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映画「枯れ葉」を観る [映画(か行)]

久しぶりカウリスマキ監督の新作ということで
枯葉.jfif

あらすじは映画.comさんより。

フィンランドの首都ヘルシンキ。
理不尽な理由で失業したアンサと、酒に溺れながらも工事現場で働くホラッパは、
カラオケバーで出会い、互いの名前も知らないままひかれ合う。
しかし不運な偶然と過酷な現実が、2人をささやかな幸福から遠ざけてしまう。
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新しい映画なのにどこか懐かしい古さも感じられるような作品でした。

ラジオから流れるロシア・ウクライナ紛争のニュース、スマホを持つ姿は
現代なのだと思いますが、質素な暮らしぶりを観ていると今の時代なのに
そう見えづらいところもあったりする、独特の雰囲気を醸し出しながら
物語が進行していきました。

このカウリスマキ監督作品で最初に観たのが、
このどこかシュールで笑える映画だったのですが、
独特の世界観を持つ監督というか、今作は笑える映画ではないものの、
孤独で不器用な2人が出会う、楽しい時間の後のすれ違い、
ああこの2人はどうなってしまうのか、ともどかしさもありましたが、
最後は2人が心を通わせるところで終わり温かい気持ちで観終わりました。

アル中のホラッパは、かなり重労働の工場作業員で事故が起きないかヒヤヒヤして
観ていたらやっぱり事故を起こして職を失う、治療を受けようにも余裕がないのかな、
どこかアル中から脱する機会はないのだろうか、と若干というかかなり我が身に
置き換えると心配なキャラクターでした。(^^;

一方のアンサも真面目に働くものの要領がよくないために職を失い、
やっと見つけた仕事も給与未払いという、良くないことばかりが起きますが、
ホラッパとの出逢い、新しい職場で出会った犬との生活、少しずつでも
自分の生活を安定させていこうとする姿、そのお陰で、ホラッパもきっと
アル中を克服していくのではないか、と思えるような終わり方でした。

面白かったのは、2人が一緒に映画を見に行った時の作品。
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なぜかこれ。(笑)
(イギー・ポップがゾンビで出演していてびっくりした作品)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2020-06-16

思わず映画館のスクリーン越しに「なぜこのゾンビ映画が!」と思ったのですが、
ホラッパとアンサが楽しそうに鑑賞しているのを観たら、
私ももう一度観たくなりました。

生活に疲れているためなのか殆ど笑わないアンサとホラッパの2人が醸し出す、
なんともいえない不安と期待入り混じるような雰囲気を観ながら、
気づけば共感して応援してホッとして観終わったような何とも言えない深さのある
「枯れ葉」でありました。







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夏炉冬扇

いい映画だけど、重そうですね。
流れに任せて生きるほかなし。総括的(数年早いかも)には人生はこうだと思っております。
by 夏炉冬扇 (2024-01-27 20:39) 

うつぼ

夏炉冬扇さん、こんにちは。
何も考えないで見られる映画も好きですが時々こういう感じの深いというか
考える映画も観たくなります。
人生は自分が思ったようにならないことが多いと思いますが、自分が前を
向けば変わっていけることもあるのかもしれませんね。
by うつぼ (2024-01-28 14:46) 

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