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映画「妖怪の孫」を観る [映画(や・ら・わ行)]

公開している映画館が少ないのでやっと観られた作品です。
妖怪.png
あらすじはYahoo!映画さんより。

1993年に衆議院議員に初当選した安倍晋三氏は、
自由民主党幹事長、内閣官房長官などを経て、2006年に内閣総理大臣に就任。
2012年に再度総理大臣に選出され、「アベノミクス」などさまざまな政策を実行し、
連続在任日数2822日は総理大臣として歴代最長となった。
しかし退任後の2022年7月8日、奈良市で参議院選挙の街頭演説中に凶弾に倒れる。 
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選挙で勝てば正義。

そう思っている与党が導く日本のこの先、明るくならないような気持ちになって
観終わりました。


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以前観たこの作品と同じ、内山雄人監督作品ですが、
Yahoo!映画は★2.8、映画.comでは★3.7と随分レビューに差がついているのが
非常に気になる今作でした。

菅さんを描いたパンケーキ毒見は首相をやめられてからの鑑賞だったので、
ぐふっと笑ってしまったのですが、今作は描いている安倍さんがお亡くなりに
なっている中で鑑賞する作品なので、ぐふっと笑うことはできず、
(というかそういう場面もないし)
アメリカのような二大政党が政権を争うような状況にならない限り、
自民党VS分裂して共闘しない野党の構図が続いて自民党が政権を握り続け、
平成の暗黒30年を過ぎて令和になっても「異次元」「緊急」と声高に言って、
(気づけば一人あたりのGDP金額も20位台後半に落ちてしまったし)
給与は上がらず、社会保険料や税金が上がっていって国民の暮らしは楽にならず、
今や国連に貧困層がある国と認定されている今からどうやってよくなっていくのか、
私自身も年金もらえるの?色々不安はありますが、姪や甥の世代のように、
(ねんきん定期便に書いてあった年金は婆1号の半分くらい(:_;))
この先まだまだ人生長い人達が希望を持って生きていけるのか、本当に心配です。

過去の安倍さんのお姿や発言(国会でも)、関係者(元官僚の古賀さんなど)が
語って様々な疑問に答えていく構成になっていましたが、コロコロ首相が代わる政権、
に対して、安倍さんは長期政権だったから何かしたのかというと、例えばアベノミクス、
インタビューで「アベノミクスは『やっている感』を出せばいい」と言ったり、
「見せかけが大事」と思っているというのを知り、選挙に勝てば後は私利私欲で
いいのか、という気持になりました。

世襲制の地方地盤を持つ国会議員は地元に利益誘導と言いながら、地盤となるエリアは
少子化が進み廃れていくところが多いという話を聞いたことがありますが、
安倍さんの地盤である山口県長門市の様子、元長門市議(無所属)の女性が語る談合、
安倍さんが若い頃勤めた神戸製鋼へ発注し、地元の建設関連の会社には仕事がいかない、
地元で票を集めて当選して地元が廃れていくってどういうこと?と思ったのですが、
今作で安倍晋三さんは安倍晋太郎さんの息子、と思っていたのが、
タイトルにある通り、岸信介(妖怪)の孫だったのか、ということが分かりました。
(安倍晋太郎≠岸信介&安倍晋三、に思えた)

昨年の痛ましい事件の根底にあった宗教の問題についても触れていて
(鈴木エイトさんも出演されていました)
選挙で勝つために必要だからというさほど問題視せずに手伝ってもらっている議員の
多さにも驚きました。
第何次安倍内閣か覚えていませんが閣僚24名のうち宗教と関連していたのが14名、
(関連していない中に小泉さんちの息子さんがいてちょっと笑ってしまった)
結局この問題も小川さゆりさん等の宗教二世が問題提起しているにもかかわらず
どこかうやむやになってしまっている感じがして、選挙に勝つために勝つために、って
勝てば正義で何やってもいいのか、という怒りも覚えてしまった私です。

かなり批判も多いため、今作をつくった内山監督も妨害などを心配されていましたが、
ご自身の小さいお子さんの将来を考えてこのままで日本はいいのか、という問題提起を
したかったのだろうと思いました。
ここまでして危機感をもって描かなければいけなかったのは、
政府と大手メディアのずぶずぶの関係に他ならず(昨今の皇室問題も同様だと思っている)
政府が圧力をかけることによって(変なこと報道したら停波するぞと脅す)
(政府に不利な)真実をメディアが報道できない状態になっているからだと思いました。
ニュースでよく見るようになった「報道の自由度」も68位、G7のダントツで最下位
というのも日本で偏向報道や忖度報道が常態化しているということですよね。

私自身は選挙には毎回行くのを常としておりますが、
若い世代にもこの作品を観て自分たちの将来に対して考えるきっかけになってほしい
(鑑賞していたのは私と同年代かもっと上ばかりだったので)
と思った「妖怪の孫」でありました。





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