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「007カジノロワイヤル」を観る [映画(007)]

公開初日に観てまいりました。シリーズ21作目 「007カジノロワイヤル」。

  マーティン・キャンベル監督作品
公開初日、しかも1日「映画の日」で大混雑かと思いきや、
都心からちょっと外れたシネコン(2館で上映)は3割くらいの入りで拍子抜けしました。

「カジノロワイヤル」は1953年に発表されたイアン・フレミング原作の第一話で、
ジェームズ・ボンドが007になるまでの話。
ピーター・セラーズやウディ・アレンも出演していた1967年版もあるのですが、

カジノ・ロワイヤル

カジノ・ロワイヤル

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/10/27
  • メディア: DVD



原作を大幅に逸脱したパロディ作品で、コロンビア映画(現ソニー)作品なので
他の「本家」MGM作品とは別物として扱われています。
(そんな訳でシリーズにはカウントされていません)

今回の「カジノ・ロワイヤル」は、、、
(ネタバレてんこ盛りですのでご注意くださいませ)

チェコ、プラハ。
不正を働いていた(イギリス情報部の)局長とその仲間を殺すことで
ジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は
殺しのライセンス‘00’を持つ諜報員として英国諜報機関MI-6から
‘007’のコードネームを与えられる。

007として向かったのはマダガスカル。
世界中のテロリストの資金を運用する男の正体を突き止める為、
男に雇われた爆弾男モロカ(セバスチャン・フォーカン)を捕まえようとしたが、
逃げ込んだ大使館の中まで追いかけ、大使館内でモロカを殺してしまう。
 国際ルールを破った行為を非難されるボンド、
Mも窮地に立たされるが(「冷戦時代が懐かしいわ」などとこぼすM)、
ボンドはモロカの携帯に着信履歴の残っていた「エルプシス」の発信元、
バハマ諸島へ飛ぶ。

エルプシスの正体は武器商人のディミトリオス(サイモン・アブカリアン)、
情報を得ようと妻のソロンジュ(カテリーナ・ムリーノ)に近づき、
 ディミトリオスが急遽マイアミに行くことを知り
マイアミまで追いかける。

目的は、マイアミ国際空港から初飛行予定の最新鋭機スカイフリートを爆破し、
スカイフリート社を破綻に追い込み、株価を下げること。
スカイフリート社株式を既に空売りしている謎の男、ル・シッフル(マッツ・ミケルセン)が
1億ドルの利益を上げる為に、給油車に時限発火装置を取り付け、
飛行機に激突させて爆破させようとするディミトリオスの企みを察知したボンドは、
滑走路でのカーチェイスの末、爆破を阻止する。
(因みにディミトリオスも殺されちゃいます)

飛行機を爆破できなかったことで1億ドルの損失を抱えてしまったル・シッフル。
テロリスト資金を運用するはずが、莫大な損失を発生させてしまったル・シッフルは
モンテネグロの「カジノロワイヤル」で行なわれるポーカー(テキサスホールデム)
ゲームで勝ち、損失を取り戻そうとする。

この動きを読んだMは、
ル・シッフルを破産に追い込み、テロリストの資金の流れを突き止める為、
ボンドをモンテネグロに向かわせ、ゲームに参加させる。
移動途中の車内でボンドに合流したのが、
財務省から派遣されたヴェスパー・リンド(エヴァ・グリーン)。
監視役をつけられたことを不満に思って露骨に態度で表すボンドに対し、
怯まず同様に切り返すヴェスパー。

モンテネグロに到着し、現地諜報員マティス(ジャンカルロ・ジャンニーニ)、
ヴェスパーとカジノに向かうボンド。

国家から与えられた資金1500万ドルを賭け、
ル・シッフルを含めた9人とポーカーゲームで闘うボンド。
一進一退の勝負が続いた後に休憩時間となり、
部屋に戻ったル・シッフルが、ウガンダのテロリストに待ち伏せされ
「預けた資金を返せ」と殺されそうになっているのを知ったボンド、
その場をそっと離れようとしたがテロリスト2人に見つかり殺されそうになるが
逆に殺してしまう。

その場面を目撃してしまったヴェスパー。
ショックのあまり部屋に戻り、シャワーブースの中に座ったまま
冷たいシャワーに打たれて震えるヴェスパーをそっと抱きしめるボンド。
 (このシーンがとても良いのです・・・)

