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NYで「SPIDER-MAN TURN OFF THE DARK」を観る [舞台・ミュージカル]

昨日は鑑賞した作品やらチケットの購入方法、作品の選び方などについて書きましたが、
本日からは鑑賞した作品それぞれについての記事です。



1本目、NYに到着した日の夜に見たのが
RIMG2440.JPGクモ男。 “SPIDER-MAN Turn Off The Dark”です。RIMG2439.JPG42丁目のFOXWOODS劇場
(以前はHiltonTheatreだったのですが、名称が変わったようです) 

明るい女性スタッフの案内でWill-callでとりおきしてもらったチケットを受け取り、
中に入ると人だらけ。(@_@)
話題の作品っていうことで観光客がいっぱい来ている感じ。

地階のトイレでは、なぜか、スージー・クワトロの「ワイルド・ワン」がBGMで流れていて
ついついリズムに乗ってノリノリな勢いで用を足し(笑)劇場内に入って着席。
老舗の劇場だと座席の案内係がそれこそ「この劇場で働いて50年」って雰囲気の
化石クラスのオバアチャンだったりすることもありますが
(こういうオバアチャンって妙に愛想が良いかやたらと横柄か、どっちかです)
この劇場のスタッフは総じて若く、私の席の案内も若いスタッフが担当してくれました。
spiderman.gif前から2列目の右ブロック
定価で買う気はさらさらないので割引チケットにしましたがなかなか良席。
ちなみに、普段ならA席扱いの2階、3階のMEZZANINE(メザニン席)も、
ワイヤーアクションでスパイダーマンが2階、3階まで飛びまくるので、
フライングサークル席、なんて名前で高額で販売されています。(高いと300㌦超!)
おまけに、普通は真ん中前方ブロックが高額プレミアムシートとして販売されていますが、
真ん中のブロックも頭上をスパイダーマンが飛びまくるので、かなり後列までが
プレミアムシートとして販売されています。(大体250㌦くらいです(-.-))

商魂たくましいです。(笑)

というのも、制作費がブロードウェイ史上最高金額(7500万ドル!)で、
(最近制作費高騰(多いと1500万ドルくらい)と言われる中でも突出しています。)
プレビュー中にキケンな演出(ワイヤーアクション)で怪我人が度々発生し、
演出家(ライオンキングで有名なジュリー・テイモア)が交代して
正式オープン日が6回延期、運営費もかかる(週当たり100万ドルとか!)作品なので。


早く儲けて投資金額を回収しないといけませんから!

(話題満載)→ http://en.wikipedia.org/wiki/Spider-Man:_Turn_Off_the_Dark



そんな話題作の様子はこんな感じ。↓

 


一言で表現すれば、


スパイダーマンショー でした。




豪華なウルトラマンショー(仮面ライダーショーでも可)、と言ってもよさそうな。(笑)





実は、ワタクシ、原作のコミックは読んだことないし、映画版も観たことがございません。
(信じられない!という堀越ヨッシーさんの声が聞こえるやうです。。。)

そんなもんで、あらすじも知らないで参戦しちゃった訳ですが、
それでも観ていてあらすじは分かるつくりでした。


(最初に、アラクネという蜘蛛になった女性のの伝説みたいな話が流れます)

ひ弱でオタクのピーター(学校でも苛められ)が、
クラスメイトと訪れた生物遺伝の研究所で特殊なクモに刺されて不思議な能力を発揮し、
これまで自分をいじめた同級生たちを見返します。
そんな時大好きな叔父さん(育ての親)が強盗に殺され急死。
ショックを受けたピーターは自分に備わった能力で悪事と戦うようになります。
(「大いなる力には大いなる責任が伴う」、とピーターが思うんですよね)
片思いだったメアリー・ジェーン(略してMJ)とも両想いになり、、
ピーターは普段は新聞社でフリーのカメラマンとして働くようになりハッピーだったころ
生物遺伝研究所長のノーマン・オズボーンは自分自身で実験を行おうとして、
手伝った妻エミリーは事故死、そしてノーマン自身は『グリーン・ゴブリン』に変身していた。。。
ド派手に変身したグリーン・ゴブリンが不気味な高笑いをしている内に幕。

ここまでが一幕。

普通、幕間休憩は10分くらいなのですが、ずるずる長くて20分も休憩でした。(-.-)ナガスギー


二幕目は、グリーン・ゴブリンとスパイダーマンに変身したピーターとの戦いで、
グリーン・ゴブリンは「シスター6」という仲間を引き連れ戦うものの、結局ピーターが勝ち、
めでたしめでたし。。(端折り過ぎですがこんな感じ。)


