京都旅行記2023Ⅱ~京都文化博物館で「もしも猫展」編⓵~ [日本の旅(京都)]
保津川下りの後、なんだか残念なお昼ごはんとなった後は、
烏丸エリアに戻ってきて、
京都文化博物館へ
もしも猫展
(ホームページ)https://www.bunpaku.or.jp/exhi_special_post/20230923-1112/
記事をアップしているタイミングでは既に京都での開催は終了していますが、
後手に記事を書くとそうなるのだと今回もしみじみ感じております。。。
にゃぁ
猫が人間のように話したら?という発想の擬人化作品(主に歌川国芳)を中心に、
江戸時代の擬人化作品を紹介する展示会です。
国芳の猫をたっぷり鑑賞したのは、令和に元号が変わるタイミングで訪れた仙台、
ここで観た「いつだって猫展」なのですが(その時は写真撮影禁止)
国芳が子猫を着物の懐に入れて絵を描く様子をお弟子さんが描いた作品を見て、
国芳の猫愛を感じて以来、こういう展示があるとついつい見たくなります。
歌川国芳先生
人間が描かれている絵、とそれを擬人化した絵の対比が展示されていましたが、
人間より猫などで描かれているとどこか雰囲気が温かくクスっと笑ってしまいます。
ちょんまげ姿の男性より猫の方が和む雰囲気になるような気がしました。
上の猫は国芳の「流行猫の曲鞠」という作品です。
QRコードを読み込むとスマホで説明が聞けます
展示会場の説明には以下のように書いてありました。
擬人化表現はパロディの一種ともいえ、人々が共有するイメージ、
つまり当時の人ならば誰もが知っている特質や伝承、
あるいは世間を騒がせた話題を元として制作されることがあります。
その場合、既存イメージからの逸脱によって生まれる「可笑しみ」に
妙趣があるといえるでしょう。
そこででまず展覧会の幕開けとして、擬人化して描いた作品と、
共有されていたイメージを具体的に見比べてみることで、
擬人化表現の魅力を再発見していきます。
着物を着てキセルを吸う猫(渋い)
(人で描いた絵もあったのですがボケボケ写真ばかりで割愛します。。)
お相撲さんは体は人間ぽい感じに顔が猫というのが若干シュールな感じもしますね。
続いて擬人化の効能
(説明)
室町時代から江戸時代前期にかけて、たくさんの物語(御伽草子)が創作されましたが
その中でも人ならぬもの(異類)を主役にすえた作例を「異類物」とよびます。
ここでは擬人化世界の入口としてまず異類物を、続いて昔ばなしや戯画、風刺画などに
より、江戸時代から明治にかけての擬人化作品を紹介していきます。
これらを眺めていくことで擬人化することによりどのような効能が引き出されるのか、
感じていただけることでしょう。
山本梅逸「虫行列図」
カマキリたちが虫籠を中心に列をなす。
前後には秋草を槍のように掲げるもの、蜂の巣や木の実の荷を担ぐものがおり、
まるで大名行列のよう。
武士の行列風俗を虫にやつしった可笑しさを楽しむとともに、
秋の景趣と虫の愛らしさを賞する作品であろう。
大名行列中の虫さんたち。
虫が苦手な方には愛らしく見えないかもしれませんね。。。。
大津絵「猫と鼠の酒盛」
タイトルだけで惹かれた作品です。(笑)
酒にのまれるな
鼠の天敵は猫であるはずなのに、一緒に酒を飲んでいるのはどうしたことか。
つまみの赤唐辛子と酒を入れた瓢箪を挟んで向かい合う猫と鼠をおおらかな筆致で描く。
猫に勧められるままに盃をあおる鼠だが、うっかり酔い潰れてしまったならば
自分自身が食べられてしまうのに。。。
慢心は身を滅ぼすことになりますよ、との教訓を描いた戯画である。
上の説明を読んで他人事ではないなとしみじみ思いました。(笑)
と、この大津絵と同じ画題を国芳が描くと、
クスっとしてしまいます
猫は自分が好きな蛸(猫の好物とされていたそうです)を鼠に勧めていますが、
「恐ろしいものを、にゃんとも思わざる心から、身をついにとらるる」
と、絵の上の方に書いてあったりして、油断大敵だな、と再び身が引き締まりました。
(まるで自分が鼠だったらみたいな見方をしてしまいました。(笑))
歌川広重「猫の鰹節渡り 釣狐」
「乱杭渡り」という軽業芸を猫のパロディにした作品だそうです。
木の杭の代わりに鰹節、さらに扇子に「にやん喰渡」と書いてあるのが
面白いですね。その猫の下に描かれているのが狂言「釣狐」のパロディで
狐が仕掛けた罠に猟師がおびき寄せられています。
歌川国芳「玉取り」
あれ、これどこかで観たことあるかも、と思ったら、
2日前に細辻伊兵衛美術館で観た手ぬぐい作品でした。
タッチが優しめ
同じ画題でも描き方で怖かったりちょっと優しく見えたりするのが面白いです。
と、長くなってまいりましたので、残りは明日。
(つづく)
烏丸エリアに戻ってきて、
京都文化博物館へ
もしも猫展
(ホームページ)https://www.bunpaku.or.jp/exhi_special_post/20230923-1112/
記事をアップしているタイミングでは既に京都での開催は終了していますが、
後手に記事を書くとそうなるのだと今回もしみじみ感じております。。。
