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映画「国葬の日」を観る [映画(か行)]

以前何本か見たドキュメンタリーの監督をつとめられていた大島新さんの
作品と知り、田端のチュプキへ観に行きました。
国葬.jpg|
内容は映画.comさんより。


「なぜ君は総理大臣になれないのか」「香川1区」などの大島新監督が、
安倍晋三元首相の国葬当日の人々の姿を記録したドキュメンタリー。
世論調査では国葬に反対する声が増えていく中、
2022年9月27日に東京・日本武道館で執り行われた安倍晋三元首相の国葬。
その当日に東京・下関・京都・福島・沖縄・札幌・奈良・広島・静岡・長崎の
10都市で取材を敢行し、国葬や安倍元首相という人物について、
人々のリアルな思いを映し出す。
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大半が無関心。

私はやるなら自民党葬にすればいいじゃないの、と思っていたので、
国葬(途中から岸田さんが国葬儀と名前を変えていたのもなんだか)まで
行う必要があったのかと言われればすることなかったんじゃないかな、と
思っていました。

ただ、当日は日本武道館に続く大行列ばかりを映し出すメディアに辟易して
無関心でいようと思っていたことを思い出したので、大半に入っているのだな
とこの作品を観て改めて思いました。

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香川1区から立候補しても当選できない小川淳也さんの選挙活動の様子を描いた
これらの作品を監督した大島新さんの映画なので恐らく見ていて私は受け入れられる、
と思って今作を鑑賞しました。

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監督は違いますが(こちらは内山雄人監督)、これらのドキュメンタリー
見ているので、

選挙に勝てば正義。

とか、

やっている感をだすことが大事。

とか、そういうことを普段から思っている(オフレコでつい言ってしまう)政治家、
今の岸田さんも在任2年をことさら強調するような報道が目についてゲンナリしますが
長くやっていればそれでいいのか、という話かと思います。
国葬賛成派の多くが悲しい形でお亡くなりになったことへの同情、とか、
長くやっていたから国葬くらいしてあげていいんじゃないの、という方が多くて、
日本人って優しい人が多いのかな、なんて見ながら思ってしまいました。

今作で国葬に反対している様子が出てくるのは東京(落合恵子さんが映っていた)、
と沖縄(辺野古移設反対活動団体の方々)だけで、他の地域は無関心の人が
多かった印象でした。

安倍さんの選挙区である山口県(下関)でも、地元の一部の人には安倍政権は
よかったのではないか、というあっさりした反応の方もいて驚いたのですが、
若い方でも安倍さんの功績として日米安保強化を挙げている人がいて驚きました。

私自身、2012年の夏に新卒から働いていた会社を辞めたのですが、
社員持ち株会で保有していた会社の株式を(当時は民主党政権)どうせ上がらないだろう、
と成り行き売りしたその数か月後、自民党政権にかわったんですよね。
3本の矢とかいってたアベノミクスへの期待で株価があっと言う間に爆上がり、
損切りした株(平均買付単価のほぼ半分)が売却価格の2倍まで上がった(笑)時は、
「投資は自己責任」と分かっていたので、売却判断した自分に責任があると認識しつつ、
自民党が与党になることで国民や海外投資家からの期待が上がっことで、
(日銀の金融緩和もあったんですけどね⇐まだ続いているし)
自分の生活水準も上がっていくのだろうと(当時ぷーたろーだったのに)思いました。
でも、その後どうなったの、というと、コロナ禍という非常事態ではあったものの、
増税に加えて社会保険料も上がり、おまけにインフレの追い打ち、
今の岸田さんもZ務省のいいなりか、海外にほいほい景気よくお金をばら撒いて、
日本にやってくる外国人には手厚く、日本国民には冷たいなあと思うばかり。

昨今、SNSで「増税メガネ」とか「バラまきメガネ」とか言われて、
ご本人が憤慨しているそうですが、「聞く耳」ってなんだろう?と疑問符だらけ。
異次元の少子化だって今に始まったことではないし、安心して子育てできる環境に
なっていないから子供をつくらない人が増えていることに気づけないんだろうか、
(息子もおバカすぎてびっくりしたし⇐世襲禁止にすればいいと思っています)、
色々なことで政治家のやっていることのずれ加減にイラっとしています。

静岡の清水市ではちょうど国葬の直前に浸水被害で多くの住民が浸水した家から
土砂などを運び出して大変な時期、地元の高校生がボランティアで手伝っている
様子が映し出されていました。
3年前に家を建て直したという高齢の女性だけでなく、被害にあった住民の方々が
国葬をやるお金があるならこういう災害支援に税金を使ってほしい、という言葉に
本当に困っている国民に手を差し伸べるのが政治家の仕事ではないのか、と
改めて思ったわけですが、自分たちのプライド(と自分の選挙区)を優先して
いる政治家が多いように思えて仕方ありませんでした。

安倍さんがああいう形でお亡くなりになっていなくても(ご病気とか)
国葬をやっていたのかな、といえば、そうではなかったように思えますし、
亡くなった後、物凄い勢いで国葬を決定してしまい、国民も当然賛同すると思ったら
反対意見が半数以上で、でも挙げた拳をおろせなくて(半ば意地)実行した、
そのように見えたのですが、今作のインタビューの中で一番印象的だったのは、
沖縄で(辺野古基地建設現場近く?)カフェを営む中年女性の言葉でした。
国葬反対と騒いでいても終わって1週間も経てばおとなしくなって自分の生活に戻る、
その繰り返しではないかという言葉に、喉元過ぎれば熱さを忘れる的な感覚の
日本人が多いのだろうけれど、自分の気持ちを投票権に反映させればもうちょっと
良い日本になるのではないかな、と改めて思った「国葬の日」でありました。






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映画「クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男」を観る [映画(か行)]

好きな監督の1人、クエンティン・タランティーノのドキュメンタリー、
これは観ないと!とヒューマントラストシネマ渋谷まで足を運びました。
タランティーノ.jpg
内容は映画.comさんより。

