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「ドリームガールズ」を観る [映画(た行)]

「ドリームガールズ」を観る。 
 2006年 ビル・コンドン監督作品
公開一週目のレディースデーに行ったのですが、
300名入るシアターに4割程度の入りで少々拍子抜けしました。
ほぼ満席だった「マリー・アントワネット」より人気ないんでしょうか。。。
と、4割の入りにも関わらず、
私の座った席の両側とも中年オバサンが座っていて少々窮屈な感じ。
おまけに、左隣のオバサン、鼻息がすごい荒い。。。。
花粉症なのか何なのかフンフンッと凄い鼻息に不安がよぎります。
(と思ったのですが、劇中ずっと音楽が流れていて音量がそこそこあったので
オバサンに気を取られずに済みました・・・・)

話のあらすじは、1962年のデトロイトから。
ディーナ(ビヨンセ・ノウルズ)、エフィ(ジェニファー・ハドソン)、
ローレル(アニカ・ノニ・ローズ)の幼馴染3人で組む“ドリーメッツ”は
歌が一番上手いエフィをリードシンガーにアマチュアコンテストに参加し、
場内から参加者中で一番の大拍手を貰うが、それを観ていたカーディーラーの
カーティス(ジェイミー・フォックス)の策略で優勝を逃してしまう。
カーティスは、ローカルながら人気歌手のジミー・アーリー(エディ・マーフィー)の
バックコーラスにドリーメッツを使って売ろうとしていたのだ。
優勝を逃して落胆する3人にバックコーラスの話を持ち込むカーティス、
喜ぶディーナとローレルに対して「他人の後ろで歌うのは嫌だ」と拒むエフィだったが、
ディーナとローレルの説得で渋々了承し、バックコーラスの仕事を始める。
早速、ジミーのバックで歌うドリーメッツ 


ジミー役のエディ・マーフィは非常に歌が上手いのですが
髪型が「ヘン」で、真面目な場面なのにナゼか笑いが止まりませんでした・・・

ジミー・アーリーとドリーメッツはR&Bチャートだけでなく全体のチャートでも 上位に向かって上りつつあったが
黒人音楽に対する世間の差別の為、
エフィの兄C.C.(キース・ロビンソン)が作曲した曲が白人にパクラレたりと、
このままでは自分達の音楽が全米で認知されない、と思ったカーティスは
カーディーラーの仕事に見切りをつけ、車を全て売却して工面した金で
ラジオ局のDJを買収したり、資金稼ぎに賭場に入ったりと裏で様々な工作を行い、
それが功を奏して更に上り詰めていく
 が、
時代に取り残されつつあるイメージの古いジミーのバックコーラスより
ドリーメッツだけで売り出そうと考えたカーティスは、
リードシンガーにディーナを据えようとする。 
それに反発するエフィ。
カーティスがディーナと浮気しているのを知っていたエフィは、
3人で一番歌の上手いのは自分なのに、
歌の上手さより見た目でディーナをリードに据えようとするカーティスを非難するが、
「売れる為には必要なことだ」と兄のC.C.に言われ渋々納得する。
(エフィが渋々納得するのはこれで2度目) 
そして、
 ディーナをリードシンガーに据えた 
 新生“ドリームズ”は 
 爆発的にヒットするが
恋人(カーティス)もリードシンガーの座もディーナに奪われ、更に
グループの歌が自分の歌いたいソウルから離れてポップス化していくのに
やる気をなくしたエフィは仕事に遅刻したりレコーディングを放棄したり、
ドリームズの仕事に支障を来す存在となってしまい、
ショー・ビジネスの頂点、ラスベガスのシーザーパレスでのリハーサルにも
遅刻した為、遂にカーティスからクビを言い渡される。 
「私はドリームズの一員だ」と反論するエフィに、
 ディーナだけでなく兄のC.C.にまで引導を渡され、
自分の蒔いた種とはいえ失意のままドリームズを去っていく。 


