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「プレステージ」を観る [映画(は行)]

映画「プレステージ」を観る。
 2006年クリストファー・ノーラン製作・監督作品。

〈プラチナファンタジイ〉 奇術師

〈プラチナファンタジイ〉 奇術師

  • 作者: クリストファー・プリースト
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2004/02/10
  • メディア: 文庫


クリストファー・プリーストの「奇術師」の映画化。(といっても原作は読んだことアリマセン)

LICCAさんのネタバレ記事を読んでしまったのですが、それでも観たいナーと思って劇場に行くと、
公開終了直前のレディースデーで劇場内は30名くらいの入りでした。


舞台は19世紀末のロンドン。

瞬間移動のマジックを披露する“偉大なダントン”ことロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)、
いつもの通り消えると見せかけて舞台下に落ちるとそこにあったのは脱出マジック用の水槽。
カギのかかってしまった水槽の中でもがくロバートの前に立っていたのは
ライバルの“ザ・プロフェッサー”ことアルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベイル)だった。
水槽の中で溺死したロバートを殺したかどで逮捕されたアルフレッドは絞首刑の判決を受ける。
刑務所の中でコールドロウ卿と名乗る男から渡されたロバートの日記を読んでいると
アルフレッドに対するロバートのライバル心が赤裸々につづられていた。
それを読んでいる内に場面はロバート、アルフレッド2人の若い頃に遡る。。。。。。

 若い頃の2人
様々な有名マジシャンのトリックを研究しながら、
ロバートの妻が出演する水中脱出マジックで観客にまじってサクラを演じていた。
ある日、ロバートの妻ジュリア(パイパー・ペラーボ)の手首の紐の縛り方が悪いと、
2人を指導しながらマジックのトリック考案を生業とするカッター(マイケル・ケイン)に
注意されたアルフレッドは、妻がいてカッターにも誉められるロバートへの嫉妬から、
ジュリアの手首を堅結びで結んでしまい、ジュリアは脱出できずにそのまま亡くなってしまう。。

葬式の場でも「どう紐を結んだのか覚えていない」と言うばかりのアルフレッドの態度に
ロバートの怒りはエスカレートし、2人の間には亀裂が入る。
更に愛する人を奪われたロバートはアルフレッドに「復讐」を考え始める。

その頃、アルフレッドはマジックを観に来ていたサラ(レベッカ・ホール)と恋に落ち、結婚する。
仕事にも力を入れようと誰もやらないマジックと「弾丸つかみ」を舞台で行い評判となる。
(発砲した拳銃の前に手をかざして弾丸をつかむというマジックですが、
 先に弾丸を手の中に持っているので危なくないのです)
妻を失い仕事も今ひとつの自分に反して、仕事も順調、妻も子もいるアルフレッドは許せない、
とロバートは変装してアルフレッドの舞台に行き、観客として拳銃を確認するふりをして
弾丸を詰め込み、アルフレッドの左手指2本を切断させてしまう。。。。

指切断でなかなか思うようにマジックが出来なくなったアルフレッドに対して、
アシスタントのオリビア(スカーレット・ヨハンソン)を迎えて
今までと全く方法が違うカゴの中の鳥が消えるマジックをカッターと編み出し、
舞台で大評判になるロバート。
(それまではカゴと共に鳥もつぶして殺してしまって消えたように見せかけていたのを
 ロバートが装着した器具でカゴも鳥もつぶさない斬新なマジック、のように表現していた)

それを観て嫉妬したのはアルフレッド。

変装して観客を装って舞台に上がり、
マジックを失敗させ舞台に上がったもう1人の観客に大怪我を負わせてしまう。
ロバートは劇場から契約打ち切りを言い渡され仕事を失ってしまう。
ロバートに仕返ししたアルフレッドは、「瞬間移動」のマジックで大人気となる。
カッターは「替え玉を使っているだけだ」というがアルフレッドにはそう思えない。