奇才クエンティン・タランティーノの素顔を、
彼の作品の出演俳優たちが明かしたドキュメンタリー。
唯一無二の作風で世界中の映画ファンに支持され、
長編10作目を完成させたら映画監督を引退すると公言しているタランティーノ。
監督デビュー作「レザボア・ドッグス」から8作目の「ヘイトフル・エイト」までに
出演したサミュエル・L・ジャクソン、ジェイミー・フォックス、
ダイアン・クルーガーら俳優やスタッフたちが登場し、「レザボア・ドッグス」の
伝説の耳切りシーン誕生秘話、「パルプ・フィクション」のキャスティングの裏側、
「キル・ビル」撮影現場で起きた事故の真相、そして盟友ティム・ロスが明かす
引退後の計画など、驚きのエピソードの数々がタブーなしで語られる。


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改めて1作目からクエンティン・タランティーノ(QT)監督作品を観たくなりました。

ナチュラル・ボーン・キラーズ 特別版 [DVD]

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  • 発売日: 2011/10/05
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トゥルー・ロマンス ディレクターズカット版 ブルーレイ(初回限定生産/2枚組) [Blu-ray]

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  • 発売日: 2014/12/13
  • メディア: Blu-ray
レンタルビデオ店で働きながらたくさんの映画を浴びるほど見たQT、
上の2作品の脚本を書いたものの映画化するには資金がなく、
映画化を断念して売ってしまったため自分で監督することがなかった、、、
という話は知っていましたが、この2作品も面白い話だったのでQT監督だったら
どうだったのだろう、という興味は未だにあります。(多分実現しないと思いますが)

この後、脚本を売って得た資金と脚本を読んで気に入ったハ―ヴェイ・カイテルが
資金援助しやっとQTが監督した映画が、
この作品ですが、今回のドキュメンタリーを観てブロンド(マイケル・マドセン)が
踊る場面や警官の●を削ぎ落す場面(⇐かなり怖い)の裏話、
ブロンドの名前がヴィック・ベガで、
パルプ・フィクション [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: パラマウント
  • 発売日: 2021/05/21
  • メディア: Blu-ray
次に監督されたこの映画に登場するヴィンセント・ベガとは兄弟という設定や、
他にも登場する人物が作品を越えてなにかしらつながりがあるという話を知ると
全部見直してつなげていきたい衝動にかられました。
ジャッキー・ブラウン [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2012/02/08
  • メディア: DVD
3作目、興行的には不発だったかもしれませんが私は好きな作品です。
パルプフィクションに出演したのに編集でカットされてしまったパム・グリアを
今作で主役に据えてつくっていますが、女性の強さを描いていて見てスッキリ、
この作品で主人公が着るスーツが前作と次作にも登場するトリビアなども
個人的には面白いポイントです。

キル・ビル Vol.1 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ / ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2004/04/16
  • メディア: DVD
キル・ビル Vol.2 [DVD]

キル・ビル Vol.2 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ / ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2004/10/08
  • メディア: DVD
梶芽衣子主演の「修羅雪姫」へのオマージュも含まれた作品、
ありえない展開が逆に痛快で、QTの描く世界に惹きこまれました。

デス・プルーフ プレミアム・エディション [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2008/02/22
  • メディア: DVD
実は唯一未見のQT映画ですが、カート・ラッセルやスタントのゾーイ・ベルの
インタビューを観るとこれは観ねば、と思っています。
(なぜこれだけ観ていないのか自分でもよく分かりません)

イングロリアス・バスターズ [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
  • 発売日: 2012/04/13
  • メディア: Blu-ray
続くこの作品では大爆笑したのですが、ブラピ以外の登場人物も今見ると
面白いキャラクターが多く、やはりこれも見直したいと思っています。
今回のドキュメンタリーで気づいてびっくりしたのですが、
かなり若い頃のレア・セドゥが冒頭の場面で登場していて、その後多くの映画で
活躍されているのを観ると、映画館で観た時に気づかないものにあとで気づく、
そんなこともあるのだなあと思いました。

ジャンゴ 繋がれざる者 [AmazonDVDコレクション]

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2015/12/25
  • メディア: DVD
あり得ないと思いつつ痛快な作品でした。
レオ様がQT作品に初登場したのが今作ですがその存在感は凄かった、
QT作品常連のサミュエル・L・ジャクソンの破壊力満点の演技も印象的でした。

ヘイトフル・エイト [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • 発売日: 2018/03/02
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3時間と長いのでちょっと眠くなってしまった作品(笑)ですが、
ここでもサミュエル・L・ジャクソンの存在感が大きい印象でした。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2020/01/29
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今回のドキュメンタリーにQT自身のインタビューはなく(撮影風景はあります)、
映画に出演した俳優やスタッフ、かつての同居人など関連する人たちが語るQT、
1作目に出演した俳優を大切にしている様子などは情に熱い人なんだなあと思いますが、
(マイケル・マドセンの代わりにパルプフィクションに出演して低迷から復活した
 ジョン・トラヴォルタが出演していなかったのはちょっと残念)
スタント不在時の事故で後遺症を負ったユマ・サーマンのエピソードについては
初めて知ったことで驚きました。

また、作品でつながる登場人物(の先祖や子孫)、影響を受けた映画の数々に対する
敬意として何かしらつなげて描く演出、「レッドアップル」など架空のタバコを
映画の様々な場面で登場させるなどの遊び心も興味深く思えました。

一方、QTをずっとサポートしてきたのがMeeToo運動のきっかけになった
ハーヴェイ・ワインスタイン、ユマ・サーマンの事故の時は証拠映像の提出を
阻止するなど女優に対するハラスメント以外にも嫌なことをやっていたのだな、
と今回のドキュメンタリーで知りましたが、長年にわたって横行していた暴挙、
QTも知っていたのではないか(全く知らなかったということはないと思う)
そんな疑念も沸きました。
10本監督したら引退と公言しているQT、あと1本で引退かあ、と思うと寂しいものの、
これまでの作品でポリコレなんてなんのその(ニガーというセリフが普通に出てくる)
本当の意味で黒人などの人種差別、女性差別に向き合って作品を作ってきた人だからこそ
ワインスタインと決別したことで描ける内容もあるのではないかと期待しつつ、
10本目の映画が完成したら必ず初日に観に行く!と思った、
「クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男」でありました。





