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「ブギーナイツ」を観る [映画(は行)]

「ブギーナイツ」を観る。

 1997年ポール・トーマス・アンダーソン監督作品

5年くらい前に一度観たものの、                                                                                                      アカデミー賞主演男優フィリップ・シーモア・ホフマン、                                                                                                                                          彼が何の役で出ていたのか全く思い出せないので改めて観ました。

話は、1970年代後半、                                                                                                                                                                   LA郊外のディスコで働く高校生のエディ(マーク・ウォールバーグ)は、                                          学校で落ちこぼれていたことを母親に詰られ、家を出たある日、                                                                                                                                                                    ポルノ映画監督のジャック(バート・レイノルズ)に、                                              「君の股間には宝が眠っている」とスカウトされる。

ジャックの豪邸に転がり込んだジャックは、                                                                                                                     そこで繰り広げられる華やかなパーティを見て希望を抱き、                                                                                                                ポルノ映画の世界に入ることを決断し、                                                                                                                 自らの名前を「ダーク・ディグラー」と命名する。

その後は、自らの武器(お宝)を生かし、                                                                                                                                             ポルノ界トップ女優のアンバー(ジュリアン・ムーア)、                                                                                            現場マネジャーのリトル・ビル(ウィリアム・H・メイシー)、                                                                                                               先輩俳優のリード(ジョン・C・ライリー)、                                                                                                                黒人なのにカントリーミュージック好きの俳優バック(ドン・チードル)、                                                       新人女優のローラー・ガール(へザー・グラハム)にも支えられ、                                                                        トップポルノ男優に上り詰めていく。

業界の賞を総ナメにしたエディは、自らの力で上り詰めたと有頂天になり、                                                                                                                            恩人であるジャックの言うことも次第に聞かなくなっていく。                                                           更に、1980年に入り、ビデオの普及と共に映画業界がフィルムからビデオへ                                         移行していく中、エディはドラッグに溺れ、転落の一途を辿っていく。。。。

最後の最後で、エディのナニにモザイクが中途半端にかかっているのは、                                                   一旦堕落したエディが再起しようとする意気込みに水を差すような気もしたけれど、                                                                                                                                                                               日本に映倫がある限り仕方ないのかもしれません。

また、ローラー・ガールが昔の同級生の男に偶然会って蔑まれた後、                                                                                                                                   狂ったように同級生を痛めつけるシーンは、同性として苦しい気持ちになりました。

このポルノ男優のエディは、実在の人物(ジョン・ホームズ)をモデルにしていて                                                                                                                                                                            映画の中では、元ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック(懐かしい)の                                                 マーク・ウォールバーグが演じているのですが、                                                                                 レオナルド・ディカプリオも候補だったとか。                                                                                                             (ディカプリオは、その直後「タイタニック」に主演)                       

映画を観て、自分の記憶の中でも80年代のビデオやMTVの台頭を考えれば、                                                       ポルノ映画界でもこういう動きがあったのは推測できるし、                                                                                         70年代から80年代への時代の流れは大きなものだったろうと思いました。

トップまで上り詰めたといっても、当時、世間の風当たりは非常に強く、                                                               エディが歌手デビューしようとするもののレコード会社に一笑に付されたり、                                                 自分の職業が災いして元夫から息子の養育権を得られないアンバー、                                          同様に職業柄、自分の夢を叶えようとしても銀行に融資を断られるバックなど、                                                                                        一歩世界の外に出ると白い目で見られてしまう彼らが、そういう境遇の中でも                                                         愛や自身に対する誇りを見出し、世間に受け入れられるように葛藤する姿に                                                  ぐっと来てしまいました。                                                                                                            (その後、バックは幸か不幸かという偶然の出来事で幸運に恵まれますが)

エディ役のマーク・ウォールバーグの演技だけでなく、                                       

エディを温かく見守るアンバー役のジュリアン・ムーア、                                              確固たる信念を持つジャック役のバート・レイノルズ、

この2人の演技にも支えられている映画かも。

また、気になっていた、フィリップ・シーモア・ホフマンは、

エディを好きになるゲイの撮影スタッフ“スコットJ” を                                                                          非常に印象深く演じていました。

単なるポルノ業界の内幕を描いた映画ではなく、                                                                                                                              堕落してもどんな境遇にいても前向きに行きようとする人達を描く映画に                                            見受けられ、己の前向きでない気持ちを振り返り反省する映画でありました。 

因みに、当時のヒット曲を散りばめた映画なので、

ブギー・ナイツ

ブギー・ナイツ

  • アーティスト: サントラ, エモーションズ, チャカチャス, メラニー, エリック・バートン・アンド・ウォー, マーヴィン・ゲイ
  • 出版社/メーカー: 東芝EMI
  • 発売日: 1998/04/08
  • メディア: CD                                                                                                                       
  • ブギー・ナイツ2

    ブギー・ナイツ2

    • アーティスト: サントラ, スリー・ドッグ・ナイト, エルビン・ビショップ, ホット・チョコレート, K.C., サンシャイン・バンド, チャールズ・ライト, スニック・アンド・ティアーズ
    • 出版社/メーカー: 東芝EMI
    • 発売日: 1998/05/08
    • メディア: CD
    70年代のディスコ~80年代ロック(リック・スプリングフィールドも入ってます)まで、                                                                                                                     懐かしい曲のオンパレードでサントラもお薦め。

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コメント 4

takepii

私も大好きです。いちばん映画をよく観ていた、大学時代に見て、いいジャン子の映画と観ながらわくわくしたのを思い出しました。映画もいけいけですよね。
成功へ駆け上がり、落ち込んでだけど・・・というのは、映画としては定番だけど、もう、映画そのものがいいからとしか言いようがない。
by takepii (2006-04-01 01:06) 

実はこれ、僕も気にしていました。機械があったら観てみます。
by (2006-04-01 21:44) 

うつぼ

takepiiさん、
一瞬ポルノ映画かと思ってしまった私ですが、前半と後半の対比や、
まるで70~80年代当時に撮影されたような雰囲気、
とにかく気になって仕方ない映画です。
by うつぼ (2006-04-02 18:34) 

うつぼ

カオルさん、
物語や俳優陣だけでなく音楽もよいので是非観てくださいね。
by うつぼ (2006-04-02 18:36) 

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