SSブログ

立川談志一門会で「疝気の虫」 [落語・お笑い]

立川談志というと、小さい頃からテレビでよく見るオジサン、のイメージというか
ヘアバンドして茶色いサングラスかけて言いたい放題、、のオジサンというか、
見ていて好きになれなかったので(高座は聴いたことないのですが、普段の言動がダメで)
これまでずっと敬遠してきた一門でございました。

が、昨年から談笑さんの噺を聞くようになってからというもの
「食わず嫌いもいかんな」と思い始め、今年の初めに「新春談笑ショー’11」にも参加した私、
今回は、かうぞう姐さんからお誘いいいただき練馬文化センターまで足を運びました。

実際は、かうぞう姐さんの相方さんが都合悪くなったので私が代わりに、、、
ということなのですが、大変楽しみにされていた相方さんには申し訳なく思うております。。。


 

会場は練馬文化センター。

最寄り駅の西武練馬で降りたのは大学生の頃以来という超お久しぶりの下車に
当時の記憶もまったくなく。(笑)

とはいえホールは駅から目の前なので迷わずたどり着きました。
1500名くらい入れる大ホールで完売御礼というだけあって
開演10分くらい前に到着したのですが既に人でいっぱい。 さすが立川流。

先に到着して1階最後列に座っていたかうぞう姐さんにお久しぶりのご挨拶後、着席。
同い年のかうぞう姐さん、水泳と自転車で鍛えていらっしゃるのですらっとしていて
相変わらず素敵なOLさんという感じで、中年太りまっしぐらの私と大違い。。。
酒ばっかり呑んでないで(ーー;)少しは運動しないといけないかな、と思うのですが
元々不精でぐーたらしているのでなかなか。。。





で、19時ぴったりに開演。

最初に登場したのは立川談修さん

とにかく立川流については殆ど知識がないので、wikipedia先生で調べたら
談修さん、一度家元(談志)に破門されて復帰した人なんですね。

ネタは「看板の一(ピン)」。

ちょぼいち」の胴元を頼まれた親分がサイコロを振って壺に入れたはずが
肝心のサイコロは壺の外に。。。
親分がそれに気づいていないと思った男衆達が黙ったままサイコロの目(一)に金をはると
親分は「これは看板の一(ピン)だ、勝負は壺の中のサイコロで」と壺の中からサイコロを出し
出た目は「5」。 親分は男衆達の賭けた金を総取りしながら、賭け事もほどほどにするように、、
と諭しながら金を返す。
これで殆どの男は賭け事はこりごり、と思うのだが、中には親分のようなやり方で
一儲けしようとする男もいて、自分が胴元になって同じことをしようとするのだが、、という噺。

何度か聞いたことがあるネタですが、とても聞きやすくて綺麗な話しぶり。
ただ、面白いなあ、という程度で大爆笑には至りませんでした。。。残念。


続いて登場したのは早くも談笑さん。 

今回の一門会、観客の大方が家元(談志)がお目当て、というのが分かっているので
「皆さん、ご安心下さい。家元、先ほど楽屋入りしました!」と談笑さんが言うと場内大拍手。
立川流はこの談笑さんしか知らずに来ている私には完全アウェーな空気でした。(ーー;)

談笑さんの噺は「粗忽長屋」。

浅草に御参りに行った八が行き倒れの死体を見て長屋で隣に住む熊だと思い込み、
これは本人に確認させないといけない、と長屋に戻って熊を連れて死体のところへ。。
死体を見た熊もこれは自分の死体!だと思い込んでしまい、、、という噺。

通常のオチのところで落ちず、違うところでオチ、で、これはこれで面白かったのですが、
観客のリアクションも普段の独演会のときと違って控えめ。。。。
ま、途中で時折出てくる林家一門に関連するせりふがツボにはまりましたが、
やはり家元の弟子、という立場で出演するとこういうものなんでしょうかねぇ。。。


談笑さんに続いて登場したのは、志らくさん
かなり昔、新宿末廣亭に一般客に混じって見に来ていた姿を見たことがありますが
(とはいえ気づいたのは友人なんですが(^_^.))それ以来です。。。

