映画「しあわせの雨傘」を観る [映画(さ行)]
呑み記事の翌日なので本日は映画記事。
映画館で予告編を観て気になっていた作品です。
しあわせの雨傘 コレクターズ・エディション<2枚組> [DVD]
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- メディア: DVD
あらすじはamazonさんより。
スザンヌは、朝のジョギングを日課とする優雅なブルジョア主婦。
夫のロベールは雨傘工場の経営者で、「妻は美しく着飾って夫の言うことを聞いていればいい」と
いう完全な亭主関白だ。
ところがある日、ロベールが倒れ、なんとスザンヌが工場を運営することに。
明るい性格と、ブルジョワ主婦ならではの感性で、傾きかけていた工場はたちまち大盛況!
だが、新しい人生を謳歌する彼女のもとに、退院した夫が帰ってきた -。
しっかし、この邦題って。(^_^.)
この作品と主演が同じカトリーヌ・ドヌーヴ、っていうのと、
雨傘を作る工場が出てくるから、こういう邦題をつけちゃったのが安易ですね。(笑)
原題は“POTICHE”。
poticheは棚や暖炉の上に飾られる花瓶や壺の意味だそうですが、
美しいもののダンナの陰に隠れて自分のアイデンティティを持たない女性としても
ちょっと軽蔑的に表現される言葉だそうです。
この作品では美しいだけでお飾り的(に見えた)専業主婦の主人公スザンヌを指して
このタイトルがつけられたようです。
あらすじの舞台は1970年代のフランス。
雨傘製造会社の創業者の娘で、婿をとり専業主婦として暮らすスザンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)が
ある日、組合とのストライキ交渉がきっかけで心臓発作で倒れた夫の代わりに
会社の経営を任されることになります。
夫は組合の要求に反対を唱えてばかりで、組合も連日ストライキ、
そんな状況の会社に現れたスザンヌは、組合に対して「融和」と「会話」を求め、
最初はバカにしていた組合とも和解します。
強権的だった夫に対し、従業員を家族のように大切にするスザンヌの気持ちが通じ、
ストライキは中止、労使融和の中、従業員は斬新なデザインの傘を生産し、経営も順調に。。
と、そこに退院した夫が戻ってきます。
自分はもう大丈夫だから家に帰るように、とスザンヌに命令する夫に
社長の座は譲らないとスザンヌは答えます。
社長(夫)の愛人だった秘書もスザンヌによって仕事への意欲が湧き、
夫に別れを告げ(今後も付き合うなら離婚しろ、と秘書は強気に出るのですが、
夫はそんなことお構いなしに路上でやっちゃおうとして拒否されます、バカな男(ーー;))
妻の変貌ぶりに驚きながら焦る夫。
スザンヌは若い頃一度だけ関係を持った男ババンの協力も得て会社も順調でしたが、
(ジェラール・ド・パルデュー演じる昔は会社の従業員で今は市長という設定)
夫はそこにうまくつけいり、更に娘の裏切りで、スザンヌは社長の座を追われてしまいます。
一方、息子といえば、権力の為に妻を犠牲にする、そんな父が嫌い、とスザンヌの味方につき、
働くことの喜びと女性の自立に目覚めたスザンヌが国会議員に立候補するのを応援します。
(これまでの専業主婦には戻らない、と決めるスザンヌの表情が生き生きしています)
女性の地位向上を目指して選挙活動したスザンヌは、対抗馬のババンに勝って当選。
はい、めでたしめでたし~。
おとなしい主婦に見えて、若い頃、ババンや他の男とも浮気していたスザンヌ、
これはフランスというお国柄なのか、よく分かりませんが、
自分の息子が他の男の子かもしれない、とスザンヌに言われて取り乱す夫の姿が
とても滑稽でした。
監督のフランソワ・オゾンの作品、って観たのは初めてなのですが、
この作品でもカトリーヌ・ドヌーヴが出ているんですね。
この女優さん、とても気位が高くて作品にもあれこれけちつけそうな感じに見えますが
(それは単なる偏見というか先入観なんですが)
本当に楽しそうに演じていました。
(ジェラール・ド・パルデューとも、楽しそうにクラブで踊る様子に微笑ましい気分に。。)
1970年代後半とはいえ、日本が全然な中、女性が世の中に進出していこうと姿勢には感心し、
一人の主婦がここまで前に進んでいく姿に気が出た「しあわせの雨傘」でありました。
(おまけ)
シェルブールの雨傘
きれいですねえ。。。。。