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「マリー・アントワネット」を観る [映画(ま行)]

「マリー・アントワネット」を観る。
 ソフィア・コッポラ監督作品
観にいったのが公開1週目のレディースデーだったせいか9割くらいの入り。
カップルがパラパラといる他は中年女性グループ、
更に、私のように「お一人様」のベルバラ世代オバちゃんが多数。

ベルサイユのばら(5冊セット)

ベルサイユのばら(5冊セット)

  • 作者: 池田 理代子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2003/08
  • メディア: 単行本

やっぱり思い出して観に来たくなるもんですなぁ。
私の両隣もベルバラ世代のおばちゃんで、
内1人はドリンクホルダーにロング缶のチューハイをセットしてスタンバイ。
映画を観るときは一切飲み食いせず集中したい私ですが、
この時ばかりは隣のチューハイが少々羨ましく見えました。(笑)

 ←映画の初っ端の場面 
ポップで可愛らしいマリー・アントワネットが登場して振り向いたと思ったら
突然画面が暗転、「これってセックスピストルズを意識してる?」と思わせる
ショッキングピンクに黒文字で書かれた映画タイトルが画面に現れ、

エンターテイメント!(紙ジャケット仕様)

エンターテイメント!(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: ギャング・オブ・フォー
  • 出版社/メーカー: 東芝EMI
  • 発売日: 2006/08/23
  • メディア: CD

それと一緒に、鋭いギターサウンドが印象的なギャング・オブ・フォーの
「Natural's Not In It 」の曲が流れます。

80年代UKサウンド好きの私には、もー、ここまでで十分満足って感じ。

と、気分が高まったところで、音楽が終わり、舞台は18世紀のオーストリアへ。

女帝マリア・テレジアは、フランスとの同盟関係を深める為、
皇女マリー・アントーニア(キルスティン・ダンスト)を
フランスの皇太子ルイ・オーギュスト(ジェイソン・シュワルツマン)と
政略結婚させることにする。

住み慣れた宮殿を離れ馬車でオーストリア-フランスの国境に到着し
フランス側に引き渡されると、今まで身に着けていたものを脱がされ
フランス製の洋服に着替えさせられるマリー・アントーニア。
一緒に連れてきた愛犬モップス(パグ犬)とも別れて、
マリー・アントワネットとしてパリに向けて出発する。
 フランス製の衣装を身に纏い御輿入れ
この時のマリー・アントワネットは14歳の設定ですが、
演ずるキルスティン・ダンスト、何とかうまいこと14歳に見えるような。。。。
昔「冬ソナ」の第一話で女子高生姿のチェ・ジウを見た時、
「そりゃないよ」と違和感たっぷりだったのに比べると全く問題無し。(笑)

夫に尽くすように、という母マリア・テレジアの言葉を胸に
 ルイ・オーギュストとの結婚式に臨み

 将来への期待に胸躍らせるが、

 年上のダンナは超オコチャマで
(演ずるジェイソン・シュワルツマンのボーっとした表情が非常に良いです)
夜の営みもないので、お世継ぎが産まれるわけもなく、

小姑のように厳しいノアイユ伯爵夫人(右:ジュディ・デイヴィス)などに囲まれ

 食事するにも衆人監視の中、
どんどん行き詰っていく。。。。
その反動で、流行の洋服に身を固め、シャンパン、ギャンブルを楽しみながら
夜毎パーティを開き、贅を尽くした生活を過ごすようになる。

この場面で流れるのが、

Aphrodisiac: The Best of Bow Wow Wow

Aphrodisiac: The Best of Bow Wow Wow

  • アーティスト: Bow Wow Wow
  • 出版社/メーカー: Camden
  • 発売日: 1996/10/01
  • メディア: CD

80年代のポストパンク、バウワウワウアダム&ジ・アンツ
仮面舞踏会で流れるスージーズ&ザ・バンシーズなど、

香港庭園(ホンコンガーデン)+2(紙ジャケット仕様)

香港庭園(ホンコンガーデン)+2(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: スージー&ザ・バンシーズ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルインターナショナル
  • 発売日: 2006/06/28
  • メディア: CD

時代を感じてしまうスージーズ&ザ・バンシーズ

フランスが舞台なのに凄い選曲だなあ、と驚くやら感心するやら、でしたが、
聴いている内に何となくしっくり聴こえるようになっていました。

そんな中、ルイ・オーギュストの祖父であるルイ十五世が天然痘で逝去し、
オーギュストは19歳でルイ十六世に、マリー・アントワネット18歳で王妃になる。

王妃になっても遊びまくるマリーだったが、
兄のヨーゼフ二世がルイ十六世に働きかけてくれたおかげで、
やっと子供に恵まれる。
 生まれたのは娘マリー・テレーズ

母になった途端、今までの贅沢、遊び三昧の生活から、
子供が望むようなガーデンニングや小動物とのふれあい中心の生活に転換し、
ルイ十六世から与えられたプチトリアノンや田舎家で心の安らぎを得るようになる。