カッターの説得で替え玉を使ってより華々しく瞬間移動のマジックを作り上げると思ったロバートは、
オリビアが探してきた売れない役者のルート(ヒュー・ジャックマンの二役)を見て心配するが
ロバートの振る舞いを練習したルートは舞台で見事替え玉を演じきり、マジックは成功する。
自分が出演する真向かいの劇場で「新しい瞬間移動」を披露すると
宣伝しているアルフレッドの動きが気になって仕方ないロバートは、
アシスタントで恋人のオリビアをアルフレッドの元に送り込み秘密を探るように指示する。
好きな人にスパイを命じられてショックを受けたオリビアは、優しいアルフレッドに惹かれていき、
ロバートの指示通り動いているフリをしながらアルフレッドの日記をロバートに渡す。
(実は、この日記、とんだ代物で、オリビアが裏切っていることが後々分かってきます)
オリビアに裏切られていることにも気付かずいつもの通り瞬間移動マジックを行うロバート、
消えたように見せかけて舞台奈落に落ちると、いつも置いてあるマットがなくなっていた。
マットを外したのはアルフレッド。
ロバートは足を折り、替え玉のルートは縛られて舞台に吊るし上げられ、マジックは失敗、
またもや観客をアルフレッドにとられてしまう。

アルフレッドはオリビアを愛人にし仕事も順調だったが、
自分に本当の姿をなかなか見せてくれないと嘆いた妻サラは自殺してしまう。。。。

アルフレッドの態度に立腹したロバートは、アルフレッドの助手ファロンを生き埋めにし、
助ける代わりに日記を解読する為のキーワードを教えるように要求し、
「TESLA(テスラ)」というメモ書きを受け取る。

テスラは、アメリカのコロラドスプリングスで研究している博士の名前。
 演じているのはデヴィッド・ボウイ様。
早速コロラドスプリングスに行ったロバートは、
テスラ博士は誰とも会わないという助手のアリー(アンディ・サーキス)を通じて
テスラ博士に面会を申し込み粘り強く交渉した結果やっと会う事が叶い、
博士が開発する瞬間移動マシンを譲り受ける。
(この辺りのやり取りが後々の展開に影響するのであまり細かく書けませぬ)

本当の瞬間移動マシンを手にしたロバートはロンドンに戻ってカッターにマシンを見せ、
 アルフレッドの目につくような劇場を選び
100回限りでショウを行うと言う。
どうしてアルフレッドの目に付くような劇場をと考えたかと言うと、それは「復讐」の為。
100回限りというのに疑問を持ちながらアルフレッドは大評判の瞬間移動を目にすると、
ロバートが瞬間移動する時に舞台下に落ちるのは見ていて分かったが、
その直後(落ちたと同時に)、舞台2階から現れるトリックが全く分からない。
そして、ある日、再び足を運んだ劇場で、瞬間移動する場面に舞台奈落に下りると
鍵のかかった水槽で溺れ苦しむロバートが亡くなり逮捕され刑務所へ。。。。

と、コールドロウ卿の使いと名乗る男が刑務所にアルフレッドに会いにやってきた。
コールドロウ卿がアルフレッドの娘ジェスを預かる代わりに瞬間移動のタネを買いたがっていると
使いが申し出るとアルフレッドは即答で断るが、
このままだと娘は父を絞首刑で失い救貧院に入ることになるがどうするか?と使いに言われ、
娘を救貧院には入れたくないアルフレッドはタネを売ることを承諾する。
但し、タネの最後の部分は娘を連れてくるのが条件だと使いに言ったアルフレッドだったが
娘を連れてきたコールドロウ卿を見ると、、、、

それは、ロバートだった。

何故生きているのか理解できないアルフレッドに「勝ったのは私だ」とロバートは言い残し、
ジェスを連れて去っていってしまう。。。
そして、アルフレッドは絞首刑でこの世を去ってしまうが。。。

モチロンここで終わったら映画にはならないので話は続きます。
でも、ここから先はネタバラシなので読みたくない人はここまでにして下さいね。
(と思ったら買ったパンフレットにはあらすじそのまんまが書いてあったので
 字の色はすこーし変えるだけでそのまま書くことにしました。。。。)



