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映画「高野豆腐店」を観る [映画(た行)]

予告編で渋い藤竜也さんが観たくなり映画館で鑑賞した作品です。
高野.jpg
あらすじは映画.comさんより。

尾道の町に店を構える高野(たかの)豆腐店。
愚直な父、高野辰雄と明るくて気立てのいい娘の春は
地道にコツコツと豆腐を作り続ける毎日を送っている。
陽が昇る前に厨房に入り、こだわりの大豆を使った豆腐を作る父と娘。
2人を取り巻く昔ながらの仲間たちとの和やかな時間。
そんな日常にそれぞれの新しい出会いが訪れる。
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こうやどうふてん、って読んでた。(笑)

出来立てのお豆腐から立ち上る湯気とマメの香りを感じるような、
温かい気持ちになれる映画でした。

スクリーンに映る風景(広島)は島があったり海があったり、
地方の趣ある町でのどかな人間関係が繰り広げられる、
非常にほんわかしていて、冒頭、早朝に起きて豆腐作りをする辰雄、
辰雄と一緒に豆腐作りをする娘の春、みていて穏やかな空気の流れを
感じたのですが、穏やかな毎日がちょっとずつ動いていく、
その中でハラハラしたり心が痛くなったりしていきます。

春の再婚相手(お見合い相手)を辰雄と近所の仲間たちが一生懸命探して
うまくいくかと思いきや予想していない相手を選ぶ春に落胆する辰雄、
その辰雄も病院で知り合ったふみえと心の交流を交わしていく、
とはいえ、ふみえには広島という土地柄抱える問題もあって、
一方、辰雄にも戦争経験から結婚して早くに妻を亡くし、嫁いだ春が
離婚して戻ってきて共に暮らす中での葛藤もあったりして、
一昨日記事にした「さよならほやマン」での松金よね子が演じたおばあちゃんが
発する一言と同じように、誰しも他人から見れば穏やかで幸せそうに見えても
みんな何かしら迷いや悩みを抱えているものだと思いました。
(そう書いている私でさえ悩みまくって迷いまくっています)

辰雄が春の相手にと選んだイタリアンレストランを経営する男性、
辰雄は真面目な態度に娘を託そうと3人で食事会を開くものの、
ワインをがぶ飲みして豆腐愛について楽しそうに語りまくる春の姿に
思わずクスっと笑ってしまいましたが、これって縁談がうまくいきそうで
実はいかないんだろうなあ、と思っていたらそうなりました。(笑)
辰雄は娘を心配しているからこその行動に出たのですが、
春はそうされなくても自分自身で自分の道を進んでいく、
それをみて戸惑いながらも娘を応援しよう、と思える辰雄の姿に
思わず目頭が熱くなってしまいました。

時代の流れとともに人間関係もあっさりと変化していくように感じますが、
この映画の中でみるような、ちょっとお節介でも相手を思う気持ち、
人間ひとりで生きていかなければいけないと思いつつも、他人の心の温かさに
支えられるからこそ生きていけるのかもしれない、そんな気持ちで観終わった
「高野豆腐店」でありました。


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