SSブログ

映画「銀河鉄道の父」を観る [映画(か行)]

今年、snorita姐、けーすけ兄(チームS)と東北の旅に出て、
宮沢賢治の世界をちょっとだけですが観る機会がありましたが、
田端チュプキさんでちょうど関連の映画が上映されていると知り観に行きました。
(見に行ったのは確か9月)


銀河鉄道の父 [Blu-ray]

銀河鉄道の父 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2023/11/08
  • メディア: Blu-ray

あらすじは映画.comさんより。

岩手県で質屋を営む宮沢政次郎の長男・賢治は家業を継ぐ立場でありながら、
適当な理由をつけてはそれを拒んでいた。
学校卒業後は農業大学への進学や人工宝石の製造、宗教への傾倒と我が道を突き進む
賢治に対し、政次郎は厳格な父親であろうと努めるもつい甘やかしてしまう。
やがて、妹・トシの病気をきっかけに筆を執る賢治だったが……。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

最後は全部役所広司が全てもっていった映画!

でした。

菅田将暉が宮沢賢治本人にあまり似ていないので最初はそこが気になっていましたが、
宮沢賢治本人についてはある程度知る機会があるとはいえ、その父親がどんな人か、
そういう視点で描くというのは興味深いものがありますね。

長男として生まれた賢治を溺愛する父 政次郎(役所広司)、
厳しい父(賢治の祖父)から家業(質屋)を継いだ後は、
賢治に家業を継がせたかったものの、賢治に商売の適性(才能)がなく
学問、農業に興味を持ったことを最初は反対するものの次第に応援していきます。

賢治の書く詩や物語を楽しみにしている妹トシ、しっかりもので賢く、
一本筋の通った性格のトシのお陰で賢治は書くことを続けていきますが、
(日本のアンデルセンになるんだって言ってたでしょ!、と賢治を鼓舞)
祖父の喜助が認知症の後、亡くなったことから落胆そた賢治は
信仰(日蓮宗)にのめりこんでいき、家を飛び出して上京して、
日蓮宗信教団の国柱会の会館を訪ねる、このあたりの様子を見ていて、
写真から見ていた賢治のイメージ(穏やか)とは違う、激しい感情も持つ、
意外な一面を観た気持ちになりました。

そのまま東京で執筆活動を続けていると、実家からトシが病気との電報が届き、
自分がトシのために何が出来るのかと一心不乱に物語を書き続け、
それをトランクに詰めて実家に帰り、病に臥せっているトシに読み聞かせ、
嬉しそうに聞いていたトシでしたが、病に勝てず息を引き取る。。。。

ここが最初の泣きポイントでした。
(賢治と一緒に思わず泣いてしまった私)

再び念仏を唱え続け、トシがいなければもう書けないという賢治に対して、
自分が一番の賢治の読者になるという政次郎。
その後、羅須地人協会を立ち上げて農業指導しながら執筆も続けていた賢治と
政次郎の関係が互いを信頼し認めるようになり(家業は賢治の弟が継ぎ)
これから、というところで、今度は賢治が結核に。。

実家に戻った賢治は自分の運命を受け容れようとする一方、政次郎は受け容れられず
悲しい気持ちで過ごす日々が続く中、汗をかいた賢治の背中を拭こうとする政次郎に
母イチが自分が賢治の母親であると言って背中を拭く場面、、2つめの泣きポイント。
それまで政次郎に異を唱えず、数歩後ろに下がっていた母イチの強さを観た心地、
賢治も母に優しくされてとても嬉しそうに見えました。

とはいえ、賢治の病状がよくなることはなく意識が遠のいていくわけですが、
その時に、政次郎が賢治の「雨ニモマケズ」を大きな声で読み、素晴らしい詩だ、
と賢治に言うと、賢治も父に褒められたことに満足し息を引き取り。。

(´;ω;`)ウゥゥ

3回目の泣き場面でしたが、やっぱり役所広司は凄いですね。
今作一番の泣きツボポイントとなりました。

賢治の作品は賢治の没後に多くの人たちに読まれるようになったので
賢治自身は自分の作品が売れないと思っていたようでしたが、
そんな中で政次郎と妹トシは賢治のよき理解者で作品のファンであったこと、
賢治には何より大切なことだったかもしれませんね。

役所広司さん、これまでも色々な作品を観ましたが、
何を演じても同じように見える俳優(たとえばKムタクとか)とは全く異なり
毎回その役になりきっているのが凄いと思います。
すばらしき世界 Blu-ray

すばらしき世界 Blu-ray

  • 出版社/メーカー: バンダイナムコアーツ
  • 発売日: 2021/10/06
  • メディア: Blu-ray
この作品(元犯罪者)と今作を比較しても全然違うというか、
顔や声は同じなんだけど目の表情が違うといのか、まったく違う人、
(缶コーヒーのCMでもそうですが)
役者としての幅広さで更に心に響く作品になったように思えました。

本当は、岩手に行く前に観ればよかったのですが、
帰ってきてから見ることでまた賢治の土地を訪れてみたい気持ちになった
「銀河鉄道の父」でありました。


nice!(5)  コメント(6) 
共通テーマ:映画