そんな時、フランスが支援するアメリカ独立戦争で闘ったスウェーデン軍人、
フェルゼン伯爵と出会い、分かっていながら許されない関係にドップリ浸かるが、
その頃既にフランスは、
宮廷での贅沢三昧とアメリカへの支援で財政が破綻しつつあった。

困窮するフランス国民にベルサイユ宮殿まで襲おうとする中、

 ルイ十六世と宮殿に残ろうとするが、
国民の怒りはとどまることがなく、ヴァスティーユ牢獄も襲撃された為、
チュイルリー宮殿に非難することになり、一家で馬車に乗って。。。。。。

ここで、映画は終わってしまいました。

隣のチューハイおばさんは「へ??」と言って固まってましたが、
映画自体、非常にカラフルでポップ、重くならないような作りになっているだけあって
これはこれで、というか、この終わり方でもよかったのかな、と思いました。
このまま続けると、民衆に捕らわれギロチン、で重くなってしまいますしね。

期待していたフェルゼンは、イケメンだったものの、単なる好色男って感じで、
出番も少なく「あれれ?」という感じで少々残念でした。

とはいえ、兎角重たくなりがち話をベルサイユ宮殿ロケの中で
軽め軽めに作るのはこれはこれでありかな、と思います。

 本物のマリー・アントワネット
ベルバラ世代の中でも評価は分かれるかもしれませんし、
劇中に流れる80年代UKニューウェイブ音楽に違和感を感じる人には
おススメできませんが、レディースデーなら十分おススメかな。

ただ一点だけ驚いたのは、マリア・テレジアを演じていた、
 マリアンヌ・フェイスフル
70~80年代活躍したアーティストで知的でスマートな女性と思っていたのが
まさかあんな豊満なおばあちゃん(現在御年61歳)になっているとは思わず、
ちょっとショックでしたねえ。。

あと、印象的だったのはマリー・アントワネットが贅沢三昧する場面に
カラフルなマカロンがやたらと出てくることでした。
 (イメージ図)
普段食べたいと思わないのに鑑賞後は無性に食べたくなったりして。(笑)

というわけで、ベルバラほどドキドキしないものの、
はるか昔の学生時代、初めて海外旅行した時に訪れたベルサイユ宮殿の
風景を懐かしみながら観られたし(プチトリアノンや田舎家も良い思い出)
キルスティ・ダンストの好演も楽しめた「マリー・アントワネット」でありました。

ついでに、鑑賞後こんな本を買いたくなっている私。。。ぬり絵で楽しむ「ベルサイユのばら」

ぬり絵で楽しむ「ベルサイユのばら」

  • 作者: 池田 理代子
  • 出版社/メーカー: ソニーマガジンズ
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 大型本

大人のぬりえ ベルサイユのばら ビギナー編

大人のぬりえ ベルサイユのばら ビギナー編

  • 作者: 池田 理代子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 大型本
大人のぬりえ ベルサイユのばら アドバンス編

大人のぬりえ ベルサイユのばら アドバンス編

  • 作者: 池田 理代子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 大型本

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コメント 12

ホイーヤ

初めまして。新着より参りました。
私も「マリーアントワネット」見ました。
宝塚のベルばらに慣れている身には、公開前のCMでは、イメージが壊れやしないだろうか?と心配でしたが、そんなことはありませんでした。
ただ、名前や場面で、 宝塚の台詞や場面がよみがえってきてました・・・(笑)。
ベルばらのマンガは愛蔵版をもっていました。
しかし 革命前夜のオスカルとアンドレのラヴシーンだけは飛ばした お子様でした・・・。

断頭台までやって欲しかったです。
中途半端な気がしてしまったんですよ、「さよなら」を言うで終わりだなんて。
ところで、ぬりえ、楽しそうですねえ!!!
実は宝塚ステージスタジオで 元旦に マリーに変身してきました私です(よろしかったらではありますが、ブログ、ご覧くださいね)。
では失礼いたします。
by ホイーヤ (2007-01-31 00:08) 

ikkoy

マリー・アントワネットは、小説でしか読んだことがないのですが、何となく興味をそそる存在ですね。この映画と漫画の「ベルバラ」も読んでみようかと思い始めているところです。マリアンヌ・フェイスフルは、可愛い歌手だった方でしょうか。なんとなく見たことがあるような。
by ikkoy (2007-01-31 08:52) 

ta-bo

なるほど〜。途中で終わっちゃうんですか。
ベルバラオバちゃんとしては消化不良かも〜。
今、舞台もやってますけどそれと同じストーリーなのかな。
関係ないけどフカキョンの前世はマリーアントワネットなんだっけ?(笑)
by ta-bo (2007-01-31 11:20) 

