映画「チャドルと生きる」を観る [映画(た行)]
イラン映画です。
あらすじはYahoo!映画さんより。
ある女性が女の赤ちゃんを産んだ。
女性の母親は“男の子でないと離縁されてしまう”と慌てふためく……。
刑務所から仮釈放されたばかりの3人の女性。
彼女たちは逃避行の為なら何でもする覚悟だった。
その中の1人は故郷を目指すが、身分証がなく、
バスターミナルで切符を買うのもままならない……。
時を同じくして、妊娠した未婚女性が堕胎の為に刑務所を脱走する。
実家に逃げ帰るも実の兄弟たちに追い出されてしまう……。
町で行く当てもなく彷徨う母娘。
母親は生活苦のために実の娘を捨てようとしていた。
娘の幸せを願えばこその決断だった……。
同じ地球に暮らす女性たち、こうも自分と異なる環境で暮らさざるを得ない、
そういう現実を見せてくれる映画だと思いました。
ドキュメンタリーというわけではないのですが、ドラマでもない、
色々な女性が次々と映し出されて、、そのまま終わります。
チャドルといっても、同じイスラム教でもかなり浅く被る国もあれば
殆ど肌が見えないくらいに被る国もありますが、イランは後者でしょうね。
自分と違うから気の毒とか不幸とか思うのもどうかと思いますが、
映画の中の彼女たちは決して笑うことはなく、幸せには見えませんでした。
刑務所に入っていた女性もどういう罪状だったのか、
軽微なものでも女性というだけで捕まるのかもしれないし、
そんな気持ちで見ていました。
解決されない(ゴールのない)問題を抱える女性たちを映していますが、
おそらく、結婚して家に入っている女性はある程度護られて暮らせるでしょう。
映画に登場するのは事情があって、一人で生きていかなければならない、
(最初の子供を産んだ女性も離縁されて一人になるかもしれませんし)
この国ではまともと思われない部類なのかもしれない女性たち。
こういう女性たちがリレーのように次々と映し出され、ぐるぐるとまわっている、
(英語の題は“The Circle”ですし)
一度何かの事情で厳しい状況に置かれた女性が、再び護られて暮らせるところには
きっと戻れないだろうな、と自分ではどうにもできないもどかしさはありますが、
女性として、こういう環境に置かれている女性がいることを知ること、他人事には
思わないことが大切なのかと思った「チャドルと生きる」でありました。