SSブログ

映画「パリタクシー」を観る [映画(は行)]

今朝8時に投稿予約したつもりでいたら下書きのままになっておりました。(笑)
いつもと違う時間帯のアップとなってしまいましたが、
明日はいつもの通り、8時に記事をアップする予定です。(^-^)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
昨日アップした「妖怪の孫」を観おわった10分後から鑑賞した作品
(定期券がないので都内に行くときはまとめて映画を観るようになりました(笑))
`paris.jfif
あらすじはYahoo!映画さんより。

パリでタクシー運転手をしているシャルル(ダニー・ブーン)は、
金もなければ休暇もなく、免許停止寸前という人生がけっぷちの状態にあった。
ある日彼に、92歳のマドレーヌ(リーヌ・ルノー)をパリの反対側まで送り届ける
という仕事が舞い込んでくる。
彼女の頼みでパリの街のあちこちに立ち寄るうちに、マドレーヌの知られざる過去が
明らかになっていく。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一期一会。

偶然による巡り合わせが生み出した化学反応というか、
ご縁とか運とかそういうものがもたらす幸せを感じられる映画でした。

邦題にちょっと違和感があったのですが、
原題は"Une Belle Course"、美しいコース(走行?)、
英語題は"Driving Madeleine"で、
ドライビング Miss デイジー [DVD]

ドライビング Miss デイジー [DVD]

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2015/02/18
  • メディア: DVD
この映画と同じ、、ではありません。(^-^;

最初は何もかもうまくいかずに悶々(というかイライラ)しているシャルル、
彼が迎えに行くときからメーターを倒していいからとタクシー会社に言われて
渋々ながら向かった家で待っていたのがマドレーヌ。
1人暮らしで転んで骨折したり(他人事に思えませんでした(^-^;)
パリの反対側にある施設に行くという事情を聴いてただ送り届けるだけ、
と思っていたのですが、施設に入ったら自分の思うように出かけることも叶わない、
と思ったマドレーヌが寄り道したいと第二次世界大戦の頃からの思い出の場所を
巡っていくうちに彼女の激しい人生(の回想場面)が描かれていきます。

パリ解放、16歳で米軍兵マットとの恋、別れ、そして生まれた息子。
マドレーヌが語る表情が乙女で、キスの味も覚えていると話していて
微笑ましい気持ちになったものの、その気持ちが一転します。

愛のない結婚(今のフランスのように事実婚制度もなかった)、
DVが息子マチューにも及びそうになったことから、
マドレーヌは夫に対して事件を起こしてしまいますが、
今の時代であれば情状酌量だったかもしれないものの、1950年代、
陪審員は全員男性、マドレーヌの訴える真実よりも夫の嘘を信じて
マドレーヌは有罪、禁固刑で刑務所に入ってしまう。

模範囚として13年後に大学生となったマチューと母の元に戻るものの、
息子は犯罪者の母を持ったことで辛い思いをずっとしていたこと、
自分のやりたいことをやりたいとジャーナリストとしてベトナム戦争の
戦地に赴き命を落としてしまう。

このあたりまででマドレーヌの話は終わりますが、そこから50年あまり、
彼女はどうやって暮らしてきたのか、それは本人の語りではなく、
シャルルの妻がネット検索することで最後に分かります。

最初は、お婆ちゃんをさっさと施設に送ったら仕事終了、
と思っていたシャルルも、マドレーヌの話を聞いて、寄り道しながら
自分のことも語るようになり日が暮れてからもタクシーは走り続け
(免停寸前のシャルルを警察の尋問からマドレーヌが助けてくれる場面も)
一緒にシーフードの晩餐を食べた後、マドレーヌがの助手席に座り
シャルルと楽しそうに語る場面には、運転手と客という関係を越えた2人、
初めてあって数時間一緒に話していてこの関係性が生まれるなんて本当に
偶然も偶然の一期一会だろうと思わず目頭が熱くなりました。

当初の到着予定時間を大幅オーバーして施設に到着し、2人は別れますが、
その後の展開には半世紀以上生きてきた私も涙腺が崩壊しました。

息子を亡くして独り身のマドレーヌが初めてあったシャルルに心を開き、
シャルルもどうにもならない日々をマドレーヌと話したことで打開していこう、
そんな前向きになっていく姿、人生を折り返した人であれば、この2人に対して
何かしら共感できる部分があるのではないかと思いました。

パリの風景とジャズのBGMで重い雰囲気を軽めにしてくれた効果があると思いますが、
結末を分かった上で、改めて最初から見直してみたい、また2人に画面越しで会いたい、
そう思える映画「パリタクシー」でありました。












nice!(5)  コメント(2) 
共通テーマ:映画