登場人物たちの会話も個人的にはツボにはまり、
ほんわかした気持ちで観終わりました。

自分の未来、人生折り返してしまったので見たいような見たくないような、ですが、
見ない方が色々気にせず過ごせるし、何かあってもそれはそれで受け止められる、
そんな気持ちになった「ドロステのはてで僕ら」でありました。






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映画「リバー、流れないでよ」を観る [映画(や・ら・わ行)]

以前観た映画で2回目の鑑賞となりますが、初回ですっかりはまってしまい、
その後、制作されている劇団「ヨーロッパ企画」さんの舞台を観に行き、
更に今年の夏休み旅行in京都で映画に登場した貴船の旅館「ふじや」さんへ行って
(旅行記事は今月下旬くらいから書き始めようと思います)
川床料理を楽しみ、その2日後、田端のチュプキさんに観に行ってしまいました。
リバー.jfif
再び、ですが、あらすじは映画.comさんより。

京都・貴船の老舗料理旅館「ふじや」で仲居として働くミコトは、
別館裏の貴船川のほとりにたたずんでいたところを女将に呼ばれ、仕事へと戻る。
だが2分後、なぜか先ほどと同じ場所に立っていた。
そしてミコトだけでなく、番頭や仲居、料理人、宿泊客たちもみな、
同じ時間がループしていることに気づく。
2分経つと時間が巻き戻り、全員元にいた場所に戻ってしまうが、
それぞれの記憶は引き継がれるのだ。
人々は力をあわせてタイムループの原因究明に乗り出すが、
ミコトはひとり複雑な思いを抱えていた。
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爆笑!

2回目なので最初から細かいところにも目が届いて見られるのと、
結末が分かっていてもドキドキ感は変わらないというか、更に楽しめました。
2分って短そうで長い、意識が繋がっていて時間がひたすらループする、
人間そんな状況に置かれたらどうなるのか、落ち着こうといいながら、
言い合いになったりするのは人間だから、なのですが、
今回もちょっとしたツボというか面白かったのは、連載のミステリー小説が
書けずに行き詰っている作家(近藤芳正さんが演じている)が、どうせ時間が
戻るんだからと、缶詰にされている貴船の旅館の部屋の障子に指で穴をあける、
それを咎める仲居達にも勧めてやらせてしまう、背徳感を感じるといいながら
楽しそうに障子に穴をあけるの、私もやってみたくなりました。
(やりたいだけでやってはいけないのは分かっています(笑))

ループから脱出するために最後の2分で旅館の仲居さんや板さん、
ミステリー作家に他のお客さんたちも一丸となって貴船神社の石段をのぼる、
2回目も(結果が分かっているのに)ハラハラしながら観ましたが、
最後はハッピーエンドでほっとして観終わった後、
今回は運よく(そういうイベントがあると知らずに予約したのですが)
監督の山口淳太さんとオンラインのトークイベントがありました。
IMG_8985.JPG山口淳太監督
河瀨直美監督の「光」にメイキングディレクターとして参加した山口さん、
光 スペシャル・エディション Blu-ray【2枚組】

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音声ガイドと字幕が作品をより掘り下げると感じたそうです。
そして、前作(ヨーロッパ企画初の長編映画)の


「ドロステのはてで僕ら」Blu-ray

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  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2023/09/20
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この作品のブルーレイにバリアフリー字幕音声ガイドをつけ、
今作「リバー、流れないでよ」では字幕の他にバリアフリー用の音声ガイドを
つけて、私が鑑賞した日が初お披露目だったそうです。

田端のチュプキさんではどの作品にも字幕と音声ガイドがついているので
私は何の疑問もなくこの時もイヤホンで音声ガイドを聞いていたのですが、
大量のセリフの中に(セリフを邪魔しないように)音声ガイドを入れることで
視覚障碍者の方にもより分かりやすくなっている作品になったと仰っていました。
12/20発売予定のブルーレイにも字幕と音声ガイドが収録されるそうなので
私も買ってみようかなと思います。(^-^)