ロバートの瞬間移動マシンをコールドロウ卿が買おうとしているのを知ったカッターは、
マシンをこの世の残しておくことは良くないと考え、
コールドロウ卿に買った後に壊してほしいと要請しに行くと、
コールドロウ卿という人物が実はロバートだったことを知る。
テスラ博士が発明した瞬間移動マシンは、実は移動させるマシンではなく、
その場に自分が残りながら違う地点にもう一人の自分が生まれる、というシステムだったので
それを利用して毎回奈落の水槽に落ちて溺死したにも関わらず、
アルフレッドが見に来た時に自分が殺されたように見せかけて罪を負わせ
絞首刑でこの世から去らせたのである。

ロバートを説得してマシンを劇場地下に葬ると、ロバートを撃つ男が目の前に。
そこに現れたのはアルフレッドの助手のファロン。
いつもヒゲを生やして目深に帽子を被っていたファロンだったが、
それらを取り払った姿はアルフレッドにそっくり、つまり双子だったわけで。
アルフレッドが指を失った時、ファロンも同じだけの長さの指を切断して傷を負ったこと、
日替わりでサラの元に2人が行っていたこと、
替え玉マジックは客に悟られないよう毎日交互に役割を交代していたこと、
ファロンはサラを、アルフレッドはオリビアを愛していたことをロバートに告げるファロン。
勝ったと思ったのは束の間でアルフレッド&ファロンにしてやられたロバートは、
ショウの都度、奈落に落ちていた自分が死ぬことを不安に思っていたのに、、、、と息絶え、
マシンは今までのショウで奈落の水槽に落ちたロバートの死体ともども焼かれていき、、、、
アルフレッド同様の容姿に戻ったファロンは娘ジェスを迎えに行ったところで映画は終わります、

が、助かったファロン自身も一人だけではもうマジックはできない、という点で
ロバートには勝っていないということかもしれませんね。

最初は単なる手品師同士の技の競い合いかと思っていたら、
復讐合戦といえなくもないようなつくりに少々あれ?と思ってしまったのですが、
話の展開と登場人物が結構面白くて飽きずに観られました。
テスラのところで瞬間移動マシンの実験をする時、
瞬間移動といいながら、置いたシルクハットが消えないと思ったら
実はテスラの研究所敷地内に新たに帽子が発生し、それが山積みになっているシーンは
個人的にはゾクゾクしましたし。

元々はトニー賞主演男優賞受賞のヒュー・ジャックマン見たさで劇場に行った部分もありますが、
(サービスカットでマッチョムキムキのところもありました、笑)
実際はアルフレッドとファロン2役を演じきったクリスチャン・ベイルの方がお徳な役柄だったかも。
ネタバレを読んでから観ると、ああ、こういうところが意図的に作られているよねえ、と
自分に余裕を持ちながら観られるのが私には逆によかったようです。
また、トリック見破り合戦もありますが、
映像的には監修さすがデビッド・カッパーフィールドという点でも楽しく見ました。

男同士の嫉妬、復讐ドロドロを描いている作品だけに、
冷静に観ていると真剣な場面ながらちょっと笑ってしまう部分もありますが、
その駆け引きは面白く、正規料金で観るには妥当かどうかなあ、と思いつつも
レディースデイ料金で観るには十分満足楽しめる「プレステージ」でありました。

(おまけ)
どうでもいい話なのですが、
高校時代からボウイ様ファンの私には
 この御姿が岡田真澄にしか見えず。(笑)

ビギナーズ

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  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2007/01/24
  • メディア: DVD

ラビリンス 魔王の迷宮 コレクターズ・エディション

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2005/08/24
  • メディア: DVD

今までもこういうちょっと色物系しか観ていないとはいえチョッとショック。
今回の役柄はシリアスなのにちょっと笑ってしまいました。。。
ボウイ様、

戦場のメリークリスマス

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  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2004/01/21
  • メディア: DVD
この作品での美しい御姿はもう拝めないのが残念。30年近く経ってるし。(笑)

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kikuzou

岡田真澄って(ワラ)確かに!
by kikuzou (2007-07-06 06:24) 

なにかすごい展開ですね。マジックのうらのミステリーって感じで、最後はなにを信じればいいのでしょうかねぇ。
by (2007-07-06 19:48) 