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映画「君たちはどう生きるか」を観る [映画(か行)]

観るつもりはなかったのですが(ジブリファンではないし)
現在リハビリでお世話になっている理学療法士の先生とこの映画の話になって
折角だからと観に行くことになりました。
君たち.jpg
内容については映画.comさんより。

宮崎駿監督が「風立ちぬ」以来10年ぶりに手がける長編アニメーション作品。
「千と千尋の神隠し」で当時の国内最高興行収入記録を樹立し、
ベルリン国際映画祭でアニメーション作品で初となる金熊賞、ならびに
米アカデミー賞では長編アニメーション賞を受賞。
同作のほかにも「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」「ハウルの動く城」など
スタジオジブリで数々の名作を世に送り出し、名実ともに日本を代表する映画監督の宮崎駿。
2013年公開の「風立ちぬ」を最後に長編作品から退くことを表明した同監督が、引退を
撤回して挑んだ長編作品。宮崎監督が原作・脚本も務めたオリジナルストーリーとなり、
タイトルは、宮崎監督が少年時代に読み、感動したという吉野源三郎の著書「君たちは
どう生きるか」から借りたものとなっている。

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少年の成長譚を中心に描いた映画に見えましたが、
宣伝もなく(予告編もなし)見る人それぞれが感じるものがあればよいのかな、
と思うような映画でした。
(製作側が情報を敢えて出さないことで鑑賞する側が考えるように、という
 映画にも思えました)

私自身、ジブリ作品といえばトトロと千と千尋くらいしか見たことがないので
金曜ロードショーで放送されるときのTwitter(今はXでしたっけ)を観ると、
バルス!とかみんなで叫んでいる輪の中に入れないわけですが(笑)
ジブリの大ファンであれば期待値が高まっての鑑賞になって残念に思う人が
いるかもしれませんね。
その点、私は期待値が高くない(しかも事前知識ゼロ)状態で鑑賞したので、
第二次世界大戦の戦時下(⇐冒頭は東京大空襲のように見えたので)で
地方に引っ越した少年の目を通してみる世界を体験させてもらったような心持で
観終わりました。

東京大空襲で入院していた母を亡くした少年マヒト、その数年後に母の妹のいる場所へ
引っ越し、父は母の妹と再婚する、戦闘機の部品を作る工場を経営する父のお陰で
家は裕福のように見えますが、所謂叔母が突如母となり、しかも妹か弟か、
新たな母のお腹の中に命を宿している、それだけでも現実を受け入れるのが大変だと
思いますが、空気を読めない父が自信満々に車でマヒトを学校に送ったことから
同級生になじむことができず逆にいじめられてしまう、家に帰っても新たな母とは
かみ合わず、父は仕事で遅くまでかえって来ない、学校にも行きたくない、
親の愛情を求める年頃のマヒトに何が起きるのかと思うと、そこにアオサギが現れ、
導かれるように不思議な塔に行くことで物語が思わぬ方向に展開していきました。

異なる時空にいる母、新たな家で出会った老婆キリコと途中で出会いますが、
2人とも若い、特にこの2人との出会いによってマヒトが強くなっていく様子は
観ていて微笑ましい気持ちになりました。

ジブリ作品が好きな方にはマヒトが出会う様々な場面が他作品へのオマージュに
なっているらしいので楽しめる場面が多いのかと思いますがそれが分からない私にも
たくさん出てくる生き物(カエルとか鯉とかインコとか)の描き方や、
マヒトが開けようとする窓のたてつけが悪く開けづらいような動きが見える場面など、
宮崎駿ならではアニメーションの動き(と思える)が私にも楽しめました。

エンドロールを観ていて思ったのは通常アニメーターの名前が大量に投影されるのですが、
今作は大手アニメスタジオ(スタジオカラーや4℃など)が多くクレジットされていて
ジブリ作品に映鏡を受けたアニメーターさんたちが協力を惜しまないことを改めて
感じることができました。

声優については、アオサギ(菅田将暉)、インコ大王(國村隼)、キリコ(柴咲コウ)、
この3人は特によかったと思ったのですが、父を担当したキムタクだけはダメでした。
(何を演じてもキムタク、って感じでちょっと苦手だったりします)

と、ジブリファンでもない私がマヒトの成長を途中ハラハラしながらも見守りながら
鑑賞して、細かいところで気づかない部分も多々あると思いますが、ざっくり鑑賞でも
充分楽しめた「君たちはどう生きるか」でありました。






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映画「告白、あるいは完全な弁護」を観る [映画(か行)]

久しぶりに銀座スイッチに行ってみた韓国映画です。
告白.jfif
あらすじはYahoo!映画さんより。

IT企業の社長ユ・ミンホ(ソ・ジソブ)の不倫相手であるキム・セヒ(ナナ)が、
ホテルの密室で不審死を遂げる。
彼女の殺害容疑をかけられたミンホは身の潔白を証明するため、
すご腕の弁護士ヤン・シネ(キム・ユンジン)を雇って事件の真相解明に乗り出す。
彼は事件前日に起きた交通事故がセヒ殺害に関わっているかもしれないと告白し、
事件の再検証が始まる。
そんなとき、突如現れた目撃者の存在によって事態は思わぬ方向へと向かう。


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もう、ドキドキしっぱなし。

ミステリーとかサスペンスもテレビの2時間ものなら全然ドキドキしないのですが(笑)
今作は殺人容疑をかけられたIT企業社長のユ・ミンホと弁護士のヤン・シネとの
会話が常に緊迫感たっぷりで、ユ・ミンホの告白から回想シーンのように映し出されると
それに対してヤン・シネが「もし、~だったら?」と畳みかねて、今度は全く違う展開が
映し出される、というのがずっと続くので、見ている私にしてみれば、
え、どれが本当なの?次々と変わる場面に少々困惑しながらも自分でも結末を想像し
答え合わせのように見続けました。