質疑応答では私も手を挙げて雪の中、仲居役のミコトをはじめ演者のみなさんが
転ばなかったのか心配になったと聞いてみたのですが、転んだのは山口監督だけで
俳優さんたちは転ぶことなく撮影に臨んでいらっしゃったとのこと。
(役者さんて凄いなと思ってしまいました)
IMG_8986.JPG最後に宣伝
時をかけるな.jpgTVerでも見られます
ヨーロッパ企画の上田誠さんが脚本、山口監督も何話か演出、監督されて
いるそうです。
私も観ましたが、上田誠さんらしい展開が楽しいドラマ、最近まったくテレビを
見なくなった私もこのドラマはハマっています。(^-^)

また、既に東京公演は終わってしまい現在西日本に行ってしまったのですが、
9月下旬に下北沢の本多劇場で観たヨーロッパ企画さんの新作舞台。
切り裂かないけれど攫うジャック」というタイトルのコメディミステリー、
映画と同様にテンポよく繰り広げられる展開と笑いで心の底から楽しめました。
ジャック.jpg
というわけで、特に気にせず観た映画ですが、その後、舞台や京都、
更に音声ガイドまで自分の興味が広がって追いかけてしまっている
ヨーロッパ企画さんの映画「リバー、流れないでよ」でありました。


https://www.europe-kikaku.com/e42/



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映画「私たちの声」を観る [映画(や・ら・わ行)]

出演者を観て鑑賞した作品です。
私たちの声.jpg

内容は映画.comさんより。

女優タラジ・P・ヘンソンが監督を務め、ジェニファー・ハドソンがドラッグ依存と
多重人格を克服しようと闘う女性を演じた「ペプシとキム」、
「トワイライト 初恋」のキャサリン・ハードウィック監督がマーシャ・ゲイ・ハーデン
とカーラ・デルビーニュの共演で、コロナ禍のロサンゼルスで出会った医師とホームレス
の交流を描く「無限の思いやり」、
アルゼンチンのルシア・プエンソ監督がエバ・ロンゴリアを主演に迎え、
亡き妹が遺した幼い娘との人生を考えるキャリアウーマンを描いた「帰郷」、
「きみはいい子」の呉美保監督が杏とタッグを組み、育児と仕事に翻弄されるシングル
マザーの多忙な日常をつづった「私の一週間」、
イタリアのルチア・ブルゲローニ監督&シルビア・カロッビオ監督による
アニメーション作品「アリア」などを収録。
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7人の女性監督によるオムニバス映画ですが、
オムニバスはどうしても入りやすい話と入りづらい話が混在しているような印象で、
今回も作品によって自分の気持ちの入り具合に温度差がある中で、
一番共感できたのは、呉美保監督、杏主演の「私の一週間」でした。

シングルマザーの母、子供と朝ごはんをつくって一緒に食べ、掃除洗濯、
子供たちを支度させて娘を小学校に、息子を幼稚園に送った後は、
勤め先のカフェにいって仕事、終わったら買い物して帰宅して夕食づくり、
その毎日。学校に行く前に髪の毛を編んでほしいとお願いしても時間がないと断る母、
仕方ないと思いながらも寂しい娘、この3人家族に何が起きるのか、オムニバスなので
1話15分~20分くらいという短さなので展開が早く、ハッピーエンドにホッとします。
ネタバレになってしまうのですが、冒頭、ティッシュの箱をいくつも開けてしまう
子供たちに母親が怒る場面、掃除機を毎日せっせと朝かける母親、これが最後にうまく
つながって時間に余裕が出来た母親に髪の毛を編んでもらう娘の嬉しそうな笑顔で
私もほっとしながら観終わりました。

この作品はどこかほんわかした話ですが、それ以外の海外作品はちょっと重ためのものが
多い印象でした。

1話目の「ペプシとキム」は、
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この映画でアカデミー賞を受賞したジェニファー・ハドソン主演、
ドラッグ依存症(が原因で罪を犯し服役中)による多重人格に悩みながら、
離れて暮らす子供と再び暮らせるようにと努力する姿、実話に基づいているそうですが
実在の人物も最後に映り、その後、ドラッグ依存症患者を支援する団体を設立して
いるという記述に社会から脱落しても這い上がるその力強さを感じました。
(ジェニファー・ハドソンの鬼気迫る演技が素晴らしかったです)

続く、マーシャ・ゲイ・ハーデン主演の「無限の思いやり」も、コロナ禍で
ホームレスで精神不安定になってしまった若い女性の交流が、
途中ハラハラしましたが結果的にはホッとして観終わりました。
ホームレスになったことで人への警戒心が増えたことから物凄い重ね着で自分の鎧に
しているように見えたのもアメリカ(LAという大都市)で性犯罪の危険もある中で、
その警戒心が強くなってしまったのかと思うと、こういう問題は日本でもあるのでは、
そういう気持になりました。