マクラは立川流一門の話。

山にたとえると、

談志=とても大きくて険しい山
    とても魅力的に思って辛くても登りたい人もいれば、全く興味の無い人もいる山。

志の輔=家元のように大きな山を作ったつもりが、
      とても大きいのに女性や子供も難なく登れてしまうような山。

談春=家元のようにとても険しい山なのに、とっても小さい山。

志らく=家元のように大きくて険しい山を作ろうとがんばっている途中。

この例えにかうぞう姐さんも私も場内も大爆笑でした。

すると、今度は一門をテーマパークに例える志らくさん。

談志=18禁のディズニーランド

志の輔=誰もが入れるディズニーランド

談春=18禁のディズニーランドかと思ったら花やしき(小)サイズ。

志らく=18禁のディズニーシーを建築中。


ふーん、こういう例え方で聞くと分かりやすいなあ、と一門のことを殆どよく知らない私も
なるほどねぇ、、、と妙に納得。


マクラの後の噺は「疝気の虫」。 
初めて聴く噺ですが粗忽長屋と同様に、家元の十八番らしいです。

医者が変な虫を見つけると人間の言葉で話しかけてきた。
この変な虫、蕎麦が好物で、普段は人が蕎麦を食べると腹の中で暴れ、
苦手な唐辛子が腹の中に入ってくると別荘(殿方についてる袋(^_^.))に逃げるという。
それを聞いた医者が、なぜ腹の外に出たのか?と訊ねると「社会勉強で」と答える虫。
ある日、蕎麦を食べて痛みに苦しむ男のところに診察に出向いたこの医者、
男の女房に蕎麦と唐辛子を溶かした水を用意させる。
そして、女房に男の目の前で蕎麦を食べさせ始めると、
男の腹の中で暴れていた虫が蕎麦の匂いに気づき男の口の外に飛び出し、女房の口の中へ。。
女房の腹の中で虫が暴れると、今度は唐辛子を溶かした水を飲むように医者が言うので
ごくごく唐辛子水を飲み始めた女房のお腹の中で虫が暴れだし、、
「別荘、、別荘、、、」といいながら逃げようとするが。。。。。 という噺。

初めて聞く話でしたが、志らくさんの虫を演じる表情がもうおかしくておかしくて。。。
桜金造の「小山遊園地」CMのあの造作をもっと忙しなく口元で動かしている感じです。(笑)

談修さんより談笑さんよりおかしくて大爆笑でありました。。。。

 

ここで、仲入り15分。


後半の談志さんは「スペシャルトーク」と書いてあったので後は対談だよね、、、と
かうぞう姐さんとお話していると、、、、後半の談志さん、高座に上がって一席。
(出囃子がずっと奏でられていても出てこなかったのでキャンセルかと一瞬不安に思ったら
 その後、ちゃんと出てきてくれて一安心)

声があまり出ないし咳も出るので出来なくなったらその後は弟子の志らくがつとめます、
といって始めたのが「子別れ」でした。

とはいえ、かなり声がかすれていて、
まだまだ初級者&落語談志さんの噺も初めて&こういう状態で慣れない私、
最初は弔いに行った男が、、、なんて話に「これ、なんだろう?なんて噺?」とか考えてしまい。

後で調べたら、上・中・下の「上」の部分だったようで、「中」で夫婦が別れたところで
下のあらすじを説明した家元、ここでやめてしまうのかしら、、、と思ったら続きました。

最後のオチに行く前に、オチに必要な説明を前段で入れ忘れていたことに気づいた家元、
その説明をしてからオチを仰って緞帳が下がって場内拍手喝采。。。。

場内も明るくなったので終わりかな、と思っていたら、ぞろぞろと観客が会場外に出始めた頃
再び緞帳が上がり、高座であぐらをかく家元がいらっしゃいました。

観客のみなさん、、慌てて戻ってきました。(笑)

10分くらい色々とお話していましたが、小畑実や舞の海など、拍手を送りたくなるような人が
最近はいなくなって寂しい、とかそういう内容だったような記憶。

再び緞帳が下がると場内ものすごい拍手に包まれました。。。


こうやって落語会で生の姿を見ましたが、
以前からテレビで見て聞いて好きでなかった毒舌は少しマイルドになっていたような。
落語は絶頂期と言われる頃の落語も聞いてないし(テレビでも見ていない)、
今回初めて、、なので、私には良し悪しは残念ながら分かりませんでした。

寄席に出てくる某落語家に、
寄席でなくて落語会でやってりゃファンしか来ないから甘えてダメだ、といわれた家元ですが
観客の皆さんの様子を見ると、とにかく生の姿が見られて、しかも一席聞けたことだけで
大感激、、という方が殆どのように見えました。
師匠の言葉を聞き漏らさないように集中している方々の様子を見て、
志らくさんが例えていた

 「家元はとても大きくて険しい山
   とても魅力的に思って辛くても登りたい人もいれば、全く興味の無い人もいる山。」


という表現に妙に納得してしまった談志一門会でありました。


nice!(8)  コメント(10)  トラックバック(0) 
共通テーマ:お笑い