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さん喬の「掛取り万歳」 [落語・お笑い]

今年、寄席に行ったのはたった2回なのですが、
寿輔師匠の「ひとり会」で勢いがついたというか、最近落語会にはちょくちょく通っております。

喬太郎さん、とか、談笑さん、とか、、
日頃の憂さを忘れて大笑いするとお酒がなくても精神的に楽しくなれるので(笑)
今回は、「長講三人の会」という有名どころの噺家さん3人が出演される落語会で
日本橋公会堂に足を運びました。。。。

お初の日本橋公会堂は水天宮近く。

余裕余裕~、と18:40過ぎに到着すると、既に始まっています。
あれ、19時からじゃないの???と思ってチケットを見ると18:45。
会場の案内板には開演18:40と書いてありました。。。

ひゃー、急がないと!と急いで中に入り、さすがに席には座れないので一番後ろで鑑賞。
まだ開口一番で前座さんか二つ目さんが出ていたので、ほっとしましたが、
時間の読みを間違ったことで気持ちが動揺しておりました。。。

確か噺は「道灌」だったような。。。。 気がする。。。。 
(開口一番は朝呂久さんという方だったそうです)

開口一番が終わったので自分の席に着席。 
古めかしい名前の割には座席はきれいでした。(改装したのでしょうか)




最初に登場したのは、昔昔亭桃太郎師匠。

当初、出演が予定されていた柳家権太楼師匠が急に体調が悪くなって
出演されなかったことについてまずはひとしきり。(入院されたと仰ってました。。。)
私が落語界で一番仲のよかった志ん五師匠が亡くなって今度は権太楼さんまでねぇ。。。
って亡くなってないんだった、まだ。(^_^.)  (会場、、控えめな笑い。。。。)

また、先日ニュースに載っていたそうなのですが、
円楽一門が落語芸術協会に合流するかも、、、なん動きがあるそうで、
桃太郎さんにしてみれば、来年自分が落語芸術協会の理事を辞めた後に
そういうことはやってほしいけれど、自分の師匠の柳昇だったらどうしたかな、と考えると
ま、反対するだろうな、って思ったそうです。過去の経緯を考えると自分も賛成はしづらいし、
これは談志が亡くなった後の談志一門もどうするか、なんてことにつながりそうだけどね
とかとか、、、他にもいろいろと仰ってました。。。。

このあたりの経緯はリアルタイムではないので、私自身はボンヤリしか知らないのですが
いろいろとあるんですね。。。

で、師匠の噺は「春雨宿」。 風流なタイトルに思えますが内容はまったく違います。(笑)

君塚温泉に向かう男性2人。
夜になったので、途中で見えた旅館に立ち寄ると小さくて汚い宿だった。
君塚温泉は?と聞く2人に「ケメヅカ温泉?」という宿の女中がいうには、
君塚温泉までは山を越えて八里。。。仕方なく2人は諦めてこの宿に泊まることにするが、
風呂は八里先の(君塚温泉の)本店にあるというし、味噌汁の味がおかしいと思ったら
2人が足を洗った水で作ったというし踏んだり蹴ったり。。。

という噺。

「春雨」というのも泊まったボロ宿が雨漏りするところからつけたられたようですが、
桃太郎さんの気だるくまったりした感じの語り口にぴったりの噺でございました。。。。

で、今回、落語会の名前が「長講三人の会」だったので、
3人とも長講だったら何時に終わるんだろう、と思っていたら桃太郎さんの噺は25分くらい。
最後の一人だけが長講であとの2人は長くない、ことが判明しなんとなく一安心。。

 

続いて、権太楼さんの代打として登場したのが、
市馬サン.JPG柳亭市馬師匠。

以前一度寄席で見たことがあるかなあ、くらいの記憶の方なのですが、
非常に聞きやすい語り口の方で、軽いマクラの後に話したネタが「富久」 。

年末の浅草、安倍川町に住む幇間の久蔵、大酒呑みが原因で仕事を失い、
ナケナシの一分で富籤(とみくじ)を買う。
富籤を神棚にしまい、酒を呑んで寝てしまったところに聞こえたのが半鐘の音。
火事の場所が、久蔵が以前勤めていた店のあたりと知った久蔵は現場に駆けつける。。
駆けつけた久蔵に(久蔵をくびにした)店の旦那が出入りを許し火事見舞い客の対応をさせたが
ご本家から届いた見舞いの酒を呑んでしまう。。。

と、今度は自分の住む浅草安倍川町で火事。
急いで自宅に駆けつけると、久蔵の家は燃えてなくなっていた。。。

その後、富籤の抽選で自分の買った富籤が大当たりだと知った久蔵だが、
換金しようと思った富籤は家の神棚にしまったまま。
大当たりが灰になっていたことを知って愕然とする久蔵、、どうするどうする?????