翌日、前日のゲームでル・シッフルのブラフ(はったり)に気づいたボンドは、
ブラフを読んで全額を賭けるが、それはル・シッフルの罠だった。
全額を失ってしまったボンドはヴェスパーに資金追加を申し出るが断られる。
途方に暮れるボンドに声をかけてきたのはメンバーの一人の男。
男はCIAフェリックス・レイター(ジェフリー・ライト)で、
自分は直に負けるので残った資金を使ってほしい、
その代わり、ル・シッフルを捕まえるのはCIAにさせてほしいと申し出る。

申し出を受け入れたボンドは、勝ち続けて資金を取り戻していくが、
資金が減って焦るル・シッフルはボンドのマティーニに毒薬を入れて殺そうとする。

毒薬に気づいて吐き出そうとするがうまくいかないボンド。

そこで登場したのが、
 アストン・マーティンDBS
マダガスカルでの一件を理由に、Mの指示で腕に埋め込まれたGPSのような装置を
(ボンドがどこにいるのかMI-6本部で追跡できるシステム)つなぎ、
指示を仰ぎながら車に搭載している解毒剤・除細動器を使って事なきを得る。

病院にいくように指示するMを無視してゲームに戻るボンド。
毒を盛ったはずが生きているボンドを見て動揺したル・シッフルは動揺し、
全額を賭けた1対1のゲームでボンドが勝ち、
ル・シッフルは負けて資金全てを失ってしまう。。。

CIAがル・シッフルを捕まえるということで一件落着かと思いきや、
ル・シッフルがボンドとヴェスパーを拉致監禁し、
ボンドがゲームで勝ち取った合計1億5千万ドルの口座にアクセスする為の
パスワードを聞き出そうとするがいくら拷問されてもボンドは口を割らない。


この拷問がすごいのです。私、女なもんで殿方の気持ちは分かりませんが、
今まで見た映画の拷問シーンではダントツナンバー1の怖さです。。。。

絶体絶命か、と思うところで見知らぬ男が拷問部屋に入ってきて、
ル・シッフルをズドンと一発。
男はテロ組織幹部のミスター・ホワイト(イェスパー・クリステンセン)だった。

意識の戻ったボンドがいたのは病院。
ヴェスパーがずっと付き添っていてくれたことを知り、嬉しく思いながら、
互いの気持ちが通じ合っていることを知る。
体調が戻るまで仕事を休むことになったボンドは、
ヴェスパーと共にヴェネツィアで2人だけの時間を過ごしている内に、
 もうラブラブです
「この仕事をやりすぎると魂が腐ってしまう。今なら仕事を辞められる。」
と気持ちが動いたボンドは、Mに辞表をメールで提出してしまう。

そして、ヴェスパーと新しい生活を始めようと思ったボンドだったが。。。



ああ、もうこれ以上は書けません。 
ここからも、というかここからがスゴイんです。 

驚いたり切なくてウルウルしたりしてしまいました。

007になる前、なって間もないころのジェームズ・ボンドを描いているので、
非常に人間臭いジェームズ・ボンドをふんだんに見ることができました。
初めて人を殺すシーンは、全然クールではないし、悪戦苦闘するのですが、
そういうところも‘00’が与えられる前だからなんでしょうね。

 ダニエル・クレイグも、
最初「この人こそ悪役じゃないの?」と思ったのですが、
実際スクリーンの中で動く姿は意外とはまっていた感じ。
 マッチョでびっくりしたし。 
今までの007では考えられない筋肉ムキムキ感に戸惑いつつも
しっかり拝ませていただきました。(笑)

脇役陣は、
 Mは今回もジュディ・デンチ
女性のMでも良いと言えば良いのですが、
秘書=マニーペニーと思い込んでいるので、
弱弱しいオニイチャンがMの秘書で物足りなかったのと、
007/ワールド・イズ・ノット・イナフ〈特別編〉

007/ワールド・イズ・ノット・イナフ〈特別編〉

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2004/08/20
  • メディア: DVD

この作品で、知人の娘(ソフィー・マルソー)に騙されて捕らわれの身になってしまい、
結局007に救出してもらう場面を見て「Mが捕まっちゃダメじゃん」と思って以来、
もうそろそろ違う人に替えてイメチェンしてほしいなあ、と思ったりして。