各々の立ち位置と場面が変わる度に、ユ・ミンホや不倫相手のキム・セヒがいい人に
見えたり悪い人に見えたりしたりでおそらく監督の思うツボにはまっていた私ですが、
先入観って怖いものだな、と今回の作品でも自分の見方が二転三転してしまったことを
反省してしまったというか、日常生活では先入観を持たないように本当に気を付けないと
いけないな、という気持になりました。

原題は「告白」ですが、敢えて邦題に「あるいは完全な弁護」がついているのも
見ていると分かりますが、ユ・ミンホとヤン・シネの駆け引きの中で、
弁護士による完全な弁護、という意味と、容疑者であるユ・ミンホ自身による
自分を完全に弁護しようとするような意味にも思えました。

ヤン・シネを演じたキム・ユンジンの演技がとにかく素晴らしくて
どこかで見たことがあるような気がしていたら、


シュリ [DVD]

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  • 出版社/メーカー: カルチュア・パブリッシャーズ
  • 発売日: 2006/06/23
  • メディア: DVD
私が人生で2番目にみた韓国映画で北朝鮮の工作員イ・ミョンホンを演じ、

国際市場で逢いましょう [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: 株式会社ツイン
  • 発売日: 2020/04/29
  • メディア: Blu-ray
韓国人の知り合いに昔聞いた話と重ね合わせてみた映画の中で
主人公ドクスと恋に落ち、ともに厳しい人生を歩むヨンジャを演じていましたが、
今作はまたこれらとは全く違う役柄を好演されていました。

今作は全く事前予習なく、シネスイッチ銀座で時間調整のために入って観たのですが
展開の読めなさにドキドキし、おそらく見落としてしまった箇所も多いと思われるので
おさらい的に(結末を知った上で)もう一度見てみたいと思った上質のサスペンス、
「告白、あるいは完全な弁護」でありました。



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映画「キャメラを止めるな!」を観る [映画(か行)]

映画館で見そびれた映画、Amazonプライムで鑑賞しました。
キャメラを止めるな! [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • 発売日: 2022/12/02
  • メディア: DVD
あらすじはYahoo!映画さんより。

日本で大ヒットしたゾンビ映画がフランスでリメイクされることになり、
ワンカット撮影で30分間の生放送を依頼されたフランス人監督(ロマン・デュリス)。
撮影には監督を志しているが空気の読めない彼の娘、
熱中すると現実とフィクションの区別がつかなくなる妻(ベレニス・ベジョ)も加わり、
現場は大混乱に陥ってしまう。
問題続出の製作チームは、全く話のかみ合わない日本人プロデューサー(竹原芳子)と
ぶつかり合いながら撮影に奮闘する。


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映画館で観なくてよかったかもー。

リメイクというのはどうしてもオリジナルと比べてしまうので、
よほどのことがないとオリジナル越えしないような気がするのですが、
コーダ あいのうた [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • 発売日: 2022/09/02
  • メディア: Blu-ray
↑これはオリジナルよりよかったと思えたリメイク版。

今作もリメイクで比較的オリジナルに忠実に作っているものの、
オリジナルにあった「低予算でチープだけれど工夫していて面白い」感が薄く、
おまけに、オリジナルを見て展開が分かっているので、
中盤からのワンカット撮影の内幕みたいな映像も驚きがマイルドになってしまった、
そんな感じで観終わりました。

アーティスト [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • 発売日: 2018/03/02
  • メディア: DVD
監督はこの作品を手掛けたミシェル・アザナヴィシウス、
タイピスト! [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • 発売日: 2019/10/02
  • メディア: Blu-ray
映画の中の監督役と奥さん役の2人(ロマン・デュリス、ベレニス・ベジョ)は
私も観たことのある↑の映画に出ていたりかなり豪華らしいのですが、
なんだかそんなオーラが出ているようで少々違和感がありました。

リメイクで面白かったのはフランス人なのに撮影している映画の役名が日本名、
なんでだろう、と思ったらその理由が後半分かるというところくらいかな、
というのが正直なところで、監督と娘が理解し合う場面も弱めだったのが残念。
プロデューサーを演じたどんぐりさん(現在の芸名は竹原芳子さん)も
笑えるような笑えないような、どちらかといえば通訳役の人の方が面白い、
せっかくオリジナルの出演者が登場しても活かしきれていないような感じ。

カメラを止めるな! [DVD]

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  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2018/12/05
  • メディア: DVD
と、見終わってもやっとしたのでオリジナルを改めて観ました。

やっぱりオリジナルの方が中盤からのネタ晴らしが分かっていても面白い!
このあたりは日本人的なものを求めた結果なのかもしれませんが、
オリジナルに軍配をあげてしまった「キャメラを止めるな!」でありました。







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映画「こころの通訳者たち」を観る [映画(か行)]

5年前のオープンからたまに通っている田端のミニシアターChupkiさんが
製作に携わった映画(先行上映)をChupkiさんまで観に行きました。
こころの通訳者たち.jpg

(映画のホームページ)https://cocorono-movie.com/

あらすじはYahoo!映画さんより。

上映する全ての映画に音声ガイドと字幕を付ける、
日本で初めてのユニバーサルシアター「シネマ・チュプキ・タバタ」。
代表の平塚千穂子氏のもとに、舞台手話通訳者の活動を記録した
『ようこそ 舞台手話通訳の世界へ』に目の不自由な人のための音声ガイドを
つけたいという相談が舞い込む。
集まった舞台手話通訳者や目の不自由な人たちが、音声ガイド作りのための
アイデアを出し合う。



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諦めず、妥協せずに作り上げていく姿、見習わないといけないな、と思いました。


短編ドキュメンタリー「ようこそ舞台手話通訳の世界へ」に音声ガイドを付ける、
というドキュメンタリー映画なのですが、聴覚障碍者のために舞台のセリフを
舞台手話通訳者3人が同じ舞台に立って手話通訳する、その手話通訳の部分を
今度は、視覚障碍者が聴く音声ガイドにする、という複雑な作業です。