という噺。

あまりに心地よい語りぶりに途中でうとうとしてしまい、あまり笑えずに終了。。。

折角のいい話にいかんな、私、、、と反省反省。。。

 

ここで仲入り15分。


ロビーの一角にガラス張りの小さい喫煙室があったのですが、
沢山の人がせっせとタバコを吸う光景になんだか切なさを感じました。。。。(^_^.)



後半は長講、柳家さん喬師匠です。

さん喬師匠、今回で3回目か4回目、、、ですが、寄席で見たときのインパクトは結構大きくて
今回どういうネタなのか楽しみにしていたら今年も終わり、、、になってきたからでしょうか
ちょっと早めの年末ネタ、 「掛取り万歳」でした。


大晦日。 八五郎は掛取り(借金取り)がやってきても払える金がない。
昨年は棺おけに入って死んだことにしたけれど、今年は同じ手は使えないし、、、と
掛取りの趣味をうまく利用して断ることにする。

最初に溜まりに溜まった店賃を支払ってもらおうとやってきたのが大家。
大家の趣味は「狂歌」。
貧乏をテーマに狂歌を並べ立て、大家に店賃の返済延期を約束してもらう。

大家に続いて、掛取りが続いてやってくる。

浄瑠璃好きには浄瑠璃で、芝居好きには芝居で、
喧嘩好きの魚屋には先に喧嘩を仕掛けて、、、八五郎は掛取りに返済を延ばしてもらう。


そして、次にやってきたのが酒屋。
酒屋の趣味は「三河万歳」なので、八五郎は早速、三河万歳で掛け合いを始める。
「勘定なんてできねぇ」 という八五郎に
「できなけれーばー、まっちゃろか?」 という酒屋。
この掛け合いの繰り返し、呆れた酒屋が「それじゃ一体いつ払う?」と聞くと
「百ー万年もー過ぎたらなー」と八五郎が答えてサゲ。

 

この噺、初めて聞いたのは故文治師匠で、その次に聞いたのは、さん喬師匠。
2年前の暮れ、浅草演芸ホールで見ていたのを思い出しましたが、
べらんめー調で切れのいい文治師匠の話し振りと、
さん喬師匠の表情たっぷりに八五郎の様子を演じるさん喬師匠、
やはり話し手によってイメージがだいぶ変わるんだなあ、と思いました。


芝居のところで、
本当のお囃子さん(当日は太田そのさんが担当でした)が三味線を弾かれるのですが
掛取りがやってきたのを見た八五郎さんが急いでご近所の「そのさん」にお願いする、
という設定になっていて、ご本人の名前をちゃんと使っているなあ、なんて感心。。。


このネタ、とにかく実際に噺家さんの様子を見ないと面白さが分かりづらいのですが、
さん喬さんの狂歌をたたみかける姿、芝居で見得を切る姿、
テンポよく三河万歳で掛け合う姿、どれもが見ていて大爆笑もので、
寝る暇もなくドッカンドッカン笑い続けてしまいました。(^^)

さん喬師匠の「掛取り万歳の」CDは見つかりませんが、
文治師匠のは販売されているので、これは購入してみような、、、と思います。



長講と名がついていたので1時間くらいかな、と思ったら45分くらいで終了。
1時間のつもりで構えていたので、少々拍子抜けしてしまいましたが、
年末らしい富久や掛取り万歳が聞けて、沢山笑えた三人会でありました。

 

やはり、腹の底から笑うというのは気分転換にも免疫アップにもいいですね!

 

次回は、権太楼師匠も入れての三人会を聞きたいものです。(^^)


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コメント 4

nuevo8hola

笑いはとても健康に良いそうで、免疫力を高めてくれる
効果があるようです。
イライラ解消にも良いと思います。
by nuevo8hola (2010-11-23 09:45) 

うつぼ

nuevo8holaさん、こんにちは&はじめまして。
たまに落語会や寄席に行くのですが、笑うと元気な気分に
なれますね。落語会の観客にはご年配の方々が多いのですが
みなさんお元気そうですし。(^^)
by うつぼ (2010-11-23 12:49) 

lovin

思いっきり笑うのって、ぜったいに体にも心にもいいですよね~~。
そういえば、、最近あんまり笑ってないような。。
ま、まずい。。
by lovin (2010-11-23 13:32) 

うつぼ

lovin姐さん、こんばんは。
普段の生活がちょと荒み気味なもので、こういうところで
がはははは~と笑って気分転換しております。。。
やっぱり笑うってのはいいものですよ。
姐さんもたまに華高座に足を運ばれたらどでしょう??
by うつぼ (2010-11-23 18:00) 

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