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映画「君たちはどう生きるか」を観る [映画(か行)]

観るつもりはなかったのですが(ジブリファンではないし)
現在リハビリでお世話になっている理学療法士の先生とこの映画の話になって
折角だからと観に行くことになりました。
君たち.jpg
内容については映画.comさんより。

宮崎駿監督が「風立ちぬ」以来10年ぶりに手がける長編アニメーション作品。
「千と千尋の神隠し」で当時の国内最高興行収入記録を樹立し、
ベルリン国際映画祭でアニメーション作品で初となる金熊賞、ならびに
米アカデミー賞では長編アニメーション賞を受賞。
同作のほかにも「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」「ハウルの動く城」など
スタジオジブリで数々の名作を世に送り出し、名実ともに日本を代表する映画監督の宮崎駿。
2013年公開の「風立ちぬ」を最後に長編作品から退くことを表明した同監督が、引退を
撤回して挑んだ長編作品。宮崎監督が原作・脚本も務めたオリジナルストーリーとなり、
タイトルは、宮崎監督が少年時代に読み、感動したという吉野源三郎の著書「君たちは
どう生きるか」から借りたものとなっている。

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少年の成長譚を中心に描いた映画に見えましたが、
宣伝もなく(予告編もなし)見る人それぞれが感じるものがあればよいのかな、
と思うような映画でした。
(製作側が情報を敢えて出さないことで鑑賞する側が考えるように、という
 映画にも思えました)

私自身、ジブリ作品といえばトトロと千と千尋くらいしか見たことがないので
金曜ロードショーで放送されるときのTwitter(今はXでしたっけ)を観ると、
バルス!とかみんなで叫んでいる輪の中に入れないわけですが(笑)
ジブリの大ファンであれば期待値が高まっての鑑賞になって残念に思う人が
いるかもしれませんね。
その点、私は期待値が高くない(しかも事前知識ゼロ)状態で鑑賞したので、
第二次世界大戦の戦時下(⇐冒頭は東京大空襲のように見えたので)で
地方に引っ越した少年の目を通してみる世界を体験させてもらったような心持で
観終わりました。

東京大空襲で入院していた母を亡くした少年マヒト、その数年後に母の妹のいる場所へ
引っ越し、父は母の妹と再婚する、戦闘機の部品を作る工場を経営する父のお陰で
家は裕福のように見えますが、所謂叔母が突如母となり、しかも妹か弟か、
新たな母のお腹の中に命を宿している、それだけでも現実を受け入れるのが大変だと
思いますが、空気を読めない父が自信満々に車でマヒトを学校に送ったことから
同級生になじむことができず逆にいじめられてしまう、家に帰っても新たな母とは
かみ合わず、父は仕事で遅くまでかえって来ない、学校にも行きたくない、
親の愛情を求める年頃のマヒトに何が起きるのかと思うと、そこにアオサギが現れ、
導かれるように不思議な塔に行くことで物語が思わぬ方向に展開していきました。

異なる時空にいる母、新たな家で出会った老婆キリコと途中で出会いますが、
2人とも若い、特にこの2人との出会いによってマヒトが強くなっていく様子は
観ていて微笑ましい気持ちになりました。

ジブリ作品が好きな方にはマヒトが出会う様々な場面が他作品へのオマージュに
なっているらしいので楽しめる場面が多いのかと思いますがそれが分からない私にも
たくさん出てくる生き物(カエルとか鯉とかインコとか)の描き方や、
マヒトが開けようとする窓のたてつけが悪く開けづらいような動きが見える場面など、
宮崎駿ならではアニメーションの動き(と思える)が私にも楽しめました。

エンドロールを観ていて思ったのは通常アニメーターの名前が大量に投影されるのですが、
今作は大手アニメスタジオ(スタジオカラーや4℃など)が多くクレジットされていて
ジブリ作品に映鏡を受けたアニメーターさんたちが協力を惜しまないことを改めて
感じることができました。

声優については、アオサギ(菅田将暉)、インコ大王(國村隼)、キリコ(柴咲コウ)、
この3人は特によかったと思ったのですが、父を担当したキムタクだけはダメでした。
(何を演じてもキムタク、って感じでちょっと苦手だったりします)

と、ジブリファンでもない私がマヒトの成長を途中ハラハラしながらも見守りながら
鑑賞して、細かいところで気づかない部分も多々あると思いますが、ざっくり鑑賞でも
充分楽しめた「君たちはどう生きるか」でありました。






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