うつぼ

kikuzouさん、おはようございます。
映画を観ているとついつい何かに似せて観たくなるときがあるのですが、
今回はボウイ様を岡田真澄に見立ててしまいました。
声や目の色(左右の目の色が違うので)でご本人と分かったものの、
時の流れを感じてしまいました。。。
by うつぼ (2007-07-07 04:28) 

うつぼ

cocoa051さん、おはようございます。
主役の2人が相手を打ち負かそうと色々なマジックを考える様子が面白くもあり、一方でそれが復讐の為なのでドキドキしたり、という映画でした。
マジックは単純に目の前のものを見て楽しいものと思っていましたが、この映画を観た直後はコワイナーと思ってしまいました。
by うつぼ (2007-07-07 04:32) 

Catcat44

うつぼさん、こんにちわ!
やはり見られたいのですね。ネタバレ大丈夫だったですか?
単なる見た目で、クリスチャン・ベールよりヒュー・ジャックマンの方が好きではあるのですが、それでも、アンジャーの妻が死んだ事がそもそもの原因なので、彼のあの最期は、ちょっと気の毒でした。にしても、ボーデン、覚えてないとしか言ってなかったけど、死なせてしまった彼女の事、本当のところはどうだったのでしょうかね。最後までそれがすっきりしなくって、もやっとしてました。うーん、故意じゃないとは思うのだけど・・・もやっとです。
by Catcat44 (2007-07-07 14:39) 

うつぼ

LICCAさん、おはようございます!
小心者なのでネタバレ記事を読んでおいてよかったなあと思いました。(笑)
ヒュー・ジャックマンの方が見た目では私も好きですが、アップになるとあんなにシワシワだとは思わずちょっとしたショックでした。でもクリスチャン・ベイルよりはやっぱりいいかなあと思ったりして。(笑)
殺されたアンジャーの妻ですが、ボーデンは一度結んだ紐をほどいて結びなおしていたので、迷いながらもアンジャーへの嫉妬から故意にやったのかと思っていました。もしかして、アンジャーの妻のことも好きだったのかな、と思ったのですが。。。
by うつぼ (2007-07-08 06:37) 

YaCoHa

こんにちは。
「プレステージ」ももちろん興味があるのですが、それよりデビット・ボウイの名前、久しぶりに聞きました。「ラビリンス」は劇場で見ましたが、(当時純粋だった)ジェニファー・コネリーとダンスするシーンとそのBGMの曲を今でも心に残っています。でもこの方、「左右の目の色が違う」のですか?(えっ?本当?)
by YaCoHa (2007-07-08 23:51) 

うつぼ

Yakohaさん、こんばんは。
ラビリンス、ご覧になりましたか?あのメイクに引いたのですが、役柄上仕方なかったのかもしれませんね。
左右の目の色は若い頃ケンカで殴られてから片方の目(左だったような)があまりよく見えないとかなんとか、どこかで読んだことがありますが、アップで見ると右目の方が色が薄いと思いますよ。機会があればご確認下さいませ。
by うつぼ (2007-07-09 21:00) 

YaCoHa

デヴィッド・ボウイ・・・すみません、先のコメントで「デビット」って書いちゃったんですけど、なんか「ジャビット君」みたいで違和感ありますね。(うーん、ブルー・ジーン♪。)テスラ役ですか。。。テスラ自身は「トンデモ」な世界では有名人ですが、本当にそんな発明してたらスゴイですよね。(LICCAさんの記事を見ちゃったのでどんな発明か、わかってしまった。。。)
by YaCoHa (2007-07-11 00:00) 

うつぼ

Yakohaさん、こんばんは。
テスラ博士は実物だけに気になったのですが顔も成果も美化する分には問題ないのかなあ、と思ったりしましたが、どうなんでしょうね。。。
といいつつ、ボウイ様の話、日本人からしたらヴィの発音がないだけに「ビ」も「ヴィ」はあまり関係ないですからどうか気のプロデュースで大ヒットする以前の、グラムロック系の方が私は好きなのですが(あの怪しい雰囲気が結構好き)、バブル予感たっぷりの頃の方が今の時代にも普及しているのでしょうかねえ。。。
by うつぼ (2007-07-11 22:11) 

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