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青森旅行記2023~三沢航空科学館編③~ [日本の旅(東北)]

国産飛行機の歴史を観ながら展示エリアを歩き進んでいて見かけた赤と銀色の飛行機。

IMG_1795.JPG航研機という名前の飛行機です。
(展示されているのはレプリカです)
IMG_1800.JPG今回初めて知りました。
wikiから転載しますと、
航研機は東京帝国大学(現・東京大学)附置東京大学航空研究所が設計し、
飛行は大日本帝国陸軍協力のもと、1938年(昭和13年)に長距離飛行の世界記録を
作った実験機。だそうです。展示してあるのは復元機ですが、
IMG_1791.JPGIMG_1792.JPG
機体は東京瓦斯電気工業(現在の日野自動車)の大森工場で製作されたそうです。
この発動機は川崎98式800馬力発動機(ハ9-Ⅱ乙)。
長距離周回飛行の世界記録樹立を目標にその達成が絶対要請であったことから、
そのために最も容易で確実な手段をとることを念頭に置いたそうです。
川崎航空機でライセンス生産していたドイツBMW開発のBMW-6(水冷Ⅴ型12気筒)を
基本に川崎航空機が独自に改良を重ねて出力を向上させた水冷・液冷エンジン系列の
最終発展型BMW-9(ハ9-Ⅱ乙)発動機。
この発動機は98式軽爆撃機(キ-32)や95式戦闘機2型改(キ-10Ⅱ改)搭載されていて
これを航研機用に改良したそうです。
戦闘機のは発動機を長距離周回飛行用に改良するポイントとしては、
・離陸時に大きな馬力が出る
・水平飛行に移ってからは燃料消費が少ない
・長時間運転に耐えられる
この3つが必須事項だったそうです。
(慶応義塾大学理工学部機会工学科から航空科学館に貸与いただいているそうです)

元々あったものを改良したのかと思っていたら、この記事を読むと形だけは残った
という
大改造だったみたいで、一から作るよりはあるものを改良してということながら、
気づけば殆ど改良してしまったということなのかもしれませんね。 IMG_1798.JPG全体はこんな感じ(1/10縮小模型)IMG_1804.JPG周回コース
右に写る男性は、操縦していた藤田雄蔵少佐(弘前出身)。
航研機の設計は木村秀政さん、製作は工藤富治さんを中心に行われたそうです。
木更津飛行場を出発して、銚子~太田~平塚(1周401.795㎞)を29周し、
世界記録を樹立したと説明に書いてありました。
IMG_1806.JPG車輪(結構大きい)
機体に収納する完全引き込み式主脚ですが(空気抵抗を減らすため?)
離陸後、人が車輪をひっぱって収納していたそうです。(重労働だったでしょうね)
IMG_1807.JPGIMG_1808.JPG
IMG_1811.JPGポイント通過は地上から目視
IMG_1799.JPG操縦席 とても狭いのですが、
飛行機の先頭にあるのかと思ったら、
IMG_1809.JPGここ(◎_◎;)
なので、前方が良く見えず、というか窓が小さいので外の様子を観るのが大変、
と動画で説明されていました。と心配しちゃったのですが、
IMG_1810.JPGお酒、積んでたってー。
実際機内で呑んでいたのか分かりませんが呑んだら催しちゃうだろうし、
それ以前に飲酒運転になってしまうし、この説明、驚きました。
IMG_1812.JPG世界記録を樹立
401.795㎞を29周、周回航続距離世界記録11,651.011㎞と、
10,000㎞コース速度世界記録186,197㎞/時の国際記録を樹立、
1938年5月13日に飛び立った航研機は翌々日の15日午後7時18分、
滞空時間62時間22分49秒で木更津飛行場に帰着しました。
狭い操縦席でほぼ3日間、操縦し続けるという荒業は今の時代にはあり得ないと
思いますが、世界記録樹立という大きな目標のために多くの人が尽力された、
ということなのだと学ぶことができました。
青森県で「銚子」の二文字を目にすることが出来たのも何かのご縁。(^-^)

IMG_1793.JPGIMG_1794.JPG
続いて国産の旅客機の展示に進みましょう。(^O^)/

(つづく)


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