SSブログ

「JUNO」を観る [映画(さ行)]

日比谷のシャンテシネで「JUNO」を観ました。

j1.jpg ジェイソン・ライトマン監督作品


舞台は田舎町。 季節は秋。

16歳のジュノ(エレン・ペイジ)はちょっと変わった女の子。
同級生のポーリー(マイケル・セラ)と興味本位で一度セックスしただけで妊娠してしまう。
友人のリア(オリヴィア・サルビー)に相談して中絶しようと女性保護団体に駆け込むと
入口で「中絶反対」のプラカードを下げる同級生のスー・チン(ヴァレリー・チェン)に会う。
「胎児には爪も生えている」というスー・チンの言葉にジュノは中絶せず生むことを決心する。

~子供を産んで里子に出そう~

そう思ったジュノは子供の父親ポーリーには相談せず、友人リアと無料のタウン紙で里親を探し、
掲載されていたカップルの写真に惹かれ、そのカップルに里子としてお腹の子供を出すことに。

ここまで決めてから父親マック(J.K.シモンズ)、継母ブレン(アリソン・ジャネイ)に報告するジュノ。
16歳の娘の妊娠にショックを受ける2人だったが、「他に選択肢はないのか?」と聞く父親に
「ない」と答えるジュノの気持ちを受け入れ尊重するのだった。

父親マックとともに里親に会いに行くジュノ。

里親が住むのは高級住宅街。
待っていたのはヴァネッサ(ジェニファー・ガーナー)とマーク(ジェイソン・ベイトマン)。
j5.jpg ヤッピーカップルです
共働きで大きな家に住む30代カップルと弁護士立会いで養子縁組の契約を交わすジュノ。


どのくらいの金銭を?と弁護士に聞かれて
「お金が目的じゃないわ。(赤ちゃんを)しぼりだして渡せばいいんでしょ?
まだシーモンキーみたいだからもっと可愛くなったら配達してあげる」というジュノのセリフがスゴイ。


高級な家の中で居心地悪くしていたジュノを和ませたのは2階の部屋に置いてあったギター。
ギターとは、マークが大事にしているギブソンのレスポール
かつてロックスターを夢見てバンド活動をしていたが、
今は生計を立てるためにCMソングの作曲しているマークの宝物のギターを見て、
バンドを組むほど音楽の好きなジュノはマークと意気投合するのだった。



因みに、ロック黄金期は1993年だ、というマークに対して、
ジュノはロック黄金期は1977年!と言い張ります。
1977年、ジュノが生まれていないのに、です。(笑)

そして、ジュノが好きな3大スターは、
イギー・ポップ&ストゥージズ

イギー・ポップ&ストゥージズ

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: イーストウエスト・ジャパン
  • 発売日: 1998/02/25
  • メディア: CD
ストゥージズ と、

ホーセス

ホーセス

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2006/11/22
  • メディア: CD
パティ・スミス と、

チェリー・ボム

チェリー・ボム

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1993/11/21
  • メディア: CD

ランナウェイズだ! と言い切ります。  
私は1977年には確実に生まれていましたが、どれも懐かしいですね。。。

私はその場面を見ただけでジュノに好感を持ってしまいました。。。(^^)



養子縁組の契約も済み、あとは産まれるまでは学校に通いながら体を大事に、と
日々を過ごすジュノ。
j2.jpg リアと学食でお昼したり
j3.jpg 超音波検査したり

大きなお腹のジュノを好奇の目で見る生徒たちだったが、
いつもと変わらず接してくれる友人リアと過ごすジュノ。
しかし、ジュノを気遣うポーリーに「プロムには他の子を誘いなさい」と心にないことを言い放ち
実際ポーリーが違う子を誘ったと聞いて複雑な気分になるジュノ。。。

とはいえ、お腹の中の子供はドンドン大きくなるので、
超音波写真を持ってヴァネッサ&マークの家に報告に行く、と喜ぶヴァネッサ。

子供部屋にと部屋を改装し、赤ちゃんを受け入れる態勢を着々と整えていくヴァネッサ。
一方のマークはそんなヴァネッサを観ても同じような気持ちになれない。
更に、ヴァネッサが居ない時にやってきたジュノの純真さ、映画や音楽の趣味が合うことなどで
ヴァネッサからどんどん気持ちが離れていってしまう。。。

ある日、ヴァネッサとマークの家に立ち寄ったジュノだったが、いたのはマークだけ。
いつものように音楽の話などをしていると、ヴァネッサと離婚する言うマーク。
他に家も借りたから、、、、というマークに戸惑うジュノ。
理想のカップルと思っていたのにというジュノに、
離婚すれば君が喜んでくれると思っていたのに、、、、というマーク。
(このあたり、男の勘違いだなー、と思いますた)

離婚したら自分が生もうとしている子供はどうなるんだろう、と思うジュノ。
父マックに相談すると自分にとって一番大事なのは誰か考えなさい、と言われ、
ヴァネッサに「あなたがまだその気なら、私もまだその気。」と書置きを残し、
自分にとって一番大事なのはポーリーだということに気づいて会いに行く。
j7.jpg ポーリーと心が通じ合う。

そして、陣痛が訪れて。。。

j4.jpg 病院に駆け込む一家

父マック、継母ブレン、友人リアの支えの中、苦しみの末に無事男の子を出産。
ベッドに横たわるジュノのところに現れたのは
陸上競技の試合が終わって何かを感じ取ってやってきたポーリーだった。

本当の自分の子供達のために。。。 
と生まれた子供は観ないことにしたジュノをそっと抱きしめるポーリーだった。

その頃、新生児室に現れたのがヴァネッサ。
慣れない手つきでジュノの生んだ子供を抱きしめるのだった。。。。。。


10代の妊娠は現在アメリカの女性の3分の1なんだそうで、
そういう環境の中で作られたこの映画はある意味現実的なのかと思いました。
(日本にいるとあまり実感ありませんが)

