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映画「セールスガールの考現学」を観る [映画(さ行)]

学生時代に3本立てとか名画座で観たことを思い出しながら、
昨日記事を書いた「パリタクシー」鑑賞後に移動し、違う映画館で観た3本目です。
(趣の異なる映画であれば3本観ても問題ないことを今作で確認できました!)
考現学.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

大学生のサロール(バヤルツェツェグ・バヤルジャルガル)は、
ケガをしたクラスメートのナモーナ(バヤルマー・フセルバータル)の代理として、
アダルトグッズショップでアルバイトをすることになる。
高い給料なのに仕事は簡単だと聞いたサロールは、1か月だけ働くことを決める。
ショップのオーナーは、カティア(エンフトール・オィドブジャムツ)という
謎の多い女性だった。

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人生初のモンゴル映画、楽しく鑑賞できました。(^-^)

モンゴルというと、

ゲル、遊牧民、羊、星空、そして旭鷲山

自分のモンゴルに対する知識が少なすぎて(しかも全く更新されていない)
この程度しかなかったのですが(朝青龍とか白鵬もいましたね(^-^;)
今作を観て未訪の土地ながら都市部(舞台はウランバートル)の様子を
垣間見ることができました。(オシャレなお店がいっぱいあるとか)
あとは、家に帰ってきたら靴を脱ぐ習慣とか親近感を感じたのですが、
顔が似ているものの使う文字はキリル文字(ロシア語と同じ)、
発音もどこかロシア語ぽいし、ロシア料理のお店も出てくるし、
地理的にはロシアに近い(交流も多いのでしょうね)という印象でした。

主人公のサロールの雰囲気がどこか不思議チャンというか、
あまり笑わず(いつも物憂げな感じ)外見もどこか野暮ったい感じ、
(同級生は髪も染めたりして結構オシャレ)
足を骨折した同級生に頼まれて引き受けた大人のお店のバイト、
引き受けるときもそんなに抵抗なく、店番している時も配達する時も
実に淡々としていて(来店者の質問にも適切にアドバイス(笑))
フェルトスリッパを作って市場で売る両親(そんなに裕福ではない)を
支えるためなのか、自分のやりたい夢を叶えるためなのか、
全然楽しくなさそうに働いていて(でも仕事ぶりは優秀)いて、
この先サロールはどうなるんだろうと見続けていると、
お店のオーナーのカティアと触れあうことによってどんどん変化していくサロール、
どんどんきれいに、どんどん明るい表情になっていく様子が微笑ましく、
そんなサロールを応援している自分がおりました。
(前髪をおろしてゲジ眉を隠していたのが前髪を上げてから明るさ加速)

親に逆らえず大学で原子工学を学ぶサロールですが、
本当にやりたいことは絵を描く事(でも親にはそれを言えない)、
カティアに対して最初は抵抗も見せたりしていましたが、
カティアのことを知って少しずつ心を開いていきて、自分のやりたいことを
親にも伝えることができたサロールの表情がなんとも言えず
明るくて楽しそうで、ハッピーな結末に温かい気持ちになりました。

お店のオーナーのカティアは過去に色々あった40代くらいの女性で
人生経験が豊富な分、サロールが後悔しないよう背中を押す存在で、
最初はサロールにどこか無理強いしているように見えてしまい
あまり共感できなかったのですが、サロールと出かけて話していくうちに
サロールが前向きに変化していく様子、それを観てホッとするカティア、
サロールも身内でない年長者のカティアと出会うことで大人の階段を上る、
人との出会いは人生のどの段階においても、特に若い時には大切だなあ、
そんな気持ちになれた(自分はそうだったかな、なんて思い返して(^-^;)
「セールスガールの考現学」でありました。


(おまけ)


The Dark Side of the Moon

The Dark Side of the Moon

  • アーティスト: Pink Floyd
  • 出版社/メーカー: Parlophone (Wea)
  • 発売日: 2011/09/26
  • メディア: CD

カティアがやっと見つけたとサロールに見せるLPがピンクフロイドの「狂気」。
サロールに匂いを嗅いでみなさいとレコードを渡しながら
「1970年代の匂いがするでしょ」と嬉しそうに言っている様子を見て、
リアルタイムの私もなんだか嬉しくなりました。

と、ピンクフロイドのLPを嬉しそうに見せるカティア、エンドロールでは大人の店で
販売されているものを使って早業を見せてくれます。(真似したサロールはできない)
こんな場面、日本の映画だったらやることを躊躇しちゃいそうだなあ、
なんて思いました。(明るい雰囲気なので全く無問題!)








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