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映画「悪人」を観る [映画(あ行)]

以前、lucksun姐さんの記事を見てから映画館で見ようと思っていたのに
ぐずぐずしていたら劇場公開も終わってしまった映画「悪人」。。。

じゃ、DVDレンタルで、、と思ったところ、
年末一人シンガポール忘年旅行の帰りの機内のオーディオプログラムにあったので観ました。

エコノミーのモニターはとてもとてもチッチャかったのですが、
それでも見入ってしまいました。。

悪人 (特典DVD付2枚組) [Blu-ray]

悪人 (特典DVD付2枚組) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: Blu-ray

 




あらすじは相変わらずのamazon頼みでどうぞ。↓

土木作業員の清水祐一は、恋人も友人もなく、祖父母の面倒をみながら暮らしていた。
馬込光代は、妹と2人で暮らすアパートと職場の往復だけの退屈な毎日を送っていた。
孤独な魂を抱えた2人は偶然出会い、刹那的な愛にその身を焦がす。
しかし、祐一は連日ニュースを賑わせていた殺人事件の犯人だった ――。
光代はそんな祐一の自首を引き止め、祐一と共に絶望的な逃避行へと向かう。
やがてその逃避行の波紋は被害者の家族、加害者の家族の人生をも飲み込んでいく。
なぜ祐一は人を殺したのか? なぜ光代は殺人者を愛したのか?
引き裂かれた家族の運命はどうなるのか?そして、いったい誰が本当の“悪人”なのか?


 

原作は未読です。

悪人(上) (朝日文庫)

悪人(上) (朝日文庫)

  • 作者: 吉田 修一
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2009/11/06
  • メディア: 文庫

悪人(下) (朝日文庫)

悪人(下) (朝日文庫)

  • 作者: 吉田 修一
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2009/11/06
  • メディア: 文庫

早いところ読みたいと思っております。。。


で、youtubeも一応貼っておきますね。





タイトルにもなっている「悪人」、ですが、
一体何を以ってその人を悪人と呼ぶのか、ということを考えながら見ておりました。

法的に罪を犯したら「悪人」なのかもしれませんが、
法的に罪を犯していなくても世の中には悪人がうじゃうじゃ蔓延しているんだろうな、
そんな気持ちのまま見終わりました。

娘を無惨に殺された父親(柄本明)を見ると気の毒だなあ、と思いますが、
その娘、佳乃(満島ひかり)の日常は父親の想像も及ばない状態だったわけで
見た目は真面目そうなのに祐一(妻夫木聡)を見下す態度は非常に不快で
ま、こんな態度なら殺されちゃっても仕方ないんじゃないの、とか、
申し訳ないのですがそんな気持ちになりました。

また、殺された佳乃が慕っていた金持ちボンクラ息子の増尾(岡田将生)も
自分で稼いだお金でもないというのに自分の裕福さを完全に履き違えているというか
世の中を見下して周りをイエスマンで固めるような見ていてムカつくバカ息子ぶりで
こういうヤツもある意味「悪人」じゃないのかしら、なんて思ってみておりました。

他には祐一の祖母(樹木希林)を騙して高額商品を買わせる詐欺師(松尾スズキ)など
法を犯しながらうまくすり抜けて生きている悪人、なども登場し、
いかにも胡散臭いのに、優しくされて騙される祖母を見て、今の日本でもこういうことって
結構あったりするんだろうな、と思ったり。。。


殺人を犯した祐一も、その祐一に惹かれていく光代も、
人との触れ合いを求めながらうまく出来ず、社会の中でも要領よく生きることができない、
2人とも不器用な人で、だからこそ惹かれあっていったのだと思いました。

警察に自首しようと思いながら光代が引き止めたことで逃避行してしまうわけですが、
逃げ切れるわけもなく、警察が逃げ隠れていた灯台を突き止めたときに
祐一が光代の首を絞めて殺そうとします。

この展開に画面を見ながら驚いたのですが、
これはやっと見つけた愛すべき人を愛して守りたいが故の行動であったのだと思い
明るい機内のちっちゃい画面を見ながらウルウルした私ですが、
隣の巨漢外人オジサンに怪訝そうな顔をされた次第です。(-_-;)


殺されそうになりながらも死なずにその後いままでのように働く光代の姿が
最後に映し出されるのですが、彼女は祐一を待ち続けるのだろうか、
強く生きてほしいと思いながら、そんなことも気になったまま見終えました。


少々泣かせよう的な演出(というか俳優さんたちの演技)もあるかな、と思いつつ、
DVDが発売されたら借りてもうちょっと大きな画面で見直したい、のと、
原作もちゃんと読んでみたいと思った映画「悪人」でありました。 


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