舞台のセリフ⇒手話通訳⇒音声ガイドへ変換

もともとあったセリフを手話通訳にしてそれを音声ガイドにする、
一体どうなるんだろう、どうやって手話を音声ガイドで表現するんだろう、
皆目想像つかないまま観ていると、Chupkiの代表、平塚さんを中心に
何度も議論を繰り返しよりよりものを作っていこうとする過程で、
手話の奥深さを知ることになります。

舞台手話通訳を担当した3人(加藤さん、水野さん、高田さん)、
視覚障碍者で音声ガイドについてレビューする難波さん、石井さん、白井さん、
ナレーション担当の彩木さん、手話についてアドバイスする廣川さんなどなど、
通常の音声ガイドにはセリフにセリフをかぶせないことが鉄則であるのに、
今作では舞台で流れるセリフに舞台手話通訳者の訳している内容(言葉)を
ナレーションでかぶせていく、そこに平塚さんが舞台手話通訳者の動きを
合わせて伝えることで音声ガイドが完成するまで、
聴覚障碍者側の意見(手話の歴史なども交えて)、視覚障碍者の意見、
そこに平塚さんの意見を時にぶつけあいながら作り上げていく姿、
最後の完成した音声ガイド、エンドロールに流れる白井さんの歌、
(石井さんのラップも素晴らしかった)
観終わった後、場内から拍手が湧き上がる素晴らしい作品でした。

私自身、手話について知識がなさすぎたのですが、舞台手話通訳の場合、
セリフ全部を通訳するのではなく、肝となる言葉を手で通訳しながら、
あとは表情で表現するということ、実際、手話自体、顔の表現がとても大事だと
いうことを知りました。

一方、視覚障碍者は視覚の部分を聴覚、嗅覚などの感覚で補っていくこと、
成人してから視力を失った難波さん(失ってから合気道を学んでいる)、
突然視力を失った石井さん(風を感じながら海でぱどリングを楽しんだり)、
特に響いたのは、難波さんの言葉だったのですが、視力を失ったことで
出来なくなったことを嘆くのではなく、視力を失って入院していたベッドの上から、
何ができるようになったのか考えるようにした、という言葉でした。
私自身が骨折してできなくなったことが多く、まだできないというか元に戻らない
ことが多いのを鬱々思っていたところでこの言葉を聞いて、そうやって思えば
骨折した時よりもできることは増えているし、という心持になりました。
(でももっとリハビリ頑張らないといけないなという気にもなりました)

バリアフリーシアターとしてオープンしてから5年のChupkiさん、
今回の映画製作に関連してクラウドファンディングに参加しましたが、
鑑賞した日、帯広から映画を観に上京された視覚障碍者の男性が
映画に感激したとおっしゃっていたを間近に聞いて私も感激したのですが、
本当の意味でのバリアフリーの輪がどんどん大きくなっていく中で、
私も微力ながらでもサポートしていきたいと思ったChupkiさん、
自分と違う環境にいる方を理解するきっかけを与えていただいたことに感謝の
「こころの通訳者たち」でありました。

※都内では新宿のK'sシネマさんでも上映予定です。
 上映館がもっと増えていくことを願っています。(^-^)


















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映画「川っぺりムコリッタ」を観る [映画(か行)]

予習なし、不思議なタイトルというだけでみた映画です。
川っぺり.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

できるだけ人と関わらずに生きたいと思い、北陸の小さな街にある塩辛工場で
働くことにした青年・山田(松山ケンイチ)。
工場の社長からハイツムコリッタという古い安アパートを紹介されて住み始めた彼は、
風呂上がりに飲む冷えた牛乳をささやかな楽しみにする静かな毎日を送る。
そんな中、隣人の島田(ムロツヨシ)が風呂を貸してほしいと部屋に上がりこんでくる。
それを機に島田との間に友情のような感情が芽生え、ほかの住人とも触れ合うように
なるが、北陸にやってきた理由を島田に知られてしまう。
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知久さん!

(映画自体の感想そこじゃない(笑))

話自体、ほんわかしているといえばしていますし、クスっと笑う場面もありますが
コメディではなく意外と深くて、どこか暗さもあり、でも明るさもある、
不思議な映画でした。

山田(松山ケンイチ)が就職する富山のイカ塩辛工場の社長(緒方直人)が
がんばって更生、みたいなことを冒頭で言うので、予習していなくても、
山田は出所したてなのかな、と山田の置かれている立場(社会に戻って不安定)が
分かります。

仕事はなんとか続けるけれど周りに自分の前科がばれて、、どうなるのかな、
と想像しながら見続けているのですが、同僚(江口のりこ)は最初から知っていて
おそらくアパート「ムコリッタ」の大家(満島ひかり)もなんとなくわかっていて、
ビックリするのは隣人の島田(個性的なムロツヨシ)、そこで何かが大崩れする、
ということもなく、そんな山田の置かれた立場(幼いころ別れた父の死も含めて)を
みんながそっとふんわり優しく(お仕着せとかわざとらしい感じではなく)包む、
そんな映画だと思いました。

知久さんに気づいたのは比較的前半、山田が川っぺりを歩いていると、
高架下に住んでいるホームレスの1人が、アパートの住人(吉岡秀隆)の息子が
粗大ごみの山(赤電話、ピンク電話、黒電話などなどレトロなゴミが大量)の上で
ピアニカを演奏しているときに一緒にギターを演奏する、という場面が出てきて、
ギターの構え方、弾いているメロディ、ニット帽かぶっているけれどこのシルエット、
知久さんみたいだなあ、と思ったら、気になって気になってものすごく気になって、
松山ケンイチはこの先不幸になることはないだろうし(勝手にきめつけている)
ムロツヨシもいい人そうだから悲しい結末にはなるわけないだろうし、
じゃあ、このホームレスが知久さんかどうか、完全にここがメインの鑑賞目的に
なっている自分がおりました。(良い子は真似しない方がいいです)