今回、出演者の中で一番しっくりきていたのは、あっさり殺されたものの、

 ル・シッフル役のマッツ・ミケルセン
左目の色が不気味で涙腺異常が原因で時々赤い涙を流す、
それが気味悪く思える(それを拭う姿はもっと気味悪く)キャラクターを好演。

ブラックな笑いでツボにはまった映画「フレッシュ・デリ」に主演している方ですが、

フレッシュ・デリ

フレッシュ・デリ

  • 出版社/メーカー: アット・エンタテインメント
  • 発売日: 2005/12/28
  • メディア: DVD

 このおじさんを演じている俳優とは思えない。
映画のパンフレットの彼の出演作には載せてないのが残念です。。。
(後で見返したら"The Green Butchers"というタイトルで載っていました・・)

相変らず世界各地でのロケや、緻密に作られた場面など、
007らしい構成で私は良い出来の映画だと思ったのですが、
万人受けする映画かと言われると「微妙」かも。
007シリーズが好きな人なら多分気に入ってくれると思うのですが。。

最後のシーンが非常に印象的で、「ああ、これこそ007」と思いながら、
取敢えず次作もダニエル・クレイグで観てから、
金髪ボンドに未だ少々残っている違和感は拭えるのではないかな、と思った
「007カジノロワイヤル」でありました。


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Victoria

こんばんは。コメントありがとうございました。
私もトラバさせてください(人*´ω`*) 

あーとても詳しく書いてあってストーリーが甦ってきます(*`ω´*)

他の007の記事も読ませていただきました。
新作はQとかマニーペニーがいなかったのはさみしかったけど、新ジェームズ・ボンドの評判はよいみたいですね。

最後のシーンの決め台詞。
あぁこれこそ007って感じでこれがなくっちゃと思いました (((o(・´ω`・)o)))
by Victoria (2006-12-02 02:14) 

ジジョ

はじめまして(^-^)
すごい!詳細なストーリー紹介! 感動です☆
読みながら「あー、そうだった!」と、いろいろ思い出しましたw
TB させていただきましたので、よろしくお願いします☆
by ジジョ (2006-12-02 04:47) 

うつぼ

victoriaさん、おはようございます。ご訪問ありがとうございます。
期待していなかった分、より一層楽しめた気がします。
最後のシーンは「もー、ズルイ」って感じでした。あれを観てしまったら、次回作も観にいかなくちゃ、という気分になるでしょうね。
by うつぼ (2006-12-02 08:20) 

うつぼ

ジジョさん、はじめまして。ご訪問ありがとうございます。
007については他の映画にくらべて思い入れが強いので何だかダラダラいっぱい書いてしまいました。(笑)
私は良い作品だと思うけれど世の評判はどうなのか、と心配していたところ、ジジョさんも含めて他の方々の記事を読むと上々のようでほっとしています。
by うつぼ (2006-12-02 08:23) 

堀越ヨッシー

...あー!!、もう見たんですかー、ズルイー!(...いや、ズルくはないですが)
ダニエル・クレイグ...日本じゃ今イチマイナーですからね、彼(そういうオイラも彼の映画、見たことないわけですが)。最初、彼の起用を聞いた時、てっきり悪役の方だと思ってました。だってどう見てもショーン・ビーン系だし(苦笑)。でも、CMとかの映像を見るとなかなか面白そうですよね。時間があったら見に行こうかな。...拷問って、いわゆる“アレ攻め”ですよね...ゴクリ。
それにしても、おすぎの彼に対するデレデレぶりにはちょっと閉口気味...。
by 堀越ヨッシー (2006-12-02 09:43) 

はじめまして、うつぼさん。TB返しにまいりました。
いきなりですが、拷問シーン、凄かったですよね。
映画では重そうなロープを使っていましたが、
原作では三つ又に分かれた籐の絨毯叩きを使ってます。
私も女子なので。その「拷問力」がよく分からないのですが、
周りの男子曰く、「綱であろうが絨毯叩きであろうが、
きっと死にたくなるだろうね」とのこと。
このシーンの撮影時、とんでもないハプニングが起きたそうです。
関係者曰く、例の椅子には丈夫なアクリル板を仕込んだんですが、
悪役ル・シッフル役のマッツ・ミケルセンは役作りで
ミルク色カラーコンタクトをしていて視界が悪かったので、
綱を放る時の力加減が計れず、板を割ってしまったんだとか。
ダニエルは5分間、気を失ったらしいです。。。
by (2006-12-02 12:15) 

kikuzou

観たくなりますね~
by kikuzou (2006-12-02 13:26) 

