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映画「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」を観る [映画(や・ら・わ行)]

予告編を見て気になった作品です。

T0021066p.jpg アレハンドロ・モンテベルデ監督作品

あらすじはYahoo!映画さんより。

第2次世界大戦の最中、
カリフォルニア州の漁村で暮らす8歳の少年ペッパー(ジェイコブ・サルヴァッティ)は、
村で一番背が低いことから周囲に“リトル・ボーイ”と言われていた。そんなペッパーは
父親ジェイムズ(マイケル・ラパポート)のようになりたいと思っていた。
ある日、扁平足で入隊できない兄(デヴィッド・ヘンリー)に
代わり父が徴兵されてしまい……。




メキシコ人の映画監督が広島に落とされた原爆がLittle Boyと呼ばれたことを知り
この映画を作ったとのことですが、ハリウッド資本も入っているとはいえ、
派手な演出もなく和やかな気持ちで見られました。


ただ、この副題は不要です。ついていない方が絶対いいのにな。


小さな町で、年齢の割に小さいことを理由にいじめられるペッパーが、
日系人で初老の男性ハシモトと心を通わせていく話です。


偏平足で入隊審査に落ちたペッパーの兄(ロンドン)の代わりに戦地に行く父、
その父といつも一緒に読んでいたアメコミヒーローの魔術師ベン・イーグルのように
自分も念ずると願いが叶う、と思っているペッパーが、父の帰還を願って、
アジア(父が捕虜として収容しているフィリピン方面のことだと思うけれど)に向けて
毎日毎日念じていると広島に原爆が落ちてその後終戦。。


最初は、自分のあだ名と同じLittle Boyが広島に落ちたと町中が喜ぶ様子に、
自分が念じてそうなったと喜ぶペッパーが 、きのこ雲があがり町中が焼け廃れた様子を
映画館で観て、自分のやってしまったことがよかったのか考えてしまうのですが、
素直なペッパーの様子に君のせいじゃないよ、と画面越しに言いたくなりました。


戦地に行ったお父さんが早く帰ってくる為にどうしたらいいか、と相談した教会の司祭、
この人が、そのためにやることをリストにしてペッパーに渡し、
それを一生懸命実行しようとするペッパーの姿にどこか微笑ましさも感じましたが、
戦争の頃の話を書くというのは、どちらの目線で見るか、にもよるんでしょうね。


日本の敵であったアメリカが舞台、そこに住む日系人に対する差別、いやがらせ、
当時そういうことがあったのは事実だったと思いますし、日本軍の捕虜に対する
酷い態度も実際あったんだろうな、と思いながら見ましたが、
蒙古襲来で活躍したクメマサオ(私しらないんですけどそんな人がいたの?)の場面で、
どこか微妙な日本な描かれ方もありましたが、これはある程度は仕方ないかと。


ハシモトを演じる日系2世?のヒロユキタガワという俳優さんの好演もあり
(結構日系の俳優さんが出ています、中国系じゃなくてそこはホッとしました)
家族愛について物語の展開に素直に入って楽しむことができました。



戦争は、勝っても負けても、どちらが正しくてどちらが間違っている、
どちらが良くてどちらが悪い、ということはないと思いますが、
一人の小さい少年の素直な姿に人を信用することの大切さを改めて感じた
「リトル・ボーイ」でありました。



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