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映画「明日に向かって笑え!」を観る [映画(あ行)]

普段あまり見ることの無い中南米映画(アルゼンチン映画)、

ヒューマントラストシネマで鑑賞しました。
明日に向かって笑え.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

隣人たちとのつながりが深いアルゼンチンの小さな田舎町。
2001年、元サッカー選手のフェルミン(リカルド・ダリン)ら住民たちは、
放置状態の農業施設を復活させるべく皆で貯金を出し合う。
その資金を銀行に預けた翌日、金融危機に見舞われ預金は凍結されてしまう。
さらに混乱につけ込んだ銀行と弁護士に金をだまし取られ、
無一文になった彼らは奪われた財産を取り戻すため、ある作戦を立てる。


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痛快!

原題は”LA ODISEA DE LOS GILES/HEROIC LOSERS”。
まぬけたちの一連の長い冒険、という意味だそうですが、
今回はちょっとパクった感はありますが(笑)邦題が意外とよいかな、と思いました。
ただ、Odiseaの語源は古代ギリシャの長編叙事詩「オデュッセイア」なので、
紆余曲折の長い旅、という意味なのかと思うと、邦題、もうちょっと考えても
いいのかな、とも思いました。

善良な市井の人たちがアクドイ奴に騙されてしまう、
アルゼンチンのデフォルト、金融封鎖、本当に大変だったと思いますが、
自国通貨を信用せず米ドルで蓄えていたのを全て奪われる、
フィクションの作品とはいえ、こういうことが実際国内であっても
不思議ではないだろう、と思えるような作品でした。

元サッカー選手のフェルミンを中心として、地元に農協を作ろうと
夢を描いて集めたお金、が奪われて、一人だけ(トルコ移民のおじさん)
怒って引っ越していなくなってしいまうものの、他の出資者はフェルミンや
参謀役のような立ち位置のアントニオを中心に集まって、銀行に預けた米ドルを
奪っていった悪い奴(弁護士)からどうやってお金を取り返すのか、
そのためにアナログというか緻密でないというかかなりざっくりな感じで
計画を進めていく様子、スパイ大作戦とは真逆な感じの展開が逆に新鮮で、
セキュリティ装置の仕組みが分かったところで、頻繁な停電を演出して
セキュリティ装置をかいくぐろうとする、観ていてやはり悪徳弁護士を
やっつけてほしいのでがんばって!と思いながら応援しているのですが、
これでうまくいくのかなー、という心配も同時にモヤモヤと心の中に
渦巻いたまま話は展開していき、途中でまさかの事態、
(ありえねー、そんなことありえないから!と画面に突っ込み)
その後、とにかく勢いで突っ切ってしまえ、とばかりに前進するおじさんたち。

そして、奪還成功。(^O^)/

細かい突っ込みどころを気にすると楽しめないので、そのあたりは無視して(笑)
観るのがおススメです。

個人的に面白かったのは、セキュリティ装置が作動する度に携帯に連絡が入り、
悪徳弁護士が猛スピードで車を走らせ金庫を確認していく様子。
何度も何度もそれを繰り返し、金庫を確認しても異常なし、停電による誤作動、
と信じさせる彼らの作戦に躍らせる悪徳弁護士の様子がおかしくておかしくて、
この場面、最後の最後には勧善懲悪でやられてしまうところまで続いて
見終わった後、ざまーみろ、と、すっきりした気持ちになりました。

主人公のフェルミンは、元サッカー選手で地元にサッカー選手時代の姿の
銅像が飾られているくらいの英雄だったのが、時の流れと共に、
銅像(銅じゃないかも)も埃を被って汚れた姿、フェルミンの華やかな時代が
いまとなっては、、という描き方にも見えましたが、演じていたリカルド・ダリン、
どこかで観たことがあったと思ったら、
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唯一理解できたエピソード(駐車場を爆破する爆破職人)
爆破職人を演じていた人で、
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病で余命短い男を好演していましたが、
今作のフェルミンが一番観ていてなじんだキャラクターでした。

おじさんおばさんたちの米ドル奪還劇の話が主軸ですが、
この作戦をサポートするフェルミンの息子ロドリゴと、
悪徳弁護士マンシーの秘書、フロレンシアのやりとりが
若者のふんわりした恋として、主軸の作品を暴走させずに
うまく盛り上げながら進行させる良いエピソードだったと思います。

2001年のアルゼンチン、金融封鎖、ペロン主義、
フォークランド紛争(テレビで報じられている)、サッカー、トルコ移民、
色々なことが盛り込まれているのを観るのも興味深かったのですが、
対岸の火事ということではなく真面目に働く市民から搾取する人々(政治家とか)、
日本でもあり得るんじゃないかななんて思いながら見るのもアリ、かなと
思いつつ、勇猛果敢に悪に立ち向かう人たちの姿に元気をもらえた
「明日に向かって笑え!」でありました。








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