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寿輔の「老人天国」 [落語・お笑い]

3月上席昼の部、浅草演芸ホールへ。

今年1月、「緊急コラボ企画」と題して
堀越ヨッシーさんを新宿末廣亭に拉致ご案内させていただきましたが、、
今回は、昨年秋の「寿輔ひとり会」の記事に「私も寿輔ファンです!」と
果敢にもカミングアウトしてくれた“ta-bo”さんとご一緒させていただきました。
寿輔ファンを公言されたta-boさんの勇気に感謝することしきり。。。

 というわけで、今回は「寿輔ファンの集い」。

14時半に演芸ホール入口で待合わせし、一緒に中に入ると場内超満員。
立ち見も多く、私とta-boさんも左側の通路に立って観る事に。。
いつの間にこんなブームになっていたのか分からないのですが、
若人比率は1割、頑張って2割かな。

場内に入ったところで舞台にいたのは、
 玉川スミ また会えました。。。
相変わらずの自分の半生、というか人生80年+αを語るパターンでしたが、
何度聴いても御姿を拝めるだけで有り難や有難や。。。

 続いて、三笑亭笑三
いつものように少々惚けの入った漫談のような噺でしたが、
袖から前座さんが出てきて「師匠、時間切れです」と無理矢理話を止めさせるという
これもネタ?なんだろうか、という感じでしたが、
今回のような満席立ち見の状態だと、これがワンサカ受けてたりして。

ここで仲入り。

折角ta-boさんと一緒に来たというのに、
前方席に座れなかったら寿輔師匠を観に来た甲斐がない、と急いで前方へ。
そして前から4列目の真ん中ブロック席を確保、喜びながら2人で着席。

ほっとしたところで登場したのは、
 桂幸丸  初めて観た噺家さんです
リーブ21のCMに出てくる社長さんとニット界の貴公子といわれるオジサンの話で
場内が沸いた後は、以前グルメレポーターをやっていた時の話をひとしきり。 
客が全然こない店だから次回来た時はなくなっているであろう「幻の」ラーメン店、
自分が食べない時に漂ってくるクサヤのニオイの話、などなど、
結構笑ったのですが、落語というより漫談話だけで終了してしまいました。

 お次は三笑亭可楽
いつものように談志の悪口とイスラム教の話で終わるかと思いきや、
「親子酒」をちょっとだけやってくれました。
親子で禁酒の約束をしたものの、
息子が出掛けている間に父親が酒を呑んで酔っ払ってしまうと、
そこに帰って来た息子も酔っ払っていた。。。。という噺で、
可楽さんがちゃんと噺をするのを聴いたのは初めて。

そして、いつもの出囃子「しゃぼん玉とんだ」と共に現れたのが寿輔師匠。

 今回も黄色でした。 そろそろピンクなど他の色が見たい。
最初に軽く客いじり。
この前六本木に行ったら若者ばっかりで高齢化社会なんてウソだと思ったけど
浅草の寄席に来たら「ああ、やっぱり高齢化社会だ」と思いましたよ、
あ、皆さん、そんなに笑わないでよ、
噺家なんて客に笑われると自分が名人だって勘違いしちゃうんだからさ、
そこの奥さん、ちょっと笑い過ぎ。

などと快調な客いじり後に、噺は「老人天国」。 
私が寿輔師匠に初めてお会いした時聴いたネタです。
 
2020年には国の4人に1人が65歳以上と予測される高齢化社会の日本。
このままでは日本はおかしくなってしまうから、対策をしなければならない。

平均年齢未満で亡くなった方には、勲四等旭日短命章を授与、
平均年齢以上生きちゃった人は、市中引き回し、そして島流し。
もし、100歳以上生きちゃった人は、打ち首獄門。。。

嫁と仲がいいなんていう人はすぐボケちゃう、
だから、ボケ防止の為には、嫁をジャンジャンいびりましょう。
いびられた嫁はどうするか?自分の息子の嫁をいびるから大丈夫。
これこそまさに「輪廻転生」というもの。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

なんて噺が延々続きます。
字面にすると凄まじいネタなんですが(放送禁止レベルかも)、
聴いているシルバー客がバンバン受けて大笑いしているので、
初めて聴いた時と同じくらい私も大笑いしてしまいました。

このネタに絡めて、ボケたくなければ寄席に来て笑えばいい、
と少々乱暴なことを仰ってましたが、なかなかどうして現実的な話ですしね。

と、大笑いした後には、少々ハラハラする太神楽の

 二代目翁家喜楽 (写真右のオジイチャン)

カサの上で鞠や金輪、枡を回すお馴染みの芸だけでなく、
板にガラスの器を4つ、その上に板を置いて生卵を入れたガラスの器を4つ、
それを長い棒でアゴにのせて支えながら上の板を外すと生卵入りのグラスが
下の器にすとんと落ちるけれど卵は割れない、という、
上の写真で喜楽さんが持っている芸を披露してくれたのですが、ハラハラしました。
太神楽曲芸協会会長というだけあってかなり年齢いっている感じなので
そんな意味でもハラハラした、というのもありますが。(笑)