カミさんとベルバラの池田さんが学部違いの同窓でしたので、なにかと話題になりました。もうベルバラとは縁遠くなりましたが、きれいなものは観てみたいですね。
by (2007-01-31 15:48) 

まみりん

こんばんは~。
マリア・テレジア、めちゃくちゃ美っ人~~~!!!
時の流れは無情ですなぁぁ。。。でも、今の彼女も貫禄あって素敵ですけど。
私もこのあっけない終わり方、これで良かったと思ってるひとりです。
だって、最期までいっちゃったら、民衆が主役になっちゃうし。
歴史の中のマリー・アントワネットではなく、一人の女性としてのマリー・アントワネットですからね~。
でもほんと、フェルゼンは肩透かしをくらったようだったわ(笑)
TBさせてもらっちゃいます。
by まみりん (2007-01-31 21:17) 

うつぼ

ホイーヤさん、はじめまして。ご訪問ありがとうございます。
宝塚版は残念ながら実際に観たことがないのですが、30年くらい前の鳳蘭さんの舞台はフジテレビで放送していた「OH!タカラヅカ」という番組でダイジェスト版を見た記憶があります。
ホイーヤさんが仰る通り断頭台までいかないで終わったのは中途半端といえばそうかもしれないのですが、そこまで描かず後は観た人それぞれが思い浮かべてほしいと、という演出なのかもしれませんね。この辺りは評価が分かれるところで私もなんとも言いがたく。。。。。
ぬりえは先日本屋で見かけてからずっと気になっています。ビギナー編から始めてみようかな、、、とかなり真剣です。(笑)
by うつぼ (2007-01-31 23:15) 

うつぼ

ikkoyさん、こんばんは。
「ベルバラ」、今度まんが喫茶に行って読んでみようかな、と思っています。
殆どの同世代が読んでいると思うのですが(テレビでアニメも放送していましたし)、観客の殆どが私と同じような人たちで妙な安心感を持って鑑賞できましたよ。(笑)
マリアンヌ・フェイスフルは、ローリングストーンズなどと同じ時期ですね。
まさか、映画の中であんな姿になっているとは、、、と思いつつ時の流れを実感した次第です。
by うつぼ (2007-01-31 23:21) 

うつぼ

ta-boさん、こんばんは。 
ベルバラオバちゃんということは同世代ですね。(笑)
舞台は観たことありませんが、映画にオスカルは出てきませんよー。当たり前ですが。フカキョンの前世というのは「オー○の泉」で言ってるんでしょうか? 実は私は観たことないんですが先週の週刊文春で取り上げられていたのでふと思い出し。。。。
by うつぼ (2007-01-31 23:25) 

うつぼ

cocoa051さん、こんばんは。
奥様が池田理代子さんと同窓なんですか。池田さんは「エカテリーナ女帝」の漫画も描いているのですが、世界史が苦手な私にはベルバラともどもバイブルのような本でした。(笑)
映画は全体を通してとにかく色彩がきれいです。cocoa051さんは残念ながらレディースデー鑑賞が不可能ですから(!)、レンタルが出てから鑑賞いただきたいですね。
by うつぼ (2007-01-31 23:28) 

うつぼ

まみりんさん、こんばんは。私もトラックバックさせていただきました。
マリア・テレジア、かなりインパクト強いですよね。でもデブデブな感じが自分の覚えているマリアンヌ・フェイスフルとどうしても結びつかず。(笑)
キルスティン・ダンストは意外と若いんですね。スパイダーマン(未鑑賞)の彼女は地味に見えたので、今作でのイメージは上品に華やかでなかなかよかったかな、と思いましたよ。確かにまみりんさんが書かれていたように見る角度で「あれ?」って時がありますが。
フェルゼンは確かに。ちょっとヘラヘラし過ぎかな、と思ってしまいました。
by うつぼ (2007-01-31 23:32) 

うつぼんさんは見たんですねぇ~
ベルばら世代の私としてはとてもきになる映画です。
それにサウンドトラックも・・・
アダム&ジ・アンツとかバンシーズとか聞いてました。
やっぱり見に行こうかなぁ・・・
ちなみに今日はこれから「幸せのきもち」を見に行ってきます。
by (2007-02-01 18:23) 

うつぼ

little_snowさん、こんばんは。
聴いていた音楽で同世代と分かるのがウレシイです。(笑)
この映画、little_snowさんならおススメかも。ただ、本当に色彩豊かで軽い感じでドロドロしていないのでそれを折込済みで観ていただけるなら、という感じですが。「幸せ・・・」はウィル・スミスですね。予告編で観たいと思ったので私も来週か再来週あたりに行こうと思っています。
by うつぼ (2007-02-01 22:33) 

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