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京都旅行記2023Ⅱ~京都文化博物館で「もしも猫展」編②~ [日本の旅(京都)]

猫のこととなるとつい長く書いてしまうのですが(=^・^=)
今回で書き終えます。
IMG_8126.JPG龍宮城
歌川国芳「龍宮城 田原藤太秀郷に三種の土産を贈る」という作品だそうですが、
琵琶湖に住む竜神一族を苦しめていた大ムカデを退治した秀郷が竜宮に招かれ、
礼を贈られるという構図らしく、ただ、土産3種ってなんだろう、と絵を見ても
よくわかりませんでした。釣鐘?反物みたいなものと藁に包まれているのは米?
後ろにいる老婆みたいな女性と周りのお魚さんたちが結構リアルな作品でした。 IMG_8128.JPG文明開化
昇斎一景の「開化因循興発鏡」。
明治初期の急速な社会変化を風刺した絵。
人力車と駕籠など新旧の文物対決となっているのですが、
白うさぎが豚をやっつけている様は、養豚用の豚の値段が高騰していたところ
愛玩用のうさぎが投機対象として注目を浴びるようになったことを表す、
と説明が書いてありました。
IMG_8129.JPG豚というより猪ぽく見えるかな 
IMG_8132.JPG温泉

望斎秀月の「新板ねこの温泉」という作品。
明治期、子供向けに作られたおもちゃ絵には「猫の○○」と題された作例が多く、
なかでも人気のあったのが「猫の温泉(銭湯)」で、擬人化された猫で描くことで
日常が一変する面白さ、水が嫌いな猫がお風呂につかる、着物を脱いで裸になる、
という可笑しさを感じられる作品だそうです。(確かに猫って水が嫌いですよね)
IMG_8133.JPG巨大鯰に猫
作者の記載がなかったのですが「大なまづねこのたハむれ」という作品。
地震の元凶となる大鯰を猫たちが食べてしまおうという絵。
「こう大勢の猫に責められては実に吾輩も恐縮の至り。髭でも切らずばならない。」
と鯰が弱った気持ちを打ち明けるという説明に思わず笑ってしまいましたが、
官吏のことを揶揄する用語に「鯰髯(なまずひげ)」があるそうで、
当時の彼らの対応を風刺しているかもしれないという説明もありました。
今は写真や動画加工で風刺(そう思えないものもありますが)することが
多いように思いますが、こういう鯰に猫の絵で態度のでかい官吏を風刺、
どこか遊び心もあって面白く鑑賞しました。
IMG_8135.JPG役者絵
歌川国芳の「日本駄右ェ門猫之古事」という作品。 
役者絵で猫耳の老婆は三代目尾上菊五郎。
本来は踊る猫たちも人形か着ぐるみに演じさせるそうですが、
じゃれつこうとする現実の猫の仕草をよくとらえて猫又という存在に
実在感を与えている絵。
威嚇する猫の大顔といい国芳の腕が冴える作品、と説明されていました。
歌舞伎も数えるほどしか見たことがありませんが、こういう絵を見ると
歌舞伎座まで観に行きたくなります。(^-^)