そして昼の部の主任は、
 春風亭小柳枝で噺は「井戸の茶碗」
屑屋の清兵衛は、古道具を扱うと自分は儲かって他人が損するからと
本当の紙くずしか買わないという正直な男。
ある日、裏長屋に入ると器量は良いのに身なりが粗末な娘に呼び止められる。
家に入ると、娘の父で侍だったが今は浪人の千代田卜斎(ちよだぼくさい)が
家に伝わる仏像を差出して二百文で買ってほしい、という。
清兵衛は、紙くず以外は買いたくないが、親子の生活の貧しさを察して、
売って儲けがあればここに持ってくると約束して仏像を二百文で買い取る。
この仏像を竹かごに入れて歩いていると、細川家の若侍(高木佐太夫)から
声を掛けられたので三百文で買ってもらう。

買った仏像を早速磨くことにした佐太夫、中から音がするので開けてみると、
中から五十両の小判が現れた。
あの屑屋は仏像を売るくらいだから生活が苦しいに違いない、と思った佐太夫は、
清兵衛を探し出して事情を聞き、売った浪人に小判を届けるように言いつける。
佐太夫に言いつけられた清兵衛は卜斎の家に行って金を渡すが、
律儀な卜斎は仏像を売ったからにはもうこの金は自分のものではない、
だから受け取れない、と固辞する。
佐太夫から預かった小判を卜斎に受け取ってもらえない清兵衛は大家に相談し、
言われた通りに五十両を、二十両、二十両、十両の3つに分け、
二十両を各々佐太夫と卜斎、残りの十両を清兵衛が受け取ることにする。
大家の説明に佐太夫は承知するが、卜斎はそれでも固辞するので、
二十両と引き換えに何か品物を佐太夫に贈ればよいでしょう、という大家の言葉に
しぶしぶながら納得した僕斎は、古い茶碗を渡すことで二十両を受け取る。

と、佐太夫が卜斎から受け取った古い茶碗が細川侯の目に止まり、
これは「井戸の茶碗」といって世に二つとない名品だ、といって
細川候は佐太夫から三百両で茶碗を買い上げた。

全て受け取る訳にはいかないと、佐太夫が半分の百五十両を卜斎に届けさせると、
卜斎は佐太夫の誠実さに打たれ、自分の娘をもらってくれるないか、と
清兵衛に間に入ってもらって申し入れ、佐太夫も承諾する。

佐太夫が承諾してくれてほっとした清兵衛が、
「あの娘をご新造(武家の妻女)にして磨いたら大した美人になりますよ。」
と佐太夫に言うと、
「いや、磨くのはよそう。また小判が出るといけない」と答えてサゲ。

これほどまでに正直者ばかり出てくる噺というのも珍しいような気がしますが、
自分もこういう心持は見習いたいものだな、と思う良い噺でした。

という訳で、今回はta-boさんとご一緒させていただき、
非常に心強い気持ちで寿輔師匠と対面できました。
ta-boさん、今回はご一緒いただきホントに有難うございました。
またよろしくお願いしますね、と感謝感謝の寄席でありました。


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堀越ヨッシー

いやー、相変わらずですね、寿輔師匠は!(笑)。
それで結局師匠にはイジってもらえたのでしょうか?..気になります。それにしても浅草演芸場は盛況なんですね。
玉川スミ様...はー、ありがたや、ありがたや(ブツブツ)
ハラハラドキドキの神楽、見てみたかったです。
 
...って、オイラはあの日拉致されたんでしたっけ!?(苦笑)。
by 堀越ヨッシー (2007-03-22 16:31) 

寿輔ひとり会、行きたかったで~す。
うつぼさんの記事を読んでると、不思議に自分も寿輔ファンになったような錯覚です。つぎの機会にはぜひトライ!
by (2007-03-22 20:06) 

ta-bo

その節はお世話になりましてありがとうございました。
最後の方は酔っぱらっていて記憶が曖昧なのですが(汗)
とても楽しかったです〜。

それにしても、、よく記録されてますね。
ところどころメモされていたのは知っていますが
あんなに短い時間で細かいところまで覚えてらっしゃるのには
脱帽です!

またご一緒して下さいね。もちろんアフター(笑)まで。
by ta-bo (2007-03-22 22:45) 

うつぼ

堀越ヨッシーさん、こんばんは。
いつぞやは「ご案内」させていただいた、と記憶しております。(笑)
そうそう、ご案内です、ご案内。(納得)
私にとって寿輔師匠@寄席は、主任の少し前か仲入り少し前か毎回場の空気がたるんでいる辺りで唐突に現れ場を引きしめて去っていくイメージです。
今回は残念ながら少し前のオバチャンがターゲットになってしまった為、いじってもらえなかったのですが、次回ガンバリマス!
玉川スミ、太神楽、ライブは楽しいですよ!
by うつぼ (2007-03-22 23:28) 

うつぼ

cocoa051さん、こんばんは。
寿輔ひとり会には熱烈ファンが集まるので客いじりもマイルドです。
やっぱり最初に観るなら寄席の前列に座っていじられるのが衝撃的でよいと思いますよ。(笑)
>不思議に自分も寿輔ファンになったような錯覚です。
堀越ヨッシーさんに続く洗脳ターゲットはcocoa051さんと見ました。(笑)
ゼヒご案内させて下さいね!
by うつぼ (2007-03-22 23:31) 

うつぼ

ta-boさん、こんばんは。
こちらこそ先日は大変お世話になりアリガトゴザイマシタ。
私こそ酒に溺れて記憶ブツ切れって感じで(大汗・汗・汗)です。
師匠のネタはもう少し書こうと思いつつ、ピー音入れないとまずいかと思って自粛しました。(笑)
>またご一緒して下さいね。もちろんアフター(笑)まで。
こちらこそ、またよろしくお願いしますね!!
by うつぼ (2007-03-22 23:35) 

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