にゃぁ
猫が人間のように話したら?という発想の擬人化作品(主に歌川国芳)を中心に、
江戸時代の擬人化作品を紹介する展示会です。
国芳の猫をたっぷり鑑賞したのは、令和に元号が変わるタイミングで訪れた仙台、
ここで観た「いつだって猫展」なのですが(その時は写真撮影禁止)
国芳が子猫を着物の懐に入れて絵を描く様子をお弟子さんが描いた作品を見て、
国芳の猫愛を感じて以来、こういう展示があるとついつい見たくなります。
歌川国芳先生
人間が描かれている絵、とそれを擬人化した絵の対比が展示されていましたが、
人間より猫などで描かれているとどこか雰囲気が温かくクスっと笑ってしまいます。
ちょんまげ姿の男性より猫の方が和む雰囲気になるような気がしました。
上の猫は国芳の「流行猫の曲鞠」という作品です。
QRコードを読み込むとスマホで説明が聞けます
展示会場の説明には以下のように書いてありました。
擬人化表現はパロディの一種ともいえ、人々が共有するイメージ、
つまり当時の人ならば誰もが知っている特質や伝承、
あるいは世間を騒がせた話題を元として制作されることがあります。
その場合、既存イメージからの逸脱によって生まれる「可笑しみ」に
妙趣があるといえるでしょう。
そこででまず展覧会の幕開けとして、擬人化して描いた作品と、
共有されていたイメージを具体的に見比べてみることで、
擬人化表現の魅力を再発見していきます。
着物を着てキセルを吸う猫(渋い)
(人で描いた絵もあったのですがボケボケ写真ばかりで割愛します。。)
お相撲さんは体は人間ぽい感じに顔が猫というのが若干シュールな感じもしますね。
続いて擬人化の効能
(説明)
室町時代から江戸時代前期にかけて、たくさんの物語(御伽草子)が創作されましたが
その中でも人ならぬもの(異類)を主役にすえた作例を「異類物」とよびます。
ここでは擬人化世界の入口としてまず異類物を、続いて昔ばなしや戯画、風刺画などに
より、江戸時代から明治にかけての擬人化作品を紹介していきます。
これらを眺めていくことで擬人化することによりどのような効能が引き出されるのか、
感じていただけることでしょう。
山本梅逸「虫行列図」
カマキリたちが虫籠を中心に列をなす。
前後には秋草を槍のように掲げるもの、蜂の巣や木の実の荷を担ぐものがおり、
まるで大名行列のよう。
武士の行列風俗を虫にやつしった可笑しさを楽しむとともに、
秋の景趣と虫の愛らしさを賞する作品であろう。
大名行列中の虫さんたち。
虫が苦手な方には愛らしく見えないかもしれませんね。。。。
大津絵「猫と鼠の酒盛」
タイトルだけで惹かれた作品です。(笑)
酒にのまれるな
鼠の天敵は猫であるはずなのに、一緒に酒を飲んでいるのはどうしたことか。
つまみの赤唐辛子と酒を入れた瓢箪を挟んで向かい合う猫と鼠をおおらかな筆致で描く。
猫に勧められるままに盃をあおる鼠だが、うっかり酔い潰れてしまったならば
自分自身が食べられてしまうのに。。。
慢心は身を滅ぼすことになりますよ、との教訓を描いた戯画である。
上の説明を読んで他人事ではないなとしみじみ思いました。(笑)
と、この大津絵と同じ画題を国芳が描くと、
クスっとしてしまいます
猫は自分が好きな蛸(猫の好物とされていたそうです)を鼠に勧めていますが、
「恐ろしいものを、にゃんとも思わざる心から、身をついにとらるる」
と、絵の上の方に書いてあったりして、油断大敵だな、と再び身が引き締まりました。
(まるで自分が鼠だったらみたいな見方をしてしまいました。(笑))
歌川広重「猫の鰹節渡り 釣狐」
「乱杭渡り」という軽業芸を猫のパロディにした作品だそうです。
木の杭の代わりに鰹節、さらに扇子に「にやん喰渡」と書いてあるのが
面白いですね。その猫の下に描かれているのが狂言「釣狐」のパロディで
狐が仕掛けた罠に猟師がおびき寄せられています。
歌川国芳「玉取り」
あれ、これどこかで観たことあるかも、と思ったら、
2日前に細辻伊兵衛美術館で観た手ぬぐい作品でした。
タッチが優しめ
同じ画題でも描き方で怖かったりちょっと優しく見えたりするのが面白いです。
と、長くなってまいりましたので、残りは明日。
(つづく)
タグ:京都
うわぁ~ステキな猫さまが沢山°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
by 溺愛猫的女人 (2023-11-18 20:30)
戦争がないのが一番。戦争あるとこういう絵もムツカシイと思ったりします。
by 夏炉冬扇 (2023-11-18 21:01)
溺愛猫的女人さん、こんにちは。
溺愛猫的女人さんが今年鑑賞された太田美術館の展示会に行けず、
もやもやしていたところでコの展示会を見つけて飛びつきました。(笑)
by うつぼ (2023-11-19 15:47)
夏炉冬扇さん、こんにちは。
戦争があると国威発揚など描きたくない絵を描かなければならないことが
多くなりますね。
猫がいっぱいいるだけでもう気持が緩くなります。(笑)
by うつぼ (2023-11-19 15:49)