知久さんが登場しないので、でも、明らかに音楽は知久さんが担当している、
(ピアニカもつかってどこか悲し気で、でも楽しそうな独特のメロディ)
確証ないまま確信して、あとはエンドロールをガン見しよう、と思っていたら、
本筋でも(⇐本当はここが一番大事なんですが)、松山ケンイチだけでなく、
ムロツヨシも大家役の満島ひかりもみんな色々と辛い経験をもっていて、
辛いのは自分だけではないのだ、という励ましをもらったところでエンドロール、
知久さんのお名前をかなり早いところで発見してホッとしました。
(勘違いじゃなかったという安堵)

知久さん、平成初めのころにイカ天に登場した「たま」が解散した後は、
パスカルズというグループで活動されているそうですが、
今作の映画も全面的にパスカルズが担当されていて、
映画で描かれている世界観(富山の射水市の風景も)音楽と非常に合っているのを
感じて穏やかな気持ちで観終わりました。

タイトルのムコリッタとは、仏教用語で1日を30で割った48分を意味するそうで、
物事が変化する時間、生と死の間にある時間として描く意味でタイトルに使われた、
ということのようです。
刹那というのは同じ仏教用語で時間の一番短い単位と今回知りましたが、
2年前に亡くなったアパートの住人のおばちゃん(岡本さん)が刹那、ムコリッタと
よく口にしていたというエピソードも絡めつつ、どこか不思議な語感の言葉を
私も観終わった後は思わず口にしていました。

山田は幼いころ分かれた父の死、島田は息子の死、大家の南も夫の死、それぞれが
抱える身内の死についても描かれていますが、 亡くなった岡本さんが現れて
山田も話しかけられて、その話を聞いた南が羨ましがるという場面が
ちょっとファンタジーというかおどろおどろしくないというか、各々抱える悲しみは
感じましたがそこにどっぷりはいってしまう、ということもなく描かれていたのは
観ている側には他の話題にも入り込めてよかったと思います。

映画を観ていると自然の大らかさと脅威(大雨による川の氾濫)、
人を信じることの大切さ(登場する方々は皆さんクセがあるのですが)を
美味しそうな風景(イカの塩辛とすき焼きが鑑賞後むしょうに食べたくなった)と
絡めながら描いているのを感じました。

鑑賞後に知ったのですが、監督の萩上直子さん、
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この監督さんと知り、今作がすっと自分に入ってきたのは荻上監督作品だから、
と思わず納得してしまいました。
私がみた上記作品よりはクスっと笑う部分が少なめ(控えめ)かもしれませんが、
男性を主役に据えるとこういう感じになるんだなあと思いつつ、自分の命を大切に
無理に多くを求めることなく日々感謝の気持ちで過ごしていければいいな、と
思った(知久さんに気をとられた割にちゃんと見ています(笑))、
「川っぺりムコリッタ」でありました。


(知久さん!)




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映画「こどもかいぎ」を観る [映画(か行)]

久しぶりにシネスイッチ銀座まで行ってみた映画です。
こどもかいぎ.jpg

あらすじはYahoo!映画さんより。

保育園に通う子供たちが「こどもかいぎ」を開き、あらゆるテーマで意見を交換する。
「どうして生まれてきたんだろう?」「話し合えばいいのに、どうして戦争するの?」
などのテーマなどが次々と飛び出す中、彼らは一生懸命自分の言葉で話そうとする。
意見の食い違いからときにはけんかしながらも、子供たちは対話によって多くのことを
学んでいく。


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素直な気持ちで話し合うことが大事。

小さい時は思ったことははっきり言っていたのに大きくなるにつれて
遠慮したり忖度したり、はっきり言わずに物事をやりすごそうとする、
特に政治家、古い体質の会社、私も意外とそんな感じかもしれないし、
大人もこの映画を観て対話することの大切さを改めて感じるべきと思いました。

撮影に登場する保育園、様々な場面で様々な事件が起きます。

お昼ごはん中、ふざけていてお味噌汁をこぼしてアクロバティックに転ぶ男子、
(トッキ―という名前が表示されてましたがお茶目で面白い子でした)
突然の出来事に泣き叫ぶのですが、保育士はすぐ手を差し伸べず、
トッキ―と一緒にこぼれた食器などをどうするか考えてトッキーが自発的に
行動するよう促します。

外の庭で三輪車を貸してくれないと怒る女子、そんなときも保育士の先生は
貸してくれるよう他の子に話しかけるわけではなく、怒る女子と一緒に座って
誰か貸してくれないかなあ、とつぶやくのみ、と、貸してくれる子がいて
ずっと待っていた女子も嬉しそうに三輪車を漕いで庭をぐるぐる回るのですが、
何週かすると待っている子に貸してあげます。
(自分が待ち続ける子の気持ちが分かるので)

段ボールで作った秘密基地で遊ぶ男子を他の男子がおもちゃの剣でたたく場面、
なぜそうなるのか分からず、保育士が2人をピーステーブル(対話させる場)に
連れていくと、秘密基地が壊れる心配をして乱暴になってしまったことが分かり、
互いを理解します。

このピーステーブル、解決させるためにあるのではなく、互いの意見や気持ちを
聞くために使われますが、完ぺきな解決に至らずとも座って対面して対話する、
小さいころから対話することを学ぶよい機会になっていると思います。

映画のタイトルにもなっているこどもかいぎ、保育士の先生がファシリテーターと
なって色々なテーマで話し合うのですが、円になって座っていることがまず大変、
集中力が続かない子供たち、自分が話しているのに遮られたり聞いてもらえないと
泣いてしまう男子もいたりするのですが(この子の話が又長い(笑))
さやかちゃんという女子が最初ファシリテーターのかっきー先生に話しかけられても
答えることができずもじもじしていたのが、定期的に開かれるこどもかいぎを通じて
他の子どもたちやかっきー先生への信頼が増えていくにつれ心を開いて自ら話すように
なっていくのを見て、まるでおばあちゃんの気分でうるっとしたのは私です。