うつぼ

堀越ヨッシーさん、こんにちは。
>ズルイー!
はい、ズルイんです。あと2回くらい観たいなと思っています。
ダニエル・クレイグの出演作を観たのは今回が初めてですが写真で観るのと映画の中で動いているのを観るのは全然違う俳優さんですね。確かに顔はショーン・ビーン系ですし。(007のゴールデン・アイで悪役やってましたし・・・)
拷問については、ヨッシーさんが劇場に足を運んで疑似体験して下さい!!
(私にはこれしか申し上げられません!)
by うつぼ (2006-12-02 14:42) 

うつぼ

おりょんさん、ご訪問&トラックバックありがとうございます。
今朝の王様のブランチにダニエル・クレイグが生出演していましたが、なんだか性格よさそうな人だなあと思いました。また、ビデオでマッツ・ミケルセンも出たのですが、拷問のシーンは撮影が大変で皆大変だったがダニエルが一番苦しんだ、といったコメントをしていたので、おりょんさんのコメントを読んで「ああ、そういうことだったのか・・」などと妙に納得してしまいました。。。。
by うつぼ (2006-12-02 14:42) 

うつぼ

kikuzouさん、こんにちは。
007にご興味がある方には一度観ていただきたい作品です。
ダニエル・クレイグも健闘していますよ。
by うつぼ (2006-12-02 14:45) 

まだ観てないんですが、幾人かの人から良かったって話を聞いたので、これは見なくチャと思っていたら、うつぼさんの詳細な紹介が・・・。イギリスで殺されたロシアのスパイのこともあるので、関心も高まっていて面白そうですね。ぜひ観ます。
by (2006-12-02 19:24) 

noric

早く観たいですね~。
by noric (2006-12-02 19:34) 

うつぼ

cocoa051さん、こんばんは&お帰りなさい。
男性から観た新ボンドの印象はどうなのかなあ、と気になっているのですが、
私自身はダニエル・クレイグのボンドで次回作も観たくなっています。
今作で「金髪碧眼ボンドも有りだ」、と思ったので、cocoa051さんも、よろしければ一度劇場でご覧下さいませ。
by うつぼ (2006-12-02 21:50) 

うつぼ

noricさん、トラックバックありがとうございます。(私もTB返しさせていただきました)
ダニエル・クレイグの容姿に、観ようかどうしようか悩んでいたのですが、観てよかったと心から思いました。ただ、私の行った映画館の入りがいまひとつで(都心は混んでいると思うのですが)心配ですが、良い興行成績を挙げて次回作につないでほしいと思っています。
by うつぼ (2006-12-02 21:53) 

Kayoko

これはぜひ見たいと思っていたのでナナメ読みしてしまいました、ごめんなさい~。
マッチョ男は好みじゃないけど(指の間から見た)、面白そうなのでやっぱり見る!
by Kayoko (2006-12-03 21:16) 

うつぼ

Mimikoさん、
前評判が今ひとつ(自分もそう思っていた)ですが、なかなか良いのです。
マッチョを観ると反応してしまう私ですが(!)、そうでない方にも面白いと思います。とにかくハラハラドキドキです。Mimikoさんもゼヒ!!
by うつぼ (2006-12-04 00:43) 

ポンド

Mが「冷戦時代が懐かしいわ」といったのは、どうしてなのか。

(1)大使館を爆破するなど無茶をやったボンド。冷戦時代なら許されたが、
今回は上層部の理解を得るのに苦労した。その腹いせから出たもの。

(2)冷戦時代なら、爆弾男を取り逃したボンドはクビか亡命を余儀なくさ
れた。今回はそれができず、残念という気持ちから出たもの。

(3)冷戦崩壊で予算が減らされたから。

ストーリーの流れからいうと(1)のような気もしますが・・。
by ポンド (2006-12-19 18:47) 

うつぼ

ボンドさん、はじめまして。
私は(1)+(2)かと思ってました。
大使館の中で(丸腰、ということになっていた)犯人を殺し、爆破した為、
冷戦時代なら亡命させられたのが今はそれが出来ずMが思わず発した言葉かと。。。
by うつぼ (2006-12-19 19:47) 

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