監督のジェイソン・ライトマンといえば、

サンキュー・スモーキング (特別編)

サンキュー・スモーキング (特別編)

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD

この映画の監督さんなのですが、やっぱり今回も面白いつくりで笑ったりほろっとしたり。。。


そもそも予算650万ドルと超低予算のインディペンデント映画だった為、
アメリカでの公開当時、上映館が7館と非常に少なかったそうなのですが、
口コミで話題となって上映館数もグーンと増え、配収も1億ドルを突破したとか。

男性が観ても今ひとつピンとこないかもしれませんが
(ヴァネッサの旦那など離婚した後はまったく登場せず自然消滅、、、な書かれ方でしたし)
変わり者のジュノが現実を受け止めるや強くなって前向きに考えようとする姿に共感し
自分も振り返ってぐじぐじしちゃいかんな、などと思うのでありました。

また、ジュノの他にも温かく変わらぬ態度で接している友人のリアや、
娘の言うことを出来る限り尊重しようとする父マック、
(↑上述のサンキュー・スモーキングで主人公の上司BRを演じていた時も面白かったけど)
ジュノと互いに素直になれないもののお腹が大きくなるジュノを陰から支える継母ブレン、
こういう脇役も味わい深く、映画を面白く観ることができました。

あとは、
j6.jpg ハンバーガー型の電話
昔ってこういう変形の電話、、、あったんだよなあ、、と見ながら。(笑)

ハリウッド超大作のような派手さはまったくありませんが、
ほろっとして笑ってジュノを応援しながら自分もジュノから元気をもらえるような、
映画「ジュノ」でありました。


nice!(6)  コメント(10)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 6

コメント 10

bonheur

こんばんは♪
この映画、凄く良いと話題になってましたね。
一方、アメリカ北東部の女子高生集団妊娠事件はこの映画かブリットニー・スピアーズの妹の影響なんじゃないかという噂もありましたね。
ティーンズの妊娠モノ(って定義も変ですが)は、なんだか生々しくて目を背けたくなるのですが、うつぼさんの解説を拝見すると、これは元気が出るストーリーなんですね。なぜか少し安心しました(^_^;)
by bonheur (2008-07-19 23:28) 

snorita

ランナウエイズにPatt Smith、里親希望の人たちの世代が想像出来ておもしろいですね。
アメリカって恐ろしく保守的な国なのに、こういうことが沢山おこっていてそれが両立しているのが不思議....この映画予告編だけしか見ていませんでしたが、こういう内容だったのか。と納得しました。
by snorita (2008-07-20 08:26) 

うつぼ

bonheurさん、こんにちは。
私も集団妊娠のニュースはビックリしましたが、この映画は生々しい部分もあまりなく、最後にホンワカした気分になれます。主人公の描き方が良かったんだろうと思います。。現実にありそうでなさそうで、でもありそうな、そんな話です。レンタルでご覧になっていただければ。(^^)
by うつぼ (2008-07-20 16:16) 

うつぼ

snoritaさん、こんにちは。
10代の妊娠、親の離婚、再婚、里親制度、、などなど、今の問題を色々盛り込んでいるのに笑ってホロッとして楽しく観られる映画でした。(^^)
仰る通り、相反するものが両立する不思議な国だなあ(日本と全然違いますし)と映画の中からも見えたような気がします。。
by うつぼ (2008-07-20 16:21) 

恭

どもども うつぼさん♪

確かに 10代の妊娠は こちらでは 極端に言うと 誰も驚かない状態になっていますねぇ。。 キリスト教もあって 中絶するのは とても難しく (最近は そんな施設が増えてきたけど・・) 出産して 里子に出すように 勧めているようです。 それはそれで 良いんだか 悪いんだか よくわからないけど なんか 不思議に感じたりします。

この映画 はじめて知りました。 今度観てみます♪ 
by (2008-07-21 15:04) 

うつぼ

どもども、恭さん♪
10代の妊娠というとキンパチ先生の杉田かおる、が浮かぶのですが(古)、どうしても私の中では暗いイメージになりがちで。アメリカは宗教上の問題もあってまた日本と事情が違うのかもしれませんね。
その点、この映画は暗くならずに温かい気持ちになれたので、機会があればゼヒ見て下さい。♪
by うつぼ (2008-07-21 20:49) 

カオリ

はじめまして。春に映画館で予告を観て以来、観たい、観たいと思いつつ今になってしまいました。
少し前に、女子高生2人組が「この映画観たいんだよね〜」と言っていたのが印象的。
映画館では無理かもしれませんが、必ず観たいと思います!
by カオリ (2008-07-23 10:11) 

うつぼ

カオリさん、こんばんは&はじめまして。
確かに予告編を見ると観たくなるような映画ですよね。
女子高生が見るとどういう反応、感想なんだろう、、、とも思いますが、女性がみたらきっとジュノから元気をもらえるとおもいますよ。ゼヒレンタルでも観てくださいね。(^^)
by うつぼ (2008-07-23 20:57) 

cocoa051

別世界と思いつつも、おそらくもう日本もまもなくそうした社会を迎えるのでしょうか。考えさせられますね。
by cocoa051 (2008-07-24 13:39) 

うつぼ

cocoa051さん、こんばんは。
10代の妊娠は日本でも少なからず、、なんでしょうが、映画のようなサバサした家族、友人の支えがあるのかなあ、と思うと??になってしまいます。とはいえ、確かに日本でも近い将来の問題として考えなければならないかもしれませんね。
by うつぼ (2008-07-24 22:05) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0