かっきー先生も子供の時に突拍子もない発想も基本的には受け入れて他の子供たちに
意見を聞く、交通整理をスムーズに行いながら子供たちが自由に発言する場を作る、
子供だからと思っていても意外と色々考えていること(仲間内の問題など)、
遠い遠い昔の自分の幼いころはどうだったんだろう、、、そんな気持ちで画面越しに
子供たちの発言、対話を時に笑い時にウルルしながら見ていました。

上映後、監督の豪田トモさんが舞台挨拶される幸運に恵まれましたが、
海外に行くときちんとしっかり自分の意見が言える、対話することになれている、
それに反して日本人は苦手なのは国民性なのだろうと思っていたら、
カナダ、スウェーデン、フィンランドなどの学校で生徒たちが対話しているのを見て
場数の問題なんだと気づいたそうです。
そこで子供の対話について映画を作ろうと企画し、撮影に協力してくれる保育園を
探すのに1年、半年間保育園に通って一緒に遊んだりしながら信頼を得るようにして
撮影して編集もほぼ完成、劇場公開、と思ったところでコロナ禍で映画館休業。
このままお蔵入りさせるか(家1軒分くらいの製作費を使ったそうです)
と思っていたところで、小学校6年生の長女が分散登校でオンラインで昼食を
とっている風景を見て子供の方が大人の言うことを聞いて優秀ではないか、
色々なイベントが中止になり、黙食も言われた通りに行っている、
でも、この子供たち、本当は言いたいことが絶対あるはずで、それを大人はきちんと
聞けているのか、こんな今だからこそ赤字でもいいから映画を上映しよう、と
クラウドファンディングを行い劇場公開にこぎつけたそうです。

子供の発言力や対話力を伸ばす大事なことは3つ。
多様性、共感性、自己肯定感、これらで子供の可能性を伸ばしていくことができる、
今抱える問題を解決する力やSOSを発信する力、未来を作る力がはぐくまれていく、
という説明に、私も小さい頃、こういう場があれば、もっといいたいことをきちんと
相手に伝えることができたのではないかと、過去のコミュニケーション力不足で
揉めたり喧嘩したりしたことを思い出しました。

子供の言ったことだから、と上から目線で見るのではなく、
同じ目線で聞いたり共感することも大事なんでしょうね。

エンドロールで撮影から4年経ったこどもかいぎメンバーの現在が映し出されますが、
どの子たちも活き活きとした表情で自分の気持ちを語っているのを見て、
日本もこういう取り組み(政府にも監督を含めたメンバーで働きかけているそうです)で
はっきり答えずもやもやしたことばかりいう政治家がいなくなっていくのでは、
そんな期待も抱いた「こどもかいぎ」でありました。







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映画「グレムリン」「グレムリン2」を観る [映画(か行)]

グレムリン、公開当時、映画館で観たことを思い出しながら
改めて続編と併せて鑑賞しました。
グレムリン [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2015/07/17
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グレムリン2-新・種・誕・生- [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2012/07/11
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あらすじはYahoo!映画さんより。

(1)チャイナタウンの骨董屋で発明家ペルツァーが手に入れた不思議な動物モグワイ。
彼はそれを息子ビリーへクリスマス・プレゼントとして贈るが、モグワイには、
水に濡らさないこと、太陽光線に当てないこと、真夜中すぎにエサを与えないことの
三つの誓いが必要だった。だが、この誓いが破られた時、可愛いモグワイは恐るべき凶悪な
怪物グレムリンへと増殖していく。かくして平和な田舎町キングストン・フォールズは
悪夢のクリスマスを迎えることになるのだ。

(2)前作の主人公ビリーと恋人ケイトは二人そろってニューヨークで新生活を送っていた。
大富豪クランプの所有するクランプ・センターがその働き口だったが、ビリーはそこで、
チャイナタウン再開発のために発見されたモグワイと再会する。
しかしまたしても偶然と失敗が折り重なってモグワイの体からグレムリンが発生、
しかも今度はセンターの研究所で開発中のバイオ・テクノロジーと融合、
新種のグレムリンが大量発生してしまうのだ。


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続編要らなかったかも。(笑)

1作目は映画館で観てパンフレットも買ったのですが、2作目は記憶がないので
おそらく映画館で見ていなかったと思われ、冒頭、NYが舞台になったんだ、
と思ったら登場した、

ダニエル・クランプ

金髪の不動産&メディア王で登場するおじさんの姿を見て、本人よく許可したな、と
思ってしまいました。(最後にいい人になるからかもしれないけれど)

1作目は、チャイナタウンで買ったギズモが禁止事項を破ってしまったビリーのせいで
グレムリン(小悪魔の意味だと今回初めて知りました)に変身、その後は、
家の中だけでなく町中にグレムリンが溢れて(水かけたせいで大量増殖)
町中大パニックになるのをビリーとケイト(フィービー・ケイツが超可愛い)が
中心になってやっつける、というめでたしな終わり方ですが、
今回映画を観て、ケイトがクリスマスになると思い出す悲しい思い出(お父さんが
サンタに扮して自宅の煙突に入って亡くなってしまったエピソード)、全然覚えて
いなかったことに気づきました。

ケイトに比べて能天気でちょっとバカっぽいビリーが引き起こした大パニックも
落ち着いてめでたしだったはずが続編ではチャイナタウンに戻ったはずのギズモが
ギズモを育てていた中国人のおじいさんが亡くなってから捕らえられて
クランプさんのビルに入る研究所に運ばれてしまう、そこでグレムリンが増殖して
NY大パニック、というスケール感というかレベル感がアップするのが逆にやりすぎの
感じがしてしまいました。

電子レンジやシュレッダーでグレムリンをやっつける場面は不快感もあったりして、
CGで出来ることを色々と映像化したかったのかな、という気もするのですが、
(ギズモがランボーに扮する場面もやりすぎな気がしました)
個人的にはクランプさん(偽物)とハルク・ホーガン(本物)が出てきたのが
ツボでしたが、ギズモが捕らえられている時間が長いのと、やたらとカメラを向ける
日本人(カツジという役名)の描き方がなんだか嫌な感じだったのもあって、
とりあえずパニックがクランプさんのお陰もあって落ち着いたものの、スッキリ感の
ない終わり方でした。

