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映画「モロッコ、彼女たちの朝」を観る [映画(ま行)]

銚子電鉄と久しぶりの成田空港への旅記事を書き終えたのですが、
こういうご時世なので呑み記事のストックはございません。

というわけで、映画記事をちょっと続けたらまた旅記事をアップする予定です。
ブログからお酒の香りがあまりしておりませんが、家で呑んでいますので、
ガス欠ということは全くございません。でも、早く外で呑みたい!

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予告編で観て気になっていた作品、シャンテシネマで鑑賞しました。
adam.png
あらすじはYahoo!映画さんより。

妊娠中のサミア(ニスリン・エラディ)は美容師の職と住む場所を失い、
大きなお腹を抱えてカサブランカの街をさまよっていた。
ある晩、幼い娘ワルダを一人で育てながら小さなパン屋を営む
アブラ(ルブナ・アザバル)が、路上にいた彼女を家に招き入れる。
夫を亡くして以来孤独だった母娘二人の生活に、
おしゃれ好きでパン作りが上手なサミアが加わり、暮らしに明るさが戻る。

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辛さを背負うサミアとアブラに思わず涙。(;O;)

今回は邦題は酷くはないというか、映画の内容に即した邦題だったと思います。
原題は”Adam”。
どうしてかな、と思って観ていると最後の最後で、その意味が分かります。
(だからネタバレはしません)

アフガニスタンの緊迫した情勢をニュースで見ると
イスラム社会での女性の立場というのは非常に低く見られていて、
性差のない(それ以外のことでも差別のない)社会を目指していこう、という
世界的な動きとは全く連動しない、イスラム教の教義に基づく解釈によって
いつまで経っても変わらないように見えるのが残念ですが、
今作もイスラム教の多いモロッコが舞台、ブルカを強要されている地域に比べると
服装などはまだ自由度が高いように見えますが、映画の中でも描かれていたり、
wikiにも書いてあるように人工中絶が禁止されている国。
未婚で妊娠、夫を亡くした寡婦、どちらも社会的地位が特に低い、
サミアがどうして妊娠したのか描かれてはいませんが、
望まない妊娠であっても中絶することができず産むしかない、
世間はそんなサミアに手を差し伸べず冷たく接するだけ、という冒頭の場面、
そこでサミアを一旦追い返したものの、夫を事故で亡くし、
一人で娘を育てるアブラがサミアを無視しきれなかったのも、
つらい立場であることを同じ女性として理解できたからだったのだろう、
と思いました。

やっと雨露を凌げる場所を見つけたサミアもお礼のつもりなのか、
モロッコの伝統的なパンを焼き、アブラや娘のワルダと心を通じさせていく、
(ルジザというパンが美味しそうで画面を見ながら食べたくなりました)
3人にとって穏やかな時間が流れていくのを観ながらホッとしたものの、
サミアのお腹がどんどん大きくなって出産となるとどうなるのか、
サミアは未婚の母の子が自分と一緒にいても幸せになれるわけはないので
産んだらすぐ養子に出せばいい、養子縁組を探してくれる人に子供を預ければ
自分の手から離れて子供は幸せになると信じていますが、
そんなサミアに対して、アブラは、養子縁組先を探すといっても、
中には物のように子供を売り飛ばす人もいるから施設に連れて行こうと諭します。
ちょうど出産がモロッコのお祭りの最中、自らの心の中に母性が芽生える前に
自分の産んだ子供をすぐ養子に出したいサミアに対し、お祭りが終わって施設が
開いたら連れていこうというアブラの言葉にサミアが葛藤する場面には
思わずダダ泣きしてしまったのですが、お腹が大きくなってからずっとずっと、
中絶することもできず、実家(田舎)に帰ることもできず、親戚にも電話しても
嘘をつき通して一人で考えて悩んですぐ養子に出そうと決めていた気持ち、
それがお祭りが終わるまでの間、サミアに母性が芽生える場面、それを温かく見守る
アブラの表情がそれまでずっと悲しげだったのに急に明るく見えて更にジワリました。

お祭りが終わった翌朝、サミアは赤ちゃんと一緒にアブラの家を去りますが、
この後、サミアがどうしたのか、子供を施設に預けて実家に帰って結婚するのか、
それとも違う道を歩むのか、敢えて描いていないのですが、出発する時の
サミアの明るい表情を見ると強く生きていってくれるのではないかな、という
気持ちになって観終わりました。

日本でもまだ給与格差や会社での昇進でも差があったりするという認識ですが、
レディースデーなんて逆に恩恵受けたりすることもあったりして、
差別だ差別だと声高に言うばかりの活動家たちをみるとゲンナリしますが
教義によっていつまで経っても社会的地位が低いままという状況の他国を見ると
自分の意見を言える世界、教育を受ける、望むところで働く権利、
未婚だから、寡婦だからといってそのこと自体が罪であるといわれてしまうことが
なくなって、女性だからという括られることなく自らの意思を尊重されるような世界が
少しずつでも実現していくべきだと思った「モロッコ、彼女たちの朝」でありました。



(映画と全然関係のない話)
モロッコといえば、私にとってはカルーセル麻紀がお直しに行った国というイメージが
ずっとあったのですが、wikiを見ると担当していたお医者さんが亡くなってからは
お直しの主流がタイになったと書いてあったのを見て、ああ、それで最近テレビに
出ているタレントさんなどはタイに行きましたと言っていたんだなあと納得しました。
ホント、映画とまったく関係のない話で恐縮です。(^-^;



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