とにかく、スパイダーマンのスタントさんの力量によって支えられている作品だと思いました。
とにかくかわるがわるびゅんびゅんと頭上をスパイダーマンが飛び、舞台で群舞し、
一体何人いるのかとカーテンコールで数えたら9人もいました。(@_@)。

並んでいると体格がだいぶ違うのですが、演じているときは全然そんなことを感じませんでした。

制作風景の様子ですがスタントマンの方々、大変そうだもん。

っで、マスクしてどうやって歌うのかな、なんて2年前のトニー賞で司会のショーン・ヘイズが
心配していたのを観て笑いながら本当にどうするんだろう、と思ったら↓

マスクしているときは歌わないので問題ないことが分かりました。(笑)


観ていて個人的にツボにはまったのは、

◆ピーターが自分をいじめた同級生たちを見返す場面が、
 欽ちゃんの仮装大賞の「マトリックスピンポン」みたいだったこと。
 (本家)→http://www.youtube.com/watch?v=ZdElPJjI4_M

 この製作費でこの演出、、どういうことなのよ、なんて突っ込み入れたくなりましたが、
 本家もロイヤルティを請求できるんじゃないかと本気で思いました。(笑)


◆グリーン・ゴブリンと一緒にピーターと戦うシスター6、これがあまりにもショボイ。
  spiderman.jpg こんな感じ。
 
 
  カーネイジ(carnage/大量殺戮、みたいな意味)はどこが殺戮なのか見た目不明なデザイン、
  スウォームはミツバチの群れに刺されまくって顔がぼっこぼこに腫れてるし、
  リザード(とかげ)はどうみても見た目恐竜だし、
  体中がナイフで出来ているシルバーな女性とか、
  どうみても「電線マン」みたいなキャラクターとか。もう、しょぼくておかし過ぎ。。


◆NYクイーンズ地区が舞台らしいのですが(ピーターの住んでいるところ)、
  そこを走る電車の模型があまりにも粗い作り(工作レベル)で、
  「こういうところにもお金かけてください」と気になって。。。


◆スパイダーマンのスタントマンの群舞シーンを観ていて
 「この中に(スパイダーマンファンの)中村獅童がいても決して不思議ではないよ」と
 アメリカ人には分からないネタで笑いました。


◆ピーター役のreeve_carney_.jpgリーヴ・カーニー かわゆい♪萌え萌え~♪
 作品がどうであっても彼が可愛いから許す、思った私はオバハンです。
 最後の最後に彼もワイヤーで2階、3階席までフライングしたのですが、
 フライングサークル席の方々絶叫大コーフンでした。


◆グリーン・ゴブリン
 green goblin.jpgこれってアリ?ワタクシ的には微妙で。。。


話題作ということで観ましたが、大幅に変えた演出で安全にはなったものの、
変更前に観た方には物足りない、っていう記事も拝見したりして、
一体ナニにお金を使ったら7500万ドルにもなっちゃうんだろう、というのが感想でした。


ま、スパイダーマンショーだと思えば楽しいんですよね。
実際、アメリカ人(と思しき人たち)は大盛り上がりだったので楽しんだとおもいますが、
ミュージカル、と括ろうと思うと派手な割に浅くて散漫な感じも否めませんでした。

音楽がボノ&エッジ、というので期待していったのですが、色々制約があったのかな、と思うくらい
ざっくりな感じでこれまた残念感がありました。

投資金額回収の為には地方公演や他国での公演も行わないと難しいらしく、
じゃ、日本でも日本のタレントとか使って公演したらどうかな、なんて思いましたが、
とにかくワイヤーアクション用の装置などが高額でどこでもできる訳じゃなさそうです。(-.-)


原作のコミックのファンの方が観たら違和感があるのかもしれませんし、
私自身もミュージカルとして受け入れられぬまま観終わってしまった感あり、
スタントの皆さん、本当にお疲れ様でした、と真っ先に言いたくなってしまった
「Spider-man Turn Off the Dark」でありました。


これはリピート無し、です。残念ですが。


そうそう、衣装は石岡瑛子さんで、トニー賞にノミネートされています。
(作品賞や主演男優賞などにはノミネート無し)
個人的には受賞してもらいたいと思っています。

(ミュージカル鑑賞記 つづく)


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