まだグレムリンが残っていそうな雰囲気を漂わせて終わっていたので
ヒットすれば3作目も作る気だったのかなと思ったのですが、これで3作目を作っても
収拾付けられなさそうで作らなくてよかったのではと思ったりしたのですが、
時代とはいえやたらと喫煙シーンがあるのも(業界への配慮なんでしょうかね)
今見ると若干引き気味になってしまい、フィービー・ケイツの可愛さも生かし切れて
いないのも残念で、1作目だけで観るのを止めておいて方がよかったかな、と
思ってしまった「グレムリン」「グレムリン2」でありました。




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映画「君を想い、バスに乗る」を観る [映画(か行)]

大好きなティモシー・スポール主演というだけで
映画館(シネスイッチ銀座)に観に行ってしまった作品です。
君を想い.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

最愛の妻メアリー(フィリス・ローガン)に先立たれた
90歳のトム・ハーパー(ティモシー・スポール)は、
路線バスのフリーパスを使ってイギリス縦断の旅に出る。
長年暮らした家を離れ、妻と出会った思い出の地を目指すトム。
道中さまざまな人たちと出会い、トラブルに巻き込まれるが、
メアリーと交わした約束を胸に旅を続ける。


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1300キロのバス旅。(◎_◎;)

歩いたら(休まず歩き続けたら)268時間の距離です。
(自転車だと82時間、車だと15時間、公共交通機関でも2日⇐Googleマップ調べ)
旅程.JPG
スコットランドの最北端からウェールズまでどうして行かなければならないんだろう、
しかもバス?(年金生活者なので予算がそんなにないのかと思ったのですが)、
そんな気持ちで観始めましたが、トムがバスで南下していく光景とトムとメアリーの
若い頃の光景が交差するように描かれていくので、どうしてトムがランズエンドを
目指すのか、その理由も最終的には分かった状態で最後のゴール場面を観客も観る、
フィクションなのにトムにとっての大事な瞬間を観客も共に分かち合う、
無事たどり着けて良かったねという安堵で映画を観終わりました。

原題は”The Last Bus"。

最後のバスというのはトム自身の人生最後のバス移動(旅)という意味?
なのかと思ったのですが、今回の邦題、そんなに悪くないというか、
トムが妻メアリーのことを想いながらバスで南下していく話なので邦題からも
映画の物語が想像できてよかったかなと思います。

これだけ長距離、しかもトムがおじいちゃん(90歳の設定)なので、
一筋縄ではいかないのは想定していましたが、カバンを盗まれそうになったり、
無料パス(スコットランドのみ有効)でイングランドでは使えないと、
なにもない田舎でトムにバスを降りろと命令する運転手に嫌がらせされたり、
最終バスを寝過ごして真夜中に知らない町に放り出されてしまったり、
ロンドンでイスラム系女性を庇ったら反イスラムみたいな男性に絡まれたり
(そこで怯まずバスを降りろと言うトムはとても強かった)
メアリーとの思い出の宿に行って2人の思い出の部屋を予約したはずが泊まれなかったり、
旅の途中に起きるトラブルや嫌な思い、このままじゃランズエンドに到着できないかも、
と心配になってしまうこともありましたが、一方で、乗っていたバスが故障すると
元自動車整備工だったトムが直す、それを他の乗客がSNSにアップしたところから、
行く先々でトム本人は知らぬままトムの姿がSNSに紹介され、
いつしかバスの英雄(Bus Hero)と呼ばれてSNSで有名人になっていき、
ゴールのランズエンドでは多くの人がトムの到着を待って温かく迎える展開でした。
(迎えた人たちも日常生活で何か物足りなさがある人達なのかもしれませんね)
本人の承諾なしにSNSにアップするのもどうなんだろうと思いましたが、
そのお陰でトムを取り巻く環境が後半は良くなっていくのが現代ですね。

見ている途中まで、病気で先が長くないと思っていたのは妻メアリーでしたが、
癌で余命短いと診断されていたのはトムの方で(怪我が化膿して入院した場面で判明)
元気だったメアリーが先に急逝してしまったことが分かります。
自分の命があとわずか、と理解しているトムが、メアリーが亡くなった後、
2人の思い出(娘のお墓がある)の地にメアリー(のお骨)を連れていかなければ、
という強い決意があったからこ行動につながっていったと思いますが、
その中で、トムが出会う人々で、バス乗り越しで途方に暮れるトムを家に招いた夫婦、
陰湿な運転手に田舎で放り出されたトムを家に連れていくウクライナ移民家族、
バス停で知り合う若い男女グループ(アメイジンググレースを歌うトムがよかった)、
世の中、悪い人もいればいい人もいる、ムカついた後に報われた気持ちでほっとする、
SNSについても良くも悪くも振れ幅が大きい拡散力があるとはいえ、今作については
性善説に基づいて現代のツールとして描かれていた印象でした。
トムが紙の地図に描いたルート(途中、風で飛ばされちゃいますが)が、
SNSの発信地(点)をつないでいくのと同じように思えたという点ではSNSがあったから
この作品に厚みが出たような気がしました。

トムを演じたティモシー・スポール、実際より30歳暗い上の役柄を演じていますが
全く違和感がなく、ティモシー・スポールが演じたからこそのトムのキャラクターは
ちょっと頑固ですが親近感を感じる素敵なおじいちゃんでした。
古いカバン(コロコロではなくトムが若い頃から使っていたようなカバン)を手に
メアリーと一緒にバスで旅していたトム、冒頭だけ音楽が流れていましたが、
それ以降はBGMもなく、静かにイギリスの景色とともにバスが南下していく展開で、
私自身も老いた時、誰かとの約束があるわけではありませんが、こうやって自分の人生を
振り返りながら遠くまで行ってみるのもよいのかな、と自分自身にもあてはめて考えた
「君を想い、バスに乗る」でありました。




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