あと一つ、イタリアの作品で、娘と映画を観る約束を忘れてしまい、家族に詫びながら
夜勤シフトに入った女性の獣医がケガをした犬を連れてきた夫婦の妻の異変に気付き、
犬の治療を行いながら女性の状況を探り救おうと試みる話。
(要はDV夫から逃げるために犬のケガを装って病院にやってきたのに気づいて救う)

この4作品は比較的理解しやすかったのですが、他の3作品は分かるような気もするけれど
結局のところ分かりづらいかなあ、という感じで観終わりました。

オムニバス映画なので、一作品が短め、終わったら次の作品に気持ちを切り替えるのが
少々大変な感じもしましたが、ジェンダーフリーによって社会が良いものになっていく、
そう願って作られた作品を観る機会があってよかったと思えた「私たちの声」でありました。

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映画「国葬の日」を観る [映画(か行)]

以前何本か見たドキュメンタリーの監督をつとめられていた大島新さんの
作品と知り、田端のチュプキへ観に行きました。
国葬.jpg|
内容は映画.comさんより。


「なぜ君は総理大臣になれないのか」「香川1区」などの大島新監督が、
安倍晋三元首相の国葬当日の人々の姿を記録したドキュメンタリー。
世論調査では国葬に反対する声が増えていく中、
2022年9月27日に東京・日本武道館で執り行われた安倍晋三元首相の国葬。
その当日に東京・下関・京都・福島・沖縄・札幌・奈良・広島・静岡・長崎の
10都市で取材を敢行し、国葬や安倍元首相という人物について、
人々のリアルな思いを映し出す。
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大半が無関心。

私はやるなら自民党葬にすればいいじゃないの、と思っていたので、
国葬(途中から岸田さんが国葬儀と名前を変えていたのもなんだか)まで
行う必要があったのかと言われればすることなかったんじゃないかな、と
思っていました。

ただ、当日は日本武道館に続く大行列ばかりを映し出すメディアに辟易して
無関心でいようと思っていたことを思い出したので、大半に入っているのだな
とこの作品を観て改めて思いました。

なぜ君は総理大臣になれないのか [DVD]

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香川1区 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: マクザム
  • 発売日: 2022/09/30
  • メディア: DVD
香川1区から立候補しても当選できない小川淳也さんの選挙活動の様子を描いた
これらの作品を監督した大島新さんの映画なので恐らく見ていて私は受け入れられる、
と思って今作を鑑賞しました。

パンケーキを毒見する [DVD]

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  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2022/06/03
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妖怪の孫

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  • 出版社/メーカー: アシスト
  • 発売日: 2023/10/06
  • メディア: DVD
監督は違いますが(こちらは内山雄人監督)、これらのドキュメンタリー
見ているので、

選挙に勝てば正義。

とか、

やっている感をだすことが大事。

とか、そういうことを普段から思っている(オフレコでつい言ってしまう)政治家、
今の岸田さんも在任2年をことさら強調するような報道が目についてゲンナリしますが
長くやっていればそれでいいのか、という話かと思います。
国葬賛成派の多くが悲しい形でお亡くなりになったことへの同情、とか、
長くやっていたから国葬くらいしてあげていいんじゃないの、という方が多くて、
日本人って優しい人が多いのかな、なんて見ながら思ってしまいました。

今作で国葬に反対している様子が出てくるのは東京(落合恵子さんが映っていた)、
と沖縄(辺野古移設反対活動団体の方々)だけで、他の地域は無関心の人が
多かった印象でした。

安倍さんの選挙区である山口県(下関)でも、地元の一部の人には安倍政権は
よかったのではないか、というあっさりした反応の方もいて驚いたのですが、
若い方でも安倍さんの功績として日米安保強化を挙げている人がいて驚きました。