この場面でエフィが歌う
“And I am telling you I'm not going”がちょっとした鳥肌もので、
すっかり「泣きのツボ」にはまる私「ウツボ」でありました。。。。

エフィが去って新しいメンバー、ミシェル(シャロン・リール)が入った
新生「ドリームズ」は、 
大成功を収め
レインボーレコードもドリームズ以外に売れ筋歌手を沢山抱えるようになり、
一大レコードレーベルとして成功し、更に、カーティスとディーナも結婚して、
傍目には何もかもが上手くいっていると思いきや、
レコードを売ろうとする余り、黒人音楽よりも白人受けするサウンドばかりを追求し、
「音楽は売る為のものだ」と公言するカーティスの強引なやり方に
ついていけないと判断したC.C.はカーティスの元を去る。
(ジミーはカーティスに契約を切られた直後、薬物の過剰摂取で亡くなってしまいます。。。)
そしてC.C.は、ドリームズを追われた後、カーティスの子供を産み(←カーティスは知らない)、
歌手として再起しようとしていたエフィのところへ戻る。
過去のことを謝るC.C.を許したエフィは、C.C.の作った“One Night Only”を歌い
R&Bチャートでヒットしかけるが、それを知ったカーティスは金の力でDJなどを抑え込み
エフィの再起を妨害しただけでなく、同じ曲をディスコ調でディーナに歌わせヒットさせる。
それを知って失望するエフィとC.C.。

 その頃カーティスとディーナの仲にも暗雲が。。。。
ディーナは自分のヒット曲が元はエフィの曲だと知り、
カーティスの過去の強引な裏取引などを暴き、エフィの再起を図ろうとする。
そしてエフィとの仲直りを果たしたディーナはカーティスの元を去り、
ドリームズも解散していく。。。。。


1981年初演のブロードウェイミュージカル(トニー賞6部門受賞)の映画化作品ですが、
 ←ミュージカル版のポスター
後半の若干間延びした感じは差し引いても十分に楽しめました。

話自体は、
モータウンレコードを設立したベリー・ゴーディ・Jr.とシュープリームスのダイアナ・ロスなど、
実在の人物と話をうまくアレンジしているので、DJの買収などの裏工作や裏切り、と、
ドロドロした場面を見て「実際もそうだったのかなー」なんて思ったりして観るのも面白く。
映画版「シカゴ」よりもセリフから歌への流れも違和感なく作ってあるので、
「セリフの途中でいきなり歌い出すなんて」とミュージカルに先入観を持たれる方にも
観やすい作りになっていると思いました。

←映画の中の「ドリームズ」

 ←シュープリームス

  結構似てる?

主役のディーナを演じるビヨンセは、
この役作りの為に10㌔減量したそうで、
 ←このシーンなどは、
メークのせいもあるんでしょうが、本当にビヨンセの左右の目が離れているみたいで(笑)
 ダイアナ・ロスっぽく見えました。
歌い方もダイアナ・ロスっぽかったし。(いつものビヨンセと全然違っていました)
高級クラブなどでのパフォーマンスシーンなどは、
実際音源で残っている(CD化されている)シュープリームスのライブを元に作っているようで、
観ながら「あ、これって実際は“Ain't No Moutain High Enough”歌うシーンだよねー」などと
CDを持っている人には面白いシーンも多々ありました。
ただ、個人的には、
 ジェニファー・ハドソンの方がインパクト強かったかな。
本日発表のアカデミー賞で最優秀助演女優賞を受賞しましたが、
ビヨンセを食ってしまうというか、主役ってビヨンセだったんだっけ?
と思うくらいのハマリ役で受賞も納得という感じです。
彼女は「アメリカン・アイドル」のシリーズ3でファイナリストに残ったものの
優勝は出来なかった訳で、その分今回のアカデミー賞で一気に挽回したというか、
これぞまさしくアメリカン・ドリームなのか、と思ってしまいました。

また、アカデミー賞の受賞は逃しましたが、エディ・マーフィ。
ウン十年前の昔から「サタデー・ナイト・ライブ」で
ジェームス・ブラウンの物真似で笑いを取っていただけあって
ライブの場面での歌いっぷりは期待していなかったので驚きましたが
これもハマリ役という感じでした。

