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映画「こころの通訳者たち」を観る [映画(か行)]

5年前のオープンからたまに通っている田端のミニシアターChupkiさんが
製作に携わった映画(先行上映)をChupkiさんまで観に行きました。
こころの通訳者たち.jpg

(映画のホームページ)https://cocorono-movie.com/

あらすじはYahoo!映画さんより。

上映する全ての映画に音声ガイドと字幕を付ける、
日本で初めてのユニバーサルシアター「シネマ・チュプキ・タバタ」。
代表の平塚千穂子氏のもとに、舞台手話通訳者の活動を記録した
『ようこそ 舞台手話通訳の世界へ』に目の不自由な人のための音声ガイドを
つけたいという相談が舞い込む。
集まった舞台手話通訳者や目の不自由な人たちが、音声ガイド作りのための
アイデアを出し合う。



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諦めず、妥協せずに作り上げていく姿、見習わないといけないな、と思いました。


短編ドキュメンタリー「ようこそ舞台手話通訳の世界へ」に音声ガイドを付ける、
というドキュメンタリー映画なのですが、聴覚障碍者のために舞台のセリフを
舞台手話通訳者3人が同じ舞台に立って手話通訳する、その手話通訳の部分を
今度は、視覚障碍者が聴く音声ガイドにする、という複雑な作業です。

舞台のセリフ⇒手話通訳⇒音声ガイドへ変換

もともとあったセリフを手話通訳にしてそれを音声ガイドにする、
一体どうなるんだろう、どうやって手話を音声ガイドで表現するんだろう、
皆目想像つかないまま観ていると、Chupkiの代表、平塚さんを中心に
何度も議論を繰り返しよりよりものを作っていこうとする過程で、
手話の奥深さを知ることになります。

舞台手話通訳を担当した3人(加藤さん、水野さん、高田さん)、
視覚障碍者で音声ガイドについてレビューする難波さん、石井さん、白井さん、
ナレーション担当の彩木さん、手話についてアドバイスする廣川さんなどなど、
通常の音声ガイドにはセリフにセリフをかぶせないことが鉄則であるのに、
今作では舞台で流れるセリフに舞台手話通訳者の訳している内容(言葉)を
ナレーションでかぶせていく、そこに平塚さんが舞台手話通訳者の動きを
合わせて伝えることで音声ガイドが完成するまで、
聴覚障碍者側の意見(手話の歴史なども交えて)、視覚障碍者の意見、
そこに平塚さんの意見を時にぶつけあいながら作り上げていく姿、
最後の完成した音声ガイド、エンドロールに流れる白井さんの歌、
(石井さんのラップも素晴らしかった)
観終わった後、場内から拍手が湧き上がる素晴らしい作品でした。

私自身、手話について知識がなさすぎたのですが、舞台手話通訳の場合、
セリフ全部を通訳するのではなく、肝となる言葉を手で通訳しながら、
あとは表情で表現するということ、実際、手話自体、顔の表現がとても大事だと
いうことを知りました。

一方、視覚障碍者は視覚の部分を聴覚、嗅覚などの感覚で補っていくこと、
成人してから視力を失った難波さん(失ってから合気道を学んでいる)、
突然視力を失った石井さん(風を感じながら海でぱどリングを楽しんだり)、
特に響いたのは、難波さんの言葉だったのですが、視力を失ったことで
出来なくなったことを嘆くのではなく、視力を失って入院していたベッドの上から、
何ができるようになったのか考えるようにした、という言葉でした。
私自身が骨折してできなくなったことが多く、まだできないというか元に戻らない
ことが多いのを鬱々思っていたところでこの言葉を聞いて、そうやって思えば
骨折した時よりもできることは増えているし、という心持になりました。
(でももっとリハビリ頑張らないといけないなという気にもなりました)

バリアフリーシアターとしてオープンしてから5年のChupkiさん、
今回の映画製作に関連してクラウドファンディングに参加しましたが、
鑑賞した日、帯広から映画を観に上京された視覚障碍者の男性が
映画に感激したとおっしゃっていたを間近に聞いて私も感激したのですが、
本当の意味でのバリアフリーの輪がどんどん大きくなっていく中で、
私も微力ながらでもサポートしていきたいと思ったChupkiさん、
自分と違う環境にいる方を理解するきっかけを与えていただいたことに感謝の
「こころの通訳者たち」でありました。

※都内では新宿のK'sシネマさんでも上映予定です。
 上映館がもっと増えていくことを願っています。(^-^)


















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