私自身、2012年の夏に新卒から働いていた会社を辞めたのですが、
社員持ち株会で保有していた会社の株式を(当時は民主党政権)どうせ上がらないだろう、
と成り行き売りしたその数か月後、自民党政権にかわったんですよね。
3本の矢とかいってたアベノミクスへの期待で株価があっと言う間に爆上がり、
損切りした株(平均買付単価のほぼ半分)が売却価格の2倍まで上がった(笑)時は、
「投資は自己責任」と分かっていたので、売却判断した自分に責任があると認識しつつ、
自民党が与党になることで国民や海外投資家からの期待が上がっことで、
(日銀の金融緩和もあったんですけどね⇐まだ続いているし)
自分の生活水準も上がっていくのだろうと(当時ぷーたろーだったのに)思いました。
でも、その後どうなったの、というと、コロナ禍という非常事態ではあったものの、
増税に加えて社会保険料も上がり、おまけにインフレの追い打ち、
今の岸田さんもZ務省のいいなりか、海外にほいほい景気よくお金をばら撒いて、
日本にやってくる外国人には手厚く、日本国民には冷たいなあと思うばかり。

昨今、SNSで「増税メガネ」とか「バラまきメガネ」とか言われて、
ご本人が憤慨しているそうですが、「聞く耳」ってなんだろう?と疑問符だらけ。
異次元の少子化だって今に始まったことではないし、安心して子育てできる環境に
なっていないから子供をつくらない人が増えていることに気づけないんだろうか、
(息子もおバカすぎてびっくりしたし⇐世襲禁止にすればいいと思っています)、
色々なことで政治家のやっていることのずれ加減にイラっとしています。

静岡の清水市ではちょうど国葬の直前に浸水被害で多くの住民が浸水した家から
土砂などを運び出して大変な時期、地元の高校生がボランティアで手伝っている
様子が映し出されていました。
3年前に家を建て直したという高齢の女性だけでなく、被害にあった住民の方々が
国葬をやるお金があるならこういう災害支援に税金を使ってほしい、という言葉に
本当に困っている国民に手を差し伸べるのが政治家の仕事ではないのか、と
改めて思ったわけですが、自分たちのプライド(と自分の選挙区)を優先して
いる政治家が多いように思えて仕方ありませんでした。

安倍さんがああいう形でお亡くなりになっていなくても(ご病気とか)
国葬をやっていたのかな、といえば、そうではなかったように思えますし、
亡くなった後、物凄い勢いで国葬を決定してしまい、国民も当然賛同すると思ったら
反対意見が半数以上で、でも挙げた拳をおろせなくて(半ば意地)実行した、
そのように見えたのですが、今作のインタビューの中で一番印象的だったのは、
沖縄で(辺野古基地建設現場近く?)カフェを営む中年女性の言葉でした。
国葬反対と騒いでいても終わって1週間も経てばおとなしくなって自分の生活に戻る、
その繰り返しではないかという言葉に、喉元過ぎれば熱さを忘れる的な感覚の
日本人が多いのだろうけれど、自分の気持ちを投票権に反映させればもうちょっと
良い日本になるのではないかな、と改めて思った「国葬の日」でありました。






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銀座「土風炉」で辛子明太子 [呑んだり食べたり(チェーン店)]

先に書いておきますが、今回は残念記事です。(笑)