IMG_8137.JPG続いて、おこまものがたり 
猫のおこまの一代記をあらわした合巻(長編小説)「朧月猫の草紙」が
天保13年(1842年)刊行され、人気をよんだそうですが、
おこまちゃんの人生ならぬ猫生は波乱万丈そのもの、ハラハラドキドキの連続。
大の猫好きである山東京山と歌川国芳によって、猫にまつわる逸話や歌舞伎の
趣向がふんだんに盛り込まれ、変幻自在に変わる猫たちの姿も飽きさせず、
今回の展示会では、異類(人ならぬもの)の婚礼儀礼をつづった「嫁入物」の
流れの中に同署を位置づけながら「おこまものがたり」の継承と広がりを明らかに
しているという説明でした。
IMG_8139.JPG読んでみたら
いきなり「ぴちぴち」するおこまちゃんという物語に笑うこともできず
粗相で奉公を首になるなんてなんだか可哀想、、、という気持に。(;_:)
IMG_8141.JPG歌川国芳「しん板猫のはなし」
「おこまものがり」がおもちゃ絵にも進出、本作の主人公はおたま、
しろねこと恋仲になるも洋犬に追われて別れ別れに。
横恋慕されたあげく殺されかけたり、逃亡先の先輩猫にいじめられたりと、
散々な目にあうが、ようやく恋人と再会し、めでたしめでたし。
という説明が書いてあったのですが、文章だけ読んでいるとどろどろな感じ、
笑うに笑いづらい(殺されかけてるし( ゚Д゚))のですが、 
IMG_8142.JPG絵を見るとなんだか楽しそう(笑)IMG_8147.JPG「新板猫の海水浴行」
鉄道から始まる海水浴への旅は、この頃の新しいレジャーであり、
母猫が「海に入るよりも魚を食べるのが楽しみ」というように
猫だけに魚に興味津々なあたりが楽しい、尚、駅舎の屋根には擬人化されて
いない普通の猫がいる(絵の下の茶色の猫)、という説明でした。IMG_8151.JPG注意書きも猫!
IMG_8153.JPG歌川国芳「八代目市川団十郎死絵」 
歌舞伎役者の八代目団十郎が急死(自害)したことを伝える浮世絵。
ロウなyク問わずあらゆる立場の女性たちが彼の死を嘆き悲しむ中に
猫がそっと描きこまれています。
涅槃図のパロディだが猫まで悲しむ人気だったのに、、ということだろう。
犬でもなく鼠でもなく、猫だけが参加している、という説明で、IMG_8155.JPG猫も泣いてる。。 IMG_8156.JPG
歌川国芳「初雪の戯遊」。
御殿女中たちが降り積もった雪で作るのが雪だるまならぬ雪猫。
豪華な小袖の裾をからげ、手足を凍えさせながら若君のために作ってみせている
ところのようで、実際に当時の人々がこうした猫の雪像を作っていたというよりは、
国芳らしい作画上の遊びだろう、という説明に、見ながら私も納得しました。 
IMG_8158.JPGIMG_8160.JPG
歌川広重「名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣」(左)と、
月岡芳年「風俗三十二相 うるささう寛政年間処女(おとめ)の風俗」(右)

広重の絵は他の美術館でも見たことがありますが、
右の絵は初めて見ました。
鬱陶しそうな表情の猫がなんともいえないのですが、女性の可愛がりぶり、
見ていて思わずにんまりしてしまう絵でした。 
IMG_8162.JPG最後はこちら
天保12年(1841年)、歌川国芳による団扇絵「猫の百面相」が流行し、
猫を人のように描くのではなく、実在する人間の歌舞伎役者を猫に見立てて
描くというこれまでにない新機軸の趣向。
「もしも、あの有名人が猫になったら?」というアイデアにより役者の似顔を
面白かしく描く役者戯画、の展示です。 
IMG_8163.JPG歌川国芳「猫のおどり」
大黒舞を踊る役者を猫の姿で描いたもので、一番右の猫が二代目市川九蔵。IMG_8170.JPG歌川国芳「亀喜妙々」
人面の亀が集う奇妙な絵。
役者の似顔絵になっていて甲羅にそれぞれの役者にまつわる紋が隠されている、
という説明でしたが、ちょっとこれはホラーな感じがしてしまい遠くから眺めて終了。
IMG_8179.JPGやっと最終コーナーにやってきました
いかに対象を観察し描くか、そしてアイデアをどのように膨らませ形にしていくか。
「百面相」で培われた画才は、そのまま猫の戯画に結実し、国芳の観察力や的確な

表現力とともに次から次へとあふれでるユーモラスなアイデアをお楽しみください、
という説明を読んで、確かに観察力、凄いもんなあ、と思いながら鑑賞しました。IMG_8180.JPG作品名失念
(最後の方はちょっと燃え尽き感がありました(笑)) 
IMG_8182.JPGでも楽しかった!
京都を再び訪れてから伊藤若冲の描く鳥の羽の細かい描写に惹かれるようになった
のですが、歌川国芳の描く猫の表情や発想の凄さもこうやって色々見ることができて
40代後半から50代半ばの今に至るまでにそれまで知らなかった世界を見るように
なりました。

今回の企画展、学芸員さんの企画力の素晴らしさを感じましたが、
運よく鑑賞することが出来て有意義な時間となりました。

この後は、一旦ホテルに戻ってある方と一緒に夜の部です!



(つづく)





 

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夏炉冬扇

江戸末期から明治始めの版画の類、欲しいですね。ぎゃらりぃに飾ります。
by 夏炉冬扇 (2023-11-19 22:15) 

うつぼ

夏炉冬扇さん、おはようございます。
浮世絵は中年になってからよく見るようになりましたが、構図やちょっとした
捻りなど見ていて飽きませんね。
夏炉冬扇さんのぎゃらりぃに飾れる日が来ますように!
by うつぼ (2023-11-20 07:58) 

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