SSブログ

東京オーガニックボーイズの落語を聴く [落語・お笑い]

たまには寄席と違う雰囲気の中で若手の方々の落語を聴いてみようと、
二つ目さんの会「東京オーガニックボーイズ」の会で赤坂区民センターへ。 
(といってもこれは昨年の話でちょっと古いです・・・・・)

 木戸銭1500円也。
林家たけ平さん、月の家鏡太さん、古今亭菊六さん3人の会のようですが、
今回、二つ目さんの会に足を運ぼうと思ったのは、
知人の知人の御子息が古今亭菊六さんだから。理由はそれだけなんですが、
全く知らない若人を見るよりは多少は親近感が湧くだろうと思って会場へ。

開口一番は前座の古今亭ちよりん。
 噺は「薬缶(やかん)」
私は何でも知っているとウソブク自称「先生」、
彼に“愚者”と呼ばれる八五郎が、先生に魚の名前の由来を聞くと
まぐろ、こち、あじ等の魚の由来をこじつけながら説明する。
魚の名前を一通り聞いたところで、今度は土瓶、鉄瓶の由来を聞き、
「じゃ、何で薬缶はヤカンって言うんですか?」と八五郎が先生に問うと、
川中島の合戦までさかのぼり、扇子をバンバン叩きながら講談調で説明し始めた。
兜をなくした兵士が水沸かしを被って活躍すると敵が矢を撃ってきて
それが被っている水沸かしに当たって“カン”と音がした。
矢が飛ぶ度に“カン”“かん”と鳴り、“矢、かん”になったという苦し紛れに答える先生。
という根問もの。 結構笑えました。
汗だくになって一生懸命話すちよりんさんの姿に
「早く二つ目になれるように頑張ってね」と温かい目で応援したくなりました。

続いて、
 古今亭菊六さん。古今亭圓菊さんのお弟子さん。
噺は「家見舞(肥瓶←こいがめ)」。ちょっと汚い噺です。

兄貴分の竹さんが新築した家に引っ越したのでお祝いを贈る事にしたが
何を贈ったらよいのか分からないので竹さんに聞きに行った弟分の2人。
桐箪笥は高いからダメだし、茶箪笥も高い、じゃホウキとチリトリにするか、
そうだ、水瓶が無いから水瓶にしよう、と、竹さんに水瓶を贈ると約束するが、
2人の持ち合わせはたったの5銭。
道具屋に行って目星をつけた水瓶の値段を聞くと18円、
ジュッと言わない(=10円未満)もっと安いのはありませんか?と聞いて
見せてもらったのが6円の水がめ。
この5銭で売ってくれ、と交渉するものの当然ながら相手にされずに店を出る。
5銭じゃ水瓶なんか買えないだろうと揉める2人の目に飛び込んだのが、
古道具屋の軒下に置いてある雨水受けの水瓶だった。
店主に5銭しかないからまけてほしいと値引き交渉しようとすると
「タダでもってっていいよ」と言う。タダでもらえるとは運がいい、と喜ぶ2人だったが
「これは水瓶にできないよ」と店主に言われて?????と思う2人。
どうして水瓶に出来ないかというと、
この瓶は、
埋めてあったところから掘ってきたものだし、
そもそもは人がまたがって使うものだから、 だから水瓶には出来ない。

要は「肥瓶」というわけで。 

 注) 肥瓶=トイレの便器。 そりゃ、水瓶には使えませんね。

でも予算もないし、これでいいか、と肥瓶をもらう2人。
途中の川で藁を束ねてゴシゴシこすって洗うがなかなか臭いが取れない。(当然)
やっとのことである程度臭いが取れたので担いで運び始める2人だったが、
乾いたらきっと臭くなるから、竹さんの家に着いたらすぐに水を張ってしまおう、
そうすれば臭いはさほど気にならなくなるはず、と、
竹さんの家に着くやいなや肥瓶に水を張ってしまう。

早速、「水」瓶を持ってきてくれて有難う、と竹さんと母親は大喜び、
折角だから食事していってくれと2人を誘う。
2人も喜んでご馳走になるが、出されたものは湯豆腐、ホウレン草のお浸し、
ウマイウマイと食べたのも束の間、使った水があの肥瓶の水と知り、
「いやいや、豆腐断ち、ホウレン草断ちしてますもんで・・・」とそれ以上食べない。
では御飯はどうだ、と出された飯をウマイと食べる2人だったが、
あの水で炊いたと聞いた途端、「いやぁ、今、米断ちしてますもんで」と箸をおく。
2人の様子をおかしいと思った竹さんは、
台所へ水瓶を見に行き、瓶の中に澱が浮いているのに気づく。
「そうだ、フナは澱を食べるだろうから買ってきて瓶の中に入れよう」という竹さんに
「いやそれには及びません。さっきまで鯉(コイ=肥)が入ってましたから。」と
答えてサゲ。

金の無い2人が兄貴分の竹さんに見栄を張ろうとする余り
どんどんドツボにはまっていく様が十二分に伝わる菊六さんの話ぶりに
すっかり引き込まれてしまいました。
まだ二つ目になったばかりとは思えない貫禄を感じたというか
今後に期待が高まる菊六さんでありました。