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10年以上ぶりにチェーン系の土風炉さんに行きました。

(食べログ)https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130103/13011585/

10年以上前(多分15年以上くらいは前だったような)に友人と入ってよかった、
というイメージが残っている土風炉さん、久しぶりにいってました。
銀座コリドー街のお店はお初ですが、1階と2階に席があるので大箱のようです。
とはいえ、入れないのも、と半個室をネット予約していったら個室でした。
ただ、置いてあるメニューが触るとベタっとしていて最初からテンション下がり気味。
IMG_8996.JPGとりあえず最初はビール
運ばれてきて1分くらい経った状態で写真を撮りましたが既にこんな状態。( 一一) 
お通し(350円)の胡麻豆腐も寒天で固めた感じ(もっちり感なし)で残念でした。。
IMG_8997.JPGIMG_8998.JPG
ビールと一緒に注文した茶豆と串焼き盛り合わせは普通でしたが、
串焼きはこれで1200円くらいなのでお値段を考えると微妙かもしれません。
IMG_8999.JPG秋茄子と白海老の揚げびたし
味は普通ですが、一緒に行った友人も「白海老がないじゃん」とがっかりするくらいの
白海老を探せ状態でした。
ちなみに「本日の鮮魚のなめろう」を注文しようと「今日は何のお魚ですか?」と
聞いてみたら「多分かんぱち、、、」という答えで、へー、鯵とか鰯じゃないんだ、と
思って注文したら、その後、スタッフのお兄さんが戻ってきて
「すみません、今日のなめろうはサーモンです!」と言ってきたので注文キャンセル。
サーモン(鮭)は焼くのは好きですが刺身はあまり好きではないのと、
なぜサーモンでなめろう?疑問渦巻くチョイスだなあと不思議に思いました。 
IMG_8992.JPG気を取り直してひやおろし 
鶴齢を注文するとスタッフのお兄さんが一旦いなくなってから戻ってきて
「すみません!売切れです!」屈託のない笑顔で売切れコールしてきました。
じゃあ、富久長にしようかな、というと、「それも売切れです!」って。(笑)
そんなに売切れなら何があるんでしょうか?と聞いてみたのですが、
私が注文した2つ以外はあるみたいでした。
IMG_9001.JPG山梨の七賢 これは美味しかったけれど五勺です(;_:) 
IMG_9002.JPGIMG_9003.JPG 
IMG_9004.JPGIMG_9005.JPG
帆立バターやごましおきゅうり、まあ普通ですがテンションが上がらず、
辛子明太子(切れ子)は今回の中で唯一まともだったような記憶です。
さつまあげに至っては、この大きな皿に盛りつける理由が謎でした。 
IMG_9006.JPG阿部勘で〆 
IMG_9007.JPG鉄火巻&納豆巻
以前は居酒屋メニューにお蕎麦、というお店だった記憶ですが、
今はお寿司も推しているみたいで、グランドメニューに書いてなかったお刺身も
別に置いてあったお寿司メニューの中に書いてありました。
(気づいたのは食べ終わった後なのでもう注文しませんでした)
巻物は具が少なくて怒るより笑いしか出てきませんでした。(笑)

1階の席で洗手間は2階にしかない不便も残念だったのと、
スタッフの中に、威勢よくしているつもりなのかと思いますが、
やたら声が大きく、でも口のきき方はかなりぞんざいで、料理などもテーブルに
雑に置いていくお兄さんが一人いて(お祭りで見かけるような恰好だった)、
どこか勘違いしている感ありありだなあと思いながらお会計。

チェーン店居酒屋より単価高めだったのでこのくらいでも結構しました。( 一一)

外食産業の運営しているお店も経営している企業が変わっている時があって
久しぶりにいくと、あれ、こんな感じだったっけ?と驚くことはままありますが、
今回はそれが如実に出てしまった感じでした。

またタイミングがいまいちだったのか近くにいた男女グループがとにかく大声で
(一人でなく複数人でイェイイェイ騒いでいた)
それもテンション下がりっぱなしだった理由の一つですが、

呑みたい時にこの店があっても今後はもう入らないだろうな、と思ってしまった
土風炉さんでありました。残念。

 



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映画「ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック」を観る [映画(や・ら・わ行)]

久しぶりの角川シネマ、「ピーター・バラカン フィルムフェスティバル」で
上映されていた作品を鑑賞しました。
ローレルキャニオン.jpg

映画の内容は映画.comさんより。

ウェストコースト・ロックの聖地、ローレル・キャニオンにスポットを当てた
ドキュメンタリー。
1960年代半ばから70年代にかけて、アメリカ西海岸を拠点とするミュージシャンたちに
よって生み出されたウェストコースト・ロック。
アコースティックを基調とした演奏スタイルと、叙情的なメロディやハーモニーを
重視したサウンド作りで、日本でもブームを巻き起こした。
ロサンゼルス中心部にも近いローレル・キャニオンには、ザ・バーズ、ママス&パパス、
イーグルスなど多くのミュージシャンが引き寄せられるように移り住み、
数々の名曲を生んだ。
膨大なフィルムライブラリーから厳選された貴重な映像や写真と共に、
アーティストたちがその歴史と功績を振り返る。
監督は「駆け足の人生 ヒストリー・オブ・イーグルス」で注目を集めた
オーストラリア出身のアリソン・エルウッド。
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自分の知っているアーティストたちの関係性を知ることが出来た作品でした。

