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映画「ドロステのはてで僕ら」を観る [映画(た行)]

ヨーロッパ企画(劇団)さんの映画「リバー、流れないでよ」の2回目鑑賞記事を
昨日書きましたが、この映画にすっかりはまり、映画の舞台(京都の貴船)を訪れ、
ヨーロッパ企画さんの舞台も観て、更に、彼らが最初に制作した長編映画も
レンタルして鑑賞するに至りました。(現在若干中毒気味です)
「ドロステのはてで僕ら」Blu-ray

「ドロステのはてで僕ら」Blu-ray

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2023/09/20
  • メディア: Blu-ray
あらすじは映画.comさんより。

とある雑居ビルの2階。

カトウがテレビの中から声がするので画面を見ると、そこには自分の顔が映っていた。
画面の中のカトウから「オレは2分後のオレ」と語りかけられるカトウ。
どうやらカトウのいる2階の部屋と1階のカフェが、2分の時差でつながっているらしい。
「タイムテレビ」 の存在を知った仲間たちは、テレビとテレビを向かい合わせて、
もっと先の未来を知ろうと躍起になるが……。

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人間は強欲。(笑)

最初はカトウだけだったのがどんどん人が増えていき、
モニターを向かい合わせにして過去と未来を向かい合わせていけば
入れ子構造になって2分先ではなくもっと先の未来もわかる、とやってみると、
ドロステ効果というらしいです)
儲かる話はないかと強欲になっていく登場人物が多く(笑)、そんなことしてると
痛い目に遭うんじゃないの、と思っていたら悲しい未来がその内見えてきたりして
それをどう防ぐか、未来からのアドバイスを生かしていくうちに最後はハッピーに
終ってほっとしました。

今作でも「2分」がカギとなっています。
今作は2分未来の自分が見える、「リバー、流れないでよ」では2分のタイムループ、
2分という長そうで短い間隔、脚本の上田誠さんの趣味なのか描きやすいのかなと
思ったのですが、観ている方も2分のことなので2分ずつの展開を観ながら話について
いけるという優しさもあるのかもしれません。(笑)

最初は2分前、2分後、の自分を観てなんとなく納得しつつあるのが、
どんどん集まって来た人達によって強欲にもっと先の未来を観て美味しい思いをしたい、
そんな流れになっていくのを見ると、私もとかく楽な方、ウハウハな方に流れがち、
とはいえ、そんなに世の中うまくいくものでもないので本当にウハウハしたことは
なかったりしますが、今作の中の登場人物たちも中途半端にウハウハした後、
大変な目に遭うので欲をかいたらいけないな、というどこか道徳的というか、
ドラえもんのようなオチのようにも思えました。

劇団の方なので演技は舞台ぽい、それが苦手な人には没入しづらい作品かもしれませんが、
私はすっかり没入していったので、後半、細かいところでどこか辻褄が合っていないような
気もするけれど大丈夫、ちゃんと話は面白いのでついていく、そんな感じでした。

「リバー、流れないでよ」を先に観たので、今作にも重複して出ている人を観たとき、
タイムパトロール係のキンジョウ(永野宗典さん)は、「リバー」では番頭さん、
主人公のカトウ(土佐和成さん)は、「リバー」では猟師(後半までセリフなし)、
893のナリタ(中川晴樹さん)は、「リバー」では入浴中の編集者、
カトウの友人オザワ(酒井善史さん)は、「リバー」では板さん、
そして、どちらの作品でもドロステ効果とタイムループに気づき皆に説明する役で
2つの作品がなんだか重なりながら見ておりました。(笑)

おまけに、2つの作品+下北沢の本多劇場で観たこのお芝居とも重なり、
ジャック.jpg
永野宗典さんは番頭さん(リバー)でタイムパトローラー(ドロステ)で、
スコットランドヤード(舞台)という見ながら様々な場面の姿が重なり、
これも頭がこんがらがるかと思ったものの意外とすんなり見られたのが不思議で、
登場する役者さんたちの演じ方で違和感がないのかなとも思いました。

未来をみながら行動する、というのはよくないことだとは思うのですが、
終盤、カトウが苦境に立たされる時、未来から言われて仲間たちが用意したのが、

ケチャップ シンバル ゼブラダンゴムシ

なんだこれ(笑)という品々ですが、これらがカトウが苦境を乗り切るために使われ
その使われ方がもどこか古典的なのかもしれませんが終盤大爆笑しておりました。
結果的にはアイデアも展開も、登場人物たちの会話も個人的にはツボにはまり、
ほんわかした気持ちで観終わりました。

自分の未来、人生折り返してしまったので見たいような見たくないような、ですが、
見ない方が色々気にせず過ごせるし、何かあってもそれはそれで受け止められる、
そんな気持ちになった「ドロステのはてで僕ら」でありました。






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