15分の仲入り後は、
 元こぶ平の弟子、林家たけ平さんから。
噺は「こうもりの恩返し」。春風亭小朝の創作落語のようです。
同じ林家一門のペーがノロウィルスに罹って「流行に乗れた」と言っていたとか、
身内ネタで笑わせた後ネタに入ったのですが、鶴の恩返しの変形のような噺。
傷ついたコウモリを拾った居酒屋の男が傷を治して森に返しやった後、
居酒屋に女性が現れた。
私はあなたに助けてもらったコウモリ、是非恩返ししたいという。
では、と、居酒屋の看板娘として働いてもらうと店は大繁盛、、、という中で、
コウモリなので時々客の血を吸ったりしたり、、、なんていう噺なんですが、
肥瓶の余韻がまだ残っていたせいか、爆笑までには至らず。。。。

更に、最後に出てきた
 月の家円鏡の弟子、月の家鏡太さんになると、
「普段の袴」というネタだったのですが、鏡太さんの体調が悪かったのか、
ちょっとボソボソした話し方に乗れず思わずうとうとしてしまいました。
噺は、道具屋へやって来た侍の吸った煙草の火が袴の上に落ちてしまうと、
 「普段の袴だ」 と動じないのを見て感心した八五郎が真似をするものの、
袴など持っていないので知人に借りに行くが借りた袴は寸足らずの短い丈、
残り少ない葉で無理矢理吸った煙草で失敗して、、、という真似して失敗する噺。
以前寄席で一度聞いたことがあるので何となく分かってはいたのですが
笑えぬまま終了していました。

そんなんこんなであっという間の2時間。
後半、自分自身の鑑賞態度が失速していったのは反省すべき点で
次回はこのようなことが無いよう、心して鑑賞したいと思いました。

二つ目さんというのは時に温かく、時に厳しく見て応援していくことで
真打になっていくものなのかなあ、などと思いながら、
また聞いてみたい東京オーガニックボーイズでありました。

(おまけ)
帰り道、赤坂見附に歩く途中の風景です。
左手に見えるのはホテルニューオータニ
豊川稲荷にも寄ってみました。

狐様
ジャニーズ事務所、東山紀之、Kinki Kidsなどの所属歌手の提灯に混じって、
「森光子」の提灯がぶら下がっていたのに笑ってしまいました。。。


nice!(3)  コメント(8)  トラックバック(4) 
共通テーマ:お笑い

nice! 3

コメント 8

kikuzou

寄席かぁ。良いですね。
とらやも福砂屋もあるし、赤坂良いですよね。
by kikuzou (2007-01-06 07:55) 

ライオン

昨年知人から、志ん朝の「文七元結」のCDを借りて落語に興味を持って
以来、一度は寄席にと思いながらいまだ果たせず・・・。寄席って一度も行ったことがないんですよね。浅草演芸ホールなどは近所なんですが。

今年は一度行ってみたいと思ってます。
うつぼさんのオススメの寄席ってどちらですか?
by ライオン (2007-01-06 12:27) 

こんなの見ると行ってみたいです。ことしは必ず行きます!おもしろそうだもの。ライオンさんのおっしゃるように、うつぼさんのおススメはどこでしょう。
by (2007-01-06 17:16) 

noric

寄席、行ってみたいです。
by noric (2007-01-06 18:07) 

うつぼ

kikuzouさん、こんばんは。
とらやでお茶でも、、、と思ったら日曜日でお休みでした。
こういう機会がないと行かない赤坂ですがなかなか風情のある場所ですね。
今回は、二つ目さんの勉強会という趣で寄席というには物足りなさもありましたが、彼らが真打になる前に噺を聞くというのはある意味貴重な機会かもしれませんね。
by うつぼ (2007-01-07 00:27) 

うつぼ

ライオンさん、こんばんは。
落語のCDというと桂文治と三遊亭円遊(先代)くらいしかもっていないので、志ん朝は聞いたことがありませんがやはり良いんでしょうね。
文七元結も良い噺ですよね。
寄席というと私は専ら浅草演芸ホールですね。休みの日に新宿末広亭に行くこともありますが、六区のザワザワした感じが結構好きだったりします。
by うつぼ (2007-01-07 00:31) 

うつぼ

cocoa051さん、こんばんは。
おススメの寄席というと池袋演芸場などは非常に小さいので噺家さんとの一体感がありますがちょっと遠いので私自身は浅草ばかり行ってます。
ただ、浅草は館内でお酒が飲めるので時々酔っ払いのおじさんがいたりしますし館内がかなり古いので、最初は(お酒禁止、館内もきれいな)新宿末広亭あたりがよろしいかもしれませんね。
by うつぼ (2007-01-07 00:34) 

うつぼ

noricさん、こんばんは。
寄席は年中無休な上に、お正月のような繁忙期以外は、昼の11時から夜の9時まで入れ替えがありませんから、好きなときに入って好きなときに出られますので気軽に入れますよ。ゼヒ一度お試しくださいませ。
by うつぼ (2007-01-07 00:37) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 4