とはいえ、1960年代後半から1970年代初めの頃のアーティストで
あまりよく知らない方もいました。
フライング・ブリトウ・ブラザーズ+8

フライング・ブリトウ・ブラザーズ+8

  • アーティスト: フライング・ブリトウ・ブラザーズ
  • 出版社/メーカー: USMジャパン
  • 発売日: 2010/12/22
  • メディア: CD
Forever Changes - Expanded Version

Forever Changes - Expanded Version

  • アーティスト: Love
  • 出版社/メーカー: Rhino/Wea UK
  • 発売日: 2001/02/19
  • メディア: CD
例えばこのグループなど。
映画を観てから聴いてみましたが、1970年代の西海岸音楽、って感じ、
今後も色々聴いてみたいと思います。

今作で自分がリアルタイムで聴いていたアーティストで認識できたのは、
後半も後半に出てきたリンダ・ロンシュタットとイーグルス。
Greatest Hits 1 & 2

Greatest Hits 1 & 2

  • アーティスト: Ronstadt, Linda
  • 出版社/メーカー: Rhino/Wea UK
  • 発売日: 2007/05/24
  • メディア: CD
ならず者

ならず者

  • アーティスト: イーグルス
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2015/07/22
  • メディア: CD
イーグルス結成の流れから目指す音楽の方向性、リンだ・ロンシュタットによって
彼らの音楽の世界が世に広まったというのを知ることができました。

また、
ハートに火をつけて(50thアニヴァーサリー・デラックス・ジャパニーズ・エディション)<SHM-CD>

ハートに火をつけて(50thアニヴァーサリー・デラックス・ジャパニーズ・エディション)<SHM-CD>

  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2017/05/24
  • メディア: CD
今作に登場するドアーズについては知っていたのですが、
上述したLOVEのメンバーが彼らを策略的に?所属するエレクトラレコード会社に連れてきた
ものの、ドアーズに会社の予算が全面的に振り分けられたことでLOVEが自滅するという
エピソードの他、ボーカルのジム・モリソンが大きなプレッシャーを受けながら、
27歳で薬物中毒で他界する(その直前のライブ映像に映る彼の様子が凄かった)、
若くしてこの世を去ったのは知っていましたが、西海岸の音楽コミュニティの中で
多くのアーティストと交流を持ちながら残念な結果になってしまったのだということも
今作で知りました。

他に印象的だったのは、ジョニ・ミッチェル。
ブルー

ブルー

  • アーティスト: ジョニ・ミッチェル
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2015/08/05
  • メディア: CD
東のウッドストック、西のローレル・キャニオンと言われたそうですが、
NYからローレル・キャニオンにやってきたジョニ・ミッチェルが移り住み、
(LAから近く家賃が安く、アーティストが集まり交流していたエリア)
絵を描き曲を作り多くのアーティストと交流している様子が動画で映り、
これよりもっと後の彼女しか知らなかった私には新鮮に見える姿でした。

鍵をかけずに互いの家を行き来するような関係性、音楽についても議論し
良いものを作っていこうというコミュニティが会ったことを今回知り、
目からウロコでしたが、終演後のトークショーでは、
(ピーター・バラカンさんを初めて生で観た!)
つづれおり

つづれおり

  • アーティスト: キャロル・キング
  • 出版社/メーカー: Sony Music Direct
  • 発売日: 2004/04/21
  • メディア: CD
映画にはキャロル・キングが出てきませんがこの名作もここで生まれた、
というエピソードに、大好きな作品との共通点を見出してテンション上がりました。

このクリエイティブなコミュニティが崩れていくきっかけになったのが、
シャロン・テート殺害事件だったというのも今作で知りましたが、
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2020/01/29
  • メディア: Blu-ray
この映画でも描かれていた事件、犯人のチャールズ・マンソンが恨みを抱いていた
音楽プロデューサー(テリー・メルチャー)が以前住んでいた家に引っ越した
ロマン・ポランスキーの妻シャロン・テートを恨みの相手ではないのに殺してしまった、
ブラピの映画でも描かれていましたが、これをきっかけに一変する、という説明に
そりゃそうだなと思いました。

他にもママス&パパス、クロスビー、スティル、ナッシュ&ヤングなど、
音楽は知っていたけれどアーティスト本人の人間くささを垣間見るような場面も
今回初めて見ましたが、ネットがないようなゆっくり流れる時間の中で、
アーティストが作っていった音楽の数々を改めて聴いてみたいと思った、
「ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック」でありました。




























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