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映画「梅切らぬバカ」を観る [映画(あ行)]

映画館で見そびれた映画ですがNetflixで観ることができました。
梅切らぬバカ[DVD]

梅切らぬバカ[DVD]

  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2022/05/11
  • メディア: DVD
あらすじはYahoo!映画さんより。

占い師の山田珠子(加賀まりこ)は自閉症の息子・忠男(塚地武雅)と二人で暮らしていたが、
ある日、忠男の通う作業所で知的障害者のためのグループホームへの入居を勧められる。
珠子は自分の死後の忠男の人生を考え、忠男の入居を決める。
しかし、環境の変化に戸惑った忠男は、ホームを抜け出した際に、
ある事件に巻き込まれてしまう。
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桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿。

近所で桜の枝をばっさり切った家の話をしたら(虫がいたのかもしれませんが)
婆1号がこの言葉を真っ先に言って反応していたのを思い出しました。

珠子がなぜ梅の木を切らないのか、息子の忠さん(忠男)の父親が植えたから、
という理由をお隣さんに説明するのですが、この父親について色々想像しつつ、
珠子が忠さんと父親のつながりをどこかに残しておきたいという気持なのかな、
と思いました。(1本しかないのに実が生るのも理由かも)

自閉症の息子より先に自分が旅立つ、その後のことを考えた珠子が
忠さんをグループホームに入居させる、そこでよかったね、というはずもなく、
仲良くなったお隣さんの息子(草太)に誘われてある場所に入って事件が起きる。
慌てて逃げた草太に対して、その場から逃げられなかった忠さん一人が犯人に
仕立て上げられて近隣住民からグループホーム撤退の活動を起こされてしまう。

人間って頭の中で必要だと思っていても、自分の近所にはあってほしくない、
と思う人が多いですよね。
葬祭場やごみ焼却場、刑務所などなど、グループホームも自閉症の人たちが
出入りすると何をされるか分からないから怖くてたまらない、という理由ですが、
自閉症じゃなくても怖いことやってる人がいるかもしれないでしょう、って
思ったりします。

最近、ダイバーシティとかインクルージョンとか世間で言われるようになって
(会社でもそういう取り組みを始めていたりします)
自分と違うこと、多様性を認めて受け容れましょう、という流れになって
来ているとは思いますが、声高に言っている人たちがどれだけ実現できているか、
少々冷めた目で見てしまいがちの自分がいるのですが、と書いて急に思い出しました。
レインマン [DVD]

レインマン [DVD]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2010/06/25
  • メディア: DVD
ダスティン・ホフマン演じる兄、自閉症の設定でしたね。

お金目当ての弟(トム・クルーズ)の態度が序盤いやらしいのですが
少しずつ兄のことを理解していこうとする姿が記憶に残っている作品です。
自閉症の方と私は実際接点を持ったことがありませんが、ちょっとしたことでパニック、
ということはありますが(今作の忠さんは梅を切ろうとすると大パニック)、
時間や数字、記録などについて非常に細かく記憶しているところも才能であって、
一般的な「社会性」という点で問題があるかもしれませんが、長所を観ることで
個を受け容れることが大事なのかなと思いました。

映画を観ていて救われたのはお隣さんの息子、草太が忠さんのことを
もっと知りたいと近づいて一緒にいることで受け容れようとすることでした。
(大人ほど先入観がないのかなという気持に)

自分が小学生の頃、一緒に勉強していたはずがある段階から消えている
(当時そういう子供が通う専門の学校があったと聞きました)
一緒に過ごせないと大人が判断してそういうことがあったのかと思いますが、
色々な子供がいる中で育つことも(先生は大変なのかもしれませんが)
大事なのかなという気持になりました。

と、一朝一夕に世の中が変わるのは難しいかもしれませんが、
自分と違うことを知ること、理解して受け容れること、あまり意識過ぎても、
なのですが、コミュニケーションをとることで自分が違うと思う境目が
少しずつでもとれていければいいなと思った「梅切るバカ」でありました。

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