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映画「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」を観る [映画(さ行)]

YouTubeで頻繁に予告編が流れていたので
シャンテシネマ日比谷まで観に行きました。
summer of soul.jpg
内容はYahoo!映画さんより。

1969年の夏、ニューヨーク市マンハッタンのハーレム地区で、ブラックミュージックの
フェスティバル「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」が行われる。
時を同じくして、ニューヨーク州サリバン郡ベセルでは現在もアメリカ音楽史上に
語り継がれるウッドストック・フェスティバルが開催されていた。
「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」には、スティーヴィー・ワンダー、
B・B・キング、フィフス・ディメンションといった、ブラックミュージックの
スターたちが続々と登場する。


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お宝映像!

ウッドストックはリアル世代ではないものの(生まれていましたが小さすぎて記憶なし)
知っていましたが同じ時期にハーレム・カルチュラル・フェスティバルというイベントが
あったことは知りませんでした。
しかも、その映像が「黒いウッドストック」と売ろうとした思惑に反して売れず
結果的に50年間地下で保存された後に掘り出されて公開されたことに感謝しました。

ライブ映像のみをひたすら映し続けるのではなく、当時参加した観客や出演者、
彼らのインタビューや当時の社会情勢(マルコムXやキング牧師の暗殺など)も
交えて編集されているので、白人優位という社会の中で有色人種の社会的地位が
低いことへの不満、そこで開催されたフェスティバルで音楽を純粋に楽しんで
不満を発散したい、という方が多かったのではないかと思いました。
当時、初の月面着陸で白人たちが盛り上がる中、このイベントに参加する人たちは
全く興味なく、そんなことに大金を使うなら貧困をなんとかしろと怒る、
そのエネルギーを音楽にぶつけているようにも見えました。

このイベントは6週間(毎週1回)にわたって30万人を集めて開催されましたが
スポンサーになってくれたマックスウェルコーヒー(アフリカのコーヒー豆を使って
商品を作っていることから)のおかげで観客は無料で参加できるということも
多くの人が集まったのかもしれませんね。

19歳のスティービー・ワンダーのドラム演奏が冒頭に出てきて驚き、
BBキング、フィフス・ディメンションのアクエリアス、アフリカ音楽だけでなく
中南米移民も多いことからラテン音楽も演奏されていて、ソウルだけでなく、
ルーツとなる地域の音楽も演奏するその間口の広さも感じました。
中盤くらいまでで印象的だったのはゴスペルなのですが、
晩年のマヘリア・ジャクソンと彼女をサポートするステイプル・シンガーズ、
魂を揺さぶると安直に言ってはいけないのですが、このパフォーマンスを
近くで見られたら私は震えがとまらないかもしれない(ノンアルでも(笑))と
思いました。

中盤以降のスライ・ストーンは、


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今作を見ていたので特に盛り上がれましたが、
メンバーに白人や女性(トランペットを演奏する姿がとても素敵)がいて
黒人、男性にこだわらないスライの姿勢とその迫力のパフォーマンス、
更に続いて登場するニーナ・シモン、
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この映画で、ジュリー・デルピー演じるセリーヌが好きなアーティストとして登場し、
その後気になってCDを買って聞いていた方ですが実際のパフォーマンスを見たのは
今作が初めて、社会情勢に対して問題提起するパフォーマンスに見入りました。

その他にもグラディス・ナイトやマックス・ローチ、レイ・バレットなどなど
これほど多くのアーティストが趣旨に賛同して出演してくれたこと、
主催したトニー・ローレンスの手腕のおかげで私も50年の時を経てスクリーンで
観ることができて感謝です。
できれば、この作品でイベントについて知ることができたので、
パフォーマンスだけを編集した映像も見てみたいなと思った、
「サマー・オブ・ソウル」」でありました。


映画には関係ない話)
作品と関係ない話ですが、チケット売り場で発券してもらおうと並んでいると、

前にいたおっさん2人(60代くらい)が手にハイボールのロング缶を持って
同じシアター内に入り、3,4列後ろで本編スタートまでずっと大声で話していました。
シアターでもアルコール販売が中止されている中でアルコールを持ち込んで、
劇場内で呑んで大声で話す、本編が始まったらおそらく没頭できたのか静かでしたが
こういう人の隣に運悪く座ったら楽しめなかったかもしれないな、なんて思いました。
シアター内で買ったものだけ飲食可と以前から注意されているのにこういう態度って
自己中で嫌ですね。(~_~メ)

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