カーティス役のジェイミー・フォックスは「レイ」の時から一転、
本当に悪いことにも手を染める役柄を好演していましたし、
今ひとつ目立たない役ながら、ローレル役のアニカ・ノニ・ローズも
2004年のトニー賞で最優秀助演女優賞(“Caroline or Change”)を
受賞する実力派で、ジミーのマネジャー役のダニー・グローバーと共に
しっかり脇固めしていた印象を受けました。

それからそれから、話の筋には全く関係ないのですが、
ジャクソン5時代の「まいこー」がテディという名前で出てきますが、
 本物より顔が可愛くて
“ABC”を連想させる歌を歌ってました。

あとは、ちょっとだけですが、ディーナに映画の話を売り込む胡散臭い役で
ジョン・リスゴーも出演したりと、華な出演者に沢山の歌に、と
ヒジョウに楽しめた「ドリームガールズ」でありました。


【サントラ】もおススメ。 

ドリームガールズ:デラックス・エディション(DVD付)

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  • アーティスト: サントラ, マキシ・アンダーソン, シャーリン・カーモン, キーシャ・ヘリー, ダレル・バブス, ルーク・ボイド, エリック・ドーキンズ, スティーブ・ラッセル, マイケル・レオン・ウーリー, ジェニファー・ハドソン, ビヨンセ・ノウルズ
  • 出版社/メーカー: ソニーミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2007/01/31
  • メディア: CD
観終わってから聴くといつまでも余韻に浸れます。


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コメント 7

もうご覧になったのですね。
うちの学生アルバイトの女の子がすご~く良かったよって、わざわざ言いに来てくれました。じゃオレも観にいくよって言ったものの、このところちょっと多忙で行かれるかどうか・・・。とりあえずうつぼさんの記事で勉強しておこう。
by (2007-02-27 16:49) 

うつぼ

これは早く観たかったので早速行きました。
モータウンレコードがなければ現在の音楽市場も変わっていたのかなあと思うと、当時の裏工作などのドロドロも妙に説得力があったりして面白く観られました。勿論、最初から最後まで歌も素晴らしいですよ!
by うつぼ (2007-02-28 00:44) 

naonao

すごい分析、レビューですね。映画観ながらメモでも取ってるのか!?と思うほど。たくさんの写真も楽しめました!!
by naonao (2007-02-28 16:39) 

michael

モータウンは私の青春です。今でもか・・・あの時代の一文化だと思います。多分白人社会に乗り込んで行くプロモーターも凄かったのでしょう。
by michael (2007-02-28 22:38) 

うつぼ

naonaoさん、こんばんは。
楽しんでいただき有難うございます。
映画を観ながらメモは取ることはないのですが観終わった後思い出してメモ書きしています。ブログの記事は自分の備忘録のつもりで書いているのですが、あれもこれもと書いてしまい日に日に長くなっていきます。。。(笑)
by うつぼ (2007-02-28 23:36) 

うつぼ

michaelさん、こんばんは。
劇中では実際ヒットしたモータウンの曲は著作権の関係で使えないようですが、それでも十分楽しめて気持ちがノリました。
裏工作などの汚い面も(さらっとですが)描かれていましたが、実際はもっとすごかったのかもしれませんね。michaelさんもお忙しいとは思いますが、映画館で観ると迫力もあって楽しい映画でおススメです。ゼヒ。
by うつぼ (2007-02-28 23:42) 

うつぼ

土方歳三さん、はじめまして&こんばんは。ご訪問有難うございます。
この映画、歌を楽しみながら、実際の話と比較しながら、などなど色々な面で楽しめる映画ですよね。あと一度くらいは劇場で観たいと思っているのですが、今のところ通勤時にサントラを聴いて映画を思い出して思わず一緒に歌いたくなったりしています。(笑)
by うつぼ (